チンピラに手紙を投げつけて反乱軍がいるよーっていうのを伝えた。
正直言って緋ちゃんの作った手紙をあんな奴に渡したくはなかったけど。
いや、私が転移して渡せばよかったかもしれぬ。
ぐわぁー、なぜそれを思いつかなかった、私!
とりあえずチンピラは後でバルトにお仕置きしてもらおう。
反乱軍を討伐する軍は、情報が入ってから一瞬で結成された。
おいおい、即断即決ってもんじゃねーぞ。
しかもしれっとやばい奴もまぎれてるし。
まずは、鬼くん。
憤怒発動前でもステータスは5000前後。
そしてレーヴァテインというチート武器を所持している。
次はアエル。
うん、ちょっと待とうか。
君神話級だよね。ステータス10000くらいの。
人の手に負えないとされる。
次はメラ。
ステータスは25000前後。
おかしいよね!?
メラって元はただの従者なんだよ。
それを緋ちゃんが魂の傷を回復させたおかげでステータスが伸びやすくなっているとはいえ、これはやばすぎる。
だってクイーンタラテクトよりも高いんだよこれ。
あ、マザーは別ね。
あんなのに勝てるわけないじゃん。
というかそれでも追いついてない吸血っ子の40000やマリィムちゃんの27000、果てはチェリシアちゃんの90000がやばいだけ。
インフレしすぎ。
チェリシアちゃんは今やもう魔王か緋ちゃんしか止められないからね。
神話級ってだけで人に甚大なダメージを与えることができるっていうのに、こんなにいてどうする。
鬼くんが低く見えてくるのがダメだろ。
だって鬼くんって、ステータスだけだとあのアラバより強いんだよ。
うん、これは無双しそうな予感。
だけど、なんか、嫌な予感がするんだよね。
さて、じゃあ吸血っ子たちを連れて調査に行くか。
吸血っ子のことだから絶対ついてこようとするでしょ。
まずは緋ちゃんを呼びに行こう。
「緋ちゃーん、行くよ……およ?」
あ、緋ちゃん寝てるや。
寝たらなかなか起きないから、そっとしておこう。
また毒を分解してるのかな?
「反乱軍。行く?」
「行くわ。置いていくなんて言わないわよね」
「私はサイリスが寂しがるから行かない」
「それじゃあ私は行こうかしら。ユーゴ―も予定があるって言ってたし」
吸血っ子は即答。
マリィムちゃんは行かなくて、チェリシアちゃんは行くと。
あとは、人形蜘蛛たちどうしよう。
うん、連れていくか。
ということで反乱軍がいる街にやってきました。
この世界の戦争って見たことないからちょっとわくわくするね。
え、敵軍の中にブラックホール作り出した人のすぐ横にいた奴がなに言ってるんだって?
あれは戦争じゃないよ。
圧倒的戦力との戦いは戦争じゃなくて蹂躙って言うんだよ。
とりあえず、やっとまともな戦闘を見れそう。
……と思ったんだけど、なにこのワンサイドゲーム。
鬼くんの剣が敵軍が頑張って作った壁に当たって爆発。
さらにメラが暗黒槍をドッカンドッカン撃ちまくってる。
まごうことなきオーバーキル。
特にメラさんや、あなたクイーンタラテクトより強いんだからもっと自重したら?
容赦なしに上位の魔法を撃ちまくってる。
「何よあいつ、あの剣を使えばこの街を焦土にできるのに。本気出しなさいよ」
「ソフィア姉、それしたら数が減って魔王の壁の必要数が減るわ。数の無駄遣いよ」
吸血っ子、こえー。
なんやねんその野菜星人みたいな思考。
そしてチェリシアちゃん、あーた人の心はないんか?
完全に魔族を駒としか見てない。
しかも魔王みたいに恨まれることを罰として心を痛めてるわけでもない。
本心からそう思ってる。
教皇かな?
数としか見てないのがこえーわ。
『お母様、お母様』
ん?緋ちゃんの分体、たしか統率用分体の
通信がかかってきた。
はいよー。
『どうやら敵は尻尾を出したようです。ポティマスが絡んでいるという音声を拾いました』
おお、まじかい。
というか位置情報まで送られてきた。
どうやらポティマスは転移陣を作ってたみたいだね。
これから逆侵攻をかけるってこともできちゃうわけだ。
よし、行こう。
あ、転移陣があるってことはメラはともかく鬼くんは危ないかもしれない。
吸血っ子達には鬼くんを助けに行ってもらおう。
そういう映像を目の前に出して、吸血っ子達に伝える。
伝え終えたら、私は真っ先に転移陣があるところへ転移した。
そして魔力を流して転移陣を起動する。
「今からそちらに向かうが、援軍としての戦力は期待しな、い、で……」
目の前が一瞬暗転し、次にはっきりした時、ポティマスが立っていた。
うんうん。
おらぁ!先手必勝パーンチ!
からのかめ〇め波もどき!
ここで会ったが百年目!容赦はせんぞ!
「ポティマス様!?」
おっと、エルフが狼狽えてる。
けどどちらにもあまりぼうっとしてる暇はなさそう。
狼狽えてるエルフ達を歪曲の邪眼でぐちゃり。
次は周りにいるエルフ達に虚空魔術を放つ。
はははー!暗黒波動波ー!
緋ちゃんに教えてもらった。
すごい難しいけど強い。
これでこのまま全て破壊しつくしてくれるわ!
「抗魔術結界起動」
が、その前にポティマスが結界を起動。
透視ができなくなったから目の前が真っ暗になる。
そして虚空魔術もきれた。
私は緋ちゃんみたいに抗魔術結界の中でも精密な魔術をうまく発動できないから、これはしかたない。
仕方なく目を開けると、最初の攻撃で仕留めそこなったサイボーグ兵がこちらに銃口を向けていた。
やばっ!
バッと飛びのいてスパイダーネットを放つ。
ふははは、これで隙はついた。
壁をぶち破って逃げる。
……ん?あれ?
ここ地下やん!
「撃て、確実に息の根を止めろ」
やばいなー、考えなしにつっこみすぎた。
このままじゃ死ぬから魂を移動させよう。
魂が異空間に入ろうとする直後、抗魔術結界があるにも関わらずなにかが転移してきた。
「*殺す」
まあそんな気はしていたけど、緋ちゃんだった。
ポティマスが驚愕に顔を染めている。
緋ちゃんがナイフをポティマスに向ける。
そのナイフが振られると、その場にすさまじい衝撃波が吹き荒れた。
あ、もちろん私は避難してるよ。
というか私のところだけ衝撃波が来なかったし、緋ちゃんは私に当てないようにしていた。
緋ちゃんに随分心配かけちゃったな……。
この反省は後に生かそう。