姫蜘蛛ですが、なにか?   作:トンTon

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4 魔法の使い方がわかんないよー

ボーッとしている間に蜘蛛子さんに背負われていた。

ハッと正気に返ったけど、蜘蛛子さんは私のことをずっと背負っていてくれたんじゃないだろうか。

ありがとうって念話で送ると、「言われるほどのことをしてない」と返ってきた。

今回は助けられたけど、いつか私が蜘蛛子さんを助けないとね。

 

マイホームが燃やされて、私は決めた。

蜘蛛子さんの障害すべてをなぎ倒すと。

蜘蛛子さんの覇道を邪魔するものは、すべて敵。

私が蜘蛛子さんを守る。

たとえこの身を犠牲にしてでも。

そして、蜘蛛子さんに褒めてもらうんだ。

ケツイがみなぎった。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル「奉呈LV2」が「奉呈LV3」になりました》

 

そのためには、魔法の練習をしなきゃいけない。

イメージはついてる。

マイホームを燃やされた、あの炎を再現すればいい。

あれが魔法なのか松明なのかは分からないけど。

蜘蛛子さんが感じていた怒りと、悲しみと、あの悔しさで何かを掴んだ気がする。

私は反応が薄かったけどね……。

とにかく、魔法、要は魔力を操作すればいい。

こんなファンタジー世界なんだから、魔法が無いほうがおかしい。

なら、私でもできるはず。

それと並行して、水とか風とか、土の魔法も練習してる。

できるかはわからないけど、この努力が無駄になることはないと思う。

後は、鑑定。

あの一回発動しただけで気絶するようなもののレベルを上げたいっていうのは、かなり無謀だと思う。

けど、やるかやらないかで言ったらやるでしょ。

 

<壁>

<床>

<石>

<岩>

 

ぐ……うぅぅ……。

情報が頭の中に流れ込んでくる。

痛い、苦しい……!

でも、蜘蛛子さんの為に……。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル「外道耐性LV1」を獲得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル「気絶耐性LV1」を獲得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル「苦痛耐性LV1」を獲得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル「並列思考LV6」が「並列思考LV7」になりました》

 

頭がオーバーヒートしそうになる。

自分の根幹が壊れそうな感覚を味わう。

麻酔無しで体を八つ裂きにされているような、そんな痛み。

あ……あぁぁぁ。

うぅぁぁぁ。

………………?

根……幹……?

 

 

 

 

 

『大丈夫、姫蜘蛛ちゃん!?』

 

気を失っていたらしい。

失いつつもやっていたような気がする。

そのおかげで、何かが見える。

流れのようなものが。

これが……魔力?

でも、それを操作するのが難しい。

というか、今は頭が痛い。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル「外道大耐性LV2」が「外道大耐性LV3」になりました》

 

鑑定は……LV3って聞こえた。

うーん、確かに一つ鑑定する度に気を失いかけるから、あまり鑑定できてないのかな。

 

<プリンセスタラテクト LV8 名前 なし>

 

結果がこれだけだから、もうなんか悲しくなってきた。

酷い、こんなのあんまりだよ。

……魔力が見えたから、いいかな?

 

『いや良くない』

 

蜘蛛子さんは心配してくれるんだね。

大丈夫、もう何も怖くないよ。

 

そういえば、私の体に糸が巻き付いてる。

多分蜘蛛子さんが巻いてくれたんじゃないかな。

そこにバジリスクと蛙がいるし、私の為に残してくれたんだと思う。

それを食べて、また探索に行く。

私は遅いから、蜘蛛子さんの上に乗っておく。

ちょっと進んで見えたのは、ゲジみたいな気持ち悪い魔物。

種族名はエルローフェレクト。

蜘蛛子さん後ろから不意打ちすると、アッサリ成功した。

なーんだ、大して強くないね。

食べるのには抵抗あったみたいだけど。

あと食べた後体がしばらくの間動かなくなった。

蜘蛛子さんはぎこちなくなる程度だったのに、私は完全に動かない。

これが才能の差かな……。

鑑定もLV4になったって言ってたし……。

 

蜘蛛子さんの上から糸をエルローフェレクト……もうゲジでいいや……に投げて、動きを封じてから蜘蛛子さんの毒牙が炸裂する。

その名もクモーニングスター。

蜘蛛子さんが決めてくれた。

麻痺耐性も手に入れて、順調順調。

その後もゲジを倒していくと、暗殺者の称号を手に入れた。

隠密は既に持ってたから統合されたけど、影魔法が気になる。

魔力はまだ操れないからできないけどね。

過食っていうスキルもゲットした。

それと私がLV9になった。

 

今日も今日とてゲジを狩る。

蜘蛛子さんが索敵糸やりたいなーって呟いてたから、それは私がやった。

おかげでゲジがかなり見つかる。

魔法の練習もしてるから、並列思考がLV8に。

今回は崖っぽいのを見つけたから、そこに行く。

チラッと崖の下を見ると、大量のゲジがひしめいていた。

そのゲジが此方を見る。

なんか追ってきそうな気がしたから、大きめのクモーニングスターを投げる。

これで時間を稼いで、後は蜘蛛子さんに逃げてもらう。

 

《条件を満たしました。称号<糸使い>を獲得しました》

《称号<糸使い>の効果により、スキル「操糸LV1」「斬糸LV1」を獲得しました》

 

その間に、獲得した称号を確認する。

確認といっても、声で伝えられるから推測するだけなんだけどね。

今回獲得したのは、操糸と斬糸。

操糸は糸を操るとかかな?糸使いだからね。

斬糸は斬れる糸ってやつかな?

あの数のゲジにクモーニングスターをやったのが功を成したかな。

私を背負って、蜘蛛子ちゃんが逃げる。

クモーニングスターでかなりの数を足止めできたけど、当たらなかったゲジが来てる。

逃げて、逃げて、やっと撒いた。

スタミナが半分くらいまで減ったと蜘蛛子さんが言う。

あー、死ぬかと思った。

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