姫蜘蛛ですが、なにか?   作:トンTon

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白4 逆転(できない)裁判

私です。

死んだと思った?

残念、生きてるよ!

まあ、私は余程のことがなければ死なないから大丈夫。

ゴキブリ並に残機が大量でしぶといぞ!

分体復活はすごく便利。

私が一匹いたら百匹はいると思うがよい。

しかも、なんか知らんけどたまに死なない時があるんだよね。

前に腐蝕攻撃の実験で体が爆発しかけたけど、なぜか無事だったし。

忍耐か?忍耐なのか?

その時の光景をレッドに聞いてみたけど、特になにかが起こった風でもなかったらしい。

強いて言うならば、目が赤色に光り輝いていたとか。

うん、私の目はいつでも赤だよ。

もしくはこれが緋ちゃんの言うケツイってやつかな?

 

って、そう!

私のことはどうでもいい!

緋ちゃんがぶっ倒れたんだよ!

私を助けてくれたんだけど、その時はまだ毒が分解できてなかったみたいで、緋ちゃんは毒が回って意識を失ってしまった。

あわわわ。自分の迂闊な行動を恥じるばかり。

そういえば、緋ちゃんと出会った直後もこんなことなかったっけ?

懐かしいなー、私が心の中でボケをかましてたら蛙が酸を飛ばしてきたんだったっけ。

あの頃は回復も何も使えなかったから大変だった。

今は緋ちゃんに回復の魔術をかけることができる。

正直私の体はすぐ再生するからどうでもいい。

緋ちゃんが心配だ。

 

 

 

あれから数日、やっと緋ちゃんが目を覚ました。

なんだか雰囲気が少し変わったように見える。

とにかく、元気になってよかった……。

そしてまた公爵邸でぐーたらするかと思った私達に、魔王から呼び出しがかかってきた。

どうやら反乱軍の首魁を務めたワーキス氏の裁判をするみたいだね。

ということで魔王城に来たわけだけど、そこはそうそうたる顔ぶれだった。

魔王が裁判長が座るような席に座っていて、その横に大佐。

えっと、たしか本名はアーグナーだっけ。

で、その対面にはバルトが座っていて、バルトのすぐ隣にはチンピラが座っていた。

その後ろにはなぜか鬼くんとメラがいる。

ここからは初対面の人たち。

とはいっても我が分体の情報収集によってすでに知ってるんだけどね。

その中でも最初に目についたのは、おっぱいだった。

うん、我ながらひどい解説の仕方だとは思う。

けどやべぇよ。ありゃやべぇよ。

メロンだかスイカだか、とにかく恐ろしいものの片鱗を味わったぜ。

透視のおかげでガン見してるのがバレないのが救い。

まあ緋ちゃんには小突かれたけど。

なぜバレた!

 

「魔術の行使の痕跡くらい見えるよ」

「まじか」

「触りたいのなら私のを触らせてあげるよ」

「……っまじか」

 

……そんなおっぱいさんの本名はサーナトリアさん。

……あー。……うー。

やばい。今頭の中に緋ちゃんのおっぱいしかない。

煩悩を振り払う。

そんなことより紹介だ!

サーナトリアさんは第二軍の軍団長。

たしかチェリシアちゃんとも親しくしてたはず。

いちおう反乱軍に関わってた人なんだけど、最近は消極的になってきたらしい。

チェリシアちゃん、洗脳してないよね……?

まあこれからも分かる通り、全ての軍団長がこの裁判に来ている。

どれだけ大事だったのかが分かるね!

 

で、第三軍団長は鍛え上げられた筋肉に歴戦の傷跡。

でも気弱そうな雰囲気で見掛け倒し感がすごい。

そんな見掛け倒しの巨漢さんはコゴウさん

第四軍団長はバルトだから飛ばして、大五軍団長。

一言で言うと、武士っぽいなにか。

雰囲気は武士なのに、見た目は歌舞伎役者。

何故?

そんな武士っぽいなにかの本名は、ダラド氏。

で、第六軍団長はショタ。

いや、多分実際は大人なんだとは思うよ?

けど、成人しても子供に見える人みたいな感じでショタっぽいんだなぁこれが。

所謂合法ショタか。

あ、それなら鬼くんは脱法ショタだね。

見た目は青年なのに実年齢は幼児だし。

ってそんなことはどうでもいいか。

そんなショタくんの本名はヒュウイくん。

次は第七軍団長。

なんと、これがワーキス氏なのだ。

ていうか、反乱軍を構成していたのってほぼ第七軍だからね。

大佐、おっぱい、巨漢、武士っぽいなにか、合法ショタ、でもって反乱軍のリーダー。

いやーなんかみんなキャラが濃いね!

それに比べて残りの軍団長の普通さよ。

第八軍団長は気の弱そうなおっさんで、第九軍団長はやり手のサラリーマンで、第十軍団長はイケメンだけど幸の薄そうな人。

特徴的ではあるんだけど、今までに紹介した人達に比べるとどうしても影が薄い。

肝心要の軍団もないし。

 

「白ちゃんはこっち。ここ座って。緋ちゃんはその隣ね」

 

ひぇっ。

魔王に呼ばれた席は、魔王のちょうど隣だった。

めっちゃ偉い人が座る席だこれ。

やめてください。初対面の人達。そんな私を見ないで。

ていうかそんな視線を受けても堂々としてる緋ちゃんはすごいな。

 

それで私達がそろったから魔王は裁判を始めたわけだけど、もうワーキス氏の処遇は決まってるんだよねー。

当然、処刑。

ワーキス氏の、気迫がこもった反論も大佐が魔王の味方についたことで意味をなさなくなる。

そして魔王の反逆者という言葉によってワーキス氏はもう何もできなくなった。

やべぇよ。威圧とか放ってないのに魔王の言葉の重みは桁違い。

ただ、それでもまだほんの少し反論する力があったのが、いかにワーキス氏は優秀な人だったのだということがわかる。

 

「はい、てことで処刑開始しちゃおう!ブロウ、ワーキスを処刑しろ」

 

魔王はチンピラに処刑を言い渡す。

これは、踏み絵だね。

いつでも魔王に反抗的な態度をとっていたし、ここでこうなるのは運命だったといえる。

チンピラはワーキス氏のこと殺せるかな?

無理だろうなー。

でも殺さないと、チンピラは反乱軍の味方だって示すことになる。

そんな状況だった訳だけど、ワーキス氏は自死を選んだ。

うん、最悪の結果だけは免れたみたいだね。

処刑は終わった。

魔王は私達に残るように、そして残りの人は解散と伝えた。

私達しかいなくなったころ、魔王は口を開いて閉じる。

すると、ワーキス氏の亡骸は血の一滴すら残さず消えていた。

チンピラが見たら激怒しそうな光景だけど、違う。

私と緋ちゃんならわかる、この行動の意味。

魔王はワーキス氏に敬意を表しているんだ。

血の一滴すら残さずに食べることによって。

まあ、魂を食べることは流石の魔王にもできないけど。

でも緋ちゃんは魂を弄ることができてしまう。

こんな風に。

 

「そうですか。それならば、光栄ですな」

「っ!?ワーキス!?」

「私は今でも間違ったことをしたつもりはありません」

「ああ、そっか。緋ちゃんか」

「ですが、少しは貴女に共感できますよ。これからは魔族と世界、両方を救うために私は身を粉にするとしましょう」

「魂を回収して、生き返らせてみたよ。スキルとかは回収したけど」

 

死者蘇生ができるとか、やばいとしか言いようがないね。

ワーキスも味方についた訳だ。

いや、味方ではないのかな?

教皇よりは協力してくれるけど、私ほど積極的ではないって感じかな。

ていうか透けてるんだけど、幽霊?

ああそっか、肉体がないから。

 

「さて、白ちゃんと緋ちゃんに残ってもらったのは、情報の共有をしたいからだよ。結構面倒な案件でね……」

 

ん?情報の共有?

なんか厄介事っぽいんですけど?

魔王をして面倒ってどういうことや。

エルフか?

でもエルフの動向はほぼ把握してるからなー。

てことは転生者か。

 

「詳細は実際に会ったラズラズくんから説明してもらおうか」

 

え?

会ったの?どこで?

鬼くんは反乱軍とドンパチしてたはずだけど。

あー、なんかすごい嫌な予感が。

 

「僕が会ったのは先生。反乱軍に加担していた。エルフの一員としてね」

 

…………は?

……はあ?

はあ!?

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