姫蜘蛛ですが、なにか?   作:トンTon

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白5 いつか儚く消えてしまいそうな

Dにクレームつけに行った結果、Dは冥土さんに出荷されていった……。

ま、まあ何が起こってるのかは分からないけど好都合。

とりあえず、まずは先生を人族領に帰さないと。

そのために国境線辺りを調べたら、まさかの転生者を発見してしまった。

あちゃー。これは下手に先生と合流させたら面倒だぞ……

そこの集落はメラに滅ぼしてもらおう。

わざわざ面倒見るの嫌だからさ。

もうなんか適当に放逐して、後は好き勝手やってくれみたいな感じ。

それじゃあ次は人族の王、教皇に直談判しに行こう。

この転生者を放逐するわけだから、先に話を通しておかないとね。

 

「緋ちゃーん。行く、よ……っ!?」

 

また緋ちゃんが倒れてる!

力を取り戻してから、緋ちゃんが倒れるスパンはかなり長くなった。

だけど、いつからか、そのスパンが再び短くなっている。

起きている時も、ふと眩暈を起こして私が支えることがよくある。

毒が回っているのか、ただの疲れか……。

分からないけれど、どうか体を大事にしてほしい。

 

 

 

教皇を説得完了。

なんかエルフを打倒するみたいな流れになったけど、まあ何とかなるっしょ。

緋ちゃんもいるしね。

……いや、これは私が頑張らないといけないか。

いつまでも緋ちゃんに頼ってちゃいられない。

また無理をさせるわけには……。

 

「ほんと、白ちゃんって緋ちゃんのこと好きだよねー」

「絶対に切れない赤い糸っていうか?はははー!」

「大事にしなよ?」

「言われなくても大事にするよ、魔王」

「そう。……後悔しないようにね」

「うん。世界をなるべく緋ちゃんの力を使わずに救って、白ちゃんすごい!大好き愛してる!って言わせてやらぁ!」

 

緋ちゃんの話を魔王にすると、悔恨、悲恋、怒り……そんな感じの顔で、大事にするように言われた。

魔王にも好きな人がいたのかな。

そしてそんな顔をするってことは、もう会えない人だってことが分かる。

それを深く追及しようとはしない。

魔王の生い立ちは禁忌でなんとなくわかるし、推測もついている。

でも、私だってDの身代わりということは緋ちゃん以外に知られて嬉しいものじゃない。

だから、魔王の口から語られるまでは深く聞かない。

ああ、ちゃんとこれからの話もしてるよ?

 

「ところで、さっきの会話の中に聞き捨てならないものがあったんだけど」

「ん?私の緋ちゃんへの溢れ出る愛のこと?」

「いや、そっちじゃなくて……。後の世代がないって、どういうこと」

「それは詳しくギュリギュリに聞こう」

 

「で、私が呼び出されたわけだ」

「ギュリエ、あとの世代が無いって、どういうこと?」

 

そう、そうなんだよなー。

魔王がこのままこの活動を続けても、世界は救われない。

この世界の人間の魂はもう崩壊寸前で、いずれは静かに滅びゆくことが目に見えている。

そのためには、どうすればいいのか……。

緋ちゃんに頼らず、私だけで求めた結論。

 

「システムを破壊すればいい」

「……どういうことだ」

 

ギュリギュリが聞いてくる。

ここは、私が口下手だからって言い淀んでいい場面ではない。

しっかりと口に出してプレゼンをする。

この世界を救う、そのための手段なのだから。

 

「システムとは、この世界を支えている超巨大魔術。輪廻の法則を捻じ曲げ、ただの脆弱な人間にスキルという超常の力を与える」

「ああ、その通りだが」

「そんなシステムを起動するために、どれほどのエネルギーが必要かわかる?」

「……っ!」

 

神であるギュリギュリならそれが分からないはずもない。

星の再生を司る部分のみを残し、それ以外をエネルギーにする。

 

「でもまだ足りない。足りない分は、補うしかない」

「そっか。じゃあ私がやることには変わりないわけだ」

「……待て、そんなことをDが許すはずがない」

「大丈夫。絶対問題ない」

 

あのDだよ?

システム破壊っていう裏技を想定してないはずがない。

いけるいける。

もしだめだったら、その時は……。

緋ちゃんを頼るしかない。

でも、できる限りは自分の力で頑張るつもりだ。

 

……嘘は言ってない。

システムを破壊すれば、世界は救われる。

ただ、その反動で人類の半数は死ぬ。

それを言っていないだけ。

覚悟を決めよう。

緋ちゃんに無理をさせず、私だけで世界を救ってみせる。

そのためには、人類の半数だって殺してやる。

神(笑)は卒業しよう。

世界を救うため、邪神になってやるよ。

 

 

 

ねえ、緋ちゃん。

最近、寝てばっかりだよね。

全然話せてないよね。

だから、ねえ……。

起きて、私と話してよ……。

 

「緋、ちゃん……」

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