姫蜘蛛ですが、なにか?   作:トンTon

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桜5 人のことは言えない変態

やって、しまった……。

そこら中が返り血と色んな液体でなんかひどいことになってる。

ベッドも血だらけだ。

臓物が散らばっているのが見える。

 

「落ち着いた、か?」

「……っ!ごめんなさい!」

「いや、大丈夫だ。不死が無かったら死んでたが」

「私は、貴方を食べてしまった……」

「まあそんな悲観することはないさ。サキュバスってそういうもんだろ」

「う……」

 

とにかく、朝帰りなことをどう言い訳すべきか……。

正直に健を食べてましたって言うか?

いや引かれるよ!

友達を食べるってやばいよ!

とりあえず、片づけないと……。

 

「じゃ、じゃあまた……」

「おう。また食べに来ていいんだぜ」

「あーもう!もうしない!もうしないわよ!」

 

そんなこと言ってるのに血液を数十リットル貰ったのは許してほしい。

ほんとはアレがいいんだけど、健も無尽蔵じゃないし。

やっぱりサキュバスだからか、アレを飲む、もしくは取り込むとエネルギー吸収効率が段違いなんだよな……。

でも流石に倫理的にアウトだから血にしてもらった。

これも結構アウトって言ってはいけない。

 

「……ほどほどにしときなさいよ」

「っどうして……」

「髪はボサボサ、服ははだけてて……あと返り血も。私でも察せるわ」

 

家に帰ってきてマリーからの第一声がこれ。

たしかにまだ風呂には入ってないが!

とにかくこの返り血を流したい。

 

風呂場に行って、熱湯を魔術で出して滝修行のようにする。

こうすれば水圧で大体の血は落ちるはずだ。

……よし!

 

 

 

数日後、健から連絡が来た。

どうやら帝国の将の一人が死んだとか何とか……。

それを蘇生しろってことね?

 

「来たわよ」

「おう。じゃあ葬式場へ行くぞ。死体をすり替えるんだ」

 

転移で聖アレイウス教国まで飛ぶ。

よし!まだ始まってないな。

埋葬される直前に時を止めて回収すればいいだろう。

まだ二秒しか止められないから急がないとな。

あ、あれダスティンじゃない?

 

「ユーゴー王子!?何故ここに……」

「ああ。帝国の有能な将が死んだと聞いてな。俺は彼を称えに来た」

「そうですか。ではそこに参列を……おや?」

「やっほー、私よダスティン」

「まさか貴女もいるとは……。アリエル様から何か頼まれましたか?」

「いや?ユーゴーの付き添い」

「余計なことはしないでくださいよ?貴女一人で世界を滅亡できるんですから」

 

余計なことなんてしないって。

ちなみに俺のステータスはカンストしている。

つまりアリエルさんを超えているってことだ。

魔術にも手を伸ばしてるし、陰神法もマスターした。

後は時止めだけど……。

やっぱり緋が言ってた冥土って人には敵わない。

緋でも負けそうになるってよっぽどだぞ。

まあ二秒もあれば色々できるから、そんなに長い時間は必要ないだろう。

 

「あれ?君は……」

 

おっと、勇者だ。

私の顔をじっくり見てなにか感じたのか?

そういえば、中々ハードな人生を送って、そこそこ成長していると聞いている。

でも、正義感が強すぎて救えないものまで全て救おうとするとか。

確かにヒーローとしては美徳だけど。

 

「私はチェリシア・W・スパイダーラ。でも人に名前を聞くときは自分からよ?」

「ああ、ごめん。僕はユリウス・ザガン・アナレイト。それで、スパイダーラってことはマリィムっていう子と血縁かい?」

「ええ。貴方もマリィムが言ってたサイリスって奴の血縁よね」

 

まあ、悪い奴ではないんだろうな。

ただその性格が俺たちの障害になるだけで。

本当はスパイダーラの活動のように、世界平和を目指してはいる。

これから起こす戦争はそのために必要な犠牲なんだ。

まあ緋のことだし、魂を崩壊させないようにする技術くらいは持ってるだろ。

気が付けばずっと寝てるし、ちゃんと制御できてるのか不安だが。

とりあえず、こいつの遺伝子情報は握手した時にゲットした。

これでクローンが作れるな。

これさえあれば、勇者剣の資格持ちを量産することも可能だろう。

いや、称号は魂に根付くものだからやっぱり無理か?

魂が一片さえ入っていれば緋なら増殖できるだろうから、結局は結果待ちだな。

でも勇者剣っぽいの量産してるし、結局必要ないかもしれない。

取らないよりかは取る方がいいだろ。

 

「ん?おお!貴女は……チェリシア様ですかの?」

「誰よ」

 

また誰か話しかけてきた。

誰だこの爺さん。

んー、そういえば宮廷魔導士筆頭にこんなやつがいたような。

ロナントだっけ。

 

「緋様はお元気ですかな?最近は滅多に姿を見せてくれなくなりましてなぁ」

「ずっと寝てるわ」

「おやそうでしたか。久しぶりに魔術の稽古でもつけてほしかったところなのですがのぅ」

「死ぬわよ。よくやろうと思うわね」

 

やっぱ緋の弟子っていう時点で嫌な予感してたけど、変態だわこいつ。

あの修行を受けたいとか……。

私はここの死体を回収しに来ただけだから、また今度な。

 

「そうですか。ティーバのやつも「♰楽園(エデン)♰」に……」

「気持ち悪っ。何よそれ」

「老人の恰好付けた姿くらい尊重してもいいんじゃないかの!?」

 

変態属性に中二度が追加された。

やばいよこの爺さん。

さっさと逃げよう。

 

ということで、死体を回収して目覚めさせてみた、んだけど……。

ヴィコウというファミリーネームといい、見た目といい……。

この人、俺の血縁じゃね?

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