進化しても、劇的に強くなる訳じゃない。
特に私は進化すらしてないし、蜘蛛子さんに背負われてばっかりだ。
物理的にも、精神的にも。
後、蜘蛛子さんは私に比べて蜘蛛系のスキルが上がり易いんじゃないかと思う。
蜘蛛糸も蜘蛛子さんの方が上だし、毒牙だって蜘蛛子さんの方が早くレベルが上がった。
いや、単純に使った回数の差かな?
まあ探知を発動させて気絶しないのはすごい。
探知は取ったの失敗だと言ってたけど。
ちなみに探知は私も取った。
スキルポイントが250あったし、100で探知を取った。
試しに発動してみると、精神担当が一瞬で撃沈した。
私は残念ながら簡単に気絶してしまうみたいだ。
こりゃ駄目だな。
今も精神担当が返事してない。
そんな感じで探索していると、蜘蛛子さんが「鑑定レベルアップキター!」と騒いでた。
どうやら基礎能力値ステータスが見れるようになったらしい。
それで私を鑑定してみたけど、それはもう酷かったと言っていた。
その鑑定結果だけど……。
<プリンセスタラテクト LV12 名前 なし
ステータス
HP:10/15(緑)
MP:0/13(青)
SP:12/12(黄)15/15(赤)
平均攻撃能力:13
平均防御能力:13
平均魔法能力:13
平均抵抗能力:12
平均速度能力:12 >
酷い。
基礎能力ステータスほぼ13って、私のレベルと同じくらいだよ。
これはつまり、LV1の時基礎能力ステータスって1か2だった……ってこと?
HPと持久スタミナは元々3なのかな?
プリンセスというよりもう紙並の虚弱体質でしょこれ。
蜘蛛子さんでも一番低いステータス18だったのに。
ま、まあ、私には並列意思があるし問題ない。
問題ない、問題ないよ。
『あ、人間』
人間?でも蜘蛛子さんなら勝てるんじゃ……。
<人族 LV29 名前 ゴルドー>
無理だね!
LV29って頭おかしいとしか言いようがないよ。
逃げる。これは逃げるしかない。
<エルローバラドラード ステータスの鑑定に失敗しました>
うぇっ!?前方から蛇が来てる!
とりあえずクモーニングスター!
右に逃げる!
<エルローランダネル ステータスの鑑定に失敗しました>
<エルローランダネル LV4>
<エルローランダネル ステータスの鑑定に失敗しました>
三蜥蜴だぁ……。
反射的にクモーニングスター。
左方向に逃げる!
どうか私達の幸ある未来の為に犠牲になってね!
冥福くらいは祈ってあげるよ。
せめて次の人生では幸あらんことを。
じゃーねー!
うぇ?
道が……無い。
あー……やばいかも……。
絶対これ落ちるよね。
蜘蛛子さん、糸ー!
私はとりあえず全力で蜘蛛子さんにしがみつく。
私じゃ小さいし何もできない。
天に身を任せる。
ドゴッ……という良くない音が響き、落下は止まった。
蜘蛛子さんが咄嗟に蜘蛛糸を出して落下を止めたようだ。
うーん、助かってよかった。
とはならないんだよねー。
ブンブン音が聞こえる。
ここは見逃してもらえると嬉しいな……。
多分こういう時は怖いです。
<フィンジゴアット ステータスの鑑定に失敗しました>
とにかく蜘蛛子さんが紐有りバンジーをする。
これで下まで逃げる!
……嫌な予感がする。
気がつけば、蜂が蜘蛛子さんの背中を刺している。
ああ!私が身代りになればよかった。
蜘蛛子さんの面積が広いのは知ってたけど、私が予想以上に小さい。
庇えるほどの大きさを私は持っていない。
蜘蛛子さんの背中にいる蜂に向かって、クモーニングスターを投げつける。
その間に蜘蛛子さんは岩へ避難した。
乗っている私も一緒だ。
『うぉぉぉぉ……どうするよ、姫蜘蛛ちゃん?』
どうしようか?
というか、どうやって登るの?
私達別に空飛べないよ。
あんな蜂がたむろしてるとこに行く勇気ないよ。
まあ、蜘蛛子さんが行くなら私も覚悟を決めるけど。
そう意気込むと同時に、蜘蛛子さんはさらに絶望的な顔をして後ろを見た。
『あ、蛇!私達を追ってきたのかも!』
こんな状況で蛇なんて、調子に乗ってたのは自覚するからどうか見逃し――
蛇が薄くスライスされた。
は、え?
いや、比喩でもなんでもなく。
あれは……。
<地龍アラバ LV31 ステータスの鑑定に失敗しました>
超越した強さを持つ、龍だった。
狼に近いフォルム、体中には紅く輝く角のようなものがあった。
やばい、やばいやばいやばい。
あばばばばばば!
……ん?そんなにやばいかな?
マザーと比べちゃったら、うーん……。
《熟練度が一定に達しました。スキル「恐怖大耐性LV1」が「恐怖大耐性LV2」になりました》
《熟練度が一定に達しました。スキル「無音LV1」を獲得しました》
《熟練度が一定に達しました。スキル「無音LV4」が「無音LV5」になりました》
……結構時間経った?
マザーより威圧感が薄かったのが幸いして、結構平静を保ったような気がする。
いつの間にか無音っていうスキルがLV5になっていたから、結構時間経ったんじゃない?
『た、助かった……』
蜘蛛子さんからも安堵の声が聞こえる。
ただ、これから一体どうするのか。
私は蜘蛛子さんを守らなくちゃいけない。
最悪、私を経験値にしてでも回復してもらう。
考える、蜘蛛子さんを生かすために。
私はその為だけに存在しているのだから。
《熟練度が一定に達しました。スキル「奉呈LV5」が「奉呈LV6」になりました》