姫蜘蛛ですが、なにか?   作:トンTon

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7 正真正銘!天国への糸

まず、蜘蛛子さんのレベルアップ回復をする。

その為には蜂を狩れるような巣が必要だ。

いや、私がクモーニングスターで狩って献上しようかな。

それでも上に登る為に巣を作る必要あるかも。

よぉし、頑張るぞ!

 

初日は必要最低限の巣を作ったら蜘蛛子さんは寝ちゃった。

私は魔法の練習。

蛇に当てたあの魔法をどうにか再現できないかと試行錯誤している。

精神担当も意識を取り戻したし、どうにかして魔法を使いたいところ。

魔力が見えるのはいいけど、なーんにもわかんない。

見えるだけ!操作できない。

いやどうしろと……。

 

二日目は巣の拡張。

元気な私が頑張って巣を作った。

蜘蛛子さんは痛みにもだえ苦しみながらも巣を作っていた。

もうほんとすぐ傍を蜂が通っていくのは怖すぎるよねー。

体験しないとわかんないかもしれないけど、あのなんていうんだろう、恐怖がさ。

刺されるかもって思っちゃうよね。

……って蜘蛛子さんと話してた。

実際には何も感じてないから、これを機に何か感じるようになるかなって。

相変わらず変化なし。

まあとにかく、実際には蜂襲われることなんてほとんどないはず。

この蜂ファンタジーだから問答無用で襲ってきそうな気がするから、結局変わらないけど。

殺されるなら蜘蛛子さんがいいなぁ。

 

三日目、仕留めた蜂を食べ終えた。

新たな獲物を求め、狩りへ!

といっても、巣の中から遠距離攻撃するだけなんだけどね。

喰らえクモーニングスター!

私と蜘蛛子さんの、愛のLV……「Love」の結晶だよ。

おお、当たった。

結構当たるね。

ここに来る前からも使ってたし、上達してるかも。

スキルを獲得してるし、その効果もあるのかも。

その名も「命中」「投擲」「集中」「視覚強化」

あとついでに暗視。

視覚強化は精神担当にやらせている。

いつのまにかLV7になってた。

集中は、もうLV8になる。

そんな集中するような出来事あったかな。

蜘蛛子さんのこと四六時中見てるだけなんだけどな。

あ、暗視カンストした。

視覚領域拡張?

まだ鑑定はLV4だから、情報は見れないなぁ。

でも、精神担当が既に苦痛に慣れてきてる。

苦痛無効とかいうスキルも結構前に手に入ってた。

精神担当が教えてくれたから良いけど、自分で入手したかしてないかっていうスキルの判別をしたくなる。

あー、どうしてこんなに不便なんだ。

 

[鑑定レベルアップした]

 

お、鑑定上がったか。

でもなー、蜘蛛子さんから聞いた話だとステータス「弱い」って表記されちゃうらしいからなぁ。

よし、ちょっとやってみて。

 

[鑑定!]

<プリンセスタラテクト LV12 名前 なし ステータス 弱い>

 

そういえば、種族名を二重鑑定できるって蜘蛛子さんから聞いたことある。

やってみようよ、精神担当。

 

<プリンセスタラテクト:エルロー大迷宮の女王が生み出した蜘蛛型のモンスター。次代の女王となる素質を持つ。成体になるまでステータスは脆弱>

 

はぁ?

私次代の女王になんてなりたくないけど!

あれ、でも蜘蛛子さんの(つがい)って意味なら女王なのかな。

うんうん唸ってる間に蜘蛛子さんは寝てた。

よーし、明日からは本気出す。

 

四日目、蜘蛛子さんも狩りに参加。

無時に食糧をゲットした後、これからどうするかを決める会議を開く。

会議といっても、蜘蛛子さんの発言に全肯定だから指示みたいなものだけど。

 

『どうする?上に伸ばす?違うとこいく?』

『私は蜘蛛子さんに従うよ』

『……分かった。上に巣を伸ばすよ。手伝ってくれる?』

『蜘蛛子さん、命令して命令』

『……手伝って、姫蜘蛛ちゃん!』

『うん!』

 

大きな建物を作るには土台が必須と蜘蛛子さんは言った。

その問題をどうするか?

答えはすぐそこに。

ジャジャーン!大きな岩!

この岩を基礎にしてやっていけば、いい感じに出来ると思う。

ちょいちょいっと基礎を完成させてから寝た。

 

六日目

はぐれ蜂を狩っても蜂小隊には襲われないことが分かった。

狩った蜂を二人で食べる。

蜘蛛子さんはレベルアップの為にいっぱい蜂を狩ってる。

何度目かのはぐれ蜂を狩った時、蜘蛛子さんは脱皮し始めた。

 

『おお、レベルアップ!』

 

蜘蛛子さんがレベルアップした。

これで作業の効率が上がった。

元気に巣を作りだした蜘蛛子さんを見て、私も元気になった。

 

 

 

 

 

《熟練度が一定に達しました。スキル「並列意思LV1」が「並列意思LV2」になりました》

 

そろそろ半分に差し掛かろうという頃、並列意思が一人増えた。

次の並列意思は感覚担当と名乗った。

まあ何で名乗ったのかは自分自身だから理解してる。

視覚強化がカンストして「望遠」というスキルになったのだ。

他にも蜘蛛子さんの糸をもぐもぐ食べてる時に「味覚強化」、蜘蛛子さんの声を一言一句聞き逃さないように「聴覚強化」を獲得。

「予測」「集中」も獲得してるし、それを担う意志が欲しかった。

そんな感じで感覚担当がメンバーに。

私はいつものように魔法の練習です。

相変わらず鑑定で精神担当は倒れてた。

 

いい知らせしかないなら良かったのだけど、ついに蜂小隊が襲ってきた。

クモーニングスターを構える。

そんなことはしなくともよかったのだけど。

蜂は予想以上にバカだったようで、蜘蛛子さんの巣に軽々捕えられた。

これならいくら蜂が来ても大丈夫だね。

でも、それから蜂小隊がひっきりなしに襲ってくるようになった。

そのせいで巣の拡張が滞り気味だ。

私が蜂を撃退してるからいいけど、蜘蛛子さん一人だったら安心して眠れないんじゃないかな。

今でも蜘蛛子さんは焦り気味だ。

巣があまり拡張できてないことを気に病んでいるのだろうか。

それとも、日に日に私の体調が悪くなっているのを心配してくれている?

何故かは知らないけど、私の体調は悪くなってきている。

体が重いというか、怠いというか……なんだか苦しいような。

毒の症状と似てるような気がする。

蜂の毒かな?

そろそろ()()()をしてもらわないと。

でもあれ噛みつくからHP減るんだよね……。

毒耐性は結構レベルある筈だけど、どうしてこうも怠くなるんだろう。

でも私がモタモタしてる暇はない。

こうやって思考している間も私の体は作業し続けている。

いつ地龍がフラッと来るか分からないから。

 

……嫌な予感がする。

 

<地龍アラバ LV31 ステータスの鑑定に失敗しました>

 

いた、龍が。

地龍アラバが、口を開く。

あれは龍の得意技、ブレスかな。

やばいよ、普通にやばいよ。

巣が壊されちゃうなぁ。

あたふたしていると、轟音が響いた。

アラバのブレスが巣に直撃したのだ。

巣を破壊してもエネルギーは散らず、後ろの壁さえ壊した。

そんな様子が探知から伝わってくる。

これはもう身を隠すしかない。

蜘蛛子さんと一緒に、アラバが去るのを待つ。

もし見つかったのなら、私を犠牲にして蜘蛛子さんに生きてもらおう。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル「奉呈LV6」が「奉呈LV7」になりました》

 

気がつけば、地龍アラバはいなくなっていた。

ふぅー、助かったぁー。

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