Dに連れ去られ、私は謎の空間に来ていた。
しかしその直後、Dの右腕が吹き飛んだ。
うむ、大事なことなのでもう一度言おう。
あの!Dの腕が吹き飛んだ。
もう手加減を止めて、元の強さに戻っているはずのDの腕を。
どゆこっちゃ。
とは思ったけど、間違いなく緋ちゃんの仕業だな。
Dは腕が再生しないのを見て驚いてるみたいだし。
「はぁ、まさかここまで強くなっているとは。いつもは意識せずとも回復するのですが、この私に魔術を使わせるとは」
そう言って、Dは腕を再生させた。
そして、何かを呟きながらボードみたいなのを操作し始める。
「システムへの干渉権限、無し……。管理者権限、剥奪済み……。ふむ……」
「どしたん話聞こか」
「あぁ、どうやら例のアレに私はシステムの干渉権限を奪われたようです」
「へーそうなんだ。ざまぁ」
「おっとここに蜘蛛爆破スイッチが、ん?」
どうやら困ってるらしいDを煽りつくす。
蜘蛛爆破スイッチに身構えたけど、どうやら家にでも忘れてきたのか知らないけど無いっぽい。
だったら散々口答えできるね。
っと?なんか知らんけど私はシステムに干渉できるみたいだぞ?
Dはそれを覗き込んでくる。
「貴方を連れ戻そうとしているようですね」
「だね」
「このまま負けるのは面白くないので、冥土、行ってきてください」
戦況を眺める感じ、緋ちゃんに優勢のように見える。
というか私が行けば解決だよね。
「あ、行ったらダメですよ」
「デスヨネー」
案の定Dに止められた。
とはいえこのままでD側に勝ち目はあるのかな。
私は近くで見てたから分かるという自負があるから感じるけど、Dでも滅ぼすのは厳しいんじゃないかなぁ。
そもそも蜘蛛っていう、私と同じタイプのじわじわ生存ぶっ殺し戦法だからね。
あれでじわじわ生存っていうのも恐ろしい限りだけど。
誰だよあんな怪物産んだの。
マザーだわ。
ごめんなさい産んでくれてありがとうマザー。
マザーには逆らっちゃいけない。
……よく考えたら、私って人間の記憶持ってるくせに母親を知らないのか。
人間じゃねーから当たり前なんだけどさ。
Dがガバガバなのが悪い。
母親とか作っておけばよかったのにさ。
おかげで、母の愛を感じる機会は全く無かった。
そういう感じだから、私と緋ちゃんは互いに愛し合ってるわけだけども。
……って、やっぱり、そうだよなぁ。
この騒動って私も原因だよね。
私は緋ちゃんに愛してるって言ってない。
一方的に緋ちゃんから愛してるって言われて、それで満足してた。
私はコミュ障だから。
話さなくても分かってくれると思っていたから。
Dのせいだから。
そんな言い訳はいくらでも思いつく。
でも結局は、行動しなかった私が悪いんだよなぁ。
うがーっ、もう!
緋ちゃんの所に行くことさえできれば、想いを伝えられるのに!
「魔力が吸われている……寄生型?にしては明瞭すぎる……魂にしては不明瞭……」
Dはなんか困ってるみたいだけど、それは緋ちゃんに対して一瞬でプチることができないからだと思うんだよね。
私が逃げ出そうと思ったら一瞬でやられそうな感じが漂ってる。
あー、どうしたらいいのかなぁ。
『♒︎♏︎●︎◻︎ ❍︎♏︎✍︎』
ん?
なんかどこからか声が聞こえたような気がする。
Dは……聞こえてなさそう。
なんだったんだろ。
気のせいかな。
そこに生えてる木のせいだろ!
ツクテーン
……?
あ、すみません生きててすんませんハイ。
『ふむ、これで通じるだろうか』
ギョエッ。
なんだなんだ。
間違いなく声が聞こえた。
絶対なんか聞こえた。
『さて、率直に言おう。君をヒイロのところに送り届ける。ただ、このまま行ってもどうにもならないだろう。故に、君を我等の世界へ移動させる。そこでケツイについて学んでくるといい』
……!
なんかよーわかんないけど助けてくれるってことだよね!
うしうしcow買うbuyby側蕎麦最高だわ。
『どうやらギャグセンスもあるようだな。サンズと気が合うかもしれない』
えっ心読まれた?
というか私が会話するときに思念ブッパなのがダメなのか。
アホなこと考えてるのがバレバレじゃん。
多少は心閉じないと。
緋ちゃんと会話してると閉じるっていう発想がほぼ無くなってくるからね。
『では行こうか』
『おじさんは誰』
『私はガスター。ヒイロの父親さ』
『お義父さんでしたかッ』