姫蜘蛛ですが、なにか?   作:トンTon

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8 自分の毒を分解できないなんて情けないなー

トボトボと蜘蛛子さんが歩く。

巣が破壊されたから、仕方なくここの探索をしている。

上層にいたときと違うのは、身を隠すようにして歩いていること。

私は蜘蛛子さんの上にいる。

私が一緒に歩いても、蜘蛛子さんの速度についていけるわけがない。

それに最近体が怠い。

蝙蝠やらグレーターなタラテクトやらを見たせいでストレスが貯まってるのかもしれない。

なにあれ、やばい。

蝙蝠が蜂を蹂躙してるのを見て、蝙蝠さん強いなーと思う私。

でもその蝙蝠を牙だけで殺すグレーターなタラテクトは駄目だと思うな。

あれはすごく大きかった。

もうなんか語彙力が無くなるくらい、強い!って感じ。

どれくらい進化したらああなるんだろ。

私があれに進化できるかは分からないけど。

 

下層やばいよ。

あの強そうな蝙蝠でさえここじゃ中堅だよ。

翼の生えたライオンを見たとき、ここは夢の中なんじゃないかと錯覚した。

グレーター蜘蛛や地龍とかバケモノの巣窟なのかなここは。

寝る時、蜘蛛子さんは怯えてた。

そりゃそうだ、こんな所で熟睡なんて一人じゃ命がいくつあっても足りない。

私が抱きしめ……いや、私の方が小さいから抱きしめられる状態かな?

そうやって安心させてから蜘蛛子さんは寝た。

私は別に不眠不休でも働けるよ?体は怠いけど。

私には睡眠耐性があるからね。

並列意思を誰か一人でも寝かせれば一応寝ていることになる。

私の内だれか起きていれば作業できるし睡眠耐性も獲得できる。

これぞ一石二鳥。

イルカの睡眠に似てるね。

 

再び蜘蛛子さんとスニーキングしながら歩いている。

しかし食べ物が問題だ。

そろそろ食べ物を確保しないと餓死してしまう。

まあ、その問題は結構簡単に解決したけど。

この……黒い虫さん。

蜘蛛子さんはタニシ虫と呼んでる。

これを食べれば食糧問題解決なんだけど……。

これが滅茶苦茶不味いんだよね。

だから蜘蛛子さんは最終手段だと言っている。

私は蜘蛛子さんを煩わせる訳にはいかないし、これを食べてるけど。

これ食べると腐蝕耐性が上がる。

だからスキル上げにもちょうどいいかなって。

「痛覚大軽減」まで来たし。

腐蝕耐性と痛覚軽減がカンストすれば美味しく食べられるんじゃないかな。

そんな希望を胸に私は今日もタニシ虫を食べます。不味い。

タニシ虫を仕留めていると、毒術師という称号が手に入った。

蜘蛛子さんも三恐竜を仕留めたら手に入ったと言っていた。

毒合成っていうスキルを入手したけど、これどう使うんだろう。

あ、なんかメニュー出てきた。

 

<毒合成メニュー>

<弱毒>

<姫蜘蛛毒LV7>

 

弱毒は弱い毒で確定かな?

スキルレベル1ではこの程度だろうという感じだけど。

でもこの姫蜘蛛毒ってなんだろう。

 

<姫蜘蛛毒LV7:プリンセスタラテクトが分泌する抵抗不可の複合属性毒。LV7は竜さえも抗えぬ威力を持つ。その強力さは、自身の体さえ蝕む>

 

なんかヤバい文章になってる。

え、これ自分の体も蝕むの?

じゃあ私の身体が怠いのってこの毒のせい?

ちょっと合成してみようかな。

ペチャッと音を立てて水たまりができた。

あー……入れ物が必要な感じ?

 

<蜘蛛毒LV7の水たまり:空気に触れ、普通の毒になっている姫蜘蛛毒の水たまり>

 

空気に触れたら劣化するのかな?

じゃあ毒合成の意味なくない?

なんてゴミスキルなんだろうか。

これはいらないなぁ。

MPも使うし……。

まあ、MPなんて超過して使えばいいけどね。

クラクラするなんて精神担当に感じさせれば何のこともない。

精神担当はやっぱり私と同じで蜘蛛子さんの役に立ちたい。

だからMPを超過した時の身代わりとして名乗り出た。

本当なら私がやりたかったけど、行動担当が意識を失うわけにはいかないよね。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル「外道大耐性LV9」が「外道無効」になりました》

 

蜘蛛子さんに背負われながら鑑定とか探知とかで頭を酷使していると、こんな声が聞こえた。

精神担当の発案のおかげかな。

[私が気絶したなら、一回並列意思を切ればいいんじゃない?]

という案。

まあ効率的だし、拒否する理由もない。

蜘蛛子さんの為になんでもやる。

時に私も探知に参加し、時に精神担当が体を動かした。

痛覚軽減は「痛覚大軽減LV7」になった。

外道耐性はさっきカンストしたし、MP消費緩和ってやつも獲得した。

なんか色々獲得してると思うけど、鑑定のレベルがそんなに上がってないから確認できない。

探知はカンストしたんだけどなぁ。

あ、並列意思はLV4になったよ。

精神担当二号、感覚担当二号と呼称する。

 

『姫蜘蛛ちゃん、分かれ道』

 

蜘蛛子さんに声をかけられて現世に意識を戻す。

分かれ道?道っていうか、なんというか……。

とりあえず千里眼で見ても、先が見えない。

バグラグラッチとかいう化物もいる。

うーん、ここって最下層?

そんな訳無いよね。無いよね?

最下層に生息するって表記じゃなかったから信じるよ?

 

《熟練度が一定に達しました。スキル「鑑定LV6」が「鑑定LV7」になりました》

 

お、おおお!

鑑定さんのレベルアーップ!

蜘蛛子さんも同じタイミングで上がったらしい。

ドキドキしながら一緒にステータスを開くよ。

頼むよ、鑑定さん。

 

<プリンセスタラテクト LV14 名前 なし

ステータス

HP:11/17(緑)

MP:0/25(青)

SP:14/14(黄)17/17(赤)

平均攻撃能力:15

平均防御能力:15

平均魔法能力:16

平均抵抗能力:14

平均速度能力:14

 

スキル

「MP回復速度LV4」「MP消費緩和LV2」「破壊強化LV1」「斬撃強化LV1」

「毒強化LV1」「気闘法LV1」「気力付与LV1」「毒牙LV7」

「毒合成LV1」「糸の才能LV3」「蜘蛛糸LV9」「斬糸LV6」

「操糸LV10」「投擲LV4」「命中LV10」「確率補正LV1」

「隠密LV10」「隠蔽LV1」「無音LV5」「念話LV8」

「集中LV8」「予測LV8」「並列思考LV10」「並列意思LV4」

「演算処理LV9」「鑑定LV7」「探知LV10」「影魔法LV1」

「毒魔法LV1」「毒耐性LV5」「麻痺耐性LV1」「酸耐性LV1」

「腐蝕大耐性LV2」「睡眠大耐性LV1」「気絶無効」「恐怖大耐性LV2」

「外道無効」「苦痛無効」「痛覚大軽減LV7」「視覚強化LV10」

「望遠LV10」「千里眼LV1」「暗視LV10」「聴覚強化LV10」

「嗅覚強化LV10」「味覚強化LV10」「触覚強化LV10」「知覚領域拡張LV1」

「強力LV1」「堅固LV1」「魔量LV7」「奉呈LV7」

「万能」「過食LV4」>

 

おおぉ……多くてわかりにくいなぁ。

それぞれどんな効果か確認したいところだけど、蜘蛛子さんの返答を待つ。

まずは蜘蛛子さん優先だよね。

私はもう外道無効があるからクラクラしないし、熟練度の為にも蜘蛛子さんが確認した方がいい。

その後、蜘蛛子さんが色々語ってくれた。

過食がプラススキルだったことに安堵したり、n%I=Wっていう謎スキルを見つけたり、腐蝕属性がとんでもないものだったことに驚愕したりした。

次は私の番。

名前がそのままのものはあえて語る必要はない。

魔量は強力、堅固と同じステータス底上げ系のやつだった。

LV7なのに25もあるのは、努力の成果かな?

他にも、気闘法はSPを使って物理能力を底上げするスキルだね。

 

『で、この万能って何?』

 

万能というスキルについて聞かれた。

それは私も気になっているんだよね。

鑑定してみよう。

こういう時の為に鑑定っていうスキルがあるんだよね。

 

<万能:神へと至らんとするn%を超える力。生物的に必要な機能が一時的に欠落するが、あらゆる状況での成長効果を高める。生命として進化する時、その効果は真に表れるはずだ。Wのシステムを凌駕するが、MA領域への干渉権限は得られない

 

え?

えええ?

スキルの伸びが良かったのはそういうこと?

というか、この文章ブレてるとこ多すぎでしょ。

蜘蛛子さんも驚愕してるし。

 

『凄、これが転生特典ってやつかな』

 

私の転生特典、すごいな。

生物的に必要な機能が無くなるのは駄目だけど。

私を転生させた神様は何考えてるんだか。

猿っぽいモンスターを殺す蜘蛛子さんを見ながら、私は呑気にそう考えた。

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