Fate/Grand Order 妖精円卓後継 ユアネクスト   作:ルルザムート

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時間かかってしまった…
第1話(改)です、お楽しみください


第1話 新しき妖精國、新しき女王

第6異聞帯模倣特異点

ニューダーリントン近辺(推定)にて…

 

 

「ここが第6異聞帯を模倣したという特異点ですか…その頃私はまだカルデアにいませんでしたから似ているのかどうかはよく分かりませんが」

「…似てるよ、風景だけじゃない。匂いも音もそっくり、というか同じだ」

 

 

今回は空の上に放り出されたら、敵の中に放り出されるということは無く、自分たち以外に人影は無い

藤丸立香、ブリトマート、アルトリア・キャスター、3名でのレイシフトはどうやら滞りなく上手くいったようで──

 

 

「あれ?アルトリア?」

周りを見渡すも見えるのは妖精國の景色と、ブリトマートだけ。どういうわけかアルトリアは別の場所に放り出されてしまったらしい

 

 

「…心配だな」

思い出すのは彼女の季節を巡る旅、模倣とはいえ妖精國で1人にするのはあまりに心配だ

 

 

「マスター!あちらに街が見えます、あそこで一度情報収集してはいかがでしょうか?」

彼女が指さす方を見ればこれまた見知った街が遠目に映る

 ニューダーリントン…

 

 

「…うん。行こう」

今は一刻も早くアルトリアを見つけないと──

 

 

 

 

 

第6異聞帯模倣特異点

キャメロット城 女王の間にて…

 

 

氷が敷き詰められたように静寂を守っている女王の間、実際に目視しなければ誰もいないと思えてしまうほど静かなその場所にて静かに跪く兵士が1人。それを玉座から見下ろす赤い衣の女王が1人。

 

 

「────」

「………」

 

 

「──発言を許可します、報告を」

「は、先ほど現れたサーヴァント『アルトリア』についてはご命令通り例の男と同じ地下室へ連行。

 またニューダーリントンにてカルデアのマスター『藤丸立香』及び、妖精騎士『ブリトマート』の存在を確認しています」

 

 

「…ニューダーリントンに兵を派遣、ただちに2名をここに。私自ら処遇を決めます

 他に何か報告は?」

「ありません」

「結構、では行きなさい。D(ダーク)・ポーチュン

「はっ!トリスタン女王陛下!」

 

 

 

 

 

第6異聞帯模倣特異点

ニューダーリントンにて…

 

 

「『妖精女王トリスタン』???」

街に入って2人目に出会った土の氏族…ドワーフから聞いた言葉はおよそ予想できる範疇から逸脱していた

 

 

「あの、失礼ですが女王陛下の特徴って分かります?」

(はてな)顔のブリトマートが掘り下げる

 それもそうだ、私だって意味不明だし

 

 

「もちろん!陛下はよくこの街に来て助けてくれるからね、この街に住む妖精みんなの夢に出てきてくれるくらい知ってるよ

 それで特徴は…」

 

 

そして…

 

 

「役に立てたかい?」

「はい、とっても!…ありがとうございました」

 

 

にこやかに笑うドワーフと別れ、近くのベンチに2人で腰掛ける

「…聞けば聞くほど」

「バーヴァン・シー様ですね…」

杖?のような物を持っている以外はどう捉えても妖精騎士トリスタンことバーヴァン・シーの外見的情報と一致する、これは一体どういうことか…

 

 

「お困りのようですね」

「うわあっ!?」

 

 

いきなり、本当にいきなり横から話しかけられて飛び上がった

 ブリトマート、私と座っていたその隣に『最初から座ってましたよ』と言わんばかりの女性が人懐っこい笑みを浮かべている

 

 

「あっ、驚かせてしまい申し訳ありません。敵では無いので安心してください」

咄嗟に戦闘体制に入るブリトマートを静止しつつ、謎の女性は笑顔を崩さない

 

 

「ハローエブリワン。私は『いかにも怪しいが少なくとも敵ではない』ただの妖精…情報が必要なのでしょう?」

どこか違和感のある佇まいと声、だが一応敵ではないらしい

 

 

「マスター…」

「えっと、多分、大丈夫だと思う」

 直感だが悪い人ではない、やや不気味さはあるがそれは敵意とは結びつかないはずだ

 

 

「ああ、別に情報を渡すからといってこちらから何かを要求するつもりはありませんよ?むしろ私はあなた方が来る時に備えて情報を集めていたのですから

 ぜひ私の家で話をしましょう」

 

 

聞きたくなければそれでもいい、と言って歩き始める謎の女性

「マスターやめましょう。信用できません」

普段、嫌悪感というものをあまり表に出さないブリトマート、その彼女があからさまにあの女性を拒絶しているのが分かる

 

 

 …確かに胡散臭い、信用できないと言っても仕方ないけれど

「でも手がかりがあるなら行くしかないよ、アルトリアを放っておけはしないし」

 

 

浮かない顔のブリトマートだったが他に手がかりがあるわけでも無いので最終的には折れてくれて、私たちは女性のあとをついていくことにした

 

 

 

 

 

ニューダーリントン 女性の家にて…

 

 

「あまり時間がないので端的に。質問があれば随時答えていきますのでどうぞ

 まずこの世界について、ここは第6異聞帯──を忠実に丁寧に再現された特異点です。正確に言うならば当事者たちの記憶を頼りに再構成された妖精國と言えばいいでしょうか」

 

 

「記憶を?」

「はい、かつて第6異聞帯で生きた者達の記憶と記録を可能な限りコピーし、聖杯で作った大地にペースト…あとは場所ごとの記憶から第6異聞帯の街や景色を再現したのでしょう

 

 

 あなた達が最初に話していた妖精達は本物ではありません、妖精國で実際生きた妖精には間違いありませんが彼らは妖精ではなく妖精の記憶…

あなた達は記憶と会話していたのです」

 

 

「続いてこの國の統治者ですが…こちらはもうご存知ですか?」

「妖精騎士トリスタンが女王に就いていると」

「それなら話が早い、彼女は記憶で再現された偽物ではなく正真正銘本物の妖精騎士トリスタン…いえ、カルデアのサーヴァントでありトネ──モルガン陛下の娘、バーヴァン・シーです」

 

 

「バーヴァン・シー様が…いったいなぜ?というか何故あなたはそこまで知っているのですか?」

「それについては答えられませんが…分かっているのは彼女の手に聖杯があり、それを回収することがこの特異点の収束に向かうことは間違いありません

 また逸れたと言っていたあなたのお仲間も彼女に捕まっている可能性が高いでしょう」

 

 

 アルトリア…!

「それならすぐにキャメロットに行こう、バーヴァン・シーに直接聞いてみて「それはやめた方がいい」

「どうしてですか?カルデアのサーヴァントだと分かり切っているのなら──」

 

 

「聖杯の影響か今の彼女は暴走している、会ったところで説得どころか会話ができるかも怪しい」

「それなら尚更行かなきゃ」

「──え?」

 

 

「ブリトマート、キャメロットに行こう」

「分かりましたマスター!」

「い、いやいや待ってください?私の話を聞いていたんですか?」

それまで表情を変えずに淡々と話していた女性が初めて素っ頓狂な顔になり、一瞬遅れて話し始めた

 

 

「聞いていたよ。だから行くんだ」

「どうして?殺しにかかってくるかもしれない相手に?」

「暴走してるなら誰かが止めてあげないと、さもないときっと彼女は終わったあとで後悔して泣いちゃうから」

 

 

以前モルガンからバーヴァン・シーについて話を聞いたことがあった

 悪逆に生きる…その言いつけを守り他者を虐げていた彼女だが元の優しさから終わったあとでいつも泣いていたと

 

 

「終わったことは変えられないけれど、これからをより良い未来にすることはできる。…私、彼女にこれ以上悲しんでほしくない」

「………」

 

 

しばらく黙り込んでいた彼女だったがやがて降参したように息をついた

「…分かりました、キャメロット城には私も用があります。微力ながらお手伝いしましょう」

「ありがとう!えっと…」

「──とりあえずアサシンと名乗っておきます、一応サーヴァントではあるので」

「分かった、よろしくねアサシン!」

 

 

 なら早速キャメロットに向けて

「!! 窓から離れてください!」ブリトマートさんも!

ぐいっ!と揃って首根っこを引っ掴まれて床に転がる

「キャッ…!いきなり何を「静かに!」

 

 

声を殺し、床からでは空しか見えない窓の向こうへ意識をやると

 号令みたいな掛け声と…鎧の鳴る音──いや多すぎる!何人いるの!?

「いったい何が来たんですか?」

「どうやらバーヴァン・シーはお2人を捕えるために部隊を動かしたようですね…」

 

 

コンコン

 

 

「2人はベッドの下に。何があろうと動かず、声も出さないように。見つかればもう庇えません

 …はい、どちら様ですか?」

最初に出会った時の笑顔に戻ったアサシンが部屋を出て玄関の方へ。

 

 

「女王陛下より派遣されたD・ポーチュン兵士長です。カルデアからの侵入者がこの家に隠れていると情報が入りましたのでお伺いを。

 …中に入らせていただいても?」

「この家に?…ええ構いませんよ、どうぞ」

 

 

がちゃり

 

 

部屋の外から聞こえた扉の開く音、遅れて聞こえてくるのは鎧の駆動音

 入ってきた…!

がしゃがしゃという音が近づいてくる

 

 

「………」

 

 

かちゃ

 

 

 部屋に…

 

 

 ここからでは足元しか見えないが見える限りでは女王騎士と瓜二つ。彼らも再現されているの…?

 

 

「ふむ…」

「家具をあまり置いていないものでして、隠れられそうなところといったらそこのベッド下くらいですが…もし本当にカルデアが居たら恐ろしいので代わりに確認していただいても?」

「ええ、もちろん」

 

 

(マスター!…私たち嵌められたのでは!?)

(大丈夫、あの人を信じよう)

 

 

顔を伏せ、息を殺して、気配を断つ

 大丈夫、大丈夫、今回だって乗り切れる、きっと大丈夫…

 

 

………

 

 

………

 

 

………

 

 

「………」

「…カルデアは居ました?」

「・・・いえ、ここには居ませんでした。失礼しました」

 

 

ガシャガシャと鎧の音が遠ざかっていく…

 …帰って行った?

 

 

顔をあげて見えたのはちょうど女王騎士が玄関から出ていくところだった

 …というかあの女王騎士、シャドウサーヴァントみたいに真っ黒だ。再現も完全ってわけじゃないみたい

 

 

「お時間を取らせてしまい申し訳ありません」

「いえ、お勤めご苦労様です」

「そう言っていただけるとありがたい。…ところで最後に1つ確認をさせていただいても?」

「構いませんよ、なんですか?」

「いえ、確認するのは貴女ではなく──ふんっ!」

 

 

ブン、と何の前触れもなく投擲された大斧がベッドごと私達を粉砕しようとこっちに──

「マスターっ!!」

頭上のベッドごと斧を薙ぎ払ったブリトマートのおかげで助かった、が

 

 

 まずい…!

破壊音につられて外の兵士たちが雪崩れ込んでくる!

 

 

「…重ね重ね申し訳ない、やはりカルデアはそこに居たようだ」

 

 

 捕えろ




最近バーヴァン・シー×ピクミンという構図を考えてる作者のルルザムートです、ハイ。
意外と修正に時間かかってしまった、というのも途中ネタが急に出てこなくなって少しコヤンスカヤの方に戻っていたという。
さてどうなるかな
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