「……ん」
目が覚めて、起き上がる。
平然と言ってるが、俺自身としては全然平然ではない。
だって目が覚めたら辺りは真っ白な空間だし、俺全裸だし……というか
「俺、誰?」
俺はそこまで来て自分の事が何一つ思い出せないことに気づいた。
とは言っても流石に自分が人間だとか、自分が成長した年齢だとか、そういう基本的な事は分かってる。
ただ、自分の名前や、ここに至るまでどうしていたのか、それだけは何度頭を捻っても思い出せない。
「こんにちは」
そんな時、俺の耳に誰かの声が届いた。
「……?」
しかし、声のした方を向いても誰も居ない。
……というか、かなり近くで声がした気が。
「お久しぶりですね」
「……こっちか!」
俺は今度こそ声のした方を向く。
しかし、やはりそこには誰も居なかった。
「さっきから何処に居んだよ! いい加減姿を見せやがれ!」
俺は真っ白な空間で叫ぶ。
どうでもいいが、どこ向いても白一色、色があるのは俺の体だけだから気持ち悪くなってきた。
「……おえ、気持ち悪くなってきた…」
「……ふふふ、その言い方といいその反応といい、貴方は本当に変わりませんね」
俺の言葉に声の主はようやく姿を見せた。
しかし、その正体は意外なもので…。
「
「ふふふ、その失礼さも懐かしいですね」
「懐かしい? アンタもしかして、俺のこと知ってんのか?」
「知ってるも何も貴方は……と、そう言えばそうでした。私は貴方を知ってますが、今の貴方は私を知らないんでしたね」
今の?
じゃあ、この小さい光の玉は昔の俺を知ってるのか?
「とは言え、かつての貴方について教えるのは貴方自身との約束しているので教えられません」
「んだよ、期待して損したぜ…」
俺は両手を広げてその場で倒れこむ。
そんな俺を覗き込むように光の玉は俺の前に近づいてきた。
「ただ、今の貴方がどうして自身の記憶を失っているのか、それは教えてあげられます」
「マジで!? じゃあ教えてください!」
「切り替えの早さもそのままですね。まあと言ってもすごく簡単な話ですけどね。まず、今の貴方ですが生きていません」
「え…」
「貴方は死んだのです。自分の事が思い出せないのはその時の衝撃の影響でしょうね」
「衝撃……って事は事故的な?」
「いえ、世界を救ったのです」
「……は?」
「貴方は世界と、ある少女たちのワガママを守るために、自ら命を懸けて守り抜いたのです」
……え、俺そんなカッコいい事して死んだの?
自分で言うのもなんだけどこんな全裸の男が?
その子たち今の俺見たら失望するよ、絶対。
俺だったらするもん。
「さて、では、貴方が成し遂げたこと思い出させるとしましょう」
「え、そんなことしてくれんの? ってか、アンタ何者?」
「私ですか? 私はまあ、神様的存在だと思ってください」
光の玉はそう言うと、強く発光を始め、俺はそれに包まれた。
この作品は話が出来次第、AM8:00に投稿します