けたたましく鳴る目覚ましの音で、俺、
「……ん、ふああああ~…。もう朝か」
布団から出て、顔を洗い歯を磨く。
どこにでもある平凡な朝の動きをした後、俺はメモ帳を開いて予定を確認した。
「今日は10時から引っ越しのアルバイトを4時間か、うっし、今日も張り切りますか」
東京CITY。
俺はこの大都会で一人暮らしをしながら、両親の残してくれた遺産で暮らしている。
まあ自分で言うのも何だが、中々ろくでなしな生活をしていると思う。
さっきバイトの確認もしたけど、ほとんど日雇いを数時間しかやってないし、自分が何をしたいのかも見つかってないしな。
「おっと、いけね…………2人とも行ってきます」
俺は両親の遺影に手を合わせて家を出る。
うん、今日もいい天気だ。
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そこから少し時間は進み、俺は現在作業に勤しんでいる。
「おーい、次こっち手伝ってくれ!」
「はい、今行きます!」
次から次に重い荷物を運び入れる。
キツい仕事だが、それでも日々の筋トレの甲斐あって順調に出来ていた。
こういう時間も作れる辺りは、今の生活に満足している。
「いや~、司君が来てくれて助かったよ!」
「そうですか?」
「うん! 若くて、元気があって、力も強い! 司君がウチに来てくれたら嬉しんだけどね…」
「勘弁してください…、まだどうするかなんて、決めてないですよ」
俺はそう言って職場を後にした。
そして、帰り道でふらっと立ち寄ったコンビニで買うものを物色しているときに外の異変に気付いた。
「……雪? いや、雹か?」
外には大粒の雹が降り注いでいた。
しかし、今はまだ秋に入ったばかり、いくら冷え始める時期といえど雹が降るなんて考えらないはずだ。
俺はそう思いながら外へ出る、すると、海の方に巨大な氷山が浮かんでいるのが見えた。
「……マジかよ」
俺は何故か分からないが、氷山が浮かぶ海岸に向けて足を運んでしまっていた。
……それにしても、さっきのコンビニで傘でも買っておけばよかったな、寒いし雹が当たって痛い…。
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「近くで見るとマジでデッケーな…」
俺は海岸沿いの道から氷山を見ていた。
ついさっきまでいつもの日常だったのに、突然こんなのが現れるなんて、何かの前触れか?
「なーんて、考えたところで俺に出来る事なんて何もねえしな」
そう言った俺の頭上を、一つの光が通り過ぎ、氷山を撃ち抜き、俺の視界は光に包まれた。
「な、なんだ!?」
次から次へとよく分からないことの連続に戸惑う俺。
しかし、そんな俺にまたしても不可解なことが襲ってきた。
砕け散った氷山から飛び散った無数の黒い光と、少数の白い光、その中で飛びぬけて大きな白い光が俺目がけて飛んできたのだ。
「あっぶね…!」
咄嗟の事だったが、俺はその白い光を右に避けた……はずだった。
「……は?」
だが、その光はまるで意思でもあるかのように方向を俺に変えてきて、俺は二度目の事に反応できずその光を受けてしまった。
だが、
「……何ともない? 何だったんだろう、あの光…」
俺は自分の体に違和感がない事を確かめながらまた帰路に着くことにした。
その帰り道、ふと見た建物のガラスに映った自分の姿を見た。
「っ!?」
そのガラスに映った俺はさっきまでと違うことに気付き、一度目を離して再びそのガラスを見たが、そこにはいつもと変わらない平々凡々とした俺が映っているだけだった。
「あれ…? 気のせい、だったのかな? うん、きっと気のせいだな」
一瞬ガラスに映った俺の姿は、髪の一部が逆立ち、瞳が銀色に輝いていたように見えたが、その時の俺は大して気にも留めなかったのだった。
次回で流石に原作勢と絡ませます