黒い銃弾とは何だったのか   作:黄金馬鹿

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続かないと言ったな?すまん、ありゃ嘘だ。

と、そんな感じなので原作第一巻の分はやろうと思います。ティナの話はその分が終わってから続けと言われたら続けます

さて、今回は大体アニメ版第一話Aパート~第二話Bパート辺りまで

基本的な設定の部分はかなり省いた上に色々と展開弄ったらこんなんになりました


ツーパンチ

「里見君!報酬を貰い損ねるだなんてどういう事よ!?お陰で今月も色々と火の車なのよ!?」

「うっせぇなぁ……倒せたんだからいいだろ。」

「わ、た、し、は!報酬が欲しいの!じゃないと明日にでも雑草食べて暮らす生活が待ってるのよ!」

「別にいいだろ。食えれば。」

「良いわけあるかァ!!」

その日のおやつを食べるにはいい時間帯。ゲイバー、キャバクラ、闇金という笑うしかない立地の悪さの中、キャバクラと闇金に挟まれた場所にある天童民間警備会社の中。社長、天童木更の怒りは爆発していた。

地面にクレーターを作ったせいで関係者に平謝りさせられ、その作った張本人はタイムセールに行ったという。しかも間に合わなかった。

報酬が無いから自分と蓮太郎の給料はだだ下がり。延珠への給料はちゃんと払っている。何故なら延珠に罪はないし子供への給料を減らすのだけは木更の良心が許さなかった。

「お陰で明日からお腹いっぱい食べられないかもしれないのよ!?あとタイムセールあるんなら私にも教えなさいよ!」

(そこもきっちり怒るのな。)

怒り心頭の木更と何処吹く風の蓮太郎。延珠は用事があると言ってどっかに行ってる。

今回ばかりは説教決め込んでその歪んだ根性叩き直してやると言わんばかりの木更。その中、ガチャッとドアが開く。

そこから入ってきたのは延珠だった。

「あら、延珠ちゃん。用事はいいの?」

「もう済ませてきたのだ。」

そう言う延珠は笑顔で木更に封筒を渡した。それには、天童民間警備会社様へと書かれていた。

「?」

よく分からずにそれを開けると、中からはお金が。

「!?」

「貰い損ねてたからな。ちょっと警察署に行って受け取ってきたのだ!」

「延珠ちゃん……あなたが最後の良心よ……」

蓮太郎が駄目なばかりにしっかりと育った延珠に思わず涙する木更。

「これで里見君の給料差っ引くだけで済む……」

「はぁ!?何で俺の給料下げられるんだよ!?」

「あんたがほぼ毎回厄介事作ってくるからでしょうがァ!?」

初めてキレた蓮太郎とそれを迎え撃つ木更。

「わ、妾の給料は減らしていいから……あんまり使ってないし……」

「…………ごめんなさい、なんか涙出てきた……」

「……俺も。ごめん延珠。」

「?」

十歳児にここまで気を使わせた事になんかやりきれなくなる木更と蓮太郎。

原作よりも苦労して育った彼女はもう、色々と健気だった。

ちなみに、木更はこんな男に惚れるなんて……と、二重の意味で涙している。

それと、延珠が給料使ってないというのは本当で、食費、学費、家賃、水道代、光熱費、電気代諸々は全て蓮太郎が支払っている。いくら延珠が出すと言っても、流石にそればかりは蓮太郎の良心が許さなかった。と、いうかそれをさせてたら十歳児の子供に生活費を支払わせるという史上最低のヒモ男になる。

だが、実は延珠は木更の知らないところで巻き起こしている蓮太郎の面倒事のせいで胃薬を最近飲むようになってきている。延珠曰く、自分が倒しきれなかった時に蓮太郎が横から手柄をかっさらって、それだけならまだしも吹っ飛んだガストレア(死体)の巻き起こす二次災害を見ると胃が痛んでくるのだそうだ。ちなみに、そう言う事故は大体延珠が

「これはガストレアが最後の悪あがきとしてやった。イイネ?」

「アッハイ。」

という形で駆け付けてきた警察やら何やらに説明している。

「何度大人しく私が民警やって延珠ちゃんと組んでたらと思った事か……」

「おい。」

実は木更、原作とは違い、腎臓は健康そのものだ。だが、自分よりも遥かに強い蓮太郎を民警にしたら自分はガッポガッポ儲かるんじゃないかという邪な気持ちに負けた結果がこれである。

木更はリアル空破斬が出来る人外に片足突っ込んだ人間だが、蓮太郎は例えどんな敵でも神速のワンパンで片付ける人外という領域からはみ出てもう何か別の次元に行ってる存在だ。ちなみに木更が一度だけ興味本位で焼夷手榴弾を蓮太郎に投げて爆発させた事があったが、服が全焼するだけという物理法則とかこの世界を構成する法則とか全てに喧嘩を売るという結果が残った。もちろん謝った。

さてさて、そんな木更のSEKKYOUは延珠が蓮太郎と組んでしまったという不遇に心を痛めた事によりお流れになった。

そして蓮太郎はちょっと知人の場所へと向かっていた。受付を顔パスし地下の研究室に入る。

「せんせー、来たぞ~」

「やぁ蓮太郎くん。」

と、挨拶してきたのはカッサカサの死体……ではなくその後ろにいる隈がものすごく濃い女性、室戸菫だ。

「……先生、今ここでその死体を塵に変えられたくなかったら今すぐそれを退けてくれるか?」

「全く、冗談の効かない男はモテないよ?」

「るっせぇ、余計なお世話だ。」

菫が死体を側にあるベットに置き、蓮太郎がそこら辺の椅子に座る。

「で、蓮太郎くん。君は何時になったら死体になって私に研究させてくれるのかな?」

「俺なんか研究しても役に立たねぇだろうが。それに延珠が悲しむ。」

「役に立たないなんてとんでもない。君のその異常なまでの強さ……研究者からしたら是非ともモルモットにしたいだろうね。」

「あんた医者だろ。」

「だから私は無理強いはしない。だが、君が死んだら死体はここに来るように既に手配済みだ。」

「天寿全うしてからになりそうだな。その手配が完了するのは。」

二人の軽口が暫く続いた。そして、菫が死体の胃袋から出てきた消化しかけのドーナツを食わせてきたりとかして吐いたりとかあったが、蓮太郎が本題を切り出す。

「で、先生。今回の事件の感染源ガストレアの特定は出来ているのか?」

「残念ながら。だが、感染源ガストレアはおそらくハエトリグモだと言う事は分かっている。」

「そんくらい俺にも分かる。」

今回、蓮太郎は菫に今回の騒動を引き起こした感染源ガストレアについて聞きに来ていた。だが、どうやら有力な情報はないようだ。

「そういえば君は初めてあった時からそう言う事に関しては詳しかったね。」

蓮太郎と菫が会った理由。それは、蓮太郎が初めてガストレアをワンパンした時だった。菫はそんな蓮太郎に目を付け、拒否権ありの人体改造を提案してきた。勿論蓮太郎は断ったが。それからこうやってちょくちょく会っている。

「そんじゃ、先生。何かあったらまた頼んます。」

「精々頑張ってくるといい。蓮太郎くん。」

蓮太郎はそのまま振り向かずに帰っていった。

そして蓮太郎が帰宅してから夕飯時。

「今日の晩飯はもやしご飯ともやし炒め、もやしのステーキともやしの味噌汁だ。」

「今日も美味しそうだな!」

「たんと食え!おかわりなら(多少は)ある!」

そんな感じでワイワイとした食事が終わり、しばらくしてから。

「延珠、注射の時間だ。」

ガストレアウイルスの進行を抑制する抑制剤。これは民警ペアには必ず配られる物で、大怪我やガストレアウイルスを注入されるのを防げば進行度を0に抑えることもできる。

これを針のない注射器で打ち込む。針があると呪われた子供たちの驚異的な治癒力により針が肉に埋まって大惨事となるからだ。他にはバラニウム製の注射針を使うというのもあるが、それだと暫くの間血が止まらないのでこの針のない注射器で薬品を打ち込むしかない。

「うぅ……これは嫌いだ……」

が、延珠は注射の痛みは苦手なようだ。

「なら俺が握力で無理矢理染み込ませてや……」

「とか思ってたけどそんな事はなかった。」

蓮太郎が骨の折れない程度で液体の入った小瓶を握り潰せば人体に染み込ませることは一応可能だ。小瓶のガラスが延珠の皮膚に突き刺さる事になるが。

そんなの目に見えてるので延珠は素直に従う。

そんな感情豊かで十歳にして胃痛持ちの延珠はIISOで初めて蓮太郎と会った時は人間不信の塊のような目をしていた。

そんな延珠がなんで今のようになったか。それは、人間不信がために蓮太郎が触れようとした途端にその手を蹴り上げようとした足を蓮太郎がカウンターのカウンターで掴んで無意識にアッパーを決めてしまった事が原因だった。延珠曰く、そんな強さとそのあとすぐに土下座してくれるくらいの優しさに惚れた、と。ちなみにその時の延珠は顎の骨にヒビが入っていた。が、三日で治った。だが、蓮太郎曰く常人なら三回死んでる位の勢いで殴っちまったからマジで死んだかと思った。らしい

「さぁて寝るか。」

と、蓮太郎は布団の敷いた部屋に向かう。その後延珠と色々とあったが就寝。なんやかんやで二人の仲は滅茶苦茶いい。

次の日。蓮太郎が学校で授業を受けてる途中で木更が蓮太郎を迎えに来るという珍事件が起きたりした。

木更が言うに自分と蓮太郎は防衛省へと招待されているらしい。どうやら、重要な会議があるらしく、高ランクの民警と民警会社が呼ばれているらしい。

だが、蓮太郎のIP序列は10万位ポッキリ。実はこれは蓮太郎が無理矢理ここにしてくれと聖天子に願った結果なのだが、それはさておき中に入ると、様々な民警会社の社長及びその付き添いが多数居た。

が、蓮太郎も木更もこの場にいる者よりも強い。それは本能で分かってるので視線を無視して天童民間警備会社とプレートの置かれた席に座ろうとする。

「ん?なんだ?今時の民警は子供でも務まっちまうようになったのか?」

が、道を塞ぐように話しかけてきたのは明らかに柄の悪い口元にバンダナをした男。

その横で蓮太郎と木更の人外っぷりをこれまた本能で感じたのかペアの子供が引き留めようとしてるが迷ってるらしくウロウロしている。

「おいおっさん。殴り飛ばされたくなかったらとっととそこどけよ」

「里見君!(殴ったら相手の命が)危ないから止めなさい!」

「へっ、そこの嬢ちゃんは分かってるようだな。」

明らかに途中に入った()の部分を分かってはいない男。その横でペアの子は泡吹いてぶっ倒れてる。

「あ~……もういい。殴り飛ばす。」

「こら!本当に(相手の命が)危ないから止めなさいってば!(相手が)病院送りどころの騒ぎじゃなくなるのよ!?」

完全にヤル気の蓮太郎を羽交い締めして止める木更。泡吹いてぶっ倒れた子はもう白目も向いて顔面土気色という生きてるのか不安になる程の症状で倒れている。さらに、若干の実力者が冷や汗垂らしてたりたったまま気絶してたりたったまま泡吹いてたりしてる。

「将藍。止めておけ。(お前が負けるという結果はお前以外)分かっているからな」

「…………チッ。」

下手したらDie惨事になってたのをなんとか男の所属してるところの会社の社長が止めた。その最中に蓮太郎が白目向いて泡吹いて顔面土気色で倒れている男のイニシエーターにビンタかまして起こそうとしていた。ゴキッという音が聞こえたが彼女も呪われた子供たちなので特に問題はないだろう。無いと信じたい。あと歯が飛んでたのも気のせいだと思いたい。思わせてくれ。

「おい夏世。起きろ。何寝てんだ。…………お、おい?大丈夫か?」

ほっぺた真っ赤で顔面土気色で倒れてる(口から吹いた泡は木更が綺麗に拭き取り白目向いたままだったのも木更がそっと瞼を降ろしてあげた。)自分のイニシエーターを起こそうとするが、起きないためにちょっと心配になる男であった。

さて、そんな事はさておき、木更が席に座ったところで真正面のモニターの電源がつき、一人の女性(後ろにジジィ付き)が現れた。

『どうも、民警の方々。聖天子です。』

瞬間、その場に居る全員に衝撃が走った……いや、蓮太郎以外にだ。

聖天子はモニター越しに会議室を見渡す。そこには、一つだけ空席があった。が、聖天子は特に気にした様子はない。

『今回集まっていただいたのは他でもありません。あなた達に極秘の依頼を頼みたいのです。』

聖天子から直接の極秘依頼。それによりさらに衝撃が走った。聖天子からの依頼なんて達成した暁にはどれだけ知名度が上がる事か。

『依頼の内容を聞いてから断る事は許されません。しかも、今回の依頼は命を落とす可能性もあります。なので、そんな危険な事を受けるのは御免だという方は出ていってもらって構いません。こちらからは何も咎めません。』

つまり、聖天子は命が惜しければここから去れと遠まわしに言ってるのだ。だが、民警とは元より生と死の瀬戸際を行くような職業。今更命が惜しいとは言えない。そのため、その場にいた全員は動かなかった。

聖天子はそれを見ると、改めて依頼を口にする。

『今回、あなた達に頼みたいのは先日感染者を一人出した感染源ガストレア。それと、そのガストレアが持っているであろうケースを回収して欲しいのです。成功した暁には十億円払わせていただきます』

「よし行くぞ木更さん。俺達なら楽勝だ。」

「待てやこの馬鹿野郎。」

閃光。それが蓮太郎の頭へと吸い込まれ、ガキンッ!!と音が鳴り響く。それは真剣だったが、蓮太郎の髪の毛すら斬れていない。

「まだ何を回収するのかとか何をしたらいいのかとか聞いてないでしょうがこの馬鹿!!」

「……ああ!」

「…………もういや。」

木更がこっそりポケットから水なしで飲める即効性胃薬を口に含んで飲み込む。

「ごめんあそばせ。おほほほ。」

木更は表面上をそれで取り繕って席に再び座る。

『……よ、よろしいでしょうか?』

流石にドン引きの聖天子。一応彼女も蓮太郎の人外っぷりは知ってるがドン引きせざるを得ない。

『……こほん。回収して頂きたいのはこちらのケースです。』

モニターに写真が映し出される。それは、白いケースだった。

全員の頭にクエスチョンマークが浮かぶ。

勿論、蓮太郎の頭にも。あれが十億円の価値があるものなのか。しかもそれは聖天子が欲しがるほどのものなのか、と。

一瞬の沈黙。だが、それを蓮太郎が破った。

「聖天子様。それの中身は何なんだ?それ位知る権利は俺達にだってあるはずだ。」

(さ、里見君が珍しく真面目な事を……)

「木更さん?何か失礼な事考えたろあんた。」

デコピン(普通なら頭パーン)をくらわせてやろうかとか考えた蓮太郎だが、すぐに聖天子からの返事が帰ってくる。

『それにはお答えできません。それは依頼人へのプライバシーへの侵害になりますから。』

ざわつく会議室。当たり前だ。幾ら聖天子からの直接の依頼だからと言って中身がわからなければどう扱っていいのかすらも分からない。

「……チッ、あぁそうかよ。だろうと思ったぜ。」

蓮太郎はそう言うと、トントン。と地面を靴のつま先で叩き、

「木更さん、二秒後、伏せろ。」

構えをとった。

「え?」

「行くぜ!!」

「みんな!伏せて!!」

木更の叫び。必死すぎるその声に全員が伏せる。その瞬間、

「普通のパンチ!」

壁が消し飛んだ。そう、文字通り蓮太郎の真正面の壁が消し飛んだのだ。

遅れて衝撃。ビル全体が揺れる。

「ヒヒヒ、見事な物だよ、里見蓮太郎君!」

「……またテメェか。」

穴の下から飛び出してきたのは赤い燕尾服と仮面、さらにシルクハットを被った男。そして、小太刀を二本背中につけた黒髪で赤目の少女。

「どうもお初お目にかかる。私の名は蛭子影胤。」

赤い燕尾服の男、影胤は机の上に登ってモニターへ向けて礼をした。

「ほら、小比奈。挨拶を。」

「蛭子小比奈、十歳。」

小比奈と自己紹介をした少女はドレスのスカート部分を摘んで少し持ち上げ、お辞儀をした。

これだけならまだ愛らしい。だが、全員が感じていた。こいつらは普通ではないと。

「このままここにいるとまた彼に仮面を壊されかねないからね。要件だけ伝えよう。」

影胤は蓮太郎を一度見てから、すぐにモニターへと視線を戻す。

「七星の遺産は私が頂く。」

「つまりお前もこのレースに参加するって事だな。蛭子影胤。」

「その通りだ。」

「ついでに聞く。七星の遺産ってのは何だ。」

「君達が探し求める事になる物だ。」

「けっ、んな事知ってんだよ。」

「まぁ、そうだね。さて、掛け金としては……君達の命なんてどうだい?」

「何訳のわかんねぇこと言ってんだ!」

その時、将藍が動いた。背負っていたバスターソードを地面に一度突き刺し、片手で構え、突っ込む。

「ぶった斬れろやァァァァ!!」

高速で振るわれるバラニウム製のバスターソード。だが、それは見えない壁のようなものに弾かれ、飛んでいく。

飛んでいったバスターソードは気絶した彼のイニシエーターの顔の僅か数センチ横につきささった。その瞬間目が覚めたその子はいきなり目の前にバスターソードがあった事で再び夢の中へ。

と、ここで蓮太郎が腕時計を見て焦りの表情を浮かべた。

「なっ!?」

「ヒヒヒ。」

「う、撃て!撃てぇ!!」

誰かが叫んだ。その瞬間、銃を持っている人間が全員それを抜き、引き金を引く。が、飛んでいったバラニウム製の弾丸すらその壁に止められる。

「に、人間なのか?」

「もちろんだ。まぁ、そのために内蔵の代わりにバラニウム製の機械を詰め込んでるけどね。あ、こら小比奈。触ったら危ないよ。」

驚愕に染まるプロモーター達。だが、それを見て影胤はどんな表情をしているのかは分からない。

「改めて名乗ろう。私は元陸上自衛隊東部方面第七八七機械化特殊部隊……『新人類創造計画』蛭子影胤だ。」

その瞬間、風が吹いた。

「ゴチャゴチャうっせぇんだよ。オッサン!こちとら時間ねぇんだ!」

蓮太郎だ。彼が一瞬で影胤の真っ正面に回り込んだ事により起きた風だった。瞬間、蓮太郎の神速の拳により割られる見えない壁。パラパラと弾丸が地面に落ちる。

「パパ!」

だが、それに小比奈は反応した。小太刀を抜きながら蓮太郎へと斬りかかる。

しかし、

「天童式抜刀術一の型一番、滴水成氷!」

爆音。それと同時に小比奈の小太刀が小比奈ごと弾かれる。

「私だって戦えるのよ。」

それをしたのは木更だった。小比奈はその木更を見て表情を変える。

「パパ……この二人、マズイ。」

「知っている。だから、ここはご退場させて頂こうか。」

「逃がさないわ。ここで捕まえさせてもらう、蛭子影胤。」

チン。と音を立てて鞘に仕舞った刀の持ち手に手を掛ける木更。

だが、蓮太郎は。

「……いや、とっとと行け。」

「里見君!?」

木更が蓮太郎に掴みかかる。だが、蓮太郎は懐から何かを取り出し見せ、ついでに腕時計を見せた。それによりハッと表情を変える木更。

「そ、そうね。別にその内捕まえれるんだし逃がしてもいいかもね。(里見君がさっき気付いてくれてよかった……)」

「(何を企んで……あっ)そうかい。ならば逃げさせてもらうよ。」

仮面の下で察したような顔をすると影胤。ヒョイヒョイと元壁の前へ行くと、影胤は何かを取り出し。

「プレゼントだ。」

と、置いていった。それは結構でかいプレゼントボックスだった。それをおいた影胤は小比奈と共に去っていった。

「う、家の社長が!自宅で殺されて……」

それと同時に唯一出席してなかった会社の社員がドアから入ってきた。プレゼントボックスからは赤い液体が……

「……悪趣味なやつだな。」

『……依頼の追加です。何をしても蛭子影胤より先にケースを奪い、蛭子影胤、蛭子小比奈ペアを討伐してください。話は以上です。』

そして通信が終わる。その瞬間、パァン!と音がした。

その音の方向を見ると、そこにはもう蓮太郎と木更の姿はなかった。

まさかもう討伐に行ったのか……と、戦慄する民警達だった。

将藍のペアの子は暫くの間スヤァ……していた。

さて、そんなソニックブームを残して消えた蓮太郎と木更はというと、

「タイムセールまで後三十秒よ!?あなたが変な質問しなけりゃ完璧に間に合ってたのに!!」

「三十秒だと?楽勝だぜフーハハハー!!」

結果、タイムセールに間に合い、二人で六円となったもやし(お一人様二袋限定)を全力で取りに行ったのだった。

この二人の優先順位は蛭子ペア<タイムセールらしい。これを悟った影胤は鋭いのか自分もお世話になっているのか。真相を知る者はいない。

「見ろよ木更さん!もやしがこんなにあるぜ!」

「明日から暫くはもやしには困らないわね~」

ちなみに、タイムセール中の奥さんたちはこの人外に蹂躙されていった。




ここの延珠ちゃんはいい子。だって苦労人だから

木更さんと延珠ちゃんは二人とも蓮太郎の起こす騒動や二次災害のせいで胃痛持ちです。あと、木更さんは腎臓が無事です。蓮太郎がそのフラグをワンパンで叩き折ったので

それと、菫の提案した人体改造とは、新人類創造計画の事です。決してショ○カーみたいな事ではありません

あと、ここのワンパンマンと化した蓮太郎ですが、強さはサイタマ先生には一歩及ばない位です。やっぱりサイタマ先生の強さは何処か可笑しい(褒め言葉)

それと今回出てきた必殺『マジシリーズ』についての解説を最後にお別れです。それでは、また次回

必殺『マジシリーズ』普通のパンチ
──解説──
(蓮太郎にとっての)普通のパンチである

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