黒い銃弾とは何だったのか   作:黄金馬鹿

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どうも皆さん、私です

何故か興が乗ってすぐに書き上がりましたので更新です

現在、5、6巻をどうやってぶち壊そうか思案中です

それでは、人外in民警軍団VSアルデバラン軍団!レディー、ファイッ!!


トゥエンティーフォーパンチ

結局、民警達が陣形を組み終わったのは三時間後だった。

時刻は夜七時となり、太陽は姿を隠し始めている。そして、灰が舞い上がり雲を作る。

世界の終わりとも言えるような光景だが、そんな中でも人外とそのイニシエーターは特に緊張感は抱いていなかった。

アルデバラン暗殺の目処は実は既についている。

そのために美織に連絡を送ったのだが、準備が終わるのは今日の十一時頃になるという。

そのため今日は周りの民警を守りつつガストレアを殲滅してくれと聖天子様より直々の命令を受けている。

命令は一時間前に受けた。

「……始まったか。」

蓮太郎の驚異的な視力がガストレアと自衛隊の交戦開始を目撃する。瞬間、上がる炎。

ティナもバリスティックスコープと呼ばれるスコープで見てるものの、流石に見えないようだ。

ちなみに、蓮太郎達人外アジュバンドは我堂のアジュバンドに所属する民警の指示に基本的に従うことになっている。

聖天子もそこら辺は関与できなかったらしい。

何時間、或いは何分経ったか。銃火がまばらになり、ガストレアの声を段々と聞こえなくなってきた。

だが、蓮太郎は見ていた。自衛隊が負けたのを。

「蓮太郎……ジエータイは勝ったのか?」

「……負けた。ガストレアに噛まれた隊員がこっちに来るのが見える。多分、アルデバランが32号モノリスを攻めたように何かしらの指示を出している。その後ろに……何百匹か増えたガストレアの軍団がいる。」

蓮太郎は自分のアジュバンドにしか聞こえないように言った。

何故自衛隊が負けたのか、そこまでは流石に見えなかったが、負けたのは確かだ。

雰囲気を切り替える人外アジュバンド。

そして、暫くして自衛隊の隊員がこちらに歩いてくるのを、他のアジュバンドが確認した。

他のアジュバンドはおぉ!と歓声を上げる。だが、よく見れば足元が覚束無いことや、何故か四、五十人で来ている事から何かおかしい事はすぐにわかるはずだ。

だが気づいてないのか、八歳位だろうか。イニシエーターの少女が自衛隊に向かって走りよる。

「近づくな!!離れろ!!」

蓮太郎の叫び。少女はビクッとしてその場で振り返る。

その瞬間、自衛隊の隊員の体が内側から破裂。ガストレアが姿を現す。

だが、その瞬間、ドォンッ!!と爆音にも似た轟音。

音源はティナのバレットライフル。ティナが立ったままスコープを覗いてバレットライフルからRaufoss Mk 211を放っていた。

ガストレアの皮膚を貫き炸裂。さらに炎上。

しかも炸裂した銃弾の破片が周りのガストレアに被害を与える。

少女の方は延珠が全力で走り回収した。

さらにティナがボルトアクションを終えて二発目を発砲。そこでマガジンを入れ替えてボルトアクション。

二発目もガストレアに命中。そして炸裂。

「発砲用意!!」

「は、発砲用意!!」

我堂の声。そして、我堂の息子であり蓮太郎達の中隊長でもある我堂英彦の声。

ティナはバレットライフルを下ろして背中にかけ、援護のため後ろへと走る。夏世も二丁のショットガンの薬室に弾丸が装填されてるのを確認。

そしてさらに我堂の指示。ハンドガンやアサルトライフルを持った民警が一斉に発砲。夏世もスラグ弾をトリガーを引きっぱなしにしてフルオートで弾丸を発射する

「ひ、怯まない!?ショットガンですよ!?」

ショットガンのスラグ弾を受けたにも関わらず、ガストレア達は怯まなかった。他の民警達も驚いている。

「なら!」

夏世は空になったマガジンを三つ目の空のポーチに突っ込み、新たにバラニウムバックショットの入ったマガジンを取り出し、コッキングレバーを引く。それと同時に薬室に弾丸が装填される。そこでタクティカルリロードをして通常のバックショット弾の入ったマガジンと入れ替え、バラニウムバックショットをポケットに移す。そして引き金を一回引く。

パチンコ玉よりも少し大きいバラニウムの塊がガストレアを面制圧する。

三匹ほどが脳か心臓を貫かれ死亡。そしてバラニウムのバックショット弾を受けたガストレアは少し怯んだが、すぐに進行を開始する。

「……結構高いんですよ?あれ。」

貰い物なのでタダなのだが、特製ということもありバラニウム製のハンドガンの弾丸よりかなり高い弾薬で三匹ほどしか倒せなかったのに少しへこむ夏世。

そして、ガストレアは民警からの射撃が無くなった途端、突っ込んでくる。

「戦闘用意!!」

そして、人外が構える。

段々とガストレアが近付いてくる。周りの民警がその迫力に押され息を呑む。

だが、交戦開始の声が上がる寸前。

「ヒャッハァァァァァァァァ!!」

何処かの世紀末で聞きそうな台詞がソプラノボイスで響いた。

そして、青色の外骨格が一つガストレアへと突っ込み、銀色が煌めく。

その瞬間、ガストレアの何匹かが上下に体を両断する。

「逃げるガストレアはただのガストレアだ!!逃げないガストレアは訓練されたガストレアだ!!全くこの世は地獄ですよフーハハハッ!!」

チラッと蓮太郎が自分のアジュバンドを確認するが皆いる。

誰かと思って見て見れば、刀をブン回して突貫してるのは我堂のイニシエーター、壬生朝霞だった。

我堂を見ると胃薬を飲んでいる。恐らく戦闘の時だけ豹変するのだろう。

「……戦闘開始。」

我堂の疲れたような声により、民警達がガストレアへと突っ込んだ。

「それじゃ、気前良く一太刀、入れましょうか。」

木更が刀を構え、腰を落とす。

「飛べッ、斬撃ッ!!」

そして抜刀、一閃。

その一撃で鎌鼬が発生し、ガストレアの体を両断する。

だが、ガストレアは動いている。

「痛みも知らぬまま死ぬが良い……」

チンッ。と刀が鞘に収まる。その瞬間、何十体ものガストレアの体が亡き別れし、血が噴き出す。

「……俺っち、飛ぶ斬撃なんて初めて見たぜ……」

玉樹が感心する。感心してる場合かと弓月がツッコミを入れる。翠は驚きのあまりとんがり帽子が飛んだ。

「なら今度は俺が行こう。」

今度は彰磨が走り出した。勿論、スポーツカーに匹敵する速さで。

「セイッヤァァァァァァァァァァッ!!」

彰磨の気合いの咆哮。その瞬間、彰磨の体が残像を残して消える。

玉樹やイニシエーター達から見たら本当の本当に一瞬。音速すら超えていただろう。

彰磨は消えたと思ったら元の場所に戻ってきていた。

「お前達はもう、死んでいる……」

彰磨の声と共にガストレア数十体の体が弾け飛ぶ。

「ほ、北○神拳……だと?」

「……兄貴、なんかもう、怖くなってきた。」

(テーレッテー。)

片桐兄妹は味方の人外っぷりに顔を真っ青にしてドン引き、翠は何故か某世紀末アーケードの一撃必殺技を叩き込むと流れるあのBGMを心の中で口ずさんだ。ピッタリだった。

「なら最後は俺か。」

そして最強の人外、蓮太郎が動く。

「フッ!」

だが、蓮太郎は動かず、その場で構え、拳を振るった。

だが、その際に発生した拳圧が正面にいたガストレアを潰し、さらに後方にいたガストレアすらも巻き添えにして吹き飛んでいく。

今ので百体は脳と心臓がひしゃげて絶命しただろう。

「あっ……自重したんだけどなぁ……」

(あれで!?あれで自重してたのか!?)

(なんでアレに喧嘩売ったんだろ……あの時の私。)

(……うわぁ。)

上から玉樹、弓月、翠である。

ちなみに他のメンバーはいつもので済ませた。

「よし、木更さんと彰磨兄ぃはペアで、他は互いにカバーするように動いてくれ。俺は好き勝手やる。」

「了解したわ、里見くん。」

「全力で蹂躙と行くか。」

『(ご愁傷様です、ガストレア。)』

そして、この中で最も人外な三人が残像を残して走り去る。

「……取り敢えず妾達も戦おう!」

呆然としてる残りのメンバーを健気な延珠が元気づける。

かなり後ろの方で血を撒き散らして飛んでいるガストレアを見ながら、延珠達も走り出した。

 

 

****

 

 

(私達のアジュバンドはまぁ、当たり前と言っちゃ当たり前で無事ですが……他の所はマズイですね……我堂団長と壬生さんは主に壬生さんが暴走してどっか行っちゃって行方不明……頑張っていますけど戦線を押されつつありますね……)

ティナは後方から木の上に登って狙撃をしながらじっくりと戦況を確認する。

流石にここでは火炎放射機を使えないので、護身用に暗器と借り物のアサルトライフルを背負って幾つかの手榴弾をもってきている。

(流石に三人の人外が加減してるとはいえ……マズイですね。)

ドォンッ!!と銃声。肩に響く痛いぐらいの衝撃を全力で抑え、ボルトアクションを行う。

(高台が無いから狙撃も木の上……もう少しゲリラ戦しようっていう考えはなかったのでしょうか……)

ティナは決戦場にケチつけながらも百発百中で弾丸をガストレアへ叩き込んでいく。

だが、スナイパーとは本来こんな戦闘を想定していない役職。既に通常のNATO弾は半分を切っている。

死にかけているペア襲っているガストレアを優先して撃っているのだが、やられかけているペアが多すぎる。

既に狙撃が間に合わずに命を落としたプロモーターやイニシエーターを何度も見た。

その度に唇を噛み締め、次の犠牲者が出ないようにシェンフィールドとスコープを使って見渡す。

(もっと弾丸を持ってこれれば……ん?)

ティナは不意にスコープから目を離し、上空を見る。

上空には百体程の飛行型ガストレアがティナの隠れている木の後ろ、森へと飛んでいった。

「挟み撃ち……!?」

何でガストレアがそんな作戦を!?と驚くのも束の間、すぐにアジュバンド全体へと無線で連絡を伝える。

「こちらティナです!上空を飛んで挟み撃ちをしようとするガストレアを発見しました!数は百体程かと!」

『こっちでも確認している!木更さん、彰磨兄ぃ、戻れるか!?』

『問題ないわ!』

『こっちもだ。案外大したことないからすぐに戻れる。』

『分かった。延珠達はすぐにティナと合流して迎撃に回ってくれ!ティナは足止め頼む!』

『了解!!』

「分かりました!」

ティナはアサルトライフル、AN-94とバレットライフルを入れ替え、AN-94の薬室に弾丸が入ってるのを確認して走り出した。

全シェンフィールドを戻して森の中を探索させる。

すぐにガストレアは確認できた。後十秒でティナからは見える位置に来るだろう。

ティナは手榴弾を取り出し、口でピンを抜く。抜くのに五キロの力がいるピンを歯で抜いたからか折れそうになったが知った事ではない。

Fire in the hole(手榴弾投擲)!!」

癖で叫んでしまったが、手榴弾を投擲、頭を抑えて伏せる。数秒後、爆発。

榴弾の名に恥じぬ程の鉛の破片を撒き散らし、ガストレアにダメージを与える。

すぐにアサルトライフルのバイボットを展開。地面に固定しスコープを除く。

フクロウの因子による夜目を最大まで活かしガストレアを発見。すぐに二点バーストで弾丸を発射する。

タタンッ!タタンッ!タタンッ!と二発ずつ弾丸が吐き出され、全てがガストレアの脳を貫く。

持ってきたマガジンは現在装填しているのを含め四つ。あまり無駄撃ちはできない。

十六回目で弾が切れ、空マガジンを投げ捨て新たなマガジンを装填。後方へと飛びながらコッキングレバーを引く。

ガシャンッと音を立てリロードが完了。バイボットを元に戻して片手で二点バーストで撃ちつつ、もう片手で二つ目の手榴弾を手に取り、ピンを歯で抜く。

「Fire in the hole!!」

投げられた手榴弾がガストレアの中心に落ち破裂。数匹のガストレアを物言わぬ死体に変える。

「辛いですね……」

幾ら元序列九十番でもこの物量差は弾薬的な意味でもキツい。

物凄い勢いで突っ込んでくるガストレアを避けて鉛弾を撃ち込みつつ三つ目の手榴弾を手に取る。

だが、そこで赤い影がティナの後ろから飛び出し、一匹のガストレアを打ち砕く。

「大丈夫か、ティナ!」

「延珠さん、来てくれたんですね。」

「もうちょっとでみんな来るぞ!」

延珠は突進してくるガストレアを跳躍して避け、木を足場にしてガストレアへと突貫。脳を貫き死体を蹴りとばす。別方向から突っ込んでくるガストレアを地面に手をつき、回転してその勢いを全て利用して蹴り砕く。

「少し数が多くないか……?」

「二人でやるのならノルマ50ですよ。」

ガストレアの口の中に手榴弾を放り込み、下顎を蹴りあげ口の中で手榴弾を爆発させるという鬼畜な事をサラッとしているティナがそんなことを言った。

「あ、翠が来たぞ。」

延珠が自分の来た方に目をやると、翠が延珠程ではないもののかなりの速さで走ってくる。そして、ガストレアを確認するとそっちへと全力で走り寄り、一瞬だけ爪を伸ばしてガストレアを三枚おろしにする。

軽く跳躍して斬ったからか、帽子がとれかけたが、両手で抑える。

「これが物を殺すということだ……あ、みなさんももう少しで来ます。里見リーダー達はガストレアをひき逃げしてこっちに向かってます。」

『(ひき逃げ!?)』

ひき逃げと言う単語に驚いたが、あの三人の人外なら走るだけでガストレアを殺す事だって出来るという可能性を考えるとすぐに納得できた。

「あと……夏世さんからティナさんに。」

翠がついでに背負ってきていたショットガンと幾つかのマガジンをティナに渡す。

もうAN-94の弾も尽きかけていたので有難かった。

「ありがとうございます。」

薬室に弾が入ってるのを確認してから近づいて来ているガストレアへと発砲。

ドンッ!!という音と心地いい衝撃と共に発射された弾丸から無数の小型の矢がばらまかれ、ガストレアを襲う。

しかもそれなりの威力があったため、何本かがガストレアの脳か心臓に当たり絶命させている。

「フレシェットですか……いいですね。」

カランカラン。と空薬莢が地面を転がる。さらにティナが発砲。

「あ、みなさんも来ました。」

夜目の効く翠が後ろを見てそういう。

ティナが発泡をやめると、後ろからショットガンの銃声。すぐに前方のガストレアがスラグ弾らしき弾丸で脳を傷付けられ絶命する。

「オッシャァァァァァァ!!」

さらに玉樹がいち早く突貫し、ガストレアの一体を殴りつける。その瞬間、手に装着してあるチェーンソーが起動。ガストレアの肉を抉りそのまま心臓を抉って絶命させる。

「へっ、どうだ!俺っちだってこんぐらいはぐぼぁっ!!」

カッコつけようとした玉樹だが、横からサイが元のように見えるガストレアが突っ込んできて玉樹を吹っ飛ばし、木に頭からぶつかって横犬神家になる。

「……し、死んだ?」

「それにしては血が……」

延珠とティナと翠、そして後方で見ている夏世の顔が青ざめるが、玉樹の体がピクリと動き、腕が動いて木から顔を引き出す。

「ぷはぁっ!数秒意識飛んだぞこのクソガストレア!!」

玉樹がマグナムを抜き、ガウンガウン!!と片手で二発。その二発が脳を傷つけ絶命させる。

そしてそんな無傷な玉樹を見て四人は思った。

こいつも人外だと。

「そして俺達参上!!」

「まずは一匹!!」

「ホワタァァァァァァッ!!」

そしてお馴染み人外三人の登場。勝ち確である。

「……戻ろっか。」

延珠のそんな声でイニシエーター五人はすたこらさっさと前線に戻っていった。

「テメェら如きに負けるかよ!」

「ここからはフィーバーよ!」

「ウオォォォォォォォ!!」

「ボーイも姐さんも薙沢の兄貴も盛り上がってんじゃねぇか!俺も負けてらんねぇぜ!!」

人外四人がガストレアを倒し尽くすのに一分も要らなかったとだけ言っておこう。

そして延珠達が森から出てきた。

延珠が軽くノビをしてこれからどうしようかと少しだけ考えた。

「さて……適当にガストレアでも殲滅して……」

そう延珠が口にした瞬間、目の前を銀色の何かが通り抜けていった。

服の一部が巻き込まれて消え去った。

サーッと顔面蒼白になってパクパクと口を動かすが、特に声らしき声は出ていない。

「……な、なんですかあれ?」

「し、知らないわよ……」

「……ドーンハ○マー?」

「プランBは?」

「ありませんよ、んなもん。」

上からティナ、弓月、翠、弓月、夏世である。

だが、その銀色の何かは民警達を巻き込み比喩なしで消し去りながら戦場を移動している。

「ど、どうしましょう?」

「ま、まずはドー○ハンマーのレーザー射出機を持っているガストレアを排除して奪うんです!そうしたらこちらもドーンハン○ーを……」

「○ーンハンマーはオフラインだから落ち着いてください!!」

バシンッ!と翠の頭を叩いてツッコミを入れるティナ。

「ならここからハッキングしてドーンハ○マーの機能を停止させれば……」

「だから落ち着きなさい!!」

ガツンッ!!と翠の頭に弓月の拳骨。翠は頭を抑えて蹲った。

そして未だにフリーズしている延珠を夏世が斜め45°チョップを頭に当てて再起動させる。

「はっ!?よ、よし、妾達も戦うぞ!あのレーザーに注意しながらな!」

「だからレーザーじゃなくてドーンハンマ○……」

「はいはい行きますよ~」

走り出す延珠とぶつぶつ言ってる翠の尻を蹴って無理矢理走らせる夏世。それを苦笑いで見ながらも後を追う弓月とティナ。色々とカオスである。

「どりゃぁぁぁぁ!!」

延珠が突っ込んでガストレアを蹴り砕く。さらにそこに夏世がショットガンを撃ち込む。

「十六分割……!」

(翠さんってもしかしてゲーオタ?)

翠が他のガストレアを十六分割し、ティナは確実にバレットライフルでガストレアの頭を撃ち抜いていく。

「夏世ち~ん、こっちかかったよ~」

「あ、今行きます。」

そして弓月が蜘蛛の巣を張って近付いてきたガストレアを拘束し、夏世にトドメを刺してもらう。イニシエーターだけでも十分強過ぎるくらいのアジュバンドだが……

「風林火山に風林山なんていらねぇ!!火だけで十分だオラァァァァ!!」

『イエエエエエエエエエエエエイ!!』

そこに人外突撃。しかも全員テンションが明後日の方向に向かって色々とカオスになっている。明日は蓮太郎と彰磨辺りが今日のことを思い出して頭を抱えることだろう。

そしてイニシエーターズは……

『うわぁ……』

ドン引きである。若干一名空を飛んでいるガストレアの中に混じって飛んでいる(飛ばされている)自分達の中隊長を見て腹を抑えている。

人外共はちょっと遠目の場所へと突撃したのだが、四人の世紀末的な声が五人の耳には普通に届いてきている。

ジャイアントスイングされたガストレアが他のガストレアを粉砕してすっ飛んで行ったり、見えない速度で振るわれ続ける刀にガストレアが間違って触れて一瞬でサイコロステーキになったり、彰磨に突っ込んで行って逆に粉砕されたり、玉樹と殴り合い(比喩にあらず)していたり。もう滅茶苦茶である。

「……もう、ドン引きするしかないわよねこれ。」

弓月の言葉にコクコク。と頷く。

だが、そこにあの恐怖のレーザーのような何かが襲いかかる。

「邪魔するなオルァァァァァァァァ!!」

だがしかし、蓮太郎の拳で粉砕される。

「いつもの。」

「うわぁ……」

「あれ、水みたいな何かですよ?そこら辺濡れてますし。」

「物理法則もあったもんじゃありませんね。」

「あれ、人一人が消滅するくらいだったわよね?正面から殴りかかって粉砕したわよ?消えたわよ?」

翠の言うようにもう物理法則もあったものじゃない。仕事をしていない。

「うわっ濡れた……ペロッ。はっ!?これは水銀!?」

『舐めたァ!?』

しかも舐める。そして一発で水銀(注こめ毒です)だと断定する蓮太郎。なんで分かるんだとさらにツッコミを入れるイニシエーターズ。

これは水銀だから掠るのもアウトだぞと叫ぶ蓮太郎だが、忘れてはいけない。蓮太郎はそれを舐めた。

しかし本人はへっちゃらな様子。

「……もう蓮太郎達だけでいいんじゃないかな?」

延珠が腹を抑えながらそっと言った言葉にイニシエーター四人が頷く。

その時だった。木々すら振動で揺れるほどの大音量のナニかの鳴き声が響いた。

延珠達は耳を抑えながら声のした方をを見る。そこにはステージⅤには劣るものの、以前延珠の見たドラゴンのようなステージⅣのガストレアよりも遥かに大きいガストレアがいた。恐らくあれがアルデバランだろう。その少し離れた場所には、同じくステージⅣと思われるガストレアがうっすらと見えた。

おそらくアルデバランの出したであろう声にガストレア達が反応すると、民警達に興味を無くしたように去っていく。

逃げていくガストレアを数十体消し飛ばしたりした人外共も深追いはしなかった。

そしてガストレア達は土煙を巻き上げながら去っていった。

「……終わった、のか?」

だがこの日、民警達は少なくはない犠牲を払っていた。

数時間に及ぶガストレアとの戦いは、主に人外達のお陰で想定より多くのガストレアを屠り、多くの民警達が生き残った。

だが、戦いは始まったばかりだ。




おーっと、英彦くん、吹っ飛んだー!

そんな訳で一回戦終わり。我堂英彦は原作だとイニシエーターを失って軽い自暴自棄になってる所を襲われましたが、今回はイニシエーターの子と一緒に蓮太郎達の巻き添えを喰らいました。生きてます

そして原作だと数少ない第三次関東大戦の生き残り、壬生朝霞ちゃんは戦闘になるとヒャッハーし出します。でもオフの時は実は……?

あと猫耳天使こと翠ちゃん。彼女も今までセリフ数少なかったのでそうは思われてなかったでしょうが、実は結構……

さらには人外がやっちゃった。色々とやっちゃった。正しく人外と言えるようなことをやっちゃった。コイツらのテンションは例えるならば飲み会で飲み過ぎて店をハイテンションでハシゴしてる時のような感じです

第三次関東大戦が終わったら朝霞と翠の原作との相違点みたいな物を後日談として書く予定です

そして後に出てくる蛍ちゃんは現在の案だと……またジャンプ系の何かが入る予定です。傷を治癒できたり吸血鬼の弱点だったり水の上を歩けちゃう的な何かとジャンプ系ではありませんがむせそうな何かがぶち込まれる予定です

それではまた次回。もしかしたら次の次の回で第三次関東大戦終わるかも

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