バイト出来ない身なのでもう課金出来ない……詰んだ詰んだ\(^o^)/
ってな訳でソードアートオンラインロストソングをプレイしつつこちらを軽い憂さ晴らしで更新。作者の憂さ晴らしの犠牲はダークストーカーさんになりました。ついでに本来死亡させるキャラも一部救済しようかなと思いました
木更は一人、天童民間警備会社の社長席で座っていた。
やる事が、極端に無いのだ。櫃間から大切にされていると言えば聞こえはいいが、こうまで暇だと体が鈍ってしまいそうだった。
「……はぁ。」
溜め息をついて、木更は櫃間から貰った懐中時計を手に取る。
かなり金がかかっているこの時計も、貧乏人の木更にとっては重すぎる物だ。
だが、どうにも違和感はある。何か、異物が中に入ってるように感じるのだ。
「分解するわけにも行かないし……って、あら?こんな所に分割線?」
だが、よく見てみると、分割線のようなものが見えた。勿論、常人には見えない本当に極わずか、隙間も0.1mmも無い程の、顕微鏡を使ってやっと分かる程度の分割線なのだが。
「爪だと引っかからないし……カッターナイフの刃を紙並にペラッペラにしてみたらイケるかしら……?」
だが、それでも表面を傷つけてしまいそうで、どうしようかと考えた。
どうせなら時計屋に持って行こうかと結論着いたのは、十分後だった。餅は餅屋、だ。
「櫃間さんから貰ったお金もあるし……ちょっと行ってみましょうか。」
と、財布を手にして席を立った時、木更のスマートフォンが着信音を鳴らす。が、本来設定していたクラッシックの曲ではなく、天誅ガールズのOPだった。
「……延珠ちゃんか夏世ちゃんね……」
溜め息一つついて木更はスマートフォンを手に取り、画面を見る。
発信元は公衆電話からだった。
「……?間違い電話かしら?」
木更は画面をタップし、電話に応答する。
「はい、もしもし。」
『木更さんであってるよな?俺だ、蓮太郎だ。』
「はぁ!?えっ、ちょっ、まっ……」
すぐに周りを確認する。焦っているが、視界の中には誰もいないのを確認する。
「ど、どうしたのよ!?あなた、今は刑務所じゃ……」
『チャンスが舞い降りてな。待っててくれって言ったけど、協力して欲しいんだ。駄目なら一人でやるけど……』
「全然よ!今どこ?すぐに行くわ。」
『俺も良くわかんないんだけど……勾田プラザホテルの一階のカフェまで来てくれないか?そこで落ち合おう。』
「分かったわ、すぐに行く!」
木更は通話を切ると、雪影をカモフラージュの竹刀入れに突っ込み、天童民間警備会社を飛び出す。が、
「悪いけど、君を行かせるわけにはいかない。」
「ッ、櫃間さん……」
外には櫃間が待ち構えていた。何故と聞こうとしたら、櫃間の方が口を開いた。
「里見くんは護送車をひっくり返して逃亡した。それで、誰に協力を仰ぐかと考えたら、君に当たってね……ビンゴだったよ。」
「……なるほど、いい推理で。」
ここで櫃間を吹っ飛ばして蓮太郎との落ち合い場所に行ってもいいが、すぐに木更には監視がつき、蓮太郎と共に行動しても木更は警察を引っ張ってくるお邪魔虫にしかならない。
今ほど、櫃間を利用してやろうと思った自分が恨めしかった。
「教えてくれないかな、彼の居場所を。僕なら、まだ権力でどうにか出来る。」
ここで蓮太郎の居場所を言ったらどうなるか、考える。
(…………こ、今度こそ確実に死者が出る!!絶対に教えれない!教えたら確実に里見くんが殺人者になる!!)
当たり前な考えが出た。
「お、教えれません。」
「僕達を信用できないのかい?」
「いや、警察は信用できますよ?けど、相手が人外だしプツンしたらどうなるか分かりませんし何より人命が大切ですし……」
おそらく、蓮太郎がプッツンしたらこの世の如何なる物でも静止は出来ないだろう。核を撃ち込もうが、この世の軍隊と呼べる軍隊全てを総動員しようが、木更と彰磨と玉樹の人外トリオで戦いに行こうが、止められないだろう。
と、木更は考えているが、実は木更や延珠辺りの親しい人が止めに入ったらすぐに止まったりする。
結局、木更は数時間の間、櫃間を誤魔化し続けるのであった。
****
蓮太郎が木更に電話をかける数十分前。蓮太郎は聖天子の命令で居眠りの予定があった護送官が居眠りしたのを確認してから、手錠を引きちぎり、いざ扉を慎重に蹴破らんとした時だった。
「うぉっ!?」
キィィィィッ!!と強烈なブレーキ音が響き、護送車がスリップ。片方の車輪が浮き、車体が斜めになり、ひっくり返ったのか天地が逆転する。
「……俺じゃなかったら気絶していた。」
が、勿論蓮太郎は無傷。だが、護送官は結構怪我をしていた。
「よっと。」
ドンッ!!と軽く扉を蹴破り、ドライバーや護送官を外に出す。
骨折した手を固定したり、流血してる部分に護送官の着ていた服を破いて包帯を作り巻いたり等など。
治療が終わり、さて逃走だと走ろうとした時、後頭部に筒状の物が突き付けられた。
「動いたら懺悔の前に吹っ飛ぶわよ。何が、とは言わないけど。」
「残念だけど、俺、懺悔する予定なんてないんだが?」
後頭部に突き付けられた物を振り払い、ステップで距離を取る。
「おっ、子供……?」
「チッ……逃がさないわよ。」
蓮太郎の背後にいたのは子供だった。大体延珠と同い年くらいだろう。
振り払った時に持っていた銃を落としたのか、腰からハンドガンを取り出す。どうやら、蓮太郎に突き付けられたのは見たことの無いアサルトライフルだったらしい。
「俺、子供に殺される程恨み買った覚えはないんだが?」
「……鬼八さんの仇よ。死になさい。」
蓮太郎の軽口に何も返さず、少女はハンドガンから弾丸を発射する。
「いや、死なねぇから。」
それを顔を逸らす事で避ける。普通のハンドガンと比べて大分スピードのある弾丸だった。
「ッ!?避けた!?」
「いや、そりゃ避けるさ。」
目の前にボールが飛んできたら避けるだろ?と言う前にさらに二発。
それを素手で掴んで握り潰す。
「……鬼八さんの言った通り人外のようね。」
「なんで皆俺の事を引っ切り無しに人外と……ん?鬼八さん?」
鬼八とは水原の事で間違いないだろう。と、言うか蓮太郎が見てきた名前の中に鬼八という名前を持つ者は一人しかいない。
「まさかお前……」
水原のイニシエーターなのか?と聞こうとしたその時、パトカーのサイレンが小さく響いてくる。
「時間切れ……」
少女はハンドガンを腰に戻してアサルトライフルを回収すると、何がどうなってるのかそのまま足を地につけた状態でスイーッと去っていった。
「……何だありゃ?」
新手の新兵器かと考える前にパトカーのサイレンが響いてくる。
「えっと……まだ居眠りしてるんなら言っても無駄だろうけど……お大事に。」
「……頑張れよー。」
まずは木更とコンタクトを取ろう。蓮太郎はそう考えると、一瞬で消え、公衆電話へと向かった。
****
こんな所を待ち合わせの場にするんじゃなかった。
蓮太郎の心境はこれで一杯だった。
勾田プラザホテルは少し洒落たホテルで、そこにあるカフェも勿論洒落ている。
そんな中、薄汚れた制服で腕と足を組んで目を閉じている蓮太郎の姿はかなり目立っているだろう。
変装用に何か買うかとも考えた。
聖天子は脱獄のチャンスをくれた。だが、その後に警察は確実に追ってくる。警察を権力で職務怠慢させてしまったら色々とマズイからだ。
警察よりも木更が早く来てくれないと色々と面倒な事になる。早く来てくれとソワソワする蓮太郎はかなり目立っただろう。
「すみません。」
「……なんだ?」
だが、声をかけられた。警察かと思ったが、とてもそんな服装には思えない。
「今、暇でしょうか?」
「かなりな。けど、人待ちだ。」
「ならば丁度いい。ブラックジャックでもしませんか?」
「しない。そんなに暇じゃ……って、返答聞く前にカード並べるのを見るに俺の意見なんて聞く気無いな。」
「はい。」
蓮太郎の前にはカードが二枚。聞く耳持たずだ。
蓮太郎は仕方なく配られたカードを確認する。
Aとキング。ブラックジャックの役が揃っていた。
「これはこれは。運がいいですね。」
「最近は運が悪いがな。」
「では、運が悪いまま死んでもらいましょうか。」
刹那。蓮太郎の手の中には男の拳が入り込んでいた。
急に殴られ、蓮太郎はそれを防いだだけ。だが、それは一般人から見れば瞬きの間よりも短く、逸般人から見れば瞬き並に短い時間の応酬だった。
「何すんだ。」
「あなたを始末するだけです。里見蓮太郎。」
「なら地面舐めててもらおうか。」
蓮太郎が組んでいた足で机を蹴り、浮かせ、仕切りにする。
流石にホテルの備品は壊せまいと思ったが、男の拳が机を突き抜けてくる。お構いなしかよと椅子から一瞬で飛び下がる。
「お前の拳なんて見てから回避余裕なんだよ。昇竜決められてぇか?」
「小足見てから昇竜余裕とはナメてくれますね。」
男の拳が机から引き抜かれ、机が無残に床に転がる。それを見てようやく他の客が逃げ出す。
「自己紹介がまだでしたね。僕は『ダークストーカー』、巳継悠河。『新世界創造計画』のあなたの後輩になる予定だった男です。ついでに天童木更なら来ませんよ。」
「ほぉ、テメェが『新世界創造計画』か。ついでに木更さんになんかしたと。」
「そうですが?」
「潰す。」
蓮太郎の一瞬での肉薄。そして一撃で相手を仕留める拳が振るわれる。
が、悠河はそれを紙一重で避ける。
「ッ!?」
「潰されるのは貴方だ!」
そして返しで振るわれる拳を蓮太郎が余裕を持って回避する。
「……なるほど、先生の義眼か。いや、見たところそれのバージョンアップか。」
「ご名答。義眼を付けていないあなたには分からない世界ですが、僕は半分未来予知をしているものです。例え一撃当たれば終わったとしても、当たらなければ別に何てことありません。」
「……なぁるほど。」
そして、二人の姿が消える。
刹那の間に二人は一気に接近しあい、拳を振るった。
空気を切る音が何度も響く。
十秒経った辺り、ドゴッ!!ととても人間を殴った時の音とは程遠い音が響き、悠河が吹っ飛び、壁に激突する。
「がはっ!?」
「まっ、所詮こんなもんか。未来が見えても反応出来なきゃ意味ねぇだろうがよ。」
蓮太郎は悠河の反応速度を超えた速度で拳を振るい、振り抜いただけ。
悠河としては完全に予想外の展開だった。
幾ら蓮太郎であれ、自分の反応速度を超え殴ってくるとは思わなかったからだ。
今頃は蓮太郎を圧倒して余裕綽々とそのまま蓮太郎を殺す予定だったが、大いにその予定は狂った。
悠河は頬を殴られた拍子に折れた奥歯をそのままに立ち上がった。
「……俺の拳を受けて倒れなかった奴を見るのは何人目だったか。まっ、片手で数えれる程度だから誇っていいぜ。」
「なるほど。末代までの自慢にします……よ!」
悠河が折れた奥歯を蓮太郎に向けて吐き捨てる。
蓮太郎は反射でそれを跳ね除ける。
その隙に悠河は蓮太郎に一気に接近。拳を蓮太郎の胸に当てる。
(勝った!!)
そのまま自身の腕に仕込まれている
どれだけ丈夫な人間でも内蔵は鍛えようがない。これで胃か心臓、肺を潰してジ・エンド。の筈だった。
「何だこりゃ?くすぐってぇな。」
悠河は悟った。自分に絶望しか残っていないのを。
「う、ウォォォォォォォォ!!」
さらに連打。二発、三発、四発と次々に拳を打ち込み、蓮太郎の内蔵を破壊しようとする。が、蓮太郎はビクともしない。
「……もう終わらせるわ。」
ドガッ!!と蓮太郎の拳が悠河の腹に食い込み、さらにメキメキッと余りの衝撃に背骨が悲鳴を上げる。
「ぐっ……!?」
「壁ドンだオルァ!!」
そのまま悠河の顔を掴んだ蓮太郎は壁まで運送。そのまま悠河の頭で壁ドンを決める。
「ぐぁっ……」
「さぁて……答えてもらおうか?」
悠河はそれでも拳を蓮太郎に打ち込むが、その威力は先程よりも全然弱い。
「俺を嵌めたのはお前か?」
「ぐっ……そうだと言ったら?」
「まだ何もしねぇさ。お前らのバックにいるのは?水原を殺した理由は?何故俺を嵌めた?『ブラックスワン・プロジェクト』はなんだ。一体お前らは何を企んでいる!?」
「教える訳……無いでしょうが!!」
悠河が腰から拳銃をマウント。ガゥンガゥン!!と蓮太郎の眼球に向けて弾丸を放つ。
蓮太郎の眼球に弾丸は当たった。が、蓮太郎にとっては風が目に当たった程度。だが、蓮太郎の目に涙を浮かべるのは十分で、蓮太郎が手を離して目を擦った瞬間、悠河は抜け出して蓮太郎の背後に回って距離を取る。
そのまま蓮太郎に弾丸を放つが、蓮太郎の裏拳一つで弾丸があらぬ方向へ吹っ飛んでいく。
「ここは逃がさせてもらいますよ!」
「馬鹿だな……逃す訳ねぇだろうが!」
蓮太郎が足に力を込めれば一瞬で悠河の目の前に現れる。
「ッ!」
「お前達は喧嘩売る相手を間違ったんだよ、バァカ。」
蓮太郎が悠河の足を蹴り、悠河を宙に浮かせ、そのまま悠河の手を掴んで背負い投げを決め、悠河の頭が地面に接触する前に悠河の頭を蹴り飛ばす。
「まっ、こんな所か。」
さて、とっととこいつを連れて逃げて尋問するかと思った矢先、足音が複数聞こえる。恐らく警察だろう。
「ここで人攫いの罪を着せられたらマズイし残念だがここはスタコラサッサだな。」
木更に連絡を取れないと分かったため、蓮太郎は一人での戦いを決意しサッサと逃げるのだった。
****
「突入!!」
蓮太郎がスタコラサッサした後、SATが突入してきた。が、中にいるのは蓮太郎ではなく、ボッコボコの青年一人。
「だ、大丈夫か!?」
一瞬協力者かと思ったが、このやられ様は明らかに元協力者とは思えない。
「ん?……民警か?」
青年のすぐ側には民警ライセンスが落ちていた。
「がはっ……はい……死ぬかと思いました……」
これは本音だ。
「そうか……里見蓮太郎は?」
「すみません……今さっきまで気絶していたので……」
「そうか……すぐに救急隊を呼ぶ。」
青年はすぐにやってきた救急隊に運ばれていった。
そしてSATが辺りを散策した所、蓮太郎の物と見られる制服の上着と遺書が川の近くに置いてあった。
その川はガストレアが居るモノリス外の海に近いため、SAT隊員の安全を考慮し捜査を断念。蓮太郎はモノリスの外に出てガストレアに食われたという扱いになった。
あれ……?誰が悪役だっけ……?あぁ、蓮太郎か(錯乱)
何気に丈夫な悠河さん。しかし玉樹程ではないという。そして人の頭で壁ドンする蓮太郎さんマジ悪役
悠河さんの疑似北斗神拳は通用しませんでした。悠河さんマジ主人公的ポジ
これから修行してパワーアップ?するわけ無いじゃないですかヤダー
それでは、ディバインゲートでチップを溜める方法を考えるので今日はここまで。でわでわ