黒い銃弾とは何だったのか   作:黄金馬鹿

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次回の投稿は早目(一時間以内)

ってな訳で連投です。実は前回の話はこの話が完成した後に書いていたり

どうしても説得フェイズや心理フェイズは苦手です……

そして何故ディバゲのブラブレコラボで翠しか出ないんだ……勝手にゲーマーにしたの恨んでいるのか……何て言ったら延珠と木更が出ないのはストレス性胃痛にさせたのと人外にしたせいという……ぐぎぎ……課金しかないのか……

さらに全く関係ない話ですがSAOLS面白いですね。とは言っても執筆しながらなのでまだ浦せかいいったばかりですがww


サーティーファイブパンチ

「おいおい、遺書まで書かせて上着捨てさせて攫ってきた人間に手錠を繋いで風呂場に監禁なんて普通、するか?お嬢さんや。」

「黙りなさい。とっとと喋らないと本当に餓死させるわよ。」

「生憎、1ヶ月飲まず食わずでも死ねない体なんで。昔に餓死は試みたよ。」

「人外め。」

ダークストーカー、巳継悠河をフルボッコにした後、蓮太郎は一人スタコラサッサとその場を後にした。が、その後すぐに護送車横転事故の場所にいた少女に見つかり、銃を突きつけられて連行された。逃げようと思ったら逃げれたのだが、その少女には見覚えがあったので、逃げる気はしなかった。

既に連行から監禁までの鮮やかな手順を披露させられる二日程。蓮太郎は飲まず食わずで熱したフライパンを突き付けられたり爪の間に針を刺されたりしたが、全然堪えた様子はなかった。

それもその筈。熱したフライパンはジューッと音を立てるだけで何の意味も成さず、針は爪の間に刺さる前にバキッと折れたからだ。

結果、何も飲ませず食わさずの拷問に入ったのだが、勿論この人外は体が生物を辞めてるらしく、1ヶ月飲まず食わずでも無事らしい。

「……もう二日も経つけどよ。よく飽きねぇな。」

「鬼八さんを殺した理由を言うまで飽きる事はないわ。」

「鬼八さん鬼八さんつってるけどさ。まずお前は誰なんだよ。」

だが、そろそろ好き勝手されるのにイラついてきたのは事実。ちょっとキレ気味で少女に尋ねる。

「紅露火垂。鬼八さんのイニシエーターよ。」

「へぇ……水原の…………ってマジで!?」

ブチッと勢い余って手錠の鎖がちぎれる。

「あっ。」

「逃げ出そうと思えば逃げ出せたか……ナメられたものね。いつでも私を殺して口封じできるって?」

「いや、殺さねぇよ。」

今まで拘束されていた手を摩る。全く問題なし。

「あのな、火垂。」

「馴れ馴れしい。」

「んな事言われても。まぁ、水原の事だが、俺が行った時には死んでたんだよ。」

「信じられるわけ無いでしょう?あなたが殺人者のレッテルを貼られてる以上はね。」

火垂はアサルトライフルを蓮太郎へと突き付ける。

「んな物騒なもん向けんな。」

「いつ強姦されてそのまま口封じに殺されるか分からない以上こうするのが手っ取り早いのよ。」

「いや、ロリコンじゃねぇから……なぁ、俺ってそんなにロリコンに見えるか?」

「えぇ。それはそれは。」

「……」

蓮太郎は深い溜め息をつきながら、浴槽の淵に両手を乗せて天井を仰いだ。

もうそういう星のもとに生まれたのだから諦めようかとも一瞬思ってしまった。

「ってか、小学生が強姦なんて言葉使うんじゃねぇよ。どこで習った。」

「いつ鬼八さんに迫られてもいいように知識だけはつけておいたのよ。無駄になりそうだけど。」

進んでんな~、最近の小学生は~と自然と漏れた声。ついでにゲームをしている翠の姿が浮かんだのは仕方が無いことだろう。

「そういやぁお前、水原の野郎が何で殺されたのか知ってるか?」

金を出せと言われた程度で殺す程だったら今頃俺は重犯罪者だよと言うために話を振った。だが、

「鬼八さんに金を出せと言って出さなかったから殺したと聞いたわ。ほんとクズね。」

「……ん?おい待て。水原が金を出せと言ったんじゃないのか?水原に金をせびられたから俺が殺したってことになっている筈だぞ。」

「……そんな馬鹿な。」

「いいや、大マジだ。なら多田島って警部に聞いてみろ。俺はその人からそう聞かされたんだ。」

火垂の表情に動揺が現れた。これならこっち側に引き込んで仲間に出来そうだと思った蓮太郎はさらに手を打つ。

「俺とお前の言葉から察するに、敵は警察にいる。裏で繋がってるのかどうなのかは分からないが、明らかにこれは可笑しい。何かこの事件に違和感を感じなかったか?」

「……」

「それに、俺はお前に謝らなきゃならないことがある。俺の力があれば水原を家で匿って情報を確かな物にしてからあいつと俺の知り合いの人外と共に組織を壊滅させれた。けど、俺はしなかった。あの時、無理にでもあいつから話を聞いて協力したら……」

「やめなさい。」

タァンッ!!と銃声が響き、蓮太郎の顔の横を紙一重で通り、浴槽に弾丸が当たる。

「……チャンスをくれ。俺があいつを殺していないという証拠を集めるための……そして、あいつが無駄死にじゃなかったという証明をするための。」

「やめろって言ってるのよ!」

火垂が蓮太郎の顔をアサルトライフルで殴り付ける。が、蓮太郎の顔には傷一つできていない。

「やっと見付けて監禁した仇なんだ。今すぐ殺したいのは分かる。そんな仇が言うのもなんだが、協力してくれ。俺は逃げない。」

「信用できる訳がないでしょ!あなたは鬼八さんの仇!ただそれだけなのよ!」

「思い当たる節があるんじゃないか?水原の最近の動向を振り返ってみろ。あいつは、何かお前に隠して……」

再び、銃声。

今度は蓮太郎の額に命中した。が、勿論のことながら傷なんて出来る訳が無い。

「あるんだろ?だったら、あいつのその行動が無駄だったと証明させないために、俺に協力してくれ。俺なら、水原の無念を果たしてあいつの仇を見つけることが出来る。お前は俺を利用するんだ。俺は道具だ。水原の本当の仇を見つけるための。俺はお前を利用しない。だから、信用してくれ。」

火垂は俯き、歯を食いしばった。そして、壁を蹴って壁の一部を崩し、アサルトライフルを投げ捨てた。

「……私は協力しない。ただ、あなたを利用するだけ。そんなに言うんなら砂漠の砂の一粒並のスケールで信じてあげる。それに、私じゃあなたを殺せない。だから本当の仇を見つけるのよ。分かったらそこで靴履いて待ってなさい。」

「……ありがとう。」

「感謝しないでよ。私は今この瞬間、殺す方法があればあなたを殺してるところよ。」

火垂は恨めしそうにそう言うと、机の中から何かを取り出し、蓮太郎に投げ付けた。

それは拳銃、べレッタが収まったヒップホルスターと折り畳み式のナイフだった。

「それしかないわよ。」

「いや、いらねぇ。そもそも俺は射撃武器は使わないタチなんでね。」

「ここにあっても使わないから持っときなさい。」

「はいはい。」

蓮太郎は初めてヒップホルスターを装着し、ナイフをポケットにしまった。

上着がないので、その下に着ていたシャツの裾をズボンから出してヒップホルスターを隠す。

今現在プロモーターではない蓮太郎が拳銃を持っていたら、普通に捕まるからだ。

「上着ないならこれ着なさい。」

ギターケースを背負った火垂が蓮太郎に黒い上着を差し出してくる。

「なんだそのギターケース。」

「カモフラよ。まさかおおっぴらにへヴィマシンガン持ちながら歩く訳にもいかないでしょう。」

蓮太郎は上着の袖に手を通し、着心地を確認する。

大分制服に近い感じの素材で動きを阻害するような事はなかった。

火垂がブーツを履き、玄関のドアを開ける。まだまだ外は暑い。

ふと火垂の方を見ると、何センチか身長が上がってるように見える。

「なんだそのブーツ。シークレットブーツってやつか?」

「別に身長に悩んでるとかじゃないわ。このブーツに機械が仕込んであるだけ。元々使ってたのを鬼八さんの部屋に置いてきちゃったからこの予備のブーツでやるしかないの。全く、バッテリーが心許ないわ。」

「取りに行けばいいじゃないか。」

「IISOの職員や警察がいる中で単独で突っ込んでブツを回収して逃げ出すのは嫌よ。そんな国家が認めたヤクザ共に喧嘩売りたくないわ。」

「おいおい、中にはちゃんと正義感持ってる人だっているんだぞ。」

「大抵そういう組織の上層部は汚職バリバリよ。」

「最近の子供って歪んでるな~」

「歪んだ時代を生きたらそりゃあ歪むわよ。」

ウチのイニシエーターズはそんなこと無いんだがと言おうとしたが、延珠は時たま蓮太郎でも正座するほどのキレ方を見せる上にストレス性胃痛持ち、ティナは元殺し屋、夏世も命令で人殺しの経験アリ&腹黒ドSの毒舌、翠はゲーマー(エロゲもばっちこい)。なかなかに歪んでたので何も言えなかった。

「で、どこ行くの?」

「そうだな……なら水原の殺害現場に行こう。」

「そこで私を殺そうって?鬼八さんを殺した場所で殺してくれるなんて優しいこと。」

「殺さねぇから……別にここで待っててもいいんだぞ。」

「逃げるつもりでしょ。」

「ならついて来い。手をだしゃしねぇよ。」

蓮太郎は火垂の返事を聞かず歩き出した。火垂も少し迷った後、蓮太郎を追いかけた。

 

 

****

 

 

「ここで水原は死んでいた。」

「……」

新ビルの中。警察は既に撤収した後で血の跡が生々しく残っているだけだ。

火垂は唇を噛み締めてその血の跡を見ている。

「……犯人の目星はついている。巳継悠河って男と……櫃間って警視だ。」

蓮太郎は辺りをガサりながら火垂に話しかけた。

「……警察が?何で?」

「俺は木更さん……まぁ、俺の所属してる会社の社長なんだけど……電話をした時に少し……ほんの少し。気の所為と言えるほどの声で櫃間が俺の場所をリークしてる声が聞こえたんだ。」

「……なら気の所為じゃない。」

「木更さんが俺の居場所を吐くとは思えないからだ。そうすると、櫃間が俺の居場所をリークしたと考えるからだ。」

「なんであなたの所の社長がゲロしないって保証があるのよ。」

「俺が警察と戦闘になれば……まぁ、あのホテルが崩れるほどに暴れちまうかもしれないからな。木更さんはそれを分かってるからな。」

「……まっ、今度その巳継悠河って男に遺言として言ってもらうだけよ。」

「いや、殺さない。豚箱にぶち込んでNDKする。」

「私は嫌よ。ぶっ殺すわ。」

「おっかないこと言うなよ。」

「想い人殺されたのよ?死んで償ってもらうわ。」

「……気持ちは分かる。けど、落ち着け。そんな事しても水原は喜ばない。」

「分かってるわよそんなこと。ただのエゴだってのも。」

「後で後悔するぞ。」

「やらずに後悔するよりもやって後悔した方がいいって何処ぞの眉毛が言ってたわ。」

「なんの話だよそれ。」

「たまたま深夜に再放送されてたアニメよ。今なら全面的に同意するわ。」

「まぁ、もし本当に殺そうとしたら俺が止める。」

「そうしたらあなたも殺すだけよ。犯人の断定の手間が省けるだけよ。」

「殺せるもんならな。そんな事より、あったぞ。確認してくれ。」

蓮太郎は無造作に積まれたダンボールの中から目的のブツを取り出す。

「これ……鬼八さんのスマホ?」

「よしっ、ビンゴ。警察のガバガバな捜査じゃ見つからなかったみたいだな。」

「うわっ、この中廃材しかないじゃない……この中から電源のついてない携帯を見付けろってのが無理な話よ。」

蓮太郎はスマホの電源を入れるが、一瞬ついただけですぐに消えてしまった。ホーム画像が火垂の写真だったので、確実に鬼八の物だ。

火垂は少し照れくさそうにしている。

「よかったな、両想いだ。」

蓮太郎は赤面した火垂に思いっきり脛を蹴られた。が、足を痛めたのは火垂の方だった。




実は蓮太郎は携帯電話での会話でもドアの向こうの会話を聞き取れるのだよ!
ΩΩΩ<ナ、ナンダッテ-!?

と、言うのは置いておくとして、ほたるん初登場(?)。顔見せの時に装備していた取り外し式ローラーは警察に没収されてるのでローラーシューズ的なブーツを履いています。色々と仕込んでいるのでシークレットブーツとかよりも少し厚底です

次回はSAOLSと同時進行で書くので早くなるか遅くなるかは分かりませんw

最後に、本編では解説できなさそうなのでここでほたるんの今回使った武器の解説をば

GAT-22、へヴィマシンガン改式

GAT-22、へヴィマシンガンはアサルトライフルの部類だが、マガジンが重機関銃と同じなため、装弾数は100~200発。威力はアサルトライフルとは桁違いで一発一発がライフル以上の威力を誇る。が、代わりに反動が強く、並のイニシエーターだったら反動で腕の関節が外れるほど。ちなみに司馬重工製
鬼八がオーダーメイドで作成を依頼したのがこのへヴィマシンガン改式で、威力は大分抑えられている代わりにイニシエーターなら踏ん張れば撃てるくらいになっている。横付けフォアグリップも子供向けに小さく設計されているが、トリガーが固めに設計されている。装弾数は変わらない。しかもイニシエーターに持たせるため、多少の荒事にも耐えることが出来る

GAT-49、ペンタトルーパー改式

GAT-22、へヴィマシンガンと同じく司馬重工製。反動がリボルバーやデザートイーグルの比ではなく、一発で対物ライフル並の反動が返ってくる。代わりに威力はお墨付きでデザートイーグルやリボルバーの数倍の威力がある。装弾数は6発
ペンタトルーパー改式は鬼八のほたるんのためのオーダーメイド。反動を抑えて威力も抑え目。だが、女性でも持ちやすいようにグリップを少し小さめにしている。横付けフォアグリップの、ようなものがマガジンで、マガジンを外せばトンファーのように扱えない事もない。ちなみに、かなり丈夫

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