黒い銃弾とは何だったのか   作:黄金馬鹿

36 / 46
ハミングバード戦への繋ぎなのでかなり短いです

あと、SAOLSクリアしました。rank10武器も手に入れました。よくオンラインにいます。一緒にプレイしてくれる人募集
ついでに、ディバゲでカゲタネェ!(ミツザネェ!的な感じ)と小比奈たんを手に入れました。後はストレス性胃痛ラビットと人斬り抜刀斎だけ。8巻発売されたらストレス性胃痛ラビットは出番増えるし人斬り抜刀斎も今回の章で活躍してるから早く出てよぉ!!聖天使様二人も三人もいらないんですよぉ!!


サーティーシックスパンチ

「『新世界創造計画』に『ブラックスワン・プロジェクト』ねぇ……そんなものが本当にあるのなら、もしそれが危険な物なら、確かに鬼八さんなら私を巻き込まないために黙っておくでしょうね。」

「その手がかりを得るための水原の携帯だ。だけどもまぁ……なんも手がかりないとはな。」

鬼八の携帯電話を見つけた二人は文字通り漫画喫茶に転がり込み、水原の携帯を充電して遠慮なく履歴やメールを片っ端から見た。が、手がかりと言えるものはなかった。

「しっかし……こうも何もないと手詰まりだな。水原が盗まれた証拠品があれば……」

「なにそれ?」

「知らん。」

こっちが聞きたいと言いたかったが、言う必要もないだろうとおさえて水原の携帯を火垂に投げ渡す。

「……そういえば、この人。」

火垂が何か思い出したかのように蓮太郎に水原の携帯を見せる。

「駿見女医?」

「駿見綾芽女医。ガストレア解剖医よ。プライベートの付き合いは無かったのにこんなに連絡を取っている。」

一番多いのは火垂だが、この駿見女医は火垂の次くらいに連絡を取っている。

「水原の不倫相手じゃね?」

「口の中にソリッドシューターぶち込まれたくなかったら黙れ。」

(こわっ……)

ったく、ソリッドシューターさえあればこの男を殺せたかもしれないのにと物騒な事を呟く火垂。軽くキャラまで崩壊している。

「とにかく、聞いたら何か分かるかもしれないわ。行くわよ。」

「不倫相手の元に?」

「おい……マジで黙れ。」

「あ、すんません。弄りすぎました。」

「チッ……」

(おーこわ……)

ガチギレした火垂の後ろを飄々とついていく蓮太郎であった。

 

 

****

 

 

「は?欠勤?」

「そうなんだ……理由はわからない。」

歯朶尾大学病院の一室。蓮太郎と火垂は駿見女医について明るい医師を捕まえたのだが、どうも駿見女医はここ何日も無断欠勤を決め込んでいるらしい。

「おかげで僕がピンチヒッターで駆り出されてね。参ったよ。」

対応した医師が少し膨れた腹をさすって少し愚痴る。

「ガストレアは最近多いのか?」

「多いなんてものじゃないよ。異常だね。一部では建て直した32号モノリスに異常があるのではと言われてるよ。」

蓮太郎達の元にモノリスが建て直されてから依頼が来たことがない。

実は英雄である蓮太郎に依頼をするとトンでもなく高い依頼費を払わされるのではと危惧した人達が片桐兄妹や他の民警の元に行っているだけなのだが。

もちろん、モノリスは不純度0%なのは蓮太郎が触って確認済みだ。異常があるなんてことはない。

だが、モノリスにガストレアが入ってくるパターンは幾つかある。磁場が弱くなる高高度を移動してきたり地中を潜ってきたり、磁場の間を通ってきたり。

一度モルフォ蝶らしきガストレアが高高度から鱗粉をまき散らそうとしてきたのだが、それは蓮太郎が未然にワンパンで仕留めた。

「……お姉ちゃんについて他に何か分かることはありますか?」

火垂は今、駿見女医の妹として通している。その方が話が進みやすいからと言っていた。

「うーん……もうこのまま無断欠勤が続くと自然消滅になるくらいかな。もう四日も休んでるし。」

「自然消滅?退職じゃなくて?」

「この仕事は離職率……あぁ、お嬢ちゃんには分かりにくかったかな。この職業から退職する人が多くてね。たまに退職届も出さずに失踪する人もいるから自然消滅って事になってしまうんだ。」

「そうですか……」

「君達は駿見くんの元に行くつもりなのかい?なら、この小包を運んでもらえるかな?」

「あ、でも住所を知らなくて……」

「いいよ、教えてあげる。この間荷物を転送する時に聞いたからね。」

何とも気前のいい医師だなと蓮太郎は思った。

「それと、一ヶ月前に彼女が解剖したガストレアの情報が丸っとデータベースから消えているんだ。それについても聞いて欲しい。」

「分かりました。」

蓮太郎と火垂は立ち上がって礼をすると、そのまま立ち去ろうとする。が、その直前呼び止められた。

「君達は『ブラックスワン』について何か知ってるかい?」

『ッ!?』

蓮太郎と火垂はポーカーフェイスを保っているが、内心驚き一色に染められた。

「彼女はこの前から『ヴィ二ヤードを焼かないと』って何度も言ってたんだよ。」

「ッ……いえ、何も。」

「そうかい。なら、この件は頼むよ。会えなかったら、置き手紙でも残しておいてくれ。」

 

 

****

 

 

「ビンゴ……これはあなたを信用するしか無さそうね。」

「水原と連絡を取り始めた時期、失踪時期、ブラックスワン……こいつは大物だ。だが……」

「同時に既に抹殺されている可能性もある。」

「あぁ。一ヶ月……お前と水原が倒したステージⅡのガストレアが鍵を握っている。ここからは真相に近づいていくだろうが……それを阻止するために確実に俺を狙って刺客がやってくる。お前も危険に晒される。それでもついてくるか?」

「これが鬼八さんの仇を取るための運命とあれば、心を決める。明日に繋がる今日を断ち切ろうとする奴とだって戦ってみせる。」

火垂はギターケースの取っ手を握り締める。

「……なんか、子供とは思えねぇ発言だな。」

「……地獄を見れば、心なんて乾くものよ。行きましょう。」

蓮太郎と火垂は並んで歩き始めた。

監視カメラに、その黒幕の一人に見られているとも知らずに。

 

 

****

 

 

「まさか奴は外周区に逃げずに内地を堂々と歩いているのか?」

黒ビルと呼ばれる中央制御開発機構により建てられたビルの中、櫃間と多田島を中心とした警察が監視カメラの映像を覗いていた。

歯朶尾大学病院の前の監視カメラ。そこに蓮太郎と火垂はバッチリと映っていた。

その様子を見て多田島は呆れ半分で口を開いた。

「ダークストーカー……奴は生きていたな。」

「そりゃあそうでしょう。あの程度で自殺する男ではありません。」

櫃間は壁の端で座り込んでいたダークストーカー、巳継悠河に話しかけた。彼は今回の事件の協力人としてここにいる。

「……ハミングバードを使う。」

「僕で事足ります。僕は所詮天童式戦闘術も習っていない里見蓮太郎程度、封殺できるレベルです。」

「そんな里見蓮太郎にボコボコにされて壁ドンされたのは何処のどいつだ。」

「くっ……」

何も言い返せない悠河であった。

そして、また一人犠牲者が増えようとしていた。南無。




火垂ちゃんガチギレ。キチガイを書いてたからか軽く蓮太郎がウザイキャラになったけど別にいいよね!!

次回は『逃亡犯、里見蓮太郎。ただし犠牲者が出ないとは言っていない』編での最初の犠牲者が出ると思われます。多分死なない。死んだ方がマジだとは思うだろうけど

あと、遅れながらも……ワンパンマンアニメ化おめでとう!!(超今更)

ってな訳でソシャゲーのブラック・ブレットとコラボしてくださいお願いします

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。