七囚人『泡沫の歌鳥』   作:めろんムーン

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エピソード・メインアルバム
Hello World


 

「ふ〜ん ふんふんふ〜ん ふふーん〜♪」

 

 

 

 キヴォトス全国3億人のファンの皆さんこんにちは、ボクは今、20階建てのビルの屋上にいます。

 

 

 

『投降しろ、【泡沫の歌鳥】!!そのビルは完全に包囲されている!!』

 

 うん、みんな今の状況が気になるよね?

 

 特別に、ボクがしっかり説明してあげるよ。

 

 あれはそう、3ヶ月くらい前だったかな……お友達と話してた時のことだったんだけど……

 

 

 

 

 とある学園の教室にて、2人の生徒が喋っていた。

 

「暇だな〜」

 

「どうしたの、セレンちゃん?いつもみたいに歌えばいいんじゃない?」

 

 ボクの言葉に反応したのは、同級生のケルちゃん。

 

「そうなんだけどさ、いつも小さい箱で歌ってるのもつまらないじゃん?ボクは、もっとパーっと!大きい箱でやりたいんだよね!」

 

「じゃあ生徒会に頼んでコンサートでもさせて貰えば……」

 

 ふむ、生徒会……コンサート……

 

 

 

「それだ!!」

 

「えっ」

 

()()()()()のチャンネルでコンサートをやればいいんだ!!」

 

 

 

「……????????????????????」*1

 

 

 

「行ってくるね!」

 

「…………はっ!?あっ、ちょっ!?待ってー!?」

 

 

 

 

 

 そんなこんなで、ボクは連邦生徒会の公式チャンネルをハックして、『セレンちゃん24時間コンサート!』をやったんだよね!

 

 あ、頑張ってちゃんと24時間歌ったよ!

 ハッキングも止められそうになったけど、なんとか抵抗しきった!

 ヴァルキューレも来たけど、歌いながら走れば捕まるわけないよね!

 

 でも、24時間コンサートが終わった直後にSRTが来ちゃって……結局、ボクは矯正局送りになっちゃったんだ……

 

『繰り返す!!投降しろ、【泡沫の歌鳥】!!そのビルは完全に包囲されている!!』

 

 うるさいなぁヴァルキューレは……ボクを捕まえられなかったくせに、口先だけは一丁前だよね!

 

 

 

 え?なんで矯正局送りになったのにまたヴァルキューレに囲まれてるのかって?

 

 そんなのもちろん、ボクが脱走したから!

 

 なんか矯正局で次のコンサートで歌う曲を作ってたら、突然牢屋の壁が爆発して檻が壊れたんだよね!だから脱走した!

 

 いやぁ、大変だったね……一緒に何十人も脱走しようとしたんだけど、結局ボクを含めて7人くらいしか逃げられなかったらしいし。

 

 巷ではボクたちは()()()とか呼ばれてるらしい。

 らしいんだけどさ……

 

 他のメンバーは、なんかヤバい筋肉の人だったり、建物を爆破したりするお面のヤバい人だったりするんだけど、ボクはただ歌っただけだよ?

 何で一緒にされてるのかわかんないや……

 

 ちなみに、ボクの呼び名は【泡沫の歌鳥】。なかなか可愛いんじゃない?ちょっと気に入ってるかも。

 

 

 

『──突入を開始する!!』

 

 さっきからギャーギャー下で騒いでるから無視してたけど、そろそろ来るみたいだね〜……

 

 ボクは耳もいいからさ、普通の声で喋ってたとしても20階建てのビルの屋上からはっきり聞こえるんだよね!

 

 でも、何でヘリとか使って制空権取らないかな?ボクは()()って言われてるのにさ!

 

「見上げよう〜♪自由な空を〜♪」

 

 ボクは、()()()()()()()()()()を広げて、歌いながらビルから飛び降りる。

 

「じゃあね、みんな!またボクの歌を聴きに来てね〜♪」

 

『対象が飛行!!逃すな!逃すな──』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「広げよう〜♪君のツバサを〜♪」

 

 キヴォトスの空は自由だよね。綺麗な透き通った、美しい空。

 

 海も好きだけど、空を飛ぶのだって最高に楽しい……

 

 そういえば、トリニティの人たちもツバサを持っているのに、空を飛べないらしいね?

 

 なんてかわいそうに……こんな綺麗な空を生身で拝めないなんて……

 

 

 

 ん?なんで自分の元いた学校に帰らないのかって?

 

 せっかく脱獄したんだし、広い世界を見てみたいじゃん?

 学校に戻ったりするとすぐまた捕まりそうだし、元いた場所にそんなに大事な荷物もないから帰る理由がないなぁ……

 

 あ、友達のケルちゃんにはまた会いたいかも……でも、巻き込むわけにもいかないよね。

 

 あーあ、どっかにからかいがいのある人いないかなぁ……

 

 

 

 というか、この後どこ行こう?

 やっぱりブラックマーケットかな。他の七囚人も潜伏してるらしいし……

 

 今までは適当なビルの屋上とかで寝てたけど、やっぱ無理かな〜。

 さっきの屋上も、着いてから2時間くらいでヴァルキューレが来ちゃったし……

 

 そうと決まれば、ブラックマーケットに行こっと!

 

 

 

 

 

 バラバラバラバラバラバラバラバラ……

 

「ん?こんなところにまで……しつこいなぁ、ほんと。来るのが遅くない?飛ぶ前に包囲すべきだよ〜」

 

 大きな音とともにボクを追いかけてきたのは、3機のヘリ。

 

 ヘリが近づいてくると気流が乱れて飛びづらくなるからやなんだよねぇ……

 

「ま、このまえ落とした時も怪我してなかったみたいだし、遠慮なく落として行こっかな!」

 

 飛行姿勢を整えるとともに、肩にかけた愛銃を上手く足で操作して、3機のヘリのうち一機を狙う。

 

「please fall out ♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カンナ局長!ヘリが3機とも撃墜されました!」

 

「はぁ……追跡だけして、位置がわかるようにしておいてくれ」

 

「了解です!」

 

 後輩を見送った後、セレンの消えていった空を見上げるカンナ。

 

「……七囚人、か。ただでさえ犯罪率が増加しているのに、厄介な奴らが増えてしまったな……」

 

 

 

*1
宇宙猫




 単発みたいな連載。続くかは未定です。

番外編は

  • メインが完結するまでは最初にして
  • 一番最後でも良い
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