七囚人『泡沫の歌鳥』   作:めろんムーン

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 明かされるケルちゃんの見た目

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 追加したタグが機能するのはいずれ、いずれなので……


A day in S.C.H.A.L.E

 

 

 トゥンッパッポロン♪テレレン♪

 トゥンッパッポロン♪タラララ♪

 トゥンッパッポロン♪カッ♪

 トゥンッポランッポロッポロロロロロ♪

 

 先生がスケジュールを決めてる時、私に歌ってくれないかって言われたんだよね。

 BGMがわりはいいけど、歌唱でBGMは微妙だから、代わりに昔やったことのあるハープを買ってきて弾いてるんだ!流石に邪魔にならないように手持ちサイズだけどね!

 

「うん、いい音だよセレン。スケジュールが捗るよ」

 

「でしょでしょ?ふふーん♪」

 

 

 

 読者の皆さんこんにちは!セレンだよ!

 

 

 

 ボクは今、シャーレに来ています!

 なんかね、シャーレには当番なるものがあるらしくてね?

 生徒をシャーレに呼んで、お手伝い?みたいな!

 

 まだ先生が知り合ったことのある生徒って、出先で偶然出会った子を除くとボクかアビドスの子達、便利屋、風紀委員会、あとヒフミちゃんと、シャーレ奪還の時にいたセミナーの子、羽川ハスミ、自警団の子ぐらいらしいんだよね。

 

 で、先生が言うには、風紀委員会や正義実現委員会は元の仕事が忙しいから呼べないんだって。

 

 アビドスも大きな事件がひと段落して、後始末とか今後のこととかで忙しいみたいだし。

 

 便利屋の子達も、アビドスから逃げ出した今は頑張ってどこかに事務所を構えて、いろいろ忙しいみたいだから呼べない。

 

 そうなると、先生が呼ぶのって、ボクかヒフミちゃん、セミナーの子、自警団の子くらいしか残らないみたい。

 

 で、基本ボクは暇だから呼ばれたってわけ!

 

 

 

「セレン、こっちの書類を頼めるかな?連邦生徒会から回ってきたチェック済みの書類で、シャーレのハンコを押すだけで大丈夫だから」

 

「うん、ボクに任せてよ!」

 

 ぽすぽすとハンコの欄にシャーレ印をつけていく。

 

 暇だし何か会話しようかな。

 

 あ、そういえば!

 

「ねーせんせー?アビドスの時にさ、ボクに美味しいもの奢ってくれるって言ってたじゃん」

 

「うん、そうだね」

 

「ボクまだ奢ってもらってないよ〜?」

 

「あぁ……じゃあ、今日終わったら食べにいく?」

 

「やった、いくいく!どこいくの?」

 

「アビドスなんだけどね」

 

 アビドスかぁ……何か美味しいものを食べれるところがあったらしい。それも、先生が関わった範囲で。

 

「ちょーっと遠いね?まぁいいよ、楽しみにしてるからね!」

 

「うん、絶対美味しいからね」

 

「ふふふ、期待してるよ!」

 

 一体どんなのなのかなー?

 

 スイーツ?それともお肉とかかなぁ……あ、お寿司とか?なんでもいいけど、今からお腹空いちゃうよ!お昼前なのに!

 

 

 

「そういえばセレン、ケルちゃん?っていう子のことを教えてくれるって言ってなかったかな?」

 

「あ!そういえばそうだった!」

 

「書類仕事の合間に聞かせてよ」

 

「うん、いいよ♪」

 

 ぺたんぺたん

 

「えっと、何からいえばいいかなー……そうだ、名前はねー、【海馬(かいば)ケル】ちゃん!」

 

「海馬?」

 

「そう、その名前の通り、馬のお耳とシッポが生えてて可愛いんだよ!」

 

「へー」

 

 ぺたんぺたんぺたん

 

「えっとね……オデュッセイア海洋高等学校3年生の17歳!」

 

「うん、セレンと同い年だね」

 

「えーっと、えーっと、あとは……」

 

 言いたいことがいっぱいあって、どれからいえばいいのかわからなくなる。

 

 

 

 そんなふうにあたふたしていると、先生がクスリと笑ってから口を開いた。

 

「セレンって、人の紹介とかそういうの苦手だよね……」

 

「うっ、しかたないじゃん!わからないんだもん!」

 

「じゃ、私がどんな子か聞いていくから、それに答えてくれる?」

 

「えっと……うん、それならいける気がするよ」

 

「じゃあ、そうしようか」

 

 ペタンペタン……カリカリ……

 

 

 

「まず、基本的なことから聞いていこうかな」

 

「よーしまかせて!」

 

「名前、学校、学年、部活は?」

 

「名前は【海馬(かいば)ケル】ちゃん!オデュッセイア海洋高等学校の三年生!部活は帰宅部!」

 

「はい、身長は?」

 

「身長は170cmくらい!私より頭ひとつ分くらい大きいよ!」

 

「ほうほう、じゃあ見た目は?」

 

「えっとね、シルバーのロングヘアーで、エメラルドみたいな綺麗な緑の髪が一房メッシュで入ってるよ!目は私と同じ金!頭にはお馬さんのお耳がついてて、可愛いんだ!顔は綺麗系!腰からは髪と同じシルバーの毛の尻尾が生えてるんだよね!」

 

「へぇ……じゃあ、特技とかは?」

 

「泳ぐのと走るのがすっごい得意なんだよ!どっちもすっごいはやくて、モーターボートくらいの速さで泳ぐし、走るんだったら道を走ってる車だって追い抜いちゃうんだから!」

 

「えっ、すごく早いね……?」

 

「そうなんだよ!ボクも泳ぎは得意なんだけど、一度も勝てたことないんだよね!空を飛べば流石に勝てるんだけど!」

 

「……モーターボートと同じ速度のケルちゃん相手にセレンは競えるの???」

 

「やろうと思えば?」

 

「ええ……?」

 

 なんか先生がドン引きしてる……?あっ

 

「待ってよ先生、流石にボクはこの身体じゃモーターボートとは競えないからね!?ケルちゃんは生身だけど!」

 

「ケルちゃんがすごすぎる……って、この身体?」

 

「うん、前にも見せたでしょ?ボクは身体の一部を変化させられるんだよね!で、この前見せたのは腕を翼に変えてたけど、足を魚に変えることもできるんだ!」

 

「へぇー、人魚みたいな?」

 

「そうそう!」

 

「へぇ、気になるね。今度見てみたいかも」

 

 あ、先生気になるんだ!まぁ確かにキヴォトスでもボクに似たような子は見かけたことないしね!

 

 

 

「じゃ、見せてあげようか?」

 

「えっ、いいの?」

 

「うん!ちょーっと待ってね」

 

 ボクは座っていた椅子を先生のデスクの正面の方に持っていき、背もたれをデスクに密着させて安定させた。

 

 その椅子に座り、脚を閉じてまっすぐ伸ばし、綺麗に座る。

 

「先生はこっちきてー」

 

「うん、わかったよ」

 

 先生が椅子から立ち上がり、デスクを回り込んでボクの正面に来る。

 

「あ、座ったりして覗き込まないでよ?スカートの中、見たりしないでね?」

 

「いや、しないよ!?」

 

「ふふ、じゃあやるよ!」

 

 ボクはそう言って空気を吸い込んだ。

 

 

 

【深海の獣♪正善な嵌合体♪♪大地の魚♪♪♪】

 

 

 

 そう唄を歌うと同時に、ボクの脚が水色の光に包まれる。

 

 そして唐突にその光が弾けると、中からは水色のウロコを持った綺麗な魚の尾が、脚の代わりに存在していた。

 

「へぇ……変身シーンみたい」

 

「ふふん、ボクのは正しく変身だよ♪」

 

「確かに……触ってもいいかな?」

 

「えっ!?う、うん……まあいいけど……上の方は触らないでね?」

 

「うん、わかったよ。じゃあここかな?」

 

 先生が無造作に鰭に触れる。

 

「ひゃんっ!?」

 

「えっ!?」

 

「く、くすぐったいよ先生!ヒレになってる部分は、人間の姿だと足の部分なの!」

 

「あ、そっか……ごめんね?」

 

「もう……優しく触ってよ!」

 

「うん、わかった」

 

 そう言って今度は優しく、ウロコやヒレなどの魚の部分を触っていく先生。

 

「ん、うぅ……」

 

「くすぐったい?」

 

「うん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜〜〜30分後〜〜〜

 

 

 

「…………」

 

「ちょ、ちょっと先生?もう30分も経ったよ?」

 

「…………」

 

「せ、せんせー?」

 

「……ん、ああごめんねセレン。夢中になっちゃった」

 

「いや、それはいいんだけどね……そろそろ戻ってもいい?」

 

「うん、いいよ」

 

「じゃ、戻るね!」

 

 

 

【騙るは真実♪謳うは中立♪♪識るは偽証♪♪♪】

 

 

 

 そう歌うと同時に、また脚が水色の光に包まれ、弾けた時には元の脚へと戻っていた。

 

「おー……そういえば、服とか着たままだったのに、スカートより下は魚になってたよね?」

 

「うん、スパッツとかタイツ、靴下に靴も、全部魚になるよ!感覚は生身だけど!」

 

「へー……人間部分との境目はどうなってるの?」

 

「えっとね、おへそあたりが境目なんだけど、スカートをのぞいて全部魚になるよ!」

 

「えっパンツも?」

 

「うん、パンツも……!?」

 

 そこでハッとして、気付く。ボク、すごいこと言ってるんじゃないかと。

 

「せ、せんせい!?今のは忘れてよ!?」

 

「えっ、どうして?」

 

()()()()()って言ったじゃん!察してよ!」

 

「あ、あー……うん、ごめんね……」

 

「も、もう……そ、外の空気吸ってくるね!」

 

 そう言ってボクは急いで部屋を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 セレンが出ていったあと、先生はデスクに戻って突っ伏していた。

 

「……はぁ〜〜……やっちゃった……」

 

 顔を上げ、先ほどのセレンの、出ていく直前の真っ赤になった顔を思い出し、

 

「……デリカシーないよなぁ、私……」

 

 そう呟き、再度突っ伏す。

 

「……怒ってるかなぁ……」

 

 

 

 そんな自責のループは、10分後にセレンがいつも通りに戻って仕事の再開に誘うまで続いたのだった。

 




 脚大好き先生は魚になった脚も好きなんだろうか?作者は訝しんだ……

 ま、まぁこの先生は脚ならなんでも好きだから……

番外編は

  • メインが完結するまでは最初にして
  • 一番最後でも良い
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