遊戯王ZEXAL~俺の弟が可愛すぎてマジ超天使。弟のためなら何をしても構わない、というかむしろ俺に全部任せて「は?そんなことも出来ないの?」って蔑んだ目で見下してあんなことやそんなk(ry   作:雲珠

11 / 19
どうも、雲珠(うず)です。
第十話を見てくださり、ありがとうございます!
この度は長らく更新を停止してしまい、申し訳ありませんでした。

サブタイは小林秀雄先生の名言です!


第十一話 青年にとってあらゆる思想が、単に己の行動の口実にすぎぬ

凍夜が学校に登校すると、教室に妙な雰囲気が漂っていた。

怒っているとは違い、どこか困惑するような……

 

「なあ拓真、何かあったのか?」

 

原因の分からない凍夜は自身の机に鞄を置くと、前の席に座っている拓真に話しかけた。

電子小説を読んでいた拓真は一拍遅れ、ゆっくりと凍夜の方へ振り返った。

その表情はどこか呆れている。

 

「まさかとは思いますが、遊馬君以外のメールは見ないのですか?」

「え、お前何で知って……ハッ!エスパー拓真!」

「上唇と下唇を縫いつけて差し上げましょうか?」

 

冗談を言ったら友達に笑顔でマジギレされました。

そんなテロップが凍夜の脳裏に浮かび上がる。

しかし、暗に黙れと言われていることに気付いた凍夜は賢く口を閉じた。

そして先程拓真が言っていた「メール」という言葉に引っ掛かりを覚え、D・パットを開く。

 

「は?」

 

確かに見知らぬアドレスから1件のメールが届いていた。が、問題はそこではない。

メールに添付されていた画像。それを見た凍夜の頭の中が「不快」の文字で満たされる。

黒く染まる衝動に身を任せた凍夜は勢い良く立ち上がり、教室のドアへと歩いて行く。

 

「少し落ち着いたらどうですか」

 

凍夜の背中に声を掛けるも、足は止まらない。

今の凍夜に何を言っても無駄だと確信した拓真をその言葉を最後に口を閉じ、前を向いた。

もう拓真自身から干渉する気は一切無いようで、クラスメイトはその様子をハラハラとした表情で見ていた。

 

「……コロス」

 

教室を出る直前、呟かれた凍夜の殺人宣告に沈黙が落ちる。

ドアが完全に閉められ、凍夜の姿が確認出来なくなるとクラスメイトの一部が拓真の席に集まった。

 

「おい、お前凍夜の奴に何言ったんだよ」

「あれ完全にキレてただろ。マジで人殺すんじゃね?」

「アタシ小等部の頃から知ってるけど、あんな九十九君初めて見た…」

 

元々静かな空間が好きな拓真は一気に煩くなった周りに眉を顰めた。

そんなに気になるなら本人に聞けばいいでしょうに、などと思うも今の凍夜に話し掛けられるのは拓真くらいだ。

いつまでも煩くされるのも迷惑な拓真は仕方なく溜息を飲み込み、違う言葉を吐いた。

 

「私はメールの存在を教えたまでです」

 

その言葉を聞いたクラスメイトは残らず芋虫を噛み潰したような表情をした。

 

「げ、お前アレ教えたのかよ」

「誰だか知らんけどご愁傷様だな」

 

クラスメイトが先程の凍夜と同じようにD・パットを操作し、メールに添付されていた画像を映し出す。

そこには泣いている女子生徒を押し倒している凍夜の姿。他にも男子生徒からカードを脅し取っている写真や女子更衣室を盗撮している写真などが複数あった。

一見すれば全て凍夜が悪者に見える写真だが、同じ写真に写っているクラスメイト、つまり被害者側はそんなこと微塵も思っていなかった。

 

「確かに押し倒されたけど、これってサッカーボールから守ってくれただけだよ。というか九十九君が故意にアタシ押し倒すとか無い無い。だって重度のブラコンだし」

「俺は脅し取られたんじゃなくて、カツアゲ遭ったの取り返してくれただけだ。というか凍夜が取るなら俺のじゃなくて弟のだろ。だって頭のネジぶっ飛んだ変態だし」

「そうそう。私達も覗かれたことなんて一度も無いよ。覗くなら絶対に弟君の方でしょ。だって不治の病級のストーカーだし」

 

当の本人がいないことを良いことに本音をボロクソと暴露するクラスメイト達。

庇っているのか貶しているのか分からないが、普段の「弟マジ天使!心の底から愛してる!」宣言と、堂々と盗撮写真を厳選する世間的にギリギリどころか確実にアウトな変態行為が凍夜の悪人疑惑を払拭していた。

逆に弟である遊馬に何かあったら真っ先に疑惑と侮蔑の目が向くのだが。

 

「凍夜が怒っている理由が分かったのなら早くご自身の席に戻って頂けますか?騒々しい豚は凍夜だけで十分ですので」

 

誰一人として凍夜を疑ってもいないという茶番劇を目の前で見せつけられた拓真は素敵な笑顔の裏で般若の顔を覗かせた。

漂ってくるドス黒いオーラに背筋を凍らせたクラスメイトが素直に自分の席へと戻っていく。

だが変態の奇行を毎日見ているクラスメイトの精神力も伊達ではない。

残った一部の生徒が拓真の隣に腰を落ち着けた。

 

「けどよ、こっちの写真は冗談抜きで不味くね?」

「それ俺も思った。今なら凍夜が“海に沈めてきた”って言っても驚かねぇ自信あるわ」

 

拓真が横目で映し出された写真を見る。

そこには花壇を踏み荒らしたり、友人に仕掛けた悪戯を見て笑っている遊馬の姿。

クラスメイトは一度も実物の遊馬を見たことは無いが、凍夜が惚気と共に自慢気に写真を見せつけてくることが多々あるのですっかり覚えてしまった。

前に宿題を忘れた生徒が凍夜にUSBを借りに行き、そこに保存されていた遊馬ファイルとやらを誤って開き、ナニカに目覚めかけるという非常に危険な事件もあったほどだ。

 

ちなみにこの不運な生徒、その後謎の事故に遭って一週間ほど入院。

退院した時にUSB事件のことを聞くと「かゆ…うま……」と言って気絶し、再入院。

以来、この事件を口にする者はこのクラスにはいない。

 

「明日になれば分かるでしょう」

「いや明日じゃ遅くね?」

 

男子生徒のツッコミを無視し、拓真は中断されていた読書を再び開始した。

これ以上会話を続ける気配の無いことに気付いた男子生徒は写真の犯人を哀れに思いながら渋々と自身の席に戻った。

そして祈る。明日の新聞に見知った顔が出ませんように、と。

 

 




NGシーン(最後ら辺の場面)

「おい拓真、どうすんだよ」
「私の知ったことではありません。凍夜と弟君の問題でしょう」
「冷てぇなオイ。仮にも友達だろ、お前等………って待て待て待て!何で窓に手ェ掛けてんだ!ここ4階!4階だからな!?」
「あんな変態と同格になるくらいなら私は潔く死体に成り下がります」
「やめろ!お前がいなくなったら誰があの変態のストッパー役になるんだ!ついでに何さり気なく死体を見下してんの!?恨みでもあんのか!?」
「私が居なくとも世界は回ります」
「世界は回るけど確実に俺達の精神と寿命が削られるから!」
「高々30名程度の寿命が縮んでも平均寿命に大差は出ませんよ」
「そんな記録誰も狙ってねぇし!てか冷静に言い返すのやめて!?」
「そうですか。では…」
「だからって飛び降りに全力注げとかそういう意味じゃねーから!この馬鹿ぁああぁぁ!」

拓真が意外とはっちゃける。そんなNG
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。