遊戯王ZEXAL~俺の弟が可愛すぎてマジ超天使。弟のためなら何をしても構わない、というかむしろ俺に全部任せて「は?そんなことも出来ないの?」って蔑んだ目で見下してあんなことやそんなk(ry   作:雲珠

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どうも、雲珠(うず)です。
第十二話を見て頂き、ありがとうございます!

サブタイはフローベル先生の名言です!


第十三話 成功は結果であって目的ではない

「あれ?兄ちゃん?」

 

クラスメイトに一日中生暖かい目と対応をされながら授業を終えた遊馬は、帰宅途中に校門前を歩く兄、凍夜を見つけた。

いつもならば鼻息を荒くして己に抱きついてくる兄は、何故か真剣な顔をしてどこかへと向かっている。

 

「おーい、兄ちゃ……」

《どうした?……追いかけるのか?》

 

遊馬は一度口をつぐみ、アストラルの言葉に頷く。

このまま話しかけるという手もあったが、自分が声を掛けたが最後、色んなものがぶち壊れるような気がしたのだ。

 

そのまま凍夜の後を追うこと数分、デパートのような所に着いた。

今日は姉にお使いを頼まれた記憶は無い。

ならば兄の個人的な用事で、あの真剣な表情も自分が深読みしただけだったかと遊馬が杞憂に思っていると、凍夜が遊馬と同じ制服の少年に話しかけていた。

 

「表裏徳之助、だな?随分と遊馬が世話になったなぁ?」

 

制服から同じ学年だとは分かるが、その生徒に遊馬は見覚えが無かった。

少なくとも、同じクラスではないのは確かだ。

それにも関わらず、世話になったとはどういう意味だろうか?

 

「何のことウラ?」

「ハハハ、しらばっくれんなよ。このカード、見覚えがあるだろう?」

 

そう言って凍夜はポケットからカードを取り出し、徳之助に投げ渡した。

生憎と遊馬の位置からはそのカードが何なのかは見えなかった。

 

「知らない。なんて言い訳はよせよ?指紋やDNA鑑定もしたし、なにより俺が撮った遊馬の写真にお前が映り込んでるんだ。腸が煮えくり返ったぜ?俺の許可もなく遊馬とツーショットとか羨ましいんだよクソが。俺の!愛おしい!遊馬と!」

 

ギリィという歯ぎしりが結構離れているはずの遊馬の耳にも聞こえてくる。

 

《キミの兄は相変わらず変態だな》

「それ以上は何も言うな」

 

アストラルの言葉に遊馬は思わず頭を抱える。

そんなことを知らない凍夜は一度冷静さを取り戻すように咳払いを一つすると、話を続けた。

 

「お前がどこで何をしてようが俺には興味もないし、どうでもいい。

だがな、遊馬が関係してるなら話は別だ。これ以上、俺の遊馬に何かするってんなら……容赦しねぇぞ、糞餓鬼」

「全くもって何を言っているか分からないウラ。遊馬君のお兄さんは怖いウラね」

 

そう言ってD-ゲイザーを取り出す凍夜に対し、徳之助は「やれやれ」といった様子だ。

しかし、徳之助もD-ゲイザーを装着して応戦の意思を示す。

 

「遊馬君とはただ友達になりたいだけウラ。俺が勝ったら邪魔をしないで欲しいウラ」

「遊馬には俺だけがいればいい。俺が勝ったら二度と遊馬に近付くな。ついでに遊馬に関する調査資料と写真と動画を全部寄越せ」

 

明らかに後半の方が本音丸出しだったが、それにツッコミを入れる人物は誰もいない。

遊馬自身は今までに培ってきたスルースキルを全力で発揮した。

 

決闘(デュエル)!』

 

凍夜  LP4000

徳之助 LP4000

 

「俺の先行!ドロー!手札の《沼地の魔神王》を墓地に捨てることでデッキから《融合》を手札に加える。そのまま融合を発動!手札の《E・HERO バブルマン》と《幻影の魔術士》を融合。全てを飲み込む混沌の力。融合召喚!闇の英雄《E・HERO エクスダリオ》!」

 

《E・HERO エクスダリオ》ATK2500→2600

 

凍夜の今の心境を表すようにエクスダリオは雄叫びを上げて現れる。

 

「エクスダリオは墓地に存在するE・HEROと名のついたモンスター1体につき、攻撃力を100ポイントアップさせる。俺は更にモンスターを裏守備表示でセット、カードを2枚セットしてターンエンドだ」

 

早々に手札をゼロにした凍夜は怒りと嫉妬が入り交じる目で徳之助を睨みつける。

手加減なぞ一切しない全力の姿勢に、流石の徳之助も冷や汗をかく。

遊馬のことについては調べたが、その兄である凍夜のことまでは調べていない。

 

「俺のターン、ドローウラ。モンスターを裏守備表示でセット、カードを2枚伏せるウラ。ターンエンド、ウラ」

「俺相手に様子見か?ドロー。……エクスダリオで裏守備表示に攻撃!」

 

引いたカードを一瞥し、凍夜は僅かに迷いながらも徳之助のモンスターに攻撃する。

対する徳之助は凍夜の行動にニヤリと笑った。

 

「かかったウラ!ウラのウラを味わうウラよ!罠発動《魔法の筒(マジック・シリンダー)!そのままダメージを受けるウラ!」

「く…っ」

「兄ちゃん!」

 

凍夜 LP4000→1400

 

大きく削らけたライフに顔を歪ませる。

しかしそれも一瞬、自分の愛する者の声に凍夜は顔を上げた。

 

「ゆ、遊馬!?何でここに!?」

「えっと、校門前で兄ちゃんを見かけたから、つい…」

「追ってきた、のか?畜生!俺の大馬鹿野郎!なんで遊馬に気づかなかったんだ!一生の不覚…!」

 

両膝をつき、両腕を床に叩きつける凍夜。

デュエルの敗北よりも悔しがっているのは気のせいだろう。

遊馬は兄の醜態とも言える姿をスルーした。

 

「遊馬君!こんな所で会えるとは偶然ウラ!」

 

そんなやり取りを崩したのは徳之助だ。

現在のターゲットである遊馬を発見し、機嫌良く話しかけようとしたところで悪寒に襲われた。

 

「あ゛?」

 

地獄から這い出てきたような声に徳之助みのならず遊馬もその口元をひくつかせた。

アストラルに至っては凍夜から若干距離を開けた。

 

「テメェ誰の許可を得て俺の遊馬に声かけてんだ。抉るぞ」

 

どこを!?等とは自分の精神衛生上聞けない。

いや、例え聞いたとしても答えて欲しくない。

そして、凍夜の体から黒いオーラが揺々と立ち上る。

誰にも見えることのないオーラ。

 

いや、この場にいる中でただ一人、アストラルだけが凍夜から溢れ出るそれを視認することが出来た。

 

《なんだ、アレは…》

 

ポツリと呟かれたアストラルの言葉は誰の耳にも届くこと無く消える。

己だけに見えることを理解したアストラルは、観察するように凍夜のオーラを見る。

 

《この気配は、一体…?》

 

凍夜を見ながら、アストラルは再び呟く。

いつだったか、同じようなものを見たことがあるとアストラルは思考する。

凍夜のオーラはまるで澄み渡った闇そのものだ。

そして、アストラルは自身の疑問の答えを思い出す。

 

《(そうだ、私は見たことがある。彼と初めて会った日、彼の目の奥に同じ気配を見た)》

 

アストラルと凍夜が初めて会った日の夜。

遊馬に危害を加えないかと殺気にも似た雰囲気で問いつめられた。

あの時も今の自分と同じような感想を抱いた。

自分を見る彼の瞳。その奥に、アストラルは言い知れぬ異様な気配を感じたのだ。

 

《彼は一体何者だ?》

「は?何者って……俺の兄ちゃんだけど?」

《それは知っている》

「じゃあ何が言いたんだよ!」

 

遊馬の切り返しにアストラルは黙る。

何が、の問いに己自身も分からなかったからだ。

疑問だけが頭の片隅に残る。

 

そんな事をしている間に、デュエルは続行された。

 

「俺はカードをセットしてターンエンドだ」

 

凍夜の場にはエクスダリオと裏守備表示モンスターが1体、そして伏せカードが3枚。

手札は無く、残りライフは1400と少々心持たない数値だ。

対して、徳之助の場には裏守備表示が1体と伏せカードが1枚。

残り手札は3枚あり、ライフは4000ポイント。

どちらが優勢なのかを判断するにはまだ早い。

 

「俺のターンウラ。ドロー!裏守備モンスターを攻撃表示に変更するウラ!俺のモンスターは《ペンギン・ソルジャー》ウラ」

 

《ペンギン・ソルジャー》ATK750

 

「そしてペンギン・ソルジャーのリバース効果が発動ウラ!相手の場のカード2枚を手札に戻すウラ。エクスダリオとペンギン・ソルジャーを選択するウラ」

 

ペンギン・ソルジャーがその小さな体では想像出来ない程の大音量で嘶く。

すると、凍夜の場にいたエクスダリオと、徳之助のペンギン・ソルジャーが空気に融けるように消えていく。

 

「俺はモンスターを裏守備表示でセットしてターンエンド、ウラ」

「俺のターン、ドロー」

 

凍夜は引いたカードを見ながら、思考する。

徳之助の伏せモンスターは十中八九、ペンギン・ソルジャーでは無いだろう。

流石に何回も同じモンスターを伏せる馬鹿には見えない。

問題はセットされた魔法・罠カードのほうだ。

もしマジック・シリンダーが伏せられていれば、アウトだ。

どうやら徳之助は自ら攻めるよりはカウンターで迎え撃つタイプらしく、可能性として低くはない。

そこを考慮した上で、凍夜は行動に移る。

 

「罠カード《リビングデッドの呼び声》を発動。墓地からバブルマンを特殊召喚。そして速攻魔法《マスク・チェンジ》を発動。自分の場にいるHEROと名のついたモンスター1体を選択し、エクストラデッキから同じ属性のM・HEROと名のついたモンスター1体を特殊召喚する。俺はバブルマンを選択」

 

バブルマンの体が水のように変化し、泡を立てながら徐々にその姿を変えていく。

 

「形なき水よ、新たな姿を持って現われろ!水の英雄《M・HERO アシッド》!」

 

《M・HERO アシッド》ATK2600

 

片手に銃を持ったヒーローが凍夜のフィールドに降り立つ。

そして、徳之助の場にセットされていたカードをその銃で撃ち抜いた。

 

「俺の伏せカードが…!」

「アシッドが特殊召喚に成功した時、相手フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する。そして、もう一つ効果があるんだが……今は意味が無いな。俺は《E・HERO フォレストマン》を通常召喚する」

 

《E・HERO フォレストマン》ATK1000

 

「アシッドで伏せモンスターに攻撃!」

 

伏せカードに警戒する必要が無くなった凍夜は反撃とばかりに攻めに転じる。

徳之助の場にいた裏守備モンスターは《ステルスバード》だ。

守備力1700のモンスターが攻撃力2600のアシッドに敵うわけもなく、その身を銃に撃ち抜かれて破壊された。

 

「フォレストマンで直接攻撃(ダイレクトアタック)!」

「ぐあぁああ!」

 

徳之助 LP4000→3000

 

フィールドがガラ空きとなった徳之助に、フォレストマンの容赦無い攻撃が与えられる。

 

「ターンエンドだ」

「俺のターン、ドローウラ。装備魔法を発動ウラ!」

「装備魔法だと…?」

 

凍夜の目が僅かに見開かれる。

徳之助の場にモンスターはいない。

となると、対象は凍夜のモンスター。

相手のモンスターに装備する装備魔法なんてのはロクなものが無い。

 

「《魔界の足枷》をアシッドに装備するウラ」

「厄介なものを…」

 

《M・HERO アシッド》ATK2600→100

 

効果を知っている凍夜の眉間にシワが寄る。

魔界の足枷は装備しているモンスターの攻撃力と守備力を100にし、自分のスタンバイフェイズ毎に装備モンスターのコントローラーに500ポイントのダメージを与える効果がある。

しかも、足枷の名の通り、装備モンスターは攻撃することが出来ない。

単純な効果ほど厄介だとはよく言ったものだ。

 

「まだまだ行くウラ!ステルスバードを攻撃表示で召喚ウラ!」

 

《ステルスバード》ATK700

 

先程、アシッドによって破壊されたモンスターと同じモンスターが現れる。

そして敵討ちだと言わんばかりにアシッドを睨んでいる。

 

「バトル!ステルスバードでアシッドに攻撃するウラ!」

「速攻魔法発動!《マスク・チェンジ》!アシッドを選択!」

 

このままではアシッドは破壊されると判断した凍夜の行動は早い。

2枚目の《マスク・チェンジ》を発動し、アシッドが相手モンスターによって破壊されるのを避ける。

 

「新たな仮面を纏い、再び現れよ!霧の英雄《M・HERO ヴェイパー》!」

 

《M・HERO ヴェイパー》ATK2400

 

アシッドの体が水から霧へと変化し、その中から蒸発する白い槍を持ったヴェイパーが現れる。

戦闘破壊することが出来なかったステルスバードは不満げに鳴き、徳之助も僅かに顔を歪めた。

 

「攻撃は止めウラ。ステルスバードの効果発動!このカードは1ターンに1度、裏側守備表示にすることが出来るウラ。カードを1枚セットしてターンエンド、ウラ」

「俺のターン、ドロー。スタンバイフェイズ時、フォレストマンの効果を発動する。1ターンに1度、自分のデッキまたは墓地から《融合》カード1枚を手札に加える。俺は墓地から融合を手札に加える。バトル!ヴェイパーでステルスバードに攻撃!フォレストマンで直接攻撃(ダイレクトアタック)!」

「ぬぐっ!」

 

徳之助 LP3000→2000

 

裏側守備表示となっているステルスバードはヴェイパーの攻撃に呆気なく破壊される。

そしてフォレストマンの攻撃が徳之助のライフを削った。

 

「カードを1枚伏せてターンエンドだ」

「俺のターン。ドロー。行くウラ!装備魔法《魔界の足枷》ウラ!ヴェイパーに装備するウラ」

 

 

《M・HERO ヴェイパー》ATK2400→100

 

「さっきのカード…!またかよ!」

 

徳之助の魔法カードに、後ろで見ていた遊馬が叫ぶ。

凍夜も同じことを思いながらも、無言で成り行きを見つめる。

 

「《デス・ラクーダ》を召喚ウラ。ヴェイパーに攻撃するウラ!」

 

《デス・ラクーダ》ATK500

 

ラクダに包帯を巻いたようなミイラが徳之助の場に現れる。

そして、身動きの取れないヴェイパーに突進で攻撃してきた。

 

「っ…!」

 

凍夜 LP1400→1000

 

「まだまだウラ!デス・ラクーダの効果発動!1ターンに1度、このカードを裏側守備表示に変更するウラ。ターンエンド、ウラ」

「俺のターン、ドロー。スタンバイフェイズ時にフォレストマンの効果発動!デッキから融合を手札に加える!そしてそのまま発動だ!フィールドのフォレストマンと手札のエッジマンを融合!大地の鼓動高鳴りて、その拳で全てを砕け!融合召喚!大地の英雄《E・HERO ガイア》!」

 

《E・HERO ガイア》ATK2200

 

「ガイアでデス・ラクーダを攻撃!」

 

裏側守備表示のデス・ラクーダは鳴き声をあげる暇もなく破壊される。

ライフに余裕があるからか、徳之助は破壊された自分のモンスターを見ても表情を変化させることはない。

 

「俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

「ドロー。モンスターを伏せ、カードをセットするウラ。ターンエンド、ウラ」

 

これで徳之助の手札はゼロ。

伏せモンスターは確実にペンギン・ソルジャーだ。

しかし、今の凍夜のフィールドと手札にリバース効果を何とか出来るモンスターはいない。

 

「俺のターン、ドロー。ガイアで伏せモンスターに攻撃」

「ペンギン・ソルジャーのリバース効果発動ウラ!ガイアともう1体の伏せモンスターを手札に戻すウラ」

 

ガイアはエクストラデッキへと戻り、割と最初から伏せられていたモンスターが凍夜の手札に戻る。

 

「俺はモンスターを伏せてターンエンドだ」

 

凍夜は手札に戻ってきたモンスターをセットし直し、ターンの終わりを告げた。

 

「俺のターン、ドロー。《カードカー・D》を召喚するウラ!効果を発動するウラ。このカードをリリースしてデッキからカードを2枚ドローするウラ」

 

《カードカー・D》ATK800

 

場に出てきたカードカー・Dは効果のためにすぐにフィールドから消える。

カードを2枚ドローした徳之助だったが、目当てのカードを来なかったのか僅かに顔を顰める。

 

「ターンエンド、ウラ」

「俺のターン、ドロー!」

 

引いたカードを見て、凍夜はふと笑った。

その笑みに怪訝な顔をしたのは徳之助だ。

 

「行くぜ。俺は魔法カード《ミラクル・フュージョン》を発動!墓地のバブルマンと幻影の魔術士を除外し、融合召喚!混沌より再び現れよ!闇の英雄《E・HERO エスクリダオ》!」

 

《E・HERO エクスダリオ》ATK2500→2700

 

鬱憤を晴らすが如く雄叫びを上げるエスクリダオ。

墓地にいる仲間の力を糧とし、攻撃力を上げる。

 

「終わりを締めるに相応しいモンスターだろ?」

 

同意を求めるように笑うが、その目は決して笑っていない。

それどころか無慈悲な色で徳之助を指さした。

 

「やれ、エスクリダオ。直接攻撃(ダレイクトアタック)!」

「ウラァアアァァ!」

 

徳之助 LP2000→0

 

エスクリダオの攻撃を食らった徳之助が後ろに吹き飛ぶ。

勝負がつき、0と1で構成されていたソリットヴィジョンが消える。

最後のエスクリダオを見れば、どことなく勝利に笑っている様な気がした。

 

「さて、と」

 

凍夜が靴音を鳴らしながら、倒れている徳之助に近付く。

そして冷たい目で口を開こうとした瞬間、遊馬に遮られた。

 

「兄ちゃん!ちょっと待ってくれ!」

「うん?遊馬、どうした?」

 

無表情だった顔が、遊馬を見た瞬間に花が咲き乱れるような笑顔へと変わる。

無駄に美形なのだ。無駄に。

 

「なんでデュエルしてたのかは分からねーけど、コイツは悪い奴じゃないって!」

「だ、だけどな…?」

「俺と友達になりたいだけって言ってたじゃんか!」

「うぐ…っ!」

 

遊馬は徳之助があの合成写真をばらまいた犯人だとは知らない。

ここで全てをバラしてしまってもいいが、それを知った遊馬が傷付くのも嫌だ。

葛藤に板挟みになった凍夜は二の言葉を告げられず、唸る。

 

「俺と友達になろうぜ!徳之助!」

「い、いいのか、ウラ?」

「ああ!勿論だ!」

「ゆ、遊馬…!俺が間違っていたウラ!友達になろうウラ!」

 

凍夜が迷っている間に、遊馬と徳之助は友情を結んでいた。

それに気付いた凍夜が鬼のような目つきで徳之助を睨むが、こっそりと渡された写真に頬を緩ませた。

 

「徳之助君、これからも遊馬をよろしくな!」

「わかっているウラ」

 

後ろ手に隠された数枚の写真。

それに何が写されているのかは徳之助と凍夜だけが知っている。

態度が一変した兄に疑問を持った遊馬だが、仲良さげな様子を見て「兄ちゃんも徳之助が悪い奴じゃないって分かったんだな!」と笑った。

 

《キミはお気楽だな》

 

至極真っ当な意見を言い放つアストラルだったが、誰も聞いてはいなかった。

 




今回はアストラルが記憶から抹消されない内に登場させてみました。
誰の記憶からだって?作者の記憶からだよ!

今回、凍夜の変態度は低めにしてみました。
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