遊戯王ZEXAL~俺の弟が可愛すぎてマジ超天使。弟のためなら何をしても構わない、というかむしろ俺に全部任せて「は?そんなことも出来ないの?」って蔑んだ目で見下してあんなことやそんなk(ry   作:雲珠

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どうも、雲珠(うず)です。
第十三話を見て下さり、ありがとうございます。

サブタイはホイッティア先生の名言です!


第十四話 弁論の時代は去った。今や実行の時である

“ロビン!デッドマックスの呪印を受けるがいい!”

“ぐあぁあぁああっ!”

“これでお前たちも私の言いなりよ!アーッハッハッハ!”

 

「遊馬?まだ起きてるのか?」

 

凍夜が日課という名の盗撮のため遊馬の部屋まで来ると、テレビの音が聞こえてきた。

時間は深夜。普段は寝息を立てている時間だ。

 

「(まさか夜更かし、か?これはいけない!遊馬の健康のために俺が一肌脱がなくては!

あわよくば「遊馬、眠れないなら俺が添い寝してやろうか?」「兄ちゃん……うん」なんて一緒のベッドに潜り込み遊馬の体を余すことなく触りまくりたい!うへへへへ)」

「うるせぇ!」

「ッ!?」

 

邪な考えをしている凍夜の耳に遊馬の声が聞こえ、一瞬ビクリと肩を震わせる。

もしや心の声が出ていたのかと冷や汗をかくが、テレビの音が聞こえなくなったのに気付く。

しばらく耳を立てていれば、遊馬がアストラルと会話している声が聞こえ、消したはずのテレビを再び点けていた。

 

“次回!ロビンよ、永久に!”

 

「もう終わってんじゃねぇか」

《何故キミは毎回この部屋に来るんだ?》

 

遊馬の寝息を確認した凍夜が音もなく部屋に入り、テレビの電源を落とす。

側らにアストラルの気配を感じるが、それより優先するべきことがある凍夜は理性を押さえ無心となってカメラのシャッターを切る。

嫌なくらい手慣れていた。

 

《その行動に何か意味はあるのか?ところで、ハクションとは何だ》

「ハァハァ、遊馬可愛い遊馬可愛い遊馬可愛い」

《……聞いてないな》

 

遊馬に無下にされた質問を凍夜に投げかけるが、問われた本人は遊馬に夢中でアストラルのことなど眼中にしていない。

もはやアストラルがいることすらも忘れている。

特にすることも無くなったアストラルは、物凄い勢いでシャッターを切る変態を3時間見続けることになる。

 

 

 

 

 

次の日、目の下にクマを作った凍夜は放課後の教室で、珍しく遊馬の写真を厳選することなく欠伸をしていた。

うつらうつらと夢の世界の船を漕ぎ、頬杖をしている。

 

「寝るなら家に帰ってからにしなさい」

「拓真ママ……ぐべらッ!?」

「よほど死にたいらしいですね」

 

凍夜の顔面に制裁という名の鉄拳が繰り出される。

目の前で暴力行為が広がっているというのに、クラスメイトは見向きしない。

見慣れたを通り越して、むしろ背景と化していた。

 

「しょうがない、今日は大人しく帰るか…」

「盗聴しておいて大人しくも何もないでしょう」

 

拓真の目の先には、凍夜の片耳につけられたイヤホン。

普通の人間ならば音楽を聞いている為と思うが、凍夜にそんな感想を持つ者など、このクラスには誰1人としていない。

そして悲しいことにその認識が正解であった。

 

「俺は遊馬の姿もしくは声を1秒以上見るか聞いていないと死んでしまう病気なんだ」

「真顔で冗談を言わないで頂けますか?犯罪者が」

 

辛辣な言葉を聞きながら、競り上がってきた欠伸を片手で覆い隠す。

流石の凍夜も眠気には勝てないようで、持って来た鞄を肩にかける。

 

「ところで拓真、エスパーロビンって知ってるか?」

「いいからさっさと帰れ」

「痛ッ!……はい」

 

足蹴にされた背中を擦りつつ、教室を出る。

廊下の窓から外を見れば、小鳥と鉄男に連れられてどこかに行く遊馬の姿。

会話は耳元のイヤホンから流れてくるのでどこに行くのかは分かる。

 

「流石に友達との時間を邪魔するわけにはいかないからな…」

 

ついて行きたい気持ちを抑えつつ、凍夜は素直に家に帰る事にした。

その判断を後悔するハメになったのは、それから二日後のことだ。

 

「遊馬!早く!」

「分かってるって!」

 

深夜、までとはいかないか太陽もどっぷりと暮れ、外の街頭に灯りがつく時間。

家の玄関には小鳥と遊馬がいた。どこかに出かける様子の2人に、凍夜は首を傾げながら近付いた。

 

「こんばんは、小鳥ちゃん。遊馬と出掛けるのか?」

「あ、お邪魔してます。これから遊馬とロビンの無実を晴らしに行くんです!」

「ロビン……ああ、あのアニメの」

 

遊馬からその名が口にされた瞬間、凍夜はロビンについて調べた。

役者の名前は奥平風也。性格は気弱で虫が苦手。

あっさりと遊馬と友達になり、しかもデュエルの約束まで取り付けた中々に侮れない奴だ。

最近ではロビンが人を襲っているというニュースが流れており、その被害が遊馬にまで及ばないか凍夜は心配している。

が、そんなこと馬鹿正直に話せば遊馬に引かれるのは分かっている。

今更な気がしないでもないが、凍夜は自分が調べた情報に知らないフリを決めて口を開く。

 

「よし、なら俺もついて行「と~う~や~?」…く……ね、姉さん?」

 

一緒について行こうとした凍夜の言葉を、姉の明里が遮る。

その後ろに般若のような幻覚を見た凍夜は、何故か身の危険を感じてその場から一歩引く。

 

「小鳥ちゃん、凍夜は今からお姉さんと話しがあるから、遊馬と出掛けてくれる?」

「は、はい。分かりました。……遊馬、行くわよ」

「お、おう」

 

小鳥と遊馬は明里から逃げるようにそそくさと家から出る。

それを見送り、残されたのは明里と凍夜の2人。

 

「俺に話しってのは何だ?」

 

深呼吸を数回繰り返し、冷静さを取り戻した凍夜が姉に問いかける。

明里は無言で片手を自分の顔の高さまで上げた。

指先には黒い小さな物体が摘ままれている。

 

「あ…」

 

その物体に凍夜は見覚えがあった。いや、見覚えどころの話ではない。

凍夜はダラダラと滝の如く冷や汗をかきながら唾を飲み込んだ。

 

「これが何か、分かってるわね?」

「さ、さぁ?」

「じゃあ説明してあげるわ。超高性能水没耐性付き小型盗聴器よ。遊馬の服についてたのを洗濯の時に発見したの」

 

明里の表情とは裏腹な優しい声色に凍夜の汗は止まらない。

 

「遊馬にこんな物を取り付ける人物は私が知っている限り、1人しかいないわ」

「そ、それはけしからんな」

「アンタのことよ!この馬鹿!」

「ぎゃああああ!」

 

盗聴器を踏み潰した明里はその勢いで凍夜に一本背負いを決める。

背中を強打した凍夜がその痛みに悶絶している間にも、冷気が全身を襲う。

 

「凍夜、正座」

「はい!」

 

これ以上ズタボロにされたくない凍夜は姿勢を正す。

流れるような動きは、これが一度や二度の行動ではないと如実に語ってくれた。

 

「今日こそは遊馬に変な気を起こさないよう、O☆HA☆NA☆SHIしてあげるわ」

 

明里の実に長いお説教は、遊馬が帰って来て就寝してからも延々と続けられた。

 




そろそろ凍夜は叱られるべき。
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