遊戯王ZEXAL~俺の弟が可愛すぎてマジ超天使。弟のためなら何をしても構わない、というかむしろ俺に全部任せて「は?そんなことも出来ないの?」って蔑んだ目で見下してあんなことやそんなk(ry   作:雲珠

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第三話を見て下さり、ありがとうございます。作者の雲珠(うず)です。
ブラコンの主人公を書くのは楽しいけど、意外と難しいです。
どこまで暴走させて良いものなのか…。

ちなみに、サブタイはタゴール先生の名言です。


第三話 愛は理解の別名なり

 

俺は基本的に自分の目で見たものと遊馬から聞いたこと以外は信じない。

逆に言えば見てしまえば信じるし、遊馬から言われたことなら尚更だ。

だが、いくらなんでもコレは受け入れ難いわ。

 

「遊馬、その様子からするにシャークに勝ったんだな?おめでとう。今日は赤飯でも炊くか?それとも遊馬の好物の方がいいか?」

 

嬉しそうな顔で帰ってきた遊馬に笑いながら声を掛ける。

しかしそこで、俺は信じられないモノを見た。

 

「おう!……ギリギリでも勝ったからいいんだよ!」

 

誰もいない空間に話し掛ける遊馬。

疲れでも出ているのか?と思って首を傾げていると、その空間にぼんやりとした靄の様なモノが見えた。

おいおい、帰ってくる時も面倒臭そうなカード拾ったっつーのに、まだ何かあんのかよ。

だが遊馬はその靄っぽいものがハッキリ見えているみたいだし、害があるのかないのかだけは白黒つけておかねぇとな。

 

「遊馬、その隣のは何だ?」

「えっ!?兄ちゃん、コイツのことが見えるのか!?」

「なんとなくそこに何かが居るような感覚がする、程度には見えてる」

「そっか…。誰にも見えてないし、俺が変なのかと思ったけど……へへっ、良かったぜ」

 

なんて、なんて健気なんだ…!

遊馬をこんな不安な気持ちにさせたのも、このよく分からない靄の所為か…!

くっ、実際に触れれば殴ってやるものを!

 

「大丈夫だ、遊馬は変じゃない。現に俺にも見えている」

「兄ちゃん…。うん、ありがとな!」

 

きゅん

 

うわぁあああぁあ、遊馬可愛いよー!

クソッ、こんな時ほど兄弟であることを後悔したことは無い…!

だが兄弟じゃなかったら遊馬のこんな可愛い顔は見れなかったわけで……俺は、俺は…一体どうすれば!?

 

《彼は壁に頭を打ち付けて何をやっているのだ?》

「兄ちゃんなりの精神統一だろ」

《どういう効果だ?》

「そのまんまだよ!」

 

……ふう、落ち着いた。

はっ!俺はまた遊馬を蔑ろに…!なんてことだ!

兄としてあるまじき失態…っ!ごめん遊馬!

 

「どうした遊馬、靄に何か言われたのか?」

「精神統一の効果……あ、や、何でもない」

「通常魔法。デッキから精神統一を1枚手札に加える。このカードは1ターンに1度しか使用できない」

「え?」

「ん?精神統一の効果だろ?基本的に魔力カウンター目的で使われることが多いが、それなら魔力掌握があるから殆ど使用されてないカードだな」

 

ネタというか、マニアックというか……まぁそういった連中の間では使われてるかもしれないが。

俺が普通にデュエルする限りでは今まで見たことねぇな。

 

「もしかして兄ちゃん、俺がデュエルやってるの知って…」

「……秘密な?」

 

上目遣いで見てくる遊馬。

くっ、どこでそんな技を覚えてきたんだ…!お兄ちゃんを萌え殺す気か!?

動悸の激しい心臓を何とか押さえつけながら、唇に人差し指を立てた。

本当なら遊馬の柔らかい唇に当てたいが、そこは我慢。我慢だ、俺!

 

「一応姉貴には色々言われてるが、遊馬は遊馬の好きにしたら良い。俺はどんなことがあっても遊馬の味方だ」

 

そう言って遊馬の頭をポンと撫でる。

 

というかむしろ遊馬以外の奴なんて虫酸が走るっつーか、至極どうでもいいわ。

ぶっちゃけた話し、俺の中での優先順位って遊馬>その他だし。

勿論、遊馬が大切にしてるモンは俺にとっても大切だけど。

これこそが真理!世の理といっても過言ではない!!

 

「兄ちゃんありがとう!」

「ぐはっ」

 

この輝かしい笑顔!これだけでご飯3杯は軽い。

ハァハァ、出来ればこのままベッドに連れ込m……ゲフンゲフン!一緒に添い寝でも!

なんなら一緒に風呂場に入ろう!ほら、シャークとデェエルして疲れているだろう?

疲れを癒やすならまずは風呂だ。さぁ入ろう、今すぐに!ハリーハリー!

「俺先に風呂入っていい?」

「ひゃっほーい!遊馬の残り湯!……ごほん、いいぜ?」

「やっぱ後でいい!」

「上げて落とす、だと?そんな、いつから遊馬はそんな小悪魔チックな思考に………いや待て。俺が先に入った後に遊馬が入るというは、俺が使った物を遊馬が使う。つまり間接的接触。そして俺が入った風呂に入るということは、俺は間接的に遊馬の全身に接触しているということに…!ハァハァ、やばい想像したら鼻血が……ティッシュティッシュ」

 

《キミの兄とやらは変というか……なんと言えばいいのだ?》

「気持ち悪いでいいと思うぜ」

《なるほど。記憶しておこう》

 

なんか遊馬と靄が会話してるが、ちょっ、不味い。鼻血が止まらん。

つか考えないようにすればするほど脳内に妄想が駆け巡るというか……あ、待て俺、その想像はまだ早い。

それは遊馬がもう少し大人の階段を登ってから、アッ――――――

 

 

 

 

「はっ…!」

 

目が覚めたら自分のベッドで寝ていた。

なんだ、いつものことか←

 

脳内が想像という名の妄想でオーバーヒートした結果倒れただけのことだ。

 

「さてと、遊馬のところに行くか」

 

時間的に姉ちゃん以外が寝静まった頃、俺は自分の部屋を出て遊馬が寝ているであろう屋根裏部屋に向かった。

そこにはハンモックに寝ている遊馬の姿。

寝顔がメチャクチャ可愛い。

取り敢えず一通り色々な角度と体勢から写真を撮りまくって懐にしまう。

え?盗撮?ナンノコトカナー?

 

(おい、靄。そこにいるんだろう?)

 

だが今日は可愛い可愛い遊馬だけではなく、別の奴にも目的がある。

遊馬のところに行けば会えると思ったが……正解みたいだな。

なるべく声を潜め、靄がある部分を見つめた。

 

《その“モヤ”というのは私のことか?》

(生憎と何言ってるか聞こえねぇが、雰囲気で何となく分かるぜ。テメェのことだよ)

《遊馬以外とでは態度が随分と違うな》

(困惑してんな。俺の態度が違うって言ってんのか?ったりめーだろ。遊馬以外の奴なんてそこら辺の雑草や石ころ以下の価値しかねぇよ)

 

会話が成立しているのかは知らんが、取り敢えず一方的に話す。

これで間違ってたら一人で話してる痛い奴だな、俺。

 

(さて、いい加減本題に入るぜ)

《本題?》

 

俺がここに来たのは世間話をするためじゃねえ。

コイツの真意を探りに来ただけだ。

 

(俺の質問に頷くか首を振れ。喋らなくてもそれぐらいなら出来んだろ)

《確かにキミにはその方法がいいかもしれないな》

(俺が聞きてぇことは1つ。テメェが遊馬に危害を加えるかどうか、だ)

 

鋭い眼光に貫かれ、凍夜に“モヤ”と呼ばれた存在はその体を静止させた。

モノに触れられない自分が遊馬に危害を加えることは不可能だ。

だが何故か、首を横に振ることは出来なかった。

自分でも分からなかったが、首を振るのは憚れた。

どれくらい時間が経ったのか、痺れを切らした凍夜が再び口を開いた。

 

(おい、いつまで無反応を決め込んでるつもりだ?)

《自分でも分からない。だが、その質問には答えられない》

(まさかアレか、今はまだ答えられねぇってか?……ふざけんなよ)

 

ハッキリと見えていないハズの凍夜の視線と目が合った。

その瞳の奥はどこまでも暗く、さきほど見た“()”は黒い闇に覆われていた。

決して濁っているわけではない。綺麗すぎる水では魚さえ棲めないという言葉通り、何の不純物もないナニカがそこに存在している気がした。

 

(……まぁいい。今のところは無回答で許してやるよ)

《すまない》

(だが、遊馬に少しでも危害を加えてみろ。そん時は触れなかろうが何だろうが関係ねぇ。この世界のありとあらゆる手段を使ってでも、テメェを排除する。例えどこまで遠くに逃げようともな。……それだけは心に刻んでおけ)

《観察結果、キミは敵に回さないほうが良さそうだ。……記憶しておこう》

 

靄が僅かに頷いた気配を感じ、俺は遊馬の部屋を出た。

一応警告はしたが、要注意だな。即答しなかった時点で抹殺モノだが、今回の場合は仕方ない。

どうやったらアイツに触れる、または排除する手段を考えないといけねぇな。

 

そして……

 

「ハァハァ、遊馬の寝顔ゲット(*´Д`)ハァハァ」

 

鼻血を止めて遊馬の写真をアルバムにしまわなければ。

 

 




こんなブラコンを書きながらアニメを見てるせいか、遊馬が本当に可愛く見えてきて困る。
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