遊戯王ZEXAL~俺の弟が可愛すぎてマジ超天使。弟のためなら何をしても構わない、というかむしろ俺に全部任せて「は?そんなことも出来ないの?」って蔑んだ目で見下してあんなことやそんなk(ry   作:雲珠

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どうも、雲珠(うず)です。
第四話を見て下さり、ありがとうございます。

さらに、色々なデッキのアイディアをありがとうございます!
色々と悩んだ末、一番しっくり来ると思ったものを選ばせて頂きました!
本当に多くのアイディアをありがとうございます。


あ、デュエル描写あります。なにか間違いがありましたらご指摘下さい(図々しい)


第五話 愛する愛は自分のどんな犠牲をも顧みない

「遊馬ぁvV」

 

語尾にハートでも付きそうなアイドルのファン並の声を出しながら抱きつくイケメン。

この点で色々とすでに残念なのだが、その表情はへらりとだらしなく笑っている。

鼻息が荒いのはもはやデフォだろう。

 

「兄ちゃん?どうしたんだ?」

 

そんな自身の兄の行動にすっかりと慣れてしまった悲しき少年、遊馬はきょとりと首を傾げた。

 

「ハァハァ、遊馬可愛い遊馬可愛い遊馬可愛い遊馬可愛い遊馬可愛い遊馬可愛い…

(校門前で見張っ……じゃなくて、偶然見かけたから一緒に帰ろうと思ってな!)」

「兄ちゃん、多分本音と建前逆」

「どっちも本音だから変わらん!」

「何考えてたんだ!?」

 

完全にストーカー行為をされていたとは露ほども思わない遊馬が思わずツッコミを入れた。

そして凍夜はキリッと格好良くしてもただの変態である。

 

「何を?俺は食事中だろうが入浴中だろうが、例えそれが夢の中であろうが、常に遊馬のことだけを考えている!いや、むしろ遊馬のことだけしか考えたくない!く…っ!何故兄弟同士で結婚出来る法律が無いんだ!……ふ、まぁいいさ。遊馬に近付く雌豚共を片っ端から排除していけばいいんだからな…」

 

遊馬は無言で一歩引き、全力で兄弟結婚がないことに感謝した。

というか、校門前でいつまでも恥ずかしいことを叫ばないで欲しい。

かといって、ここで自分が声を掛ければ兄の暴走は更に加速する訳で……。

 

「遊馬!……に、凍夜さん?」

「いやむしろ兄弟だから何だって言うんだ、こういうのは先に既成事実さえ作って……ん?あぁ、小鳥に鉄男か。遊馬と一緒に帰りか?」

 

第三者が加わったことで、凍夜の妄想が一時停止した。

あまりにもコロリとした変わり様に遊馬の後ろで見ていた、凍夜曰く“靄”が驚いたように声を上げた。

 

《本当に同一人物か?》

「兄ちゃんは俺が絡まない時は大体あんな感じ」

 

なんで自分の時だけあんな性格になるんだろう、と疑問に思いながら兄を見ていると、小鳥達との会話を終えた凍夜が振り返った。

 

「悪い遊馬、ちょっと用事思い出したから先に帰っててくれ」

「え?」

 

一緒に帰ろうと言われるのだと思っていた予想はあっさりと外れ、申し訳なさそうな顔で謝られた。

 

「本当は俺だって遊馬と帰りたい!一緒に手を繋いで俺の遊馬への愛を囁きながらきゃっきゃっうふふをしたいんだ!」

「兄ちゃん、早く用事終わらせてきたら?」

「遊馬…!そんなに俺のことを心配してっ。分かった、速攻で終わらせて来るから!家に帰ったら俺と一緒に風呂でも入って一緒のベッドとゆっくりと夜を過ご「早く行けば?」いってきます!」

 

身の危険を感じた遊馬がぞんざいに言い放つと、それはもう花が飛び散る勢いで走って行く凍夜。

そんな凍夜の性格を昔からよぉーく知っている小鳥は人知れず溜め息を吐いた。

 

「相変わらずね、凍夜さん」

 

小鳥の呟きに、その場に居た三人は一瞬の間もなく頷いた。

 

 

 

 

 

 

自分が呆れられているとは欠片も思っていない脳内お花畑、もとい脳内遊馬パラダイスの凍夜は人気のない所で動悸の激しい胸を苦しそうに抑えた。

 

「……遊馬…っ」

 

血が滲みそうなほど下唇を噛み締め、愛する弟の名を呟く。

 

「そんなところで何をしてるんですか?」

「拓真…?」

 

ふいに掛けられた声に振り向くと、怪訝そうな顔をしている拓真がいた。

コイツになら、言ってもいいかもしれない。

凍夜は一度周囲を見回すと、意を切ったように話し出した。

 

「拓真、聞いてくれ」

「え、普通に嫌ですけど」

「俺は遊馬と一緒に帰りたかったんだ…。でも、でもっ!」

「だから嫌だって言ってるでしょうが」

「遊馬は友達と一緒に帰るみたいで…。そんな中、俺がいたら明らかに邪魔だろう?」

「……そうですね」

 

拒否しても話し出す凍夜に諦め、適当に相槌を打つ。

そして何故声を掛けてしまったのだろうかと自己嫌悪した。

 

「けど、友達と仲良さげに話す遊馬を見ていたら俺は確実に絶叫する」

「勝手にしてれば良いのでは?」

「そんなことしてみろ!友達が引くだろう!?遊馬と友達の間に亀裂でも入ったらどうするんだ!」

「すでに遅い気もしますが…」

 

というか、凍夜のその真剣さに前例でもあるのかと疑った。

無いならそれはそれで疑問なのだが。

 

「そして万が一にも、遊馬と友達の身体が接触しようものなら、俺は何をするか分からない」

「もう帰って良いですか?」

「だが問題はそこじゃない!遊馬は友達が大切なはずだ、俺の次くらいに。そしてその友達に何をして、俺が嫌われたらどうすれば…!例え死んでも遊馬にだけは嫌われなくない!嫌いって……嫌いってぇぇ………うわぁああぁあん!」

 

自分が嫌いと言われる様子を想像したのか、両手を顔に当てて咽び泣く凍夜。

取り敢えず写メっておきましょう。脅しの材料としても使えますし。

 

「というか、友達が仲良いのは当たり前ですし、体が接触する程度で一々騒いでたらキリがありませんよ」

「ふざけんな!遊馬は天使なんだ!あの一瞬の微笑みでどれだけの人が魅了されると思ってるんだ! 現に俺も恋に落ちた!兄の俺でさえ恋に落ちたんだ、家族の次に距離の近い友達がいつ遊馬をそういう対象として見るか分からないだろうが!……いや、待て。まさかもう毒牙に掛かっているなんてことは…!遊馬の初めてを奪……じゃない、貰うのは俺なのに!」

「気持ち悪い」

 

嫌味ではなく本気で言い切った。

そして未だに弟への愛を語る凍夜を置いてさっさと帰った。

これ以上付き合ってられない。

 

「遊馬は本当、それはもう小さい頃から天使なんだ。父さんには多少……いや、かなり嫉妬したが、パパ、パパと呼んで笑う様子なんてマジ女神が降りて来たのかと思ったほどだ。

 俺の後ろを危なっかしい足取りで付いて来て、にーにぃ?なんて呼ばれてみろ、鼻血が止まらなかったね。今思えばよく襲わなかったなと自分を褒めたいぐらいだ!父さんと母さんが旅に出た時には寂しそうな顔をして、夜には一緒に寝てもいい?って首を傾げて言われたら断れるわけないだろう!?あの無防備な寝顔!マジで誘ってるのかと思ったね、俺は。けど俺は我慢して我慢して我慢して、写真を撮るだけにした。……のに!画像ファイルの容量が全然足りなかった!学校の宿題やらレポートやらの無駄な容量も削除したにも関わらず、だ!32GB仕事しろ!お陰で遊馬の寝顔写真が二万枚しか入らなくて残りの五千枚が無駄になっただろうが!折角ムービーも撮ったのに!……おっと、話がズレたな。

 そう言う訳で、昔の遊馬がどれだけ純粋で無邪気で可愛くて天使で女神で愛らしいのかよく分かっただろう?そして今!遊馬は更に可愛さをアップさせた!あの笑顔は普段見慣れている俺ですら魅了し、虜にする!どんな悪鬼羅刹なド変態畜生共が俺の可愛い可愛い可愛い遊馬にいつ手を出すか…!俺の遊馬に指一本触んじゃねぇ!傷つけようもんなら地獄すら生温い刑に処してやる…。警察なんて甘いモンに叩きつけられるなんて思うなよ?ふははははッ!

 ……唯一不満があるとすれば風呂だ。何故だ、何故なんだ!小さい頃は一緒に入ってたのに!まさかお兄ちゃんと一緒に入るのが嫌になったとでも言うのか!?そんな…!遊馬、遊馬ぁあああぁあああぁああ!!!」

 

拓真が去ったことにも、周りの人がドン引きして避けているのにも気付かず、凍夜は抑えきれなくなった遊馬への愛をノンストップで語る。

今の凍夜は間違えようのないくらいの変態である。

そんな人物がいくら学校指定の制服を着ているからと言って、怪しい者には変わりないわけで…。

 

「そこのキミ、ちょっといいかい?」

「嘘だ、遊馬が俺を嫌っている筈がない!これはただ……そう!ただちょっと恥ずかしいだけなんだ!なんて可愛い!なんて愛らしいんだ!遊馬もお年頃ってヤツなんだな…。

 弟が成長して兄として嬉しいと言うべきか、寂しいと言うべきか…。くっ、決められない!可愛すぎるんだ…!」

「うん。署まで来てくれる?」

「ハァハァ遊馬可愛い(*´Д`)ハァハァハァハァ………あ?テメェ誰だ?」

「こういう者だけど」

 

暴走にも区切りが付いたのか、ようやく目の前の存在に気付く凍夜。

差し出された手帳を見て凍夜は薄く笑いながら頷いた。

 

「デュエルだ!俺が勝ったら見逃してもらおう!」

「……ふう、仕方ない。負けたら大人しく署まで来てもらうよ」

 

そうして、恐らく世界一くだらない理由で決闘が始まった。

 

 

決闘(デュエル)!』

 

凍夜 LP4000

警察 LP4000

 

いや本当に始まるのかよ、というツッコミはさておき。

先攻有利。その言葉に則り、凍夜はデッキからカードをドローし、展開を進める。

 

「俺のターン、ドロー!《E・HERO エアーマン》を召喚。そしてエアーマンの効果を発動。デッキからHEROと名のついたモンスター1体を手札に加える。俺は《E・HERO バブルマン》を手札に加える」

 

《E・HERO エアーマン》 ATK1800

凍夜のデッキは融合召喚を得意としたHEROデッキ。

エクシーズ召喚が流行っているハートランドシティでは珍しい召喚方法を使っている。

 

余談ではあるが、その昔に世界を救った英雄が使っていたデッキもHEROを主軸にした融合デッキ。

それを何がどう捻くれ曲がったのか、こんな変態にも使われているとは世も末である。

 

「さらに手札から《融合》を発動し、場のエアーマンと手札のバブルマンを融合。

全てを凍らせ、無に還せ。融合召喚!絶対零度の英雄《E・HERO アブソルートZero》!」

 

《E・HERO アブソルートZero》 ATK2500

 

絶対零度、まさにその言葉の通り、身も凍るほどの冷気を纏った英雄が凍夜のフィールドに降り立つ。

毅然とした態度で相手を見据える姿は誇り高い。……のだが、何故かガッカリしたような顔をしている。

凍夜はその表情に気付いているのかいないのか、カードを1枚伏せてターンを終了した。

 

「私のターン、ドロー。《召喚僧サモンプリースト》を召喚。このカードは「召喚・反転召喚に成功した時、守備表示になる。その他の効果も知ってるから省いていいぜ」

 

召喚僧サモンプリースト ATK800→DEF1600

 

凍夜はブラコン・変態・ストーカーと三拍子揃った駄目人間ではあるが、デュエルに関しての知識は非常に富んでいる。

少なくとも、一度使われたカードの効果は絶対に忘れない。

 

「なら有り難くそうさせて貰おうかな。サモンプリーストの効果で手札の《炎舞‐「天枢」》を捨て、デッキから《暗炎星‐ユウシ》を攻撃表示で特殊召喚。

 そしてレベル4のサモンプリーストとユウシでオーバーレイ・ネットワークを構築。

 堅き殻を打ち破り、今こそ真の輝きを見せよ!エクシーズ召喚《ジェムナイト・パール》!」

 

《ジェムナイト・パール》 ATK2600/DEF1900 ORU2

 

特に何の効果も持たないエクシーズモンスターだが、特筆すべきはその攻撃力だ。

素材がレベル4モンスター2体だけという極めて召喚しやすい条件にも関わらず、大抵の上級モンスターを戦闘破壊出来る。

 

「ジェムナイト・パールでアブソルートZeroに攻撃!」

 

凍夜 LP4000→3900

 

伏せカードに警戒の目を向けるものの、相手はそのままバトルフェイズに入る。

だが予想外にもアブソルートZeroはあっさり破壊され、氷の結晶となって辺りを漂う。

そして自身のモンスターを破壊された凍夜は、口角を持ち上げた。

 

「どうもありがとう?」

「……それはどういう意味かな」

 

モンスターを破壊され、微々とはいえライフも減っている。

その状態で笑う精神状態は理解出来ない。

 

―――そう思っていた矢先、フィールド上が銀世界に包まれた。

 

「これは…!?」

「アブソルートZeroの効果発動!このカードがフィールド上から離れた時、相手フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する!」

「な…っ!」

 

銀世界に包まれたジェムナイト・パールは為す術もなく、氷となって砕け散った。

一気に戦場はガラ空き。もはや優劣の欠片もない。

 

「カードを2枚伏せ、ターンエンドだ」

「俺のターン、ドロー。《融合回収(フィージョン・リカバリー)》を発動。自分の墓地に存在する《融合》魔法カードと融合に使用した融合素材モンスター1体を手札に加える。 

俺は融合とエアーマンを手札に加える」

 

墓地のカード2枚を手札に加え、凍夜は自分のフィールド・手札・墓地のカードを再度確認する。

 

HEROデッキというのは実に多種多様な融合召喚が出来る。

出来る、ということはつまり選択肢が多いわけで、その選択肢の中から常に最善の手を選ばなくてはいけない。

一度のデュエルで出来る融合回数にも限度がある。もし融合召喚にでも失敗すれば計4枚のロスト。決して少なくない、そして軽くもないダメージだ。

 

「(さて、どうするか…)」

 

その事を前提に、凍夜は僅かに目を細めた。

警戒するべきは相手の伏せカードだ。

どんな効果を持った罠、もしくは魔法カードなのか。

もし自分が相手と同じ立場なら、伏せるカードは恐らく…。

 

「俺は罠カード《リビングデッドの呼び声》を発動。墓地のバブルマンを特殊召喚!」

 

《E・HERO バブルマン》 ATK800

 

さっきはアブソルートZeroの融合素材として召喚される間もなく墓地へと送られた哀れな泡男だが、今度こそようやく出番が回ってきたようだ。

 

「攻撃力800……また融合かい?」

 

相手は凍夜の手札に融合カードと、融合素材となるエアーマンがあることを知っている。

たった攻撃力800で攻撃してくる筈は無いと思っての発言だったが、それは半分正解で半分不正解であった。

 

「んー?やっだなぁ、まさかそんな芸の無いことするとでも思ってんの?」

「……何?」

「とりあえず、そうだな………あんま俺達をナメんなよ?」

 

おちゃらけた態度は一変、相手はその鋭い眼光に貫かれた。

ソリットヴィジョンであるはずのバブルマンも、その瞳の奥をギラギラと輝かせているような気がした。

その闘志に応えるように、凍夜は一枚のカードを手にした。

 

「HEROは進化し続ける。速攻魔法《マスク・チェンジ》を発動!新たな仮面を纏い、再び現れよ!霧の英雄《M・HERO ヴェイパー》!」

 

《M・HERO ヴェイパー》 ATK2400

 

バブルマンが新たな姿となり、フィールド上に姿を見せる。

全身が青い装甲に包まれ、右手には蒸気を発する白い槍を持っていた。

 

「マスク・チェンジは自分フィールド上のHEROと名のついたモンスター1体を選択し墓地に送ることで、自分のエクストラデッキからM・HEROと名のついたモンスター1体を特殊召喚する」

「M・HERO、か。成る程、それがキミの言う進化ってことなんだね」

「え?あー…まぁ、そこは自己解釈の自由ってことで」

 

妙に歯切りの悪い口調だが、デュエルを続行すればそんな表情も鳴りを潜めた。

 

「俺はヴェイパーに装備魔法《アサルト・アーマー》を装備。アサルト・アーマーは自分フィールド上に存在する戦士族モンスターが1体の場合のみ装備可能で、攻撃力を300ポイントアップさせる」

 

《M・HERO ヴェイパー》 ATK2400→2700

 

ヴェイパーの全身が白い輝きに包まれる。

そして昆虫を思わせるような赤い瞳で相手を真正面から見据え、槍を構えた。

 

「終わりだ。俺はヴェイパーで直接攻撃(ダイレクトアタック)!」

 

ここでヴェイパーのダイレクトアタックが決まれば相手のライフは残り1300。

下級モンスターでも十分に殴れる射程距離へと入ってしまう。

ならばここでヴェイパーを破壊する以外、相手に残されている手段は無い。

 

「罠発動《サンダー・ブレイク》!手札を一枚捨てることでフィールド上のカード1枚を破壊する。ヴェイパーを破壊!」

 

空から轟音と共に雷が落ちる。

これで破壊されたと相手が安堵した瞬間、雷はヴェイパーの体をすり抜け、全く見当外れな場所に落ちた。

 

「な、何故…」

「ヴェイパーはカードの効果では破壊されない。バトル続行、ヴェイパーで直接攻撃(ダイレクトアタック)!」

「く…っ」

 

警察 LP4000→1300

 

まさか破壊耐性持ちだったとは知らず、相手は歯噛みする。

攻撃力2700のモンスターを戦闘破壊するには骨が折れる。

自分の手札を再確認し、次のターンからが勝負だと凍夜を見るが……何故かバトルフェイズが続行されたままだ。

凍夜のモンスターであるヴェイパーも戦闘態勢を解かない。

 

「どういうことだい?」

 

凍夜は器用に口元だけで笑うと、次の行動へ移る。

 

「俺はヴェイパーに装備されているアサルト・アーマーをリリース」

「わざわざ装備したカードをリリース?……っ、まさか…!?」

 

怪訝に呟くが、何故か装備カードを失っているはずのヴェイパーが輝き続けている。

その事実に相手は勢い良く顔を上げ、凍夜に視線を向けた。

 

「ご名答。アサルト・アーマーの効果は戦士族モンスターの攻撃力を上げるだけじゃない。

 このカードをリリースすることによって装備されていたモンスターはもう一度攻撃可能になる」

「なんだと!?」

「言っただろ、終わりだってな。ヴェイパーで再び直接攻撃(ダイレクトアタック)!」

「ぐあぁあああッ!」

 

LP1300→0

WIN 凍夜

 

決着がつき、0から9で構築されていたソリットヴィジョンが消える。

デュエルの切っ掛けは非常にくだらないものだったが、それでも決着はついたのだ。

残されたのは勝者と敗者の二名。その事実だけだ。

 

「約束は守ってもらう」

「……仕方ないね。今日は見逃してあげるよ」

 

よし、これで遊馬にあんなことやこんなことが続けられると凍夜が鼻息を荒くして安堵していると、この場に似つかわしくない甲高い音が響いた。

 

「うん?あぁ、ちょっとごめんよ」

 

音の正体は相手の携帯からだったようで、インカムを通しながら何かを話している。

 

「……渋滞にオボットの暴走?え?自動販売機からジュースが?」

「じゃあ俺帰るんで。早く帰らないと遊馬と愛を語り合う時間がなくなる…!」

「気をつけて帰るんだよ。……ううん、なんでもない。こっちの話し。場所はどこ?」

 

未だに会話中の警察など眼中に入れず、凍夜は全速力で家へと走った。

ちなみに走っている最中に妄想がオーバーヒートして倒れかけたのだが……それはまぁ、余談である。

 

 




はい、凍夜のデッキはHEROデッキになりました。
初のデュエル描写なので緊張しました。ものっそい緊張した!
あ、アサルト・アーマーの効果はOCG版ではなく、漫画版仕様になってますのでご了承下さい。
だってなんかそっちの方がカッコ良かったから(震え声)

取り敢えず、凍夜の変態度は割りかし低め。
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