遊戯王ZEXAL~俺の弟が可愛すぎてマジ超天使。弟のためなら何をしても構わない、というかむしろ俺に全部任せて「は?そんなことも出来ないの?」って蔑んだ目で見下してあんなことやそんなk(ry   作:雲珠

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雲珠(うず)です。
第六話を見て下さり、ありがとうございます。

サブタイはプリニウス一世の名言です。




第七話 人間にもっとも多くの災禍をもたらす者は人間なり

次の日、凍夜が教室に入ると電子黒板と電子教科書に赤い文字でERRORと映し出されていた。

 

「これは…」

「どうやら昨日のシステムダウンで、学校のシステムにも問題が出たようですね」

 

立ち尽くしていた凍夜に声を掛けたのは、昨日凍夜の妄想にドン引きして帰っていった拓真だ。

凍夜に話しかけられるレベルまで回復したその精神力は非常に素晴らしい。

 

「成る程、ということは……」

「えぇ、今日の授業は自習「遊馬の学校生活を見られるチャンス!」

 

突然鞄の中に手を入れたと思うと、取り出したのはビデオカメラ。

 

「先生にはテキトーに言っといてくれ!」

 

そう言うと凍夜はビデオカメラを片手に教室を飛び出し、どこかへ行ってしまった。

まぁ確実に遊馬の所だとは思うが…。

 

「……はぁ」

「大変だな、お前」

「元気だせよ」

 

ツッコミを入れる隙さえなく、走り去って行って凍夜に溜息をついた。

そのあまりの不憫さに、やり取りを見ていたクラスメイトがその両肩を叩いた。

 

「だったら貴方達が凍夜の相手をして下さい」

「「無理。だってアイツ変態だし」」

 

声を揃えて言われ、拓真は二度目の溜息をついた。

そして授業に来た先生に凍夜の事を聞かれ、包み隠さず弟のストーカーに行ったことを暴露した。

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「遊馬の教室は……お、ここだ」

 

迷いの無い足取りで遊馬の教室へと辿り着いた凍夜。

教室を除くと、どうやら遊馬のクラスも授業どころでは無いらしい。

取り敢えずビデオカメラをズームにして遊馬の一挙一動を目に焼き付ける。

 

「ハァハァ、遊馬可愛い。そんなに元気よく手を上げて…!制服の隙間から見える脇とか項とか超エロい。クソッ!遊馬のクラスメイトは毎日毎日毎日毎日遊馬の天使ぶりを間近で見ているわけか!俺は昼休みかこうして自習の時くらいしか遊馬の学校生活を見れないのに!(゜皿゜メ)ギリィ」

 

持っているビデオカメラが凍夜の握力に耐えられず、ミシリと嫌な音を立てる。

凍夜は音に気付き、何とか心を落ち着かせる。

 

「いや、大丈夫だ。クラスメイトの奴等なんかよりも俺の方が遊馬のことを知ってる。

 遊馬の寝顔も遊馬の好き嫌いも遊馬のクセも遊馬の使用済みグッズも俺の方が…!使用済みのストロー程度で満足している奴等なんぞに俺は負けん!!」

 

見えない敵に対して対抗心を燃やす凍夜。

もし拓真が近くにいれば使用済みのストローなんて拾うのはお前だけだと辛辣なセリフと共に突っ込んでくれたことだろう。

 

「さてと、ムービーだけじゃなく写真も………ん?」

 

凍夜が再び教室の中を覗き込むと、何故か遊馬と遊馬のクラスメイトが距離を開けて向かい合っていた。

その光景を見て何が始まるのかを理解した凍夜は慌てた様子で教室のドアに手をかけた。

 

『デュエ「ちょっと待ったぁああああぁぁぁ!!!」

 

スパーンと勢いよくドアが開き、その音に生徒達が振り向く。

全員が突然の介入者に驚く中、いち早く冷静になったのは遊馬だった。

正確には冷静ではなく、慣れていたというのが正解だが。

 

「に、兄ちゃん!?」

「イエス!遊馬のためなら火の中、水の中、嵐の中、例え槍が降ろうとも現れるお兄ちゃんだ!」

 

いやその自己紹介はおかしいと思ったが、あまりにも突っ込みたい所が多すぎて口には出なかった。

取り敢えず、何故ここに兄がいるのだろうかと純粋な疑問をぶつけた。

 

「何で兄ちゃんがここに?」

「遊馬のいる所に俺がいるのは当たり前だろう?」

「うん。冗談はいいから」

「…授業が自習だったから遊馬を盗撮して夜のオカズ……じゃなくて、可愛い弟の授業参観でもしようかと」

 

正解言っちゃってるし!全部聞こえたから!

そう叫ぼうにも、もし吹っ切られて暴走でもされたら危ない。

遊馬は全力でドン引きしながら曖昧に受け流した。

 

「そ、そうなんだ…」

「あぁ。……って、そうだ!そこのお前!」

 

教室に飛び込んだ目的を思い出したのか、遊馬と向かい合っていた生徒を指さした。

おかっぱが特徴な男子は突然自分を指名され、ほぼ反射のように言い返した。

 

「ぼ、僕に何か用ですか!」

「遊馬とデュエルすんのは俺だ!遊馬とデュエルしたかったら俺を倒してからにするんだな!ただし遊馬の写真提供もしくは使用済みのモノで手を打たなくもない。そこら辺はアレだ、要相談ってことで……分かるだろ?」

「トドのつまり、意味が分かりません」

「何でだよ!」

「どうして僕がキレられてるんですか!?」

 

目の前のやりとりに、おかっぱの男子へと同情の目が集まる。

先生は学年どころか等部の違う凍夜のこともスルーしてどこか楽しげに事の次第を見守っている。

 

「意味が分かりませんが……トドのつまり、貴方を倒せば遊馬君とデュエルが出来るわけですね」

「中坊のガキに負けるほど、俺は弱くないぜ」

 

その中学生のガキに全力で喧嘩を売っているのは凍夜なのだが、言葉のブーメランに気付かずデュエルの体勢に入る。

本来デュエルするはずだった遊馬はその置いてきぼり感に落ち込み、小鳥達の方へと場所を移動した。

 

「(ハァハァ、落ち込んでる遊馬可愛すぎる。今すぐテイクオフしたい…!)」

 

「デュエル!」

「……デュエル」

 

凍夜 LP4000

等々力 LP4000

 

遊馬の方を見ながらデュエルを開始した凍夜に、まるで相手にならないと言われたように感じたおかっぱ男子、もとい等々力は力強くカードを引いた。

 

「僕の先攻、ドロー!《魔界発現世行きデスガイド》を召喚!このカードが召喚に成功した時、手札・デッキからレベル3の悪魔族モンスター1体を効果を無効にして特殊召喚できる。僕はデッキから《バグマンY》を特殊召喚!」

 

《魔界発現世行きデスガイド》 ATK1000

《バグマンY》 ATK1400

 

いきなりレベル3のモンスターが2体並ぶ。

攻撃力1000と1400、どちらもすでに効果は使えない。

ならば、そのままフィールドに残してはおかないだろう。

 

「レベル3のデスガイドとバグマンYでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!現われろ《グレンザウルス》!」

 

《グレンザウルス》 ATK2000 ORU2

 

口から炎を吐く恐竜を見ながら、凍夜は「ほお」と呟いた。

 

「意外とやるな」

「意外は余計です!僕はカードを1枚セットし、ターンエンドです」

「俺のターン、ドロー」

 

凍夜は自分の手札を見た後、相手フィールド上にセットされたカードに目を向ける。

そして1つ頷くと、自身の手札に手をかけた。

 

「モンスターを裏守備表示で召喚。カードをセットしてターンエンドだ」

「僕のターン、ドロー!色々言っていた割には消極的ですね。怖気づきましたか」

「ハッ」

 

挑発してくる等々力に、凍夜は余裕の笑みを浮かべて笑い返した。

あまり挑発の耐性は無いのか、等々力は憤慨した様子でデュエルを続行した。

 

「その余裕も今の内です!僕は《カードガンナー》を召喚し、効果発動!デッキの上からカードを3枚墓地へ送り、エンドフェイズ時まで攻撃力を1500ポイントアップさせます」

 

《カードガンナー》 ATK400→1900

 

「さらに魔法カード《ダーク・バースト》を発動!自分の墓地から攻撃力1500以下の闇属性モンスター1体を選択して手札に加えます。僕はバグマンXを選択」

「ふーん?」

 

墓地落としからの回収。

手際の良いプレイに凍夜もようやく心のスイッチを切り替えた。

真剣味を帯びた凍夜の目を見て、等々力は満足したように頷く。

 

「行きますよ、バトルです!グレンザウルスでモンスターに攻撃!」

 

セットされたモンスターがグレンザウルスの攻撃を受けて姿を見せる。

現れたのは《E・HERO フォレストマン》だ。

 

《E・HERO フォレストマン》 DEF2000

 

「フォレストマンの守備力は2000。残念だったな」

「くっ、ターンエンドです」

 

同じ2000同士ではどうすることも出来ない。

優勢だったように見えて、実際は均衡しているだけだった。

それが崩れるのは恐らく次の凍夜のターン。

 

「俺のターン、ドロー。スタンバイフェイズ時、フォレストマンの効果を発動。デッキから《融合》カード1枚を手札に加える。

 そして《E・HERO エアーマン》を召喚。このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、デッキからHEROと名のついたモンスター1体を手札に加える。俺は《E・HERO オーシャン》を手札に加える」

 

《E・HERO エアーマン》 ATK1800

 

「魔法カード《融合》を発動。俺は場のフォレストマンと手札のオーシャンを融合。

 大地の鼓動高鳴りて、その拳で全てを砕け!融合召喚!大地の英雄《E・HERO ガイア》!」

 

《E・HERO ガイア》 ATK2200

 

地面から湧き出るように姿を見せる、全身が鎧に包まれた戦士。

まさに大地という言葉に相応しい巨体でモンスターごと相手を見下ろした。

その迫力に等々力の足が一歩後退した。

 

「行くぜ、ガイアの効果発動!このカードが融合召喚に成功した時、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択する。そしてこのターンのエンドフェイズまで選択したモンスターの攻撃力を半分にし、ガイアはその数値分攻撃力をアップさせる」

「な…っ」

 

《グレンザウルス》 ATK2000→1000

《E・HERO ガイア》 ATK2200→3200

 

小さくなるグレンザウルスに対し、ガイアは更に体を大きくしていく。

顔を青ざめる等々力に、凍夜は好戦的な笑みを浮かべた。

 

「バトルだ。エアーマンでカードガンナーを攻撃!ガイアでグレンザウルスを攻撃だ!」

「ぐぅうっ!」

 

等々力 LP4000→2600→400

 

モンスター2体を破壊された等々力は攻撃の余波で体が後ろに飛ばされる。

もはや火の粉2発で死ぬレベルまでライフを減らされた等々力だが、フラフラになりながらも体を起こした。

 

「と、トドのつまりピンチですが……まだです!僕は永続罠《リビングデッドの呼び声》を発動、墓地から《バグマンY》を特殊召喚します!」

 

《バグマンY》 ATK1400

 

「モンスターをフィールドに残したか…。俺はこれでターンエンドだ」

 

《E・HERO ガイア》 ATK3200→2200

 

凍夜のターンが終わったことでガイアの攻撃力が元の数値へ戻る。

 

「勝負はこれからです!僕のターン、ドロー!僕は《バグマンX》を召喚!バグマンXは自分フィールド上にバグマンYが表側表示で存在する時、デッキから《バグマンZ》を特殊召喚できます。来い、《バグマンZ》!」

 

《バグマンX》 ATK0

《バグマンZ》 ATK0

 

これで等々力のフィールドにはバグマンXYZの3体が揃った。

何か来るな、と凍夜は静かに目を細める。

 

「僕はレベル3のバグマンX、Y、Zでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れろ、《ワクチンゲール》!」

 

《ワクチンゲール》 ATK1800 ORU3

 

3つの光に囲まれ、白衣を着た天使が現れた。

その手には等身大ほどもある注射器を持っている。

 

「ワクチンゲール……初めて見るモンスターだな」

「行きますよ、ワクチンゲールでガイアに攻撃です!」

「何だと?」

 

攻撃力の劣るワクチンゲールの攻撃に凍夜は僅かに瞠目した。

 

「ワクチンゲールの効果発動!オーバーレイユニットを1つ取り除くことで、自分フィールド上のモンスター1体の攻撃力をエンドフェイズ時まで1000ポイントアップします!僕はワクチンゲールの攻撃力を1000ポイントアップ!」

「く…っ」

 

《ワクチンゲール》 ATK1800→2800

 

凍夜 LP4000→3400

 

レベル3モンスターを3体も必要とする時点で何らかの効果があるとは思っていたが、まさか攻撃力アップだったとは…。

凍夜は破壊の余波を片手で防ぎながら、心の中で呟く。

 

「ターンエンドです」

 

《ワクチンゲール》 ATK2800→1800

 

「俺のターン、ドロー。……流石俺のデッキ、分かってるな」

 

引いたカードを見た瞬間、凍夜は不敵な笑みを浮かべた。

 

「喜べ。もう1つの大地を見せてやるよ」

「もう1つの……大地?」

「俺は手札から《ミラクル・フュージョン》を発動!自分のフィールド・墓地から融合素材を除外することで、エクストラデッキから融合モンスター1体を特殊召喚する。俺は墓地のフォレストマンとオーシャンを除外!」

 

凍夜の言葉に疑問符を浮かべる等々力だが、凍夜はそんなことは知らないとばかりに展開を進めていく。

そして凍夜のフィールド上にガイアの素材となったフォレストマンとオーシャンが半透明の姿で現れた。

その体はお互いを溶かし合うように徐々に消えて行く。

 

「よく見とけ。これがもう1つの大地だ。

 海と森から生まれし、灼熱の大地!融合召喚!地球の英雄《E・HERO ジ・アース》!」

 

《E・HERO ジ・アース》 ATK2500

 

白い体の戦士が溶け合う渦の中から姿を現す。

地球という言葉通り、その背後に一瞬だけ広大な青が輝いた。

 

「ジ・アースの効果発動。自分フィールド上の表側表示で存在するE・HEROと名のついたモンスター1体をリリースすることで、その攻撃力分の力を得る。俺はエアーマンをリリース!」

 

《E・HERO ジ・アース》 ATK2500→4300

 

同じHEROの力を得たジ・アースがその体をマグマのごとく赤く、そして熱くしていく。

 

「攻撃力、4300…!?」

「終わりだ。ジ・アースでワクチンゲールを攻撃!」

「うわぁあああぁあ!!」

 

等々力 LP400→0

WIN 凍夜

 

ワクチンゲールが破壊され、凍夜の勝利が決まった。

だがARヴィジョンが解除される瞬間、凍夜は頭の上に疑問符を浮かべた。

 

「(ん?ワクチンゲールの効果って自分のターンだけか?)」

 

てっきり相手のターンにも発動出来るのだと思っていた凍夜は「リリースし損じゃん」と内心でボヤいた。

まぁ、それでも勝ちは勝ちだと笑顔で遊馬に振り向いた。

 

「遊馬ぁvVお兄ちゃん勝ったぜ!」

「おう!スッゲェ格好良かった!」

 

普段変態行為しかされていない遊馬にとって、真面目にデュエルしている兄の姿は貴重であり格好良くもあった。

いつもこうだったら良いのにと本気で思ったほどだ。

だが遊馬の心など知らない凍夜は、頭の中である言葉がエコーしていた。

 

「ッ!?(格好良かった……格好良かった……格好良かった……)」

 

遊馬の笑顔+褒め言葉をダイレクトに受けた凍夜は鼻を抑え、その場に倒れた。

 

「そんな、格好良かっただなんて…!これはOKですよね?誘っていると考えてOKですよね!?まさか遊馬から誘いプレイを言い出してくるなんてお兄ちゃんを萌え殺す気!?そして遊馬から許可が出たということはもうこれは合法だと。そういうことか!ハァハァ。

 大丈夫だ遊馬、安心しろ。俺は他の野郎共と違って性急に求めることなんてしない。最終的に恥じらいを持ちつつ縋ってくるくらい俺にどっぷり嵌らせて優しく、優しく………ブフォッ」

 

抑えきれなくなったのか、床に血の池を作る凍夜。

クラス全員どころか先程まで笑顔を見せていた遊馬もドン引きした。

いや、むしろドン引きすら生ぬるい。その目は汚物を見るような目だった。

凍夜はその視線に気付き、さらに興奮したように遊馬に迫った。

 

「踏め、踏もう、踏んで下さい。遠慮することはない!さぁ!さぁ!!(*´Д`)ハァハァ」

「い、嫌……気持ち悪い」

「はうっ!もっと罵ってくれ!」

 

完全にメーターが振り切れているらしく、欲求がド直球だ。

このままだと人目を憚らずにマジで襲いかねないと周囲の誰もが思った時、凍夜が教室に乗り込んできたのと同じ音が響いた。

 

「やはり此処にいましたか、糞虫」

 

見ると、そこには凍夜に負けず劣らずの美形。

だがその表情は般若の如く怒りに溢れていた。

 

「ハァハァ、遊馬マジ天使…!」

 

その人物は凍夜がもっともよく知る人物であったが、もはや遊馬しか見ていない凍夜は気付かない。

周囲の視線を嫌というほど受けながら、その人物はゾンビのように這い蹲る凍夜に近付くと遠慮なくその頭を踏み潰した。

 

「死ね、変態ゴミ野郎」

「ごべばッ!?」

「さっさと死ね、今すぐ死ね、地獄に召されろ」

 

何度も容赦なくその頭を蹴り続ける美形。

だが最初の一撃で気絶したのか、死体のごとくピクリともしない。

その様に満足したのか、顔が無表情に戻る。

そして恐怖で目尻に涙を浮かべている遊馬に振り向いた。

 

「初めまして、相沢拓真です。九十九遊馬君ですね?貴方のことはこのウジ虫から耳にタコが出来るくらい死ぬほど聞かされています」

「え、ご、ごめんなさい…」

「謝罪はこの糞野郎から土下座でして貰うつもりなので大丈夫ですよ。……っと、済みません。次の授業までに時間がないのでこのストーカー馬鹿は引き取りますね」

「あ、はい。お願いします」

「皆さんもご迷惑をお掛けしました。……さっさと行くぞこの変態クズ野郎が。テメェのせいで私まで先生にとばっちりを受けることになりやがったんですからね」

 

礼儀正しく頭を下げると拓真は凍夜の無駄に長い髪の毛を鷲掴み、そのまま引き摺るように教室から出て行った。

途中から何かにぶつかるような硬い音が連続で聞こえたが、きっと階段を降りている足音なのだろうと、そう思い込むことにした。

 

『………』

 

そして殺害現場のような有り様の教室を全員が無言で掃除し、精神衛生上、全てを無かったことにした。

だがこの日を境に、クラスの皆が少しだけ遊馬に優しくなった。

 

 




「こんな優しさいらない(´・ω・`)」
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