オッス、オラは、「片桐悟」小学2年生だ。最近の日課は、学校帰りに向かいの家にあるデッカイ道場の亀仙人に「かめはめ波」を教えてもらいに行くことだ。
なんで、近所の道場で「かめはめ波」が教えて貰えるかって?
あれは、3カ月前に俺が小学2年生に上がったころだ。
朝方爆音がしたと思って起きて、窓の外を見るとチャイナ服を着たオジサンが空高く飛び手から衝撃波を出していたのだ。
俺は、それを見て確信した。毎週日曜日のドラゴンボールのかめはめ波は実在すると・・・。
あのチャイナ服おじさんは、亀仙人なのではと・・・。
思い立ったが吉日で、その朝に道場の門を叩いたのだ。
この門・・・押しても開かないんだが・・・。
門を叩いてると、チャイナ服おじさんが出てきた。
「こんな朝方から何かようかね?」
「おっす!俺は片桐悟だ。突然ですが、かめはめ波教えてください!」
チャイナ服おじさんは驚いたような顔をした。
「はじめまして。馬剣星ね。それで、かめはめ波とは何かね?そんなものは、ないね。朝早いんだから、もう家に帰るね」
チャイナ服おじさんは、俺を帰らそうとした。やはり奥義だから秘密なんだな・・・。
「分かった!今日のところは、帰る。また明日来る!」
俺は、かめはめ波を教えて貰うまで諦めないぞ・・・。
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悟が帰ったことを確認し剣星が梁山泊に戻ると秋雨が話かけた。
「剣星、どうやら見られてしまったようだねぇ」
先ほど剣星と組手をしていた秋雨が他人事のように言う。
「彼は毎日来るというけど、その内諦めるね」
「まぁ、そうだろうねぇ」
「そうね。あ、そういえば秋雨どん――……
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あれから、悟が毎日道場に来て3カ月程経った。
だが、亀仙人はいつも言うんだ。
「悟ちゃんや・・・「かめはめ波」なんてものはないね」
この問答を3カ月程したころ・・・
細目の髭のあるおじさんが基礎修行なら教えようと言ってきた。
「悟君、君は基礎がまるで出来てない。よって、まずは足腰からの基礎トレーニングだ。
この1kgのリストバンドをし、町内3周してくること」
そうか・・・。基礎修行が出来てないから、かめはめ波を撃てないのか。
それから毎日走り・重量を上げて基礎トレーニングを積む日々を送った。
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そんな地獄のような基礎トレーニングをしてる日々を送っていると
ある日異変に気付く。
身体に何か流れていると・・・。
これは、「気」だ!
1年かかったが、遂に気を掴んだ。
その事を亀仙人ではなく剣星に言うと、とても驚かれた。
俺は大喜びしてると、金髪ムキムキ爺さんの長老が出てきた。
今なら分かる。
この爺さん他と気配が違うと・・・。
長老は真剣な顔で話す。
「悟ちゃんや、その歳で気の発動が出来るようになるとは。まさに天才じゃな・・・。
だがな、その力は人を殺すことも救うこともできる力じゃ。使い方を間違うでないぞ」
あまりの気迫に、俺は直ぐ答えることが出来なかった。
「悟ちゃんは、かめはめ波で何をしたいんじゃ?それで人を殺めたいのか?」
秋雨、剣星他の皆も俺を真剣な顔で見てきている。
なんとなく、この返答は重要な気もするけど答えは決まっている。
「え?かめはめ波は、カッコいいから撃ちたいんだよ。それと俺が人を殺したいかって?
人殺したら明日食う飯も不味くなりそうな気もするんだよね。そもそも、人殺したら捕まるし
嫌だけど」
「・・・そうか。悟ちゃんや、ここで武術を学ぶ気はないかの?」
秋雨達に驚いた顔をする。
「えー、かめはめ波覚えたらいいよー」
「そうかそうか。この後の修行も頑張るんじゃぞ」
なんか、空気が重い気がするけど・・・。
剣星は話しかける。
「悟ちゃんは、武術が嫌いなのかね?」
「そんなことないよ、カッコいいし。今は、かめはめ波を撃つことに専念するんだ」
最近、学校の授業で習った諺で二足の草鞋は履けぬってのがあるしね。
「それより、気ってのが発動出来たんだけどよ。どうやったら維持できるの?」
秋雨が答える。
「悟君が今しているのは気の発動と言い――……
秋雨は気の説明をしてくれた。
・静と動2つのタイプに分けられる。
・静の気は気の凝縮により身体能力だけでなくテクニックも上がる。
・動の気というものもあり爆発的な気により身体能力が向上するというものもある。身体能力の向上は、動の方が優れている。
「悟君は、静の気を発動させている。次の段階は、気の解放だ。今後は座禅などで修行するといい。かめはめ波もこの修行が成功する頃には撃てるようになるよ」
「まじか!なら、毎日座禅するよ。目指せ気の解放!」
「さて、基礎トレーニングに戻ろうか。重石100kgの腕立て伏せ一万回だよ」
おっと、何故か回数が増えてきたな。
毎日身体中筋肉痛になるけど、何故か次の日には治ってる。
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俺が気の発動を終えてから2年経ち、小学5年生になった。
小学5年生にもなると敬語も覚えてきてタメ口まずかったなぁと反省するようになった。
修行の方で変化があるとすれば、秋雨の鬼畜基礎トレーニングと剣星の気の修行を2年してると遂に気の解放が出来るようになった。
静の気を練った状態を常に維持できるようになった。
ただ、練った気を手のひらに集中する事が出来ない。
気の解放が出来るようになると体内の気を彼方此方自由に操作出来ると思ったのに、違うのか?
剣星に聞いてみるとするか・・・。
「剣星さん、気の解放出来るようになったのに、かめはめ波打てるような気がしないんですが?」
剣星はニヤニヤしながら答える。
「それは当然ね。気の解放の上にある気の掌握をしなければ、かめはめ波は撃てないね」
「だ、騙したな・・・。まぁ気の掌握まで修行するしかないですね。あと、何年くらいで出来るようになりますか?」
「こればっかりは、分からないね。気の掌握が出来れば達人級ね。これは、才能も含めて血も滲むような修行が必要ね」
そう言われてしまい、俺は、本日の修行が身に入らなかったため中止となった。
何故か明日の修行も中止となった。
リフレッシュをしろと長老に言われては、仕方ない。