太陽を墜とした鴉   作:傘花ぐちちく

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エンディング「蘇った二羽の鴉」

 

 敗北した私は、さとり様に心を覗かれていた。

 

「うーん……何も考えていませんね」

「え?」

 

 その傍らでは、私を倒した巫女、博麗霊夢が怪訝な顔をしている。

 

「そうですね、何で地上侵攻なんて考えていたんでしょう?」

 

 気分が昂揚していたのは間違いないけど、理由がさっぱり分からない。

 

 ともかく、異変を解決したという事で霊夢は憤慨しながら帰ってしまった。

 

 被害という被害も無なかったので、さとり様は私を罰しようとはしなかった。地上の妖怪から色々と言われただろうに、お優しい。

 

 すっかり小さくなってしまったさとり様に頭を下げて、旧灼熱地獄の温度調節をしようと地霊殿を出れば、お燐が満面の笑みで抱き着いてくる。

 

「いやー、お空にも敵わない相手がいたなんてね! ともかく無事だったんだからさ、快方祝いに呑みに行こうよ!」

 

 ……そういうことなんだろう。

 

 私は地上侵攻なんてお馬鹿な真似が阻止された理由に心当たりが付いた。霊夢は間欠泉からやって来る怨霊について話していたし、その管理はお燐の仕事だ。

 

 お燐はさとり様に下克上するとでも思っていたのだろうか?

 

 ともかく、私の大事な親友には感謝しなければならない。

 

 生涯を通じて得難いものを私は二つも貰ってしまったのだから。

 

 

 

 雪が降る地底に太陽は蘇った。

 

 闇を払う太陽は地獄の面々には不評だったが、地底の妖怪にとっては大したことは無い。

 

 山の神主導で間欠泉地下センターの建設が始まると、お空は生まれて初めて地上の太陽を見た。地底と地上の行き来が少し自由になったのだ。

 

 あまりにも地上は広いので、地上を灼熱地獄に変えようだなんて気は起きなかった。

 

 地底にあった方が太陽はずっと傍にいてくれる。

 

 天蓋に在ってもその恩恵を忘れる者がいるというのだから、猶更だ。

 

 お空は翼を広げて大空を翔ける。

 

 太陽の光を目一杯に受けて飛ぶことは長年のあこがれの一つであったが、やっぱり浴び慣れた地底の光の方がいいな、と思うのであった。

 

 

 

 

 

――――――――以下あとがき――――――――

 

 

 

 

 

 作者の傘花ぐちちくでございます。

 

 まず初めに、本作をお読みいただきましたこと、深くお礼申し上げます。

 

 本作品については、昨年の紅楼夢および秋例大祭で頒布された内容を記載しております。

 

 お空ちゃんの来歴について考えたものを出力しておりますので、地霊殿本編を目処に作成させていただきました。新地獄についてやヘカーティアがでてきたことを踏まえて、頑張って辻褄合わせ?をしたものです。

 

 東方の二次創作については、細々とやっていたものからうん作品目ですが、2024年の春例大祭を契機に東方熱が再燃しましたため、余裕を持って作成しようと意気込んでいました。

 

 お燐が獣王圏に登場し、地底関連のあれこれがやや開示されていたので、嫁(死語)のことを掘り下げる作品でした。

 

 

 

 昨今、お空は爆乳であるかのような嘆かわしい風潮が流布されておりますが、第三の眼があるんだから常識的に考えて貧乳に決まってんだろうがという思いがあるので、本文中ではお空は平らであることを記載しましたが、おっぱいに言及することが明らかに雰囲気と合致していないよねなどと考えていました。思想なのでしょうがないです。

 

 お燐は大きくていいよ。

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