ナマコブシを投げるだけの簡単なお仕事。   作:ジョージ・マッケンジー

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活動報告にて少し


さらば、ウラウラ。

 

 

 

 

 

 

 

 【@月E日】

 

  二匹のライドポケモン・リザードンが降り立ち、この前と同じ組み合わせで飛行準備を整える。どうやら、今日は『エーテルパラダイス』という人工島へ行くらしい。

 ウラウラ島の調査、まだ半分残ってね?と思い聞いてみたところ、後はクチナシさんに任せるのだとか。一人だけ仕事量ハンパねぇ……。

 

 「────さらばウラウラ!」

 

 さて、無事にエーテルパラダイスに到着した俺達。目的は、完成したとの報告を受けた『ウルトラボール』を受け取ることらしい。そういや、前にリラさんが言ってたな。

 曰く、本来ならば非常に困難なUBの捕獲に特化したエーテル財団特製のボールなのだとか。むむ、モンボでマッシブーンをゲットした俺って結構凄いのでは?

 

 『ぶーーん』

 

 マッシブーンが言うにはやっぱ凄いらしい。

 でも自分で言うなよ。

 

 「でっけぇ……」

 『ぶにぃ……』

 

 まさに()()()。白を基調として造られた建築物の数々は秀逸なデザインを誇っており、アローラの景観を汚さない───どころか、一種の美しさまで醸し出している。

 興奮した面持ちでリーリエに話し掛けようと振り向くと、何故だか表情が曇っている様子。取り敢えず、元気付けようと某有名芸能人のネタをパクって披露しておいた。転生チートTUEEE!!!!

 

 「あはは……ありがとうございます。でも、今日は少し気が重くて……」

 

 全然元気になってない!?

 コントを一人でやったのが間違いだったか……!

 

 「目的地は此方の理事長宅だ、急ぐぞ」

 「お二人とも、時間も押してますのでお早めに」

 

 ハンサムとリラさんが早足で、何処か足取り軽く歩みを進める。『ウルトラボール』……それ程までに重要アイテムなのだろうか。これでモンボと大して変わらないゴミが出てきたら横転する自信がある。アニポケのGSボールの二の舞だけにはなるんじゃねぇぞ。

 

 やがて、理事長──名をルザミーネさんの家に到着。驚くことに職場から徒歩二分。喉から手が出るほどに羨ましい。俺なんて通勤時間が───おっと危ない。俺はロリ、俺はロリ……。

 ロリは通勤なんてしないし、時間なんて気にしないし、やる事全部があざとくなくちゃいけないんだ……!

 

 ルザミーネさん宅へ着き、ハンサムがコンコンとドアをノックする。間も無くして開いた自動ドアの奥には、プラチナブロンド──リーリエと酷似した色──の髪を持つ女性が此方へ微笑み掛けていた。何だこの美人マダム!?

 

 一通り挨拶を済ませ、ルザミーネさんが札束でも入ってそうな重厚感のあるトランクケースを開ける。中には、青を基調に金色のリングを被せたボール───ウルトラボールが入っていた。

 どうやら、俺の心配は杞憂に終わったらしい。GSボールの何倍もカッコいいや。

 

 ハンサム達が話し込み始めたところで、俺はリーリエを連れてひっそりと脱出。リーリエの表情が暗いのにはいち早く気付いていたからな! 気遣いのできるロリとは俺のことである。

 

 「あの人───ルザミーネは、私のお母さんなんです」

 「へっ?」

 

 施設内に併設されたポケモン保護ゾーンを許可を貰った上で訪れていたとき、ふとリーリエがそんな事を呟いた。なるほど、親子間で何か問題があるタイプか。……そういや、旅をする目的も『お母さんのため』だったっけ。

 

 しばらく話を聞いていると、リーリエはとある理由で『ほしぐもちゃんコスモウム』を連れて此処エーテルパラダイスから抜け出しており、半ば家出のような形になっていたのだとか。そりゃあ気まずいわな。

 俺には悩みを聞いてやることしか出来ないのが無念だ。

 

 結局、この日は提供された客人部屋で夜を過ごすこととなった。

 

 

 

 【@月F日】

 

 今日は二Fのポケモン保護区へ訪れた。リーリエも誘ったのだが、今日は部屋で過ごすらしい。ちなみに、お誘いもされていない。あれぇ……?

 

 『つよよ〜』

 「そういやお前、久しぶりの水だよな。大丈夫だったん?」

 『つよっ!』

 

 保護区の水ポケモンスペースにツヨシを繰り出すと、はしゃぐ子供のようにパチャパチャと水を飛ばす。普通に顔出しながら呼吸しているように見えるのだが……見間違いだよな?

 ともあれ、名前の通り強く育ってくれたものだ。見た目的にもう一段階進化も残していそうだし、今後の活躍に期待が募る。

 

 『ぶーん』

 『りぅ!』『ごる!!』

 

 ふとマッシブーンの方を見やると、ワンリキー系統の群れと筋肉バトルを繰り広げていた。UBには避けられるのに普通のポケモンとは普通に接せるのか。今更ながら基準が不明すぎる。何なんだコイツ……( n回目)

 

 

 

 【@月G日】

 

 何やらご機嫌なリラさん。かわいい。

 何があったのか聞いてみると、ウルトラボールに関する交渉が上手くいっているらしい。RSEのフロンティア──俺が知っている時代──のリラさんが垣間見えた気がして、俺のテンションも爆上がり。

 

 そういや、今のリラさんって一人称「ボク」じゃないよな。やはり、20代くらいになると羞恥心が芽生えるのだろうか。ボクっ子の寿命は20まで、か。何と儚い……。

 

 

 【!月A日】

 

 緊急事態。ほしぐもちゃんが消えてしまった。

 朝七時に俺の部屋へ飛び込んできたリーリエ曰く、一緒に寝ていたはずが朝になると姿を消していたらしい。

 

 ちなみに、ほしぐもちゃんは進化してからというもの、自力で動いている様子は一度も見ていない。つまり───────、

 

 「()()ってのが自然か」

 「ごめんなさい、私のミスで……!」

 

 過呼吸気味のリーリエの背中をさする。これまで、ずっと側に居たポケモンが奪われたのだ、仕方あるまい。幸い、ここは逃げ場のない人工島。虱潰しに探せば犯人は見つかると思うのだが、それとは別に懸念点が一つ。

 

 ───なぜ、コスモウムを奪ったのか。

 

 それこそ、強さで見たら俺のマッシブーンとか、幾らでも候補ありそうなものだけれど。俺はウンウンと唸り、やがてベッドに深く落としていた腰を起こした。

 

 「なんつーか、早めに探した方が良さそうだな」

 『ぶにっ!』

 

 

 

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