ナマコブシを投げるだけの簡単なお仕事。   作:ジョージ・マッケンジー

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ここすきを見返してニヤニヤしながら執筆しております
感謝感謝


悪の組織の、したっぱです。

 

 

 

 

 

 【€月E日】

 

 さて、遭難してしまった訳だが。

 ……どうすんの?

 

 幸いこの森は食料が豊富らしく、木の実やら野生ポケモンやらを狩っていれば飢え死にすることはまず無さそう。どうやって狩るかって? そりゃあ勿論マッシブーンの自慢のパンチで1発よ!!!

 

 『ぶーん』

 「あ、あの……狩りお願いできますかね?」

 『ぶーーん』

 

 【悲報】マッシブーン、意外と平和主義。やっぱ全生物共通で筋肉バカって優しいんだな。包容力はねぇけど。

 

 とはいえ何も食べない訳にもいかないので、ナマコブシ君の()()を使って狩る事に。獲物を見つけて狙いを定め、ナマコブシを優しく押し潰してやると─────

 

 『ぶにっ!』

 『カァーーー!?!?』

 

 あろう事か巨大な鳥を飛び出る拳で一発KO。ナマコブシ君、俺らこの技で世界狙えるよ。ナマコブシ君は目をキラキラと輝かせながら身体をぶんぶんと縦に振った。かわいいなこいつ。

 一方、筋肉バカは隣でポージングを取っていた。

 

 夜、襲撃に来たポケモンを追い払いながらも野宿の準備を進める。何故だ……何故せっかく白髪美少女ロリに転生して人生イージーモードかと思っていたのに俺は野宿をしている?そんな事を考えながら火起こしをすること1()()()

 

 

─────1()()()

 

 

 「はーぁ!?!? 全然火ぃ付かないんだけど!!! ほんとマジで野宿⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎!!!(自主規制)

 『ぶーんw』

 

 結局、火を起こすのに2時間かかった。

 

 

 

 【€月F日】

 

 やぁやぁ諸君、TS転生ロリ見習いの実質年齢三十路の俺です。改めて聞いても属性盛りすぎだな。マッシブーンに三十路要素だけあげる!

 

 とまぁ見れば分かる通り、結構余裕がある。食料も木の実と焼き鳥(食べていい鳥なのかは知らん)さえあれば十分だし、野生ポケモンの殆どがマッシブーンを怖がって接近してこない。接近したとしても謎の筋肉アピールで撃退される始末。

 

 「おっと、そこの嬢ちゃん。少しいいっスか?」

 

 突如現れた不審者。なんだその服装、一昔前のヤンキーか?

 焼き鳥を頬張りながら振り向く俺を見て、不審者は悪どい笑みを浮かべ寄ってきた。……アウトか?

 

 「なぁ、もし迷ってるならオレらの家に───」

 

 アウトだな。

 おらっ、殺れマッシブーン! ロリに手を出す輩を殲滅させてしまえ、生死は問わん!!

 

 暫くマッシブーンの筋肉で不審者を可愛がっていると、「ひぃい!」という声を漏らしながら逃げようとする。逃がしてもいいけど、一応事情やらを聞いておこう。リーリエを安心させられる朗報でもあるかもしれない。

 

 「あんた、野盗──()()()()だろ? 折角だからさ、色々聞かせてくんない?」

 「野盗じゃないっス! それに、今のアローラは……」

 「ほら、可愛い幼女の頼みだぞ?」

 

 マッシブーンが後ろでぶんぶん鳴きながら接近してくる。流石に不審者もこれには堪えたのか、深くため息を吐いて口を噤む。

 

 焚き火に刺しておいた最後の焼き鳥を渡してやると、目の色を変えてかぶりつき始めた。やっぱ腹減ってたんだな……だからってポケセン襲うなよ!! リーリエ怖がっちゃうだろ!!

 

 「んで、どーしてポケセン襲撃なんてしたのさ。いや、別にお前一人がやったわけじゃ無いんだろうけど」

 「……分かりました、話しまスよ」

 

 急に目線低くなるじゃんコイツ。畏まる必要なんてない旨を伝えると、少し安心した様子で話し始める。

 

 やがて語られた彼の話は、非常に興味深い物だった。

 

 曰く、アローラ全土が謎の化け物だらけ。

 曰く、キャプテンらが対処しているが、無理そう。

 曰く、民間人拠り所はポケセンしか無いのだが、スカル団──悪の組織──は入れてくれない。だから盗むしかなかった。

 

 何だそれ、普通に可哀想じゃねーか。

 

 「……よーし、決めた! 俺が化け物全部倒す!」

 「はい!?」

 「そーすりゃお前らも助かるんだろ?」

 

 あと、リーリエからの好感度も上がるからね!!

 

 「本当っスか……?」

 「まー、マッシブーン居るし楽勝でしょ」

 

 頭の上で鎮座するナマコブシもドヤ顔で『ぶに!』と鳴く。お前は……まぁ可愛いからええか。そうして不審者改め、スカル団の男に視線を落とすと──何故か泣いていた。

 

 慌てて「ご飯足りなかったか!?」と焼き魚を追加で焼こうとすると、違うと言って止められた。嗚咽混じりでよく分からんかったが、ポケセンの方へ案内してくれるらしい。やったね!

 

 

 「…………!! カナデさん!!」

 

 無事にポケセンへ戻ると、電光石火を思わせるスピードで何かが胸元に飛んでくる。おっふ、リーリエか。

 

 とりあえずワシャワシャと頭を撫でてやる。俺の方が身長低いんだけどネ。どっちにしろ絵面的に映えるので良しとする。

 

 この日は、わんわん泣いて止まないリーリエを宥めるのを最後に終わりを告げた。

 

 

 

 【€月G日】

 

 今日のポケセンはいつにも増して明るい。物理的にじゃなくて雰囲気が。そして何を隠そう、最大の功労者は俺である。流石! 有能ロリ!

 

 「すごいです! こんな量の食料、一体どこから?」

 「森だよ森。なんか彷徨ってたら見つけてさー」

 

 ポケセンのカフェルームの机に存在を主張する大量の食料。ジョーイさんが言うにはかなり食料が枯渇してたらしく、それはもう褒めてくれた。なんと頭撫で撫でまでしてくれた。もうこの世に未練は無ェ!!

 

 

 

 【$月A日】

 

 リーリエが可愛かった。

 

 あと、なんか『国際警察』とか名乗るオッサンが来た。こんな物騒な世の中なのもあり、本物かもぶっちゃけ怪しいけどな。一応警戒しておこう。

 

 

 【$月B日】

 

 ナマコブシを投げた。今日はやたらと少ない……というか、日に日に減っている気がするのは気の所為だろうか。

 あと、これは体感なのだがナマコブシ君の顔が凛々しくなってきた気がする。やっぱ過酷な状況が人を強くするって言うのは本当かもしれん。

 

 (・大・) → ( ・᷄ 大 ・᷅ )

 

 こんな感じ。

 

 

 

 【$月C日】

 

 今日はスカル団の奴らに食料でも分けてやるか───と思ったのだが、そういや住所知らねぇや。とりあえず、あの森にでも行ってみよう。多分また会えるでしょ。

 

 行こう。絶対行こう。

 ──明日の俺が。

 

 あーそうそう。

 国際警察とか名乗ってた輩だけど、明日もう1人来るとかなんとか。……なんで1人ずつなん??

 

 

 

 

 【$月D日】

 

 さて、今日は例の森へ行くことにする。有言実行。俺偉い!

 

 「食料採ってくるぜ!」って事で胸を張って出発したかったのだが、リーリエに1度「もう危ない真似はしないで」的な事を言われていたのを思い出し、忍者のようにそろりそろりとポケセンを脱出。

 

 リーリエに心配を掛けるのも心が痛むが、流石にスカル団の男との約束を破る訳にもいかない。ふと空を見上げると、穴が増えていた。

 

 最近は化け物がさらに凶暴化しているし、念には念をという事で、所持品は全てこのバッグに詰めている。

 

 

 さて、いっちょ救ってやりますか……!!

 

 

 

 

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