メジロになれなかった男   作:ダシマ

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第5章:8月
第21話「4人目」


第21話

 

 アンケートの結果、4人目はマンハッタンカフェに決まった。

 

メジロラモーヌ「あら、予想外ね」

ライスシャワー「カフェさんも実力があるから、チームとしては心強いんじゃないかな…」

ハルウララ「あれ? でもカフェさんって合宿に参加してるけど…」

「戻ってきました…」

ナイスネイチャ「ぎゃあああああああああっ!!!!」

 

 いつの間にかカフェが戻ってきていて、ネイチャが悲鳴を上げた。

 

マンハッタンカフェ「これからお世話になりますね…」

トレーナー「よろしくー」

 

*******************

 

 カフェも合流してトレーナー達はトレセン学園で秋に行われる2次予選に向けて、トレーニングを続けていた。

 

トレーナー「あ、ちなみにカフェはどの距離出る?」

マンハッタンカフェ「…芝の長距離に出ます」

トレーナー「分かった」

 

 ライスとカフェは2次予選からの参加となる上に、芝の長距離の育成に関しては経験がないので、ウララ、ネイチャの育成は一旦ラモーヌに預けてデータを収集することにした。

 

ハルウララ「ま、まだ…やれるぞぉ…」

メジロラモーヌ「闇雲にやればいいというものではないのよ? けど…これくらいの根性は欲しいわね」

ナイスネイチャ「す、すみましぇん…」

 

 性格も実力もほぼ正反対といってもいいが、諦めないという点では同じなネイチャとウララを見て、ラモーヌは可能性を感じていた。

 

 父組も指導を続けていたが、新しく1人増やすこととなった。

 

トレーナー父「今日から新人を入れることになった。『イエローリリー』だ」

イエローリリー「宜しくお願いしまーす」

 

 と、妙に愛想の良い小柄のウマ娘が新しく加入することになった。勿論オリジナルである。

 

ウイニングチケット「よろしくね!」

ビワハヤヒデ「それは構わないが、急にどうしたんだ」

 

 自分たちにも何の連絡もなしに新しいウマ娘を入れたことに疑問を感じるビワハヤヒデ。しかし、トレーナー父は表情を崩さない。

 

トレーナー父「…ダートのウマ娘も育成したくてな。それに、お前らが卒業したらブライアン1人しかいなくなる」

ナリタブライアン「実力は?」

トレーナー父「お前らほどじゃないが、まあまあだ」

イエローリリー「先輩方もお願いします!」

ナリタタイシン「…まあいいけど。あんまりウザがらみしないでね」

ウイニングチケット「タイシン!」

イエローリリー「はい! 分かりました!」

 

 イエローリリーが大きな声で返事すると、タイシンは困惑していた。こいつ絶対人の話聞かないヤツだ…と。

 

*****

 

 そんなある日の事。

 

トレーナー父「やっべ。もう色々切れてるわ…」

 

 トレーナー親子が家で過ごしていたが、色んなものが切れていたと父親が困惑していた。

 

トレーナー「オレ、行こうか? 今日仕事でしょ?」

トレーナー父「ああ。悪いが頼む。残った金は小遣いにでもしろ」

トレーナー「いいよ。大体100円切るし…」

「どうしたんですかー?」

 

 イエローリリーがひょこっと現れた。

 

トレーナー父「いや、色々物資が切れてな。息子に買いに行かせるところなんだが、お前も行くか?」

イエローリリー「はい! 任せてください!」

 

 と、リリーが元気よく返事をしていた。

 

トレーナー父「じゃあ、頼んだぞ。戸締りだけ気をつけな」

トレーナー「うん」

イエローリリー「行ってらっしゃーい」

 

 そう言ってトレーナー父が出かけて行ったが、ラモーヌが家の前にいた。

 

トレーナー父「…なんだよ」

メジロラモーヌ「私たちは入れてくれないのに、あの子は簡単に入れるのね」

トレーナー父「少なくともお前らは…分かってるだろ?」

メジロラモーヌ「ええ。承知してますわ」

 

 不穏な空気が流れつつも、トレーナー父はその場を後にした。

 

*****

 

 そしてトレーナーとリリーが身支度を済ませると、ラモーヌが待ち構えていた。

 

トレーナー「ラモーヌ…」

メジロラモーヌ「ご機嫌よう」

イエローリリー「こ、これがメジロラモーヌ先輩…!」

 

 リリーは目の前にいるラモーヌを見て驚いていた。

 

メジロラモーヌ「東トレーナーから貴女の事は聞いてるわ。宜しく」

イエローリリー「はい! 宜しくお願いします!」

 

 

 こうして3人で出かけることとなったが、リリーはラモーヌが一緒で嫌がる様子は全くなかった。

 

 そんな中、カフェとライスに遭遇した。

 

マンハッタンカフェ「トレーナーさん…」

トレーナー「カフェにライスじゃない」

ライスシャワー「ラモーヌさんと…その人は?」

トレーナー「親父が新しく入れたウマ娘で『イエローリリー』っていうんだ」

イエローリリー「よろしくお願いします!」

 

 元気いっぱいのウマ娘にカフェとライスはちょっと辟易したが、悪い子じゃなさそうなので受け入れることにした。

 

トレーナー「それはそうと、2人で出かけるのか?」

マンハッタンカフェ「いえ、散歩してたら偶然会ったので…。皆さんはどちらに?」

トレーナー「買い出し」

ライスシャワー「ラ、ラモーヌさんとその子の3人で…」

トレーナー「ああ。本当はリリーと2人だけだったんだけど、ラモーヌも手伝ってくれるって言うから」

ライスシャワー「ライスも行く…」

マンハッタンカフェ「お供させてください…」

 

 ライスとカフェの言葉にトレーナーは困惑したが、まあ人手が多いことに越したことはないので、行くことにした。

 

****

 

 その頃…

 

メジロアルダン「私はいつになったらチームに入れるのでしょう…」

凪「はいはい。そんな事言ってないでトレーニング!! もう体も弱くないでしょ!」

メジロアルダン「~~~~~!!!!」

 

 

つづく

 

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