メジロになれなかった男   作:ダシマ

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第24話「トレーナー家、メジロに行く」

 

 

 夏合宿。トレーナーもウマ娘もそれぞれ頑張っている中、トレーナー達はメジロ家に招待されることとなった。

 

 理由は言うまでもない。今後のメジロ家の事である。

 

「うううう…。き、緊張してきたぁ…」

「だったら何故来たの。貴女」

 

 高級バスの中にはトレーナー親子とその担当ウマ娘たちがいて、ネイチャは緊張していたがラモーヌに厳しく突っ込まれていた。

 

ウイニングチケット「そういえば今日はライアン達もいるんだよね?」

メジロラモーヌ「ええ。メジロの定例集会があるもの。その集会が終わったらあなた達の番よ」

 

 そしてあっという間にバスはメジロ家の前にたどり着いて、とある部屋に招待された。

 

メジロラモーヌ「時間が来るまで、ここでゆっくりして頂戴」

トレーナー父「…ああ」

メジロラモーヌ「うちの者にもくれぐれも『無礼な』態度はとらないように厳命しているわ」

トレーナー父「ったりめーだ!」

イエローリリー「こ、ここがメジロ家…!!」

 

 イエローリリーは信じられなさそうな顔をしていると、ネイチャは『まあ、そうだろうな…』という顔をしていた。

 

ビワハヤヒデ「…そういえばトレーナーくん達はもう夏休みの宿題は終わったのか?」

トレーナー「終わらせましたよ」

ハルウララ「これでいっぱいトレーニング出来るね!」

 

 と、ウララが意気込むとチケットがショックを受けた。

 

ウイニングチケット「うそー!! アタシまだ終わってないよ!!」

ナリタタイシン「言っとくけど手伝わないからね」

ウイニングチケット「タ、タイシ~ン!!」

ビワハヤヒデ「…まあ、わからない所があれば聞きにこい」

 

 ハヤヒデはやれやれと言わんばかりに首を横に振った。するとリリーが

 

イエローリリー「あ、ちょ、ちょっとおトイレに…」

メジロラモーヌ「角を出て右よ」

イエローリリー「はい! ありがとうございます!」

 

 そう言ってリリーが部屋を出て、トイレに行くふりをして近くにあった階段の近くで電話をした。

 

イエローリリー「…もしもし。はい…今、メジロ家の屋敷にいます…」

 

**********

 

 1時間ほどが過ぎ、定例会議が終わるとラモーヌが戻ってきた。リリーもいつの間にか戻ってきていた。

 

メジロラモーヌ「待たせたわね。ついてらっしゃい」

 

 そう言ってラモーヌが先頭でトレーナー達を案内していた。ちなみにだが、アルダンたちも来ていて、トレーナーに遭いたそうにしていたが、ラモーヌの命令で黒服がブロックしている。

 

メジロアルダン「姉様~!!!」

メジロライアン「抑えてアルダンさん…」

メジロマックイーン「そういえば先日、トレーナーさんの家ですき焼きを食べたと…」

「え…マジ?」

 

 そしておばあさまの部屋に通されたトレーナー達。

 

おばあ様「お久しぶりですね。東トレーナー」

トレーナー父「ああ。もうとっくにくたばったのかと思ったぜ」

ナイスネイチャ「ト、トレーナーさん!!」

 

 トレーナー父の無礼な発言にネイチャは青ざめた。

 

メジロラモーヌ「おばあさまはそう簡単にくたばらないわよ」

ナイスネイチャ(いや、そういう問題じゃないだろ!)

 

 するとおばあさまはトレーナーを見つめた。

 

おばあ様「…あなたが、東玲那さんですね」

トレーナー「ええ…。東玲那です」

おばあ様「…だいぶ前になりますが、貴方にもかなりご迷惑をかけましたね。メジロ家当主として心よりお詫び申し上げます」

 

 おばあ様が頭を下げると、ネイチャやライスは更に驚いた。

 

トレーナー「いえ、オレは別に構わないのですが…凪の奴がかなり迷惑をかけたみたいですね…」

おばあ様「いえ、彼に関しては我々の教育がしっかり出来ていなかったせいです。ですが彼が抱えている『闇』によって、メジロの『膿』も見つかりました。彼をメジロに迎えたのは決して無駄ではありませんでした」

 

 おばあさまの言葉にトレーナー父もラモーヌも何も言わなかった。

 

おばあ様「…さて、本題に入りましょう」

「!」

 

 おばあさまがトレーナー父とトレーナーを見つめた。

 

おばあ様「ラモーヌから既に話は聞いていると思いますが、我々メジロの中には、あなた達親子の事を快く思っていない方がいらっしゃいます」

トレーナー父「ああ。確かに聞いてる。当主としてどうすんだ」

おばあ様「今回の定例会議でもあなた達の話題が出て、渋い顔をしていました。注意過換気こそ致しましたが、メジロの将来のためと首を縦に振るつもりはないでしょう」

 

 おばあさまが淡々と説明したが、ネイチャやカフェはこの事態にかなり危惧していた。

 

 そう、このままだとメジロが空中分解するのではないかと。

 

おばあ様「そこで私はある事を考えることにしました」

トレーナー「ある事?」

おばあ様「勿論秋の天皇賞が最優先ですが、12月にメジロ家で伝統行事『メジロ・クリスマス・ナイト』が行われます」

トレーナー「メジロ・クリスマス・ナイト…?」

おばあ様「メジロを応援してくださっているお客様の為に毎年行われている催しです。そこで、トレーナーさんと凪のチームで『親善試合』を行ってもらいたいのです」

トレーナー父「は!!?」

 

 おばあさまの提案にトレーナー父が驚いた。

 

トレーナー父「何勝手な事を言ってやがる! こいつは…」

おばあ様「ええ。彼らがダシマカップに出場しているのは承知の上です。で、勿論そのことについても手を打っています」

「……」

 

 おばあさまがトレーナーを見つめた。

 

おばあ様「今度また5人目を決めるためのアンケートがあると思います」

トレーナー「あ、はい…」

おばあ様「そこで、アルダンたちが選ばれなかった場合、ラモーヌ以外の6人を凪のチームとしてダシマカップに参戦させます」

「は?」

「はぁあああああああああああああああああああい!!?」

 

 マックイーン達が一斉になだれこんできた。

 

メジロラモーヌ「もうこれで6人とも決定ね」

メジロアルダン「ホントいい加減にしてくださいよ姉さまぁ!!」

おばあ様「アルダン。はしたないわよ」

メジロアルダン「う、うううう~っ!!」

おばあ様「もうそろそろ秋の天皇賞に集中してほしいというのもあります。目的を見誤らないように」

メジロライアン「で、ですよね…」

 

 そう言われると何も言い返せないメジロライアンだった。

 

 なんかとんでもない事になってしまったトレーナー一行とメジロ。果たして…。

 

 そしてそれを凪も聞いていた…。

 

凪(まあ、真面目にレースやってれば安泰だ。それに勝手に自滅してくれれば…うひひひ)

 

 

つづく

 

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