メジロになれなかった男   作:ダシマ

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第3話「綻び」

 

 

 トレセン学園のとある会議室。

 

「実に由々しき事態になった…」

 

 そこには生徒会、メジロ家、キタサトがいた。生徒会長のシンボリルドルフが本当に憂いた様子で言い放つと、副会長のナリタブライアン以外は本当に深刻そうな顔をしていた。

 

シンボリルドルフ「まあ、仕方のないこととはいえ、ライバルがあまりにも多すぎる…」

メジロラモーヌ「彼はそこまで影響力が大きいのよ」

 

 と、ラモーヌが冷静に言い放つ中、アルダンは納得していなかった。

 

メジロアルダン「それにしても、ハルウララさんとペアを組ませるなんて許せないです! 勿論ハルウララさんが悪いと仰っているのではなく、私たちに何の断りもなくコンビを組ませるなんて…」

「何を言っているんだ。アルダン姉さん。姉さんたちは誇り高きメジロ。あんな草レース同然のお遊びをしている場合じゃ…」

メジロアルダン「お黙りなさい!!」

メジロラモーヌ「女性だけの会合にいきなり現れるなんて、マナーがなってないわよ?」

 

 突如現れた凪に対して、アルダンやラモーヌだけでなく、他のウマ娘たちも嫌悪感を露わにしていた。

 

凪「いくらでも言えばいいさ。けれど姉さん。これだけは忘れないでほしいな」

メジロラモーヌ「何よ」

 

 ラモーヌの言葉に凪は不敵な笑みを浮かべた。

 

凪「状況としてはこちらの方が有利なんだよ? それも姉さんたちが自滅してくれたお陰でね」

 

 凪がそういうと、ライアンやパーマーが歯ぎしりした。

 

凪「…実に残念だよ。まさか誇り高きメジロである姉さんたちが、あんな負け犬の家に不法侵入した挙句、拉致しようとしたなんて」

 

 トレーナーがトレセン学園に編入してから、メジロ家とのウマ娘とも再会したのだが、トレーナーのまたたび体質は勿論、内面にも心魅かれ、のちにトレーナーがメジロ家の養子になるはずだったと聞かされたラモーヌたちは今までかつてないほど打ちのめされていた。まあ、養子に来た奴がこんなどうしようもない奴だから、気持ちはとてもわかるのだが…。

 

凪「おばあさまの顔に泥を塗っただけではなく、いろんな大人たちにも怒られて、まだ懲りてないんだね」

メジロアルダン「くっ…!!」

 

 これだけ聞いていると、凪の言い分に分がありすぎるのでアルダンは歯ぎしりをした。

 

メジロラモーヌ「貴方こそ、そんな立派なことが言える立場かしら?」

 

 ラモーヌが反撃する。そう、凪も凪でメジロ家のウマ娘や美人、美少女の女性たちに擁護できないほどのセクハラ発言や行為をしたため、その気になればいつでも失脚させることができるのだ。

 

凪「ハハハハ。でもそうなったら姉さんたちも一緒に消えるんだよ? 犯罪まがいの事をした者同士、お似合いじゃないか」

 

 凪が笑みを浮かべるが、狂気に満ちていたため、一部のウマ娘がひるんでいた。

 

凪「とにかくあいつを奪おうとしても無駄だ。あいつが担当しているハルウララはこの学校の近くにいる商店街の連中とも仲が良い。もし変なことをしてみろ。奴らを怒らせるだけではなく、学園の信用にもかかわる。レースどころじゃなくなるぞ?」

エアグルーヴ「いったい何をするつもりだ!」

 

 そういって凪が背を向けて立ち去ろうとするも、グルーヴが声をかけたので一瞬だけ振り向いた。

 

凪「どうもしないさ。今の姉さんたちなら、こっちが何もしなくても勝手に自滅してくれる。僕に泣いて頼る日を楽しみにしてるよ。あと、お前もいつまでも調子に乗るなよ。エアグルーヴ」

エアグルーヴ「なんだと!?」

凪「お前がそうやって偉そうにしてられるのは母親が偉いからだ。一般人が同じ事すればいくらどんなに実力があっても総スカンだ。勘違いするなよ」

 

 そういって凪が去っていった。

 

メジロドーベル「なんであんな奴がメジロに…!!」

 

 このままだと凪にメジロを乗っ取られてしまう可能性が高いと、ドーベルは絶望していたが、自分たちも人の事がいえないため、何とも言えなかった。

 

ナリタブライアン「……」

 

********

 

「そうか…メジロ、そんなことになってんのか…」

 

 ここはとあるトレーナー室。ナリタブライアンの担当トレーナーにして、トレーナーの父親をしている男のトレーナー室である。内装は純和風にしてある。担当ウマ娘はブライアンだけではなく、ブライアンの実姉であるビワハヤヒデ、そして同期であるナリタタイシン、ウイニングチケットの合計4名だった。

 

ナリタブライアン「どうするつもりだ?」

トレーナー父「事情はよく分かったが、答えはNOだ。ウマ娘にしろ凪って奴にしろ、大人たちが甘やかしすぎたんだよ」

ナリタタイシン「世間知らずだよね」

ウイニングチケット「タ、タイシン!」

 

 ゲームをしながらタイシンが冷たい一言を言い放つと、チケットが慌てた。

 

ビワハヤヒデ「会長たちからは何か言われてないのか…?」

トレーナー父「言われたさ。オレとあいつが親子だってわかった瞬間、チームに入れてくれだとよ。ふざけてるぜ。今までこっちがどんだけ結果を出しても見向きもしなかった癖によ」

 

 トレーナー父が一息ついた。

 

トレーナー父「ブライアン。とにかくあいつらに何か聞かれたらこう伝えとけ」

ナリタブライアン「なんて伝えるんだ?」

トレーナー父「自分のケツは自分でふけクソガキってな!」

 

 そのころ、トレーナーはというと…。

 

「なートレーナーいいだろー? オレもチームに入れてくれよ~」

トレーナー「TSに出るんじゃなかったのか?」

「ちょっと! 何抜け駆けしてんのよ! アタシにしなさいよね!」

トレーナー「言葉遣いが違うな?」

「…入れてください。って、なんでアタシだけなのよ!!」

 

 相変わらずほかのウマ娘から逆スカウトを受けていて、今度は中等部2年生のウオッカとダイワスカーレットに声をかけられていた。

 

 ちなみに学年はこちらで決めてます。

 

ハルウララ「新しい子は入れないの?」

トレーナー「ウマ娘が結果を出さないと、増やせないみたいだ…」

 

 

つづく

 

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