メジロになれなかった男   作:ダシマ

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第40話「2次予選終了直前!」

第40話

 

「だああああああああああああああああああああああああああっ!!!」

 

 ダシマカップ2次予選も終わりに近づいていたが、トレーナーチームもメジロチームも勢いが増していた。

 

 選ばれなかったウマ娘達はそんな2チームを見守る事しか出来なかった…。

 

エルコンドルパサー「ハァ…エル達も参加したかったデース」

グラスワンダー「そうですね…」

セイウンスカイ「かといってトレーナーさん以外のチームに入る気もないし…」

スペシャルウィーク・ツルマルツヨシ「……」

 

 キングヘイローがトレーナーと話をしていて…同期5人はとてつもなく羨ましがっていたが、そんな中でサトノダイヤモンドもトレーナーを見つめていた。

 

****************

 

 ある日の事。トレーナー室ではいつものようにミーティングが行われていた。

 

トレーナー「さて、泣いても笑っても2次予選終了まであと1週間を過ぎた。今の所全員予選を通過できそうだけど、最後まで油断するなよ」

「はいっ!!」

 

 そしてトレーナー父・BNW、ブライアンも陰で様子を見守っていた。

 

ウイニングチケット「皆気合入ってるね」

ビワハヤヒデ「まあ、そうだろうな…」

ナリタタイシン「…で、オッサン。クリスマスは本当に…」

トレーナー父「ああ。メジロとの全面対決になる」

ナリタブライアン「……」

 

 トレーナー父が目を閉じた。

 

トレーナー父「お前達は学園に残って、あいつらの足止めをしてくれ。オレはあいつの父親としてけじめをつけさせる」

 

 トレーナー父の言葉に4人は緊張感を持ちながらも、トレーナーの言う事ならと素直に従った。

 

****

 

 そしてまた、凪のチームも最終調整に入っていた。

 

凪「このままいけば全員予選通過だ。まあ、当然だがな」

 

 凪がそう言うと、マックイーン達は何も言わなかったし、凪も気には留めなかった。

 

凪「分かっているだろうが、来月は『メジロ・イン・クリスマス』。ダシマカップよりも重要だ。そこで行われる御膳試合に勝てなければ…分かってるよな?」

 

 そう、対戦相手はあのトレーナーが育成したウマ娘達。もし一般人が育てたウマ娘に負けるようなことがあれば、メジロの信用に大きく関わるのだ。いくら凪に協力したくなくても勝たなければならない。

 

 そして凪の本当の野望を知っているマックイーン達にとっては歯がゆさしかなかった。

 

***

 

 2次予選が終わる前のある日の事。この日は練習オフだったが、トレーナーはある場所に向かっていた。それは町を見渡せる高台だった。

 

「トレーナー!」

「ん?」

 

 そしてそこにはハルウララがいた。

 

トレーナー「ウララ。お前も来てたのか」

ハルウララ「うん! トレーナーもここに来てたんだね!」

トレーナー「そうだな。もうすぐ2次予選も終わるという事で、最初にお前とトレーニングしたこの場所に来たくなったんだ」

 

 そう、まだラモーヌたちが加入する前の事、ウララとここでトレーニングをしたことがあったのだ。

 

トレーナー「あの時はお前が中々集中力がなくて、如何にしてトレーニングをさせるか考える毎日だった」

ハルウララ「えへへ…ごめんね」

 

 トレーナーの言葉にウララは苦笑いしながら謝った。

 

トレーナー「けど、そんなお前も今では1次・2次合わせて40勝。本当によくやったよ」

ハルウララ「ありがとー! でも、トレーナーも頑張ったね!」

トレーナー「本当に頑張ったよ」

 

 ウララがそう言うとトレーナーは素直に自分を褒めたが、すぐに表情が曇った。

 

ハルウララ「…トレーナー?」

トレーナー「来月、メジロのクリスマスパーティーがあるだろう」

ハルウララ「そういえばそんな事言ってたね! そこでマックイーンちゃん達とレースするんでしょ?」

トレーナー「ああ。まあ、お前はダートだから試合に出せないんだけどな…」

ハルウララ「あ、そうだった。マックイーンちゃん達、皆ダート走れないんだった…」

トレーナー「まあ、どこかで出番は作って貰うさ」

 

 そう言ってトレーナーがウララの頭をなでる。

 

トレーナー「…なあ、ウララ」

ハルウララ「なあに?」

トレーナー「凪の事だけど、本当に巻き込んで済まないと思っている」

 

 トレーナーが珍しく謝ったのでウララが驚いた。

 

ハルウララ「えー!? トレーナーが謝る事ないよ! トレーナーが困ってるならわたしも助けたいよ!」

トレーナー「ウララ…」

ハルウララ「…マックイーンちゃん達のおうちの事は良く分からないけど、レースすればいいんだよね?」

トレーナー「ああ。一旦レースをしてから次の話に進む」

ハルウララ「分かった。レースは出れないけれど、いっぱい応援するね!」

 

 いつもと変わらないウララにトレーナーは口角を上げた。

 

トレーナー「変わらないな。お前も」

ハルウララ「トレーナーもね!」

トレーナー「よし、帰ろうか」

ハルウララ「うん!」

 

 トレーナーとウララが帰ろうとすると、残りの7人がいた。

 

トレーナー「いたんだ」

メジロラモーヌ「いたのよ」

ナイスネイチャ「いやー…何か2人だけ物凄く青春してて…」

 

 と、ネイチャがちょっと眩しそうにしていた。

 

キタサンブラック「トレ兄! アタシ達がいる事も忘れないでよね!!」

ライスシャワー「そ、そうだよ。ライスにも頼ってね…?」

キングヘイロー「ウララさんだけじゃないのよ!」

トレーナー「分かった分かった。ありがとよ」

 

 そう言ってトレーナーは苦笑いすると、

 

ダンツフレーム「…トレーナーさん」

トレーナー「…ああ。あいつとはいずれ決着をつけないといけない。けど、それには全員の力がいる。もうちょっとだけ迷惑かけるけど、宜しく頼むぜ」

マンハッタンカフェ「構いませんよ…」

ハルウララ「よーし! それじゃダシマカップもクリスマスも頑張ろうね!!」

ライスシャワー「おーっ!!」

 

 こうしてトレーナーチームは一致団結するのだったが…。入れなかったウマ娘達も陰から見ていて、自分たちも入りたかったと号泣していた。

 

トレーナー父「…やれやれ」

ウイニングチケット「あはははは…」

 

 また、父親チームも見に来ていたが、あまりの人の多さに困惑していたという。

 

 

 

つづく

 

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