メジロになれなかった男   作:ダシマ

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第43話「成敗。しかし…」

 

 

 メジロ・イン・クリスマスを直前に控え、二宮と小神はおばあ様に状況を報告しに、メジロ家の本丸を訪れていた。

 

小神「本番に調整はバッチリです。奥様」

おばあ様「そうですか…」

 

 小神が自信満々に報告していたが、おばあ様は心底どうでもよさそうにしていた。

 

二宮「…どうかなさいましたか? 奥様」

おばあ様「二宮。あなたに一つ訪ねたい事があります」

二宮「何でしょう」

おばあ様「凪は現在どのようにしていますか?」

二宮「ええ…。彼でしたら今もメジロ家の別邸にて、反省させております」

おばあ様「そうですか…」

 

 二宮の自信満々な態度に、おばあ様は不愉快そうに口角を下げる。そして二宮と小神はそれに気づいた。恐らく凪ではない事に不満を抱いているのだろうと思い、安心させようとしていた。

 

二宮「ご安心ください奥様。彼は問題行動こそあったものの、アルダンお嬢様達の為に尽力なさってくれました。悪いようには致しませ…」

おばあ様「いえ、反省して貰わないといけないのはあなた方です」

「は?」

 

 二宮と小神が反応すると、おばあ様は2人を見つめた。

 

おばあ様「二宮、小神さん。あなた達にアルダン達はおろか、今後のメジロを任せられません。本日をもってメジロ家を追放いたします」

「なっ!!?」

 

 おばあ様の言葉に二宮と小神が驚いていた。

 

二宮「…急にどうされたのですか!?」

おばあ様「私が何も知らないとでも思っていたのですか?」

 

 おばあ様は憎しみの眼差しを二宮と小神に向けると、小神は二宮の方を向いた。

 

二宮「…何のお話をされて」

おばあ様「先ほど、凪には別邸で反省して貰っていると言いましたね」

二宮「その通りです」

 

 するとおばあ様がボイスレコーダーを取り出した。すると…。

 

『そうなんだよ!! 二宮っていう奥様の側近に依頼されてあのガキを閉じ込めたんだ!! もし成功したらオレ達の席も用意してやるって…だから頼む!! 命だけは助けてくれぇええええええええええええええええええええ!!!!』

 

 凪を閉じ込めた黒服の一人が命乞いをするように二宮に依頼された事を喋ると、二宮は表情をゆがませた。

 

おばあ様「私の側近をしている『二宮』といえば…貴方しかいらっしゃらない筈ですが?」

二宮「こ、こんなのでたらめです!」

おばあ様「そうですか。まあ、私も最初は『そうだろう』と思って、そこから色々調べましたよ。そうしたら沢山証拠も出てきました。…ご覧になりますか?」

 

 おばあ様の言葉に二宮は青ざめると、小神は焦っていた。

 

小神「…お、奥様!! 私も二宮さんに命令されていたんです!!」

二宮「なっ!!」

おばあ様「そうですね」

 

 おばあ様がそう言うと、小神は安心した顔を見せたが…。

 

おばあ様「マックイーン達に劇薬の入ったドリンクを飲ませていなければ、同情の余地はあったのですがね…」

 

 劇薬ドリンクの事もバレていて、小神は絶望していた。

 

二宮「ぐ…!!」

おばあ様「ちなみにですが、貴方がたに加担していた者たちは既に捕えています」

 

 すると、メジロの黒服たちが一斉に入ってきてきて、黒服たちは二宮と小神を取り押さえた。

 

小神「は、離せ!! 離せぇ!!!」

二宮「奥様!! これは何かの間違いなのです!!」

おばあ様「間違い…。その回答自体が間違いですね」

「!」

 

 おばあ様がまた二宮と小神を見つめていた。

 

おばあ様「もし本当にメジロの事を思っているのであれば、正直にメジロの為を思ってやったと言うべきでした。結局貴方もそうですが、貴方の計画に関わった者たちはメジロではなく、自分の事しか考えていなかったという事です」

 

 おばあ様がそう言うと、二宮は俯いた。

 

小神「ふ、ふざけるな!! オレはコイツに頼まれて…」

おばあ様「ドリンクを飲ませたのは貴方の意志です。同情の余地はありません。連れて行きなさい」

小神「ふ、ふざけるな!! ふざけるなふざけるなふざけるなぁあああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

 抵抗もむなしく、二宮と小神は連行されていった。

 

おばあ様「フゥ…」

 

*****************************

 

 二宮と小神を連行した後、おばあ様はトレセン学園に向かった。

 

おばあ様「…皆様には本当にご迷惑をおかけしました。誠に申し訳ございません」

 

 応対室にて、おばあ様はトレーナー親子、やよい、たづなに対して頭を下げて謝罪をしていた。ラモーヌも同席していておばあ様と一緒に頭を下げた。

 

トレーナー「アルダンさん達や凪は今どうしてるんですか?」

おばあ様「我がメジロ御用達の病院にて治療を受けています。凪は長時間による監禁、アルダン達は薬の影響により、体を動かせない状態です」

トレーナー「…レースは間違いなく無理ですね」

おばあ様「ええ。残念ですが、御膳試合はおろか、クリスマスパーティー自体を中止しなければなりません。そして私は今回の事件をマスコミに公表します」

トレーナー父「ああ。そうした方がいい」

 

 トレーナー父は冷淡と言い放つと、おばあ様はトレーナー親子に改めて顔を向ける。

 

おばあ様「ルイさん。玲那さん。あなた方には本当にご迷惑をおかけしました。メジロ家総帥として改めて深くお詫び申し上げます」

 

 おばあ様がまた頭を下げると、ラモーヌも頭を下げた。

 

トレーナー「まあ、オレ達はいいですよ。それよりもアルダン達や凪が心配です」

「……!」

 

 アルダン達はともかく、凪の心配をしていておばあ様とラモーヌは驚いた。

 

おばあ様「…彼の事を心配してくれるのですね」

トレーナー「ええ。アイツとは色々ありましたし、動機もあまり褒められたものじゃないですけど、最近までずっと真面目にトレーナーの仕事をやってたんですよ。それを汚い大人たちにまたやられて…さぞ悔しい思いをしているでしょう。あれでまた拗らせなければいいのですが」

 

 トレーナーの言葉に重い沈黙が起きた。

 

 

つづく

 

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