メジロになれなかった男   作:ダシマ

58 / 63
第58話「解散しても尚」

第58話

 

 ダシマカップが終わり、チームは解散となったが元メンバー達とは今後も一緒に仕事する事があると言われたトレーナー。

 

 それはそれとして、打ち上げを行う事となった訳だが、案の定隣はウララだった。

 

トレーナー「まあ、ダートの短距離だったからね…」

「汚いぞー!!!!!!」

ハルウララ「トレーナー! おつかれさま!!」

トレーナー「ああ、お疲れ」

 

 そしてもう片方の隣が…トレーナー父であり、周辺をBNWが囲んでいる。

 

****************************

 

 トレーナーがトレーナー室を与えられたある日の事。

 

トレーナー「早速だけど仕事が来たで」

 

 トレーナーはメンバー8人を呼んで会議をしていた。

 

トレーナー「今度新入生向けの説明会があるんだけど、オレ達も参加してくれって言われた」

ハルウララ「どんな事するの!?」

トレーナー「えっとね。主にトークショーで、優勝したメンバーは必ず喋るそうだ」

ナイスネイチャ「う…」

 

 トレーナーの言葉にネイチャは本当に重荷に感じていた。

 

メジロラモーヌ「特に貴女の話は聞きたいでしょうね。庶民でありながらメジロに最後の最後で逆転したもの」

トレーナー「まあ、庶民の星だな。お前は必ず出ろってよ」

ナイスネイチャ「な、なんでアタシだけ!!?」

トレーナー「理由は簡単だ。任意にするとお前来ないだろ」

 

 トレーナーの言葉にネイチャはうなだれた。まさにその通りだったからである。

 

キングヘイロー「構わないわ。この一流がなんたるかを教えてあげるわよ!」

 

 ネイチャとは対照的にキングはやる気十分だったが、正直キングよりもネイチャの話が聞きたいなあと思っていた。

 

ライスシャワー「ラ、ライス…出来るかな…」

メジロラモーヌ「出来るようになさい」

 

 ライスが心配そうにするとラモーヌが冷徹に諭した。これも本当にその通りであり、ライスはうなだれた。

 

「その通りだ」

トレーナー「親父」

 

 トレーナー父が現れた。

 

トレーナー父「TSより規模が小さいとはいえ、出場していた選手はいずれもトップクラス。正直TSのG1で勝利するのと変わらん。いつまでも初心者のままじゃいられねーぞ」

ナイスネイチャ「ハイ…」

 

 もう本当に腹を括るしかない。ネイチャはそう思った。

 

トレーナー「それにしても、新入生の説明会か…。やっぱり目をキラキラ輝かせるんだろうな」

ナイスネイチャ「うおおお…。アタシまだTSでまともに結果出してないのに…」

メジロラモーヌ「私達に勝って優勝したじゃない。大金星なんてレベルじゃないわよ」

ナイスネイチャ「」

 

 逃がさまいとするラモーヌにネイチャは本当に息の音が止まりそうだった。

 

トレーナー「まあ、その上アルダン達もリベンジする気満々…」

ナイスネイチャ「トレーナーさん…分かったから話の続き…」

ダンツフレーム「だ、大丈夫…?」

 

 ネイチャが死にかけていたのでダンツが心配し、カフェが困惑していた。

 

トレーナー「って言っても、今度こういうのがあるよって話だから終わり」

トレーナー父「今度の新入生はちゃんとしつけられてる奴がいいな…」

メジロラモーヌ「そうね。お金持ちの子は基本的にトレーナーを見下してるわよ」

トレーナー父「堂々と言う事じゃねぇんだよクソガキ」

 

 開き直るラモーヌにトレーナー父が突っ込んだ。

 

トレーナー「まあ、やっぱり練習はいるよな…」

トレーナー父「当然だ。近いうちに話があるから参加しろよ」

トレーナー「分かったよ」

「我々もその手伝いをしようじゃないか!」

「粗相があっても困るからな…」

 

 ルドルフとグルーヴが現れると、トレーナー父は無言で拘束した。

 

トレーナー父「連れて帰る」

キタサンブラック「あ、たづなさんに引き取って貰おうよ」

エアグルーヴ「待て待て待て待て!!」

シンボリルドルフ「手伝うくらいいいじゃないか!!」

トレーナー父「人数を見てみろ。事足りてんだよ」

キタサンブラック「ドーベル先輩たちにどう説明するつもりですか?」

 

 あからさまに抜け駆けしようとするルドルフとグルーヴに対して、トレーナー父とキタサンが軽蔑していた。

 

トレーナー「まあ、そんな奴がいない事を信じて練習するか」

「はーい」

 

******************************

 

 そして説明会当日。トレーナー達は特にトラブルが起こる事もなく、トークショーをしていた。ダシマカップの事は勿論、ウララとの出会いから今日までの事を簡単に説明していた。

 

 参加していた新入生たちはというと、大半がトレーナーに見とれていた…。

 

トレーナー(凄く視線を感じる…)

ナイスネイチャ(皆トレーナーさんを見てるな…)

 

 ちなみに席順

 

 

              カフェ キング  キタ   ダンツ

司会      トレーナー ウララ ラモーヌ ネイチャ ライス (前列)

 

キタサンブラック(トレ兄と凄く席が離れてる…!!)

ナイスネイチャ(加入順だから。後ろから圧をかけないで!! 怖い!!)

 

 トレーナーに色目を使う新入生たちにキタは何とかして諦めて貰いたかったが、トーク中なのでどうにもならず、圧をかける事しか出来なかった…。

 

 そして質問コーナー。

 

「トレーナーさんに質問です! 彼女いますか!?」

トレーナー「いませんよ」

 

 やはりトレーナーへの質問が多かった。

 

トレーナー「けど、今となっちゃこの8人が彼女みたいなもんですけどね」

 

 なんて冗談を言うと、ネイチャが青ざめた。

 

ナイスネイチャ(トレーナーさあああああああああああああああああん!!! いや、確かに嬉しいけど!!)

 

 ちなみにラモーヌ以外は結構照れてて可愛い。

 

 そして…

 

「9人目にしてください!!」

トレーナー「悪いな。こう見えてオレは好みにうるさいんだ。レースに集中しな」

 

 なんてプレイボーイ気取りながら質問を返すも、更にメロメロにさせるだけだった。

 

ナイスネイチャ(ト、トレーナーさん…恐るべし…)

 

 しかし、問題はここからだった。

 

 

「聞いたよトレーナーくん。8人が恋人みたいなものってどういう事かな?」

「説明会でなんて破廉恥な回答を…!」

 

 と、外で聞いていた未加入組の一部が激怒していたが、トレーナーはいたって冷静だった。

 

トレーナー「そうやって怒る人はタイプじゃないので。失礼します」

「あ、コラ!!」

「待てー!!!」

 

 トレーナーもこの1年ですっかり逞しくなっていた…。

 

 

トレーナー父「やれやれ…」

ウイニングチケット「あ、あはは…」

 

 

つづく

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。