メジロになれなかった男   作:ダシマ

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第59話「ウララとバレンタインデー!」

 

 

 今日はバレンタインデー。学園の男子がドキドキしながら女子からのバレンタインチョコを待っていた…。

 

「男子達、そわそわしててみっともない」

「チョコをあげる奴なんていないのにねー」

 

 と、ウマ娘達がそわそわしてる3人の男子達を見てほくそ笑んでいると、1人の女子生徒がやってきて、

 

「はい、チョコ」

「おっ! ありがとー!!」

「義理だけどね!」

「うんうん。義理でも嬉しいよ」

 

 すると男子生徒達は一斉にほくそえんでいた女子生徒達に対していやらしい笑みを浮かべた。

 

「な、何よ!! 義理じゃない!!」

「でもさっき、チョコをあげる奴なんていないって言ってたの誰だったっけー」

「人の事を笑う奴はクズなんだぞー」

 

 まあ、それはさておき、我らがトレーナーもまた、バレンタインデーを過ごすこととなった。

 

トレーナー父「玲那」

トレーナー「何」

トレーナー父「大量に貰っても手伝わねぇからな」

トレーナー「貰える前提で話しないでよ」

トレーナー父「いや、ぜってー貰うだろ。少なくともあいつらからは!」

トレーナー「…あー。そうだった。じゃ、先行ってるから」

 

 そう言ってトレーナーが一足先に学校へ登校していった。

 

 正門前に行くと、アルダン以外のメジロ家が囲まれていた。

 

「先輩! チョコ受け取ってください!!」

「私のも!!」

「私のも!!」

「寧ろ私を受け取ってください!!」

「色んな意味で落ち着いて!?」

 

 チョコレートを貰うのは嬉しかったのだが、もはや暴走に近い女子生徒もいて、ライアンやパーマーは困惑していた。そんな中、マックイーンも一応貰ってはいたのだが…。

 

「あ、マックイーンはチョコじゃなくて甘い奴じゃないのにしといたよ」

メジロマックイーン「え、バレンタインなのに…?」

「うん。バレンタインなのに」

 

 すぐに目を離すと甘いものに手を付けるマックイーンに関しては、甘いもの以外のものが送られることとなった。

 

トレーナー「やっぱり凄いんだなぁ」

「あ、トレーナー!!」

 

 ウララがやってきた。

 

トレーナー「おうウララ。おはよう」

ハルウララ「おはよー! これどうしたの!?」

トレーナー「え? バレンタインデーだからチョコ送ってるの」

ハルウララ「そうなんだー。あ、そうだった! わたしもトレーナーにチョコがあるんだよ!」

トレーナー「へーそうなんだ」

 

 ウララがそう言うと、トレーナーが感嘆していた。

 

ハルウララ「バレンタインって、お世話になってる人にチョコあげる日なんだよね!?」

トレーナー「ちょっと違うな」

ハルウララ「そうなんだ…。でも、きのうの夜にいっしょうけんめい作ったんだよ!」

トレーナー「作ったのか?」

ハルウララ「うん! にんじんをガガガーって砕いて、チョコにぺぺぺーって入れたの!」

トレーナー「…ニンジンを入れたのか」

 

 あまり聞かない組み合わせにトレーナーは少し不安になったが、マフィンやカップケーキがあった事を思い出したので、余計な事は言わない事にした。

 

ハルウララ「トレーナーもにんじんが入ってた方がうれしいかな!! ねね。嬉しい?」

トレーナー「まあ、オレは人間だからアレだけど、ありがとな」

ハルウララ「えへへー。どう致しまして! あげるね!」

 

 そう言ってウララがトレーナーにチョコを渡した。

 

トレーナー「後で食べるよ」

ハルウララ「えー。今食べてよ! きっとほっぺた落ちるよ!?」

トレーナー「いや、ここ道の真ん中だから…」

ハルウララ「あ、そっか…。お行儀が悪いもんね! じゃあ学校の中に入ろ!!」

 

 そう言ってトレーナーとウララがやってきた。

 

トレーナー「おはようさん」

ハルウララ「おはよー」

メジロドーベル「おはよう…あ! トレーナー!! アタシもチョコ用意してるのよ!!」

トレーナー「後輩たちを大事にしてやんな」

 

 そう言ってトレーナーとウララは中に入っていった。ドーベル達も今すぐトレーナーにチョコを渡しに行きたかったが、後輩たちがどんどん押し寄せてきた。

 

「いや、シンプルに人多すぎ!!!!」

 

*****************

 

 そしてすぐ近くのベンチで、トレーナーがウララの手作りチョコを食べた。

 

ハルウララ「どう?」

トレーナー「ああ。うまいぜ…」

ハルウララ「えへへー」

 

 トレーナーに美味いと言われてウララがニコニコしていた。もしここにアグネスデジタルがいたらどうなっていただろうか。

 

アグネスデジタル「グランドクロスッ!!!」

 

 何やら必殺名を叫びながら壁にたたきつけられていた。

 

ハルウララ「あのねあのね。おいしいヒミツがあるんだよ」

トレーナー「へー。どんな秘密?」

ハルウララ「ホントはヒミツなんだけど、トレーナーが知りたいなら教えてあげるよ!」

トレーナー「いや、秘密なら教えたらダメだろ」

 

 トレーナーがわざと断ると、ウララは滅茶苦茶言いたそうにしていた。

 

トレーナー「分かったよ。教えて」

ハルウララ「ふっふーん! いいよ! お耳貸して!」

 

 トレーナーがウララに耳を貸すと、ウララも耳打ちをする。

 

ハルウララ「…あのね。トレーナーがニコニコになりますようねって、いーっぱい気持ちをこめたんだよ!」

トレーナー「そうか」

ハルウララ「えっへへ~♪ おまじないだいせいこーだね! あ、そうだ! 教えてくれたお礼にひとくちくれてもいいんだよ!」

トレーナー「いや、謹んで遠慮するぜ…」

 

 すると、ウララが滅茶苦茶欲しそうにしていた。

 

トレーナー「分かったよ」

 

 こうしてウララとにんじんチョコを分け合いながら、とてつもなく甘ったるいバレンタインを過ごしたのだった。

 

(め、めっちゃ入りづれぇ~!!!!!)

 

 キング達もトレーナーとウララを発見して、チョコを渡そうしていたのだが、トレーナーとウララが凄く楽しそうにしていたのでとてつもなく入りにくそうだった。

 

シンボリルドルフ「普通に入っていけばいいだけだ」

メジロアルダン「ルドルフさん。流石に空気を読みましょう!!」

 

 

つづく

 

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