メジロになれなかった男   作:ダシマ

6 / 63
第2章:5月
第6話「1人目」


第6話

 

 ハルウララがダシマカップで5勝したことにより、チームを1人増員することが可能となったトレーナー。

 

 その結果、メジロラモーヌが選出されたて、キタサンブラックは口を大きく開けて唖然としていた。

 

******************

 

トレーナー「えー。ちなみにですが、ぶっちぎりで1位で9票入ってました」

「なんでそんな人気あるの!!?」

 

 正直ラモーヌの謎の人気に皆が疑問視していたが、ラモーヌは当然だとふんぞり返っていた。

 

凪「ぐ…!!!」

 

 まさかのメジロ家が選ばれて凪が憤慨していたが、ラモーヌは凪を見つめた。

 

メジロラモーヌ「まあ、これでメジロからは1人選出されたわ。あとはお好きになさい」

メジロアルダン「いや、何自分だけトレーナーさんと一緒にいようとしてるんですか!!」

メジロマックイーン「そうです!」

トウカイテイオー「あれ? でもマックイーン達って投票されてたっけ?」

 

 テイオーの言葉に空気が止まった。

 

メジロアルダン「私は投票されてました! 私は投票されてましたぁ!!」

メジロラモーヌ「でもこれもう素直にあきらめた方がいいレベルだと思うわ」

メジロドーベル「あたし、そもそも選出されてないから無効!!」

 

 でもまあ、投票は投票なので、ラモーヌが2人目となりました!!!

 

メジロマックイーン「ですが、シンプルにウララさんとうまくやっていけるか心配ですわ…」

メジロアルダン「それもあるから、心配ですのに…」

 

 アルダンたちが心配する中、ラモーヌとウララが顔合わせした。

 

ハルウララ「よろしくね! ラモーヌちゃん!!」

トレーナー「6年生だ」

メジロパーマー(ラ、ラモーヌちゃん…!!?)

メジロドーベル(あの子…やっぱり大物になる気がする…!!)

 

 身内ですら「ちゃん」付けしたことがない為、ラモーヌちゃんは衝撃的だった。するとラモーヌは無表情でウララを見つめた。

 

シンボリルドルフ「ラ、ラモーヌ。もう少し大人の対応を取ったら…」

メジロラモーヌ「…ハルウララだったかしら?」

ハルウララ「そうだよ?」

 

 ラモーヌはウララを見つめた。

 

メジロラモーヌ「貴女、走るのは好きかしら?」

 

 ラモーヌがそう聞くと、ウララは迷わず笑顔で答えた。

 

ハルウララ「うん! 好きだよ! にんじんとおなじくらい好きだし、楽しい!」

 

 まさにウララらしい回答にキングが苦笑いしていたが、アルダンはまだハラハラしていた。

 

メジロラモーヌ「…そう。なら、レースに負けたらどうかしら。楽しくないし、走りたくなくなるんじゃないかしら」

 

 ラモーヌがわざと意地悪な質問をしてみると、ウララが険しい表情をした。

 

ハルウララ「…確かに負けたら楽しくないし、悔しいけど、走りたくなくなるなんてことは絶対ないよ!」

「!」

 

 ウララの言葉にラモーヌだけではなく、他のウマ娘たちも反応した。

 

ハルウララ「勝っても負けても、走るの大好き!」

 

 ウララの言葉にラモーヌは静かに口角を上げた。

 

メジロラモーヌ「…悪くないわね」

ハルウララ「え?」

 

 ラモーヌの言葉にウララは反応した。

 

メジロラモーヌ「敗れてもなお走り続けることはおろか、走ることを好きでいられる事は、私やルドルフ、トップのウマ娘でもなかなかできない事なのよ」

ハルウララ「え、そうなの?」

メジロラモーヌ「ええ。ましてや私は家の事もあるからね。だけど、貴女を見ているとレースに勝つために必要なのは技術だけじゃないって思うわね」

 

 ラモーヌはトレーナーを見つめた。

 

メジロラモーヌ「貴方、とんでもない当たりを引いたようね」

トレーナー「まあ、そうだな。楽しいだけじゃ勝てないし、まだまだ課題はあるけれど、負けて人に当たらねェだけずっとマシだ」

メジロラモーヌ「そうね。そんなつまらない事は底辺ウマ娘のやる事だわ」

 

 するとラモーヌはウララを見つめた。

 

メジロラモーヌ「まあ、そういう事だから今日から私もあなたのチームに加わらせてもらうわ。よろしく頼むわね」

ハルウララ「うん! よろしくねー!」

 

 と、こうしてラモーヌが加入することになったが、キタサンブラックとサトノダイヤモンド、メジロアルダンは血の涙を流していたが、ラモーヌは無視した。

 

 その時、トレーナー父がBNWを連れて現れた。

 

トレーナー「親父」

トレーナー父「よォ玲那。話は聞かせてもらったぜ…」

 

 トレーナー父がラモーヌを見つめた。

 

メジロラモーヌ「息子さんのチームに入らせていただきます。よろしくお願いしますわ。お義父様」

トレーナー父「ほざけ。躾のなってねェ義娘はいらねェからな」

 

 ラモーヌの『お義父様』呼びにトレーナー父は険しい表情をした。

 

凪「ぐ…! 東トレーナー…!」

 

 凪はトレーナー父を見て表情をゆがませると、トレーナー父も凪を見るなり険しい表情をした。

 

トレーナー父「おい、メジロの小僧! 最近メジロの名前を使ってでかい顔してるみてーだな」

「!」

トレーナー父「大船に乗れたからって、いつまでもいい気になるなよクソガキ!」

 

 トレーナー父がそういうと、凪が表情をゆがめたが、トレーナー父は無視してトレーナーを見た。

 

トレーナー父「まあ、ラモーヌを加入させるのはお前の自由だ。それは好きにしな」

トレーナー「ああ…」

 

 するとトレーナー父はラモーヌを見つめた。

 

トレーナー父「…お前ならわかるだろうが、少しでも妙な真似をしてみろ。オレが叩き出すからな!」

メジロラモーヌ「ええ。それにつきましては私も思うところがあるので、おばあさまと改めて話し合いを行いますわ」

ハルウララ「トレーナーのお父さん。どうしてそんなに怒ってるの?」

 

 ウララがトレーナー父に対して結構ヤバいことを聞き出して、キングやアルダンが青ざめた。

 

メジロアルダン「ウ、ウララさん!」

キングヘイロー「やめなさい! そんなこと聞くの!」

トレーナー父「…あァ。こいつの家が金持ちだってのは、お前も知ってるよな」

ハルウララ「うん」

トレーナー父「こいつの家の使用人…分かるか?」

ハルウララ「マックイーンちゃんたちの家のお世話をする人たちだよね?」

トレーナー父「昔からそいつらに意地悪されてんだよ。貧乏人だの、お前らとじゃ格が違うだの。とにかく偉そうなんだよ」

「は!!?」

 

 これに関してはマックイーン達も初耳だったようで、驚いていたがラモーヌは知っていたのか、平然としていた。

 

トレーナー父「しまいにゃ、オレの息子の事も『メジロになれなかった負け犬』だの『世界一の不幸男』って言いやがったんだぜ」

メジロラモーヌ「それに関しては私も初耳ね。誰か教えてもらえるかしら?」

トレーナー父「知らねぇよ名前なんか! 知りたくもねぇがな!」

ビワハヤヒデ「落ち着くんだトレーナーくん…」

 

 トレーナー父が憤慨すると、ビワハヤヒデが困惑しながらなだめた。

 

ナリタタイシン「アタシ達も会ったことあるけど、凄く嫌な奴らだったよ」

ウイニングチケット「ひどいよ! トレーナーさんもトレーナーくんも頑張ってるのに、あんな言い方して!」

 

 チケットが涙ながらに憤慨すると、ラモーヌ以外のメジロ家は青ざめて絶句した。印象最悪やんけ…と。

 

トレーナー「まあ、決まったもんはしょうがないし、改めてウララ、ラモーヌ。宜しくな」

メジロラモーヌ「ええ。よろしく頼むわね」

ハルウララ「一緒にがんばろーね!」

キタサンブラック「アタシも一緒に頑張らせてええええええええ!!」

メジロアルダン「トレーナーさあああああん!! 見捨てないでくださああああああい!!!」

 

 とまあ、そんな感じでラモーヌが仲間に加わりましたが、トレーナーを狙っているのはもちろん彼女たちだけではなかった…。

 

 

つづく

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。