BanG Dream!! ~rose of shadow~   作:tora酸

10 / 34
今回はRoseliaのメンバーの視点が入れ替わりながら進行していきます。

最初は燐子さん視点です。

それではどうぞ!!


第六話 色を取り戻していく薔薇達の中で影はひっそりと消えていく

 

 

 

 

 

あの出来事から数日後……

 

友希那さんの一件以来私達はバラバラになった。

 

あこちゃんとは連絡を取ってはいるが、それ以外は連絡をしていない。

 

というより、出来ない。

 

あの人達にどんな言葉をかければいいのかわからない。

 

私は、だんまりとした気分を持ちながらいつも通り学校に向かう。

 

しかし、学校に行ってもRoseliaのことを考えて授業に全く集中出来なかった。

 

あっという間に昼休みになった。

 

私がクラスの端の席でお弁当を食べようとすると、

 

「白金さん、お昼一緒にいいかしら?」

 

「えっ・・・」

 

氷川さんが話しかけてきた。

 

あの日以来気まずくて、全然話すことがなかったので虚を突かれた。

 

「ダメかしら?」

 

「い・・・・いえ・・・・・どうぞ・・」

 

氷川さんは私の隣に座り、昼食を食べ始める。

 

「少しだけ・・・あなたに聞いてほしいことがあるの。」

 

喋らずにひたすら箸を進めていた中で氷川さんは急に口を開いた。

 

「えっ・・・・っと・何を・・・ですか?」

 

私は恐る恐る聞いてみる。

 

「Roseliaのことです。」

 

「・・・・はい。」

 

そう言うと氷川さんは話し始めた。

 

「湊さんが私達を裏切ったあの日。あれからギターを弾くということが苦痛に感じるようになりました。」

 

氷川さんの言葉は友希那さんへの怨嗟の言葉というより、今の自分が感じている感情への悩みの言葉だった。

 

「最初はあの時のやり取りを思い出すからだと思ってました。

でも、この感情はそのことから来ているんじゃない。」

 

氷川さんがそのこと以外で気にすることたぶんそれって・・・・

 

「優君の・・・・こと・・ですか?」

 

「・・・・・・・・・・」

 

場に沈黙が起きた。

 

優君も氷川さんもお互いの関係について何も言わない。

 

でも、何も言わなくても二人が特別な関係なことはRoseliaとして接している時感じることはできた。

 

たぶんだけど、あの喧嘩のことを後悔してるのかな。

 

重い空気が流れる中、氷川さんが口を開く。

 

「Roseliaは・・・・・不本意だったとはいえ、私とあの子がもう一度一緒にいる時間をくれた。

もう見れないと思っていたあの子の笑顔を見させてくれた。

・・・・曲がりなりにもあの子と一緒に音楽をさせてくれたっ・・・!!!」

 

氷川さんの目から涙があふれる。

 

ポロポロと大粒の涙が彼女の頬をしたたり落ちていく。

 

「なのに!!私は・・・・!あの子に自分の汚い感情をぶつけてしまったっ・・!!

日菜への劣等感を・・・妬みを・・・ 

自分でケジメをつけなければいけないことなのに!!…私は・・・・・」

 

それは、彼女の中にあった心の声(ほんね)だった。

 

今井さんから聞いた氷川さんの妹、日菜さん。

 

どんなことでも物凄い実力を発揮するいわゆる天才。

 

たぶんだけど・・・氷川さんはその人と自分を比べていつしか強い感情を向けるようになってしまったのだろうか・・・

 

そして今の言葉から、彼女にとって月島 優という人物がどれだけ重いものなのかを理解した。

 

氷川さん・・・・・

 

私は、彼女へ一つの質問をした。

 

「氷川・・・・さん・・」

 

「・・・はい・」

 

「氷川さんは・・・優君に・・・どうしたいんですか・・?」

 

「どう・・・する?」

 

「あの子に・・・何を・・・伝えたいんですか・・」

 

「私は・・・・・」

 

氷川さんは少し黙って、放つ。

 

「あの子に謝りたい・・・謝って、あの子と・・もう一度音楽がしたい・・!!!」

 

私は初めてこの人の素直な気持ちを知れたのかもしれない。

 

そして、その言葉が私にある一つの決意を起こさせた。

 

「すいません・・取り乱してしまいました。このことは忘れてください。」

 

そう言うと、彼女は食事を終え、机を去った。

 

 

 

そして放課後、私は一通のメールをあこちゃん宛てに送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  あこ視点 羽丘女子学園にて

 

 

放課後になって一通のメールが届く。

 

あっ、りんりんからだ。

 

何のメールだろう?

 

スマホを見てみる。

 

 

 

 

 

 

 < 燐子

 

 

 

 

 {あこちゃん、この後サークルに来れる?)

 

 

                        (いいよー。}

 

                       

 

 

 

 

 

間を待たずに返信した。

 

正直ちょっと驚いた。

 

りんりんが自分からこういうことを誘ってくるのは初めて。

 

りんりんもRoseliaのこと取り戻したいのかな?

 

バックを持って学校を出る。

 

歩きながらあることを考える。

 

友希那さんは本当にRoseliaのことを裏切るつもりだったのかな・・

 

あの時は、勢い余って出て行っちゃったけど。

 

ホントは何か言いたかったのかな。

 

知りたい。

 

友希那さんの本当の思いを。

 

あと・・・

 

もう一つ気になっていることがある。

 

優・・・大丈夫かな・・

 

友希那さんの言葉を聞いた優の顔・・・

 

あれ凄く辛そうだった。

 

辛そうというより、怯えているみたい。

 

優のあんな顔見たことなかった。

 

優はいつだって感情をあまり顔に出さそうとしなかった。

 

でも、あこが相談をした時は、普通に笑って楽しそうだった。

 

あれが、本来の優なんだよね・・・

 

あこのことをあこお姉ちゃんと呼ぶときにすごく恥ずかしそうにしてるのは見てて、ちょっと面白かった。

 

Roseliaの中じゃ年が下の方のあこにとって、優は弟みたいだった。

 

だから、もう一度優には笑ってほしい。

 

あこはお姉ちゃんなんだから、弟を笑顔にするのは当然だよね!!

 

サークルに着いたら、りんりんが待っていた。

 

 

「今日・・・ほんとは・・・練習の日だね・・」

 

りんりんが言う。

 

「ん・・・りんりんがオフ会を誘うのって、初めてだね?」

 

「うん・・・今日氷川さんと・・・話して・・そうしたら・・・何か・・やらなきゃって思って。」

 

「りんりん・・・」

 

学校で紗夜さんと話したんだ。

 

「そういえば・・・衣装・・・完成したんだ。」

 

「えっ。本当!? 見たい見たい!」

 

「写真で・・・良ければ・・・」

 

りんりんがスマホを見せてくれる。

 

「わぁっ! めちゃくちゃカッコイイよ!

やっぱりんりんって天才だよっ これ、6人で着たら・・・!」

 

そのことを想像すると余計辛くなる。

 

もしかしたら、あこがあのことを言わなきゃできてたかもしれないのに・・・

 

「・・・・・りんりん。

あこ、みんなに余計なこと言っちゃったのかな。あこが言ったから・・・」

 

「それは、違うよ。

・・友希那さんが・・・・本当にRoseliaを辞めるなら・・・いつか・・・わかってたことだと思う。」

 

りんりんはあこのことをかばってくれた。でも、その言葉が違う不安を煽る。

 

「じゃあ・・・Roseliaこのままなくなっちゃうのかな・・・?」

 

不安を口にしてしまう。

 

「・・・・・・わからない・・」

 

「・・・・・・・どうすればいいのかな」

 

二人でわからなくなって静かになってしまう。

 

そうしていると、

 

「・・・・? あこちゃん・・それは・・」

 

りんりんがあこのスマホの動画を指さす。

 

「これ?これは、りんりんと優が入ってすぐ演奏してたのを動画に撮ったやつだよ。」

 

このときはすっごく楽しくて、バーーンって感じだった。

 

これがどうかしたのかな?

 

「こうやってまた集まれたらいいのにって思うんだけど。そうなったらまたバラバラになっちゃうかもって・・・・それが・・こわい・・・」

 

また集まれても、同じことがあるかもしれないと思うと足がすくんじゃう。

 

失いたくないからこそ思ってしまう。

 

「・・・・・。確かに、そうかも・・しれない・・」

 

「えっ・・・そ、そんな・・・」

 

否定の言葉を期待しちゃったけど、りんりんもそう思ってるの?

 

「でも、私はもっとあの人たちと音楽が・・・したい。失うかもしれない・・・怖いけど・・・嫌だけど・・それでもあの人達と一緒に・・・・進みたい・・・!!!」

 

「!! ・・・・りんりん・・・」

 

りんりん・・・元々あこよりお姉さんだけど・・・

何か前より・・・お姉さんぽくなった。

 

りんりんの強い決意あこにも伝わったよ!!!

 

「だから・・・私達に出来る方法で・・・思いを・・伝えよう・・」

 

その言葉で、前にりんりんとチャットで話したことを思い出す。

 

 

 

 

 

 

『言葉だけじゃ、伝わらないのかもしれないね』

 

 

 

 

「そうだね!!伝えよう。あこたちの思いを!!」

 

あこたちに出来る言葉以外で思いを伝える方法それは。

 

「音で!!!」

 

あこたちはみんなに動画を送り始めた。

 

 

 

 

 

 

   リサ視点 同じく羽丘女子学園にて

 

 

 

あれから、友希那とちゃんと向き合うって決めたけど・・・・

 

友希那はすぐ帰っちゃうしなかなか、上手くいかないな~

 

やっぱり一筋縄でいくようなことでもないよね。

 

私が教室で悩んでいると

 

「あれっ、リサだ!

放課後残ってるの久しぶりじゃない? バンドは?」

 

クラスメイト達が話しかけてきた。

 

そっか最近はずっとRoseliaの練習に行ってたんだっけ。

 

「えっ・・・・。あ、あーーーうん。

なんというか・・・・・」

 

Roseliaの問題のことを言うわけにもいかず、しどろもどろな回答になってしまう。

 

「てか、今日楽器もってないじゃん?

あ。もしかしてバンド辞めちゃったとか!」

 

「ありえる! だってびっくりしたもん!

急に学校に楽器持ってきてさ~

なんかリサらしくないって、思ってたんだよね~」

 

「あ~ははは・・・・そっかぁ。

アタシ・・・・らしくないか~・・・」

 

私らしいって・・・なんだろう・・・

 

少しだけ暗くなる私の顔に気づかずクラスメイトは話を進める。

 

「そーだよ。リサはおしゃれなんだし!

ねっ。バンドがないならネイルいこーよ?

ネイルしててもベースって弾けんでしょ?」

 

「え・・・・」

 

私は自分の指を見る。

 

ベースの練習ばっかして、指が荒れてしまっている。

 

バンドを始めるってなってそれっきりネイルはしていない。

 

友希那と一緒にいるためそのためにRoseliaにいた。

 

でも、今は・・・・・

 

ピコン

 

黙っているとスマホから通知が鳴った。

 

なんだろう?

 

っ!!!!!!

 

それはあこから送られた一つの動画だった。

 

みんなで演奏をしている動画。

 

みんな笑っている。

 

お父さんの件以来笑わなくなっていた友希那も。

 

普段笑顔なんて見せない紗夜や・・・優も・・・

 

そうだ、私は・・・・・・

 

私の中の黒い靄が一気に晴れた気がした。

 

また、こんな演奏を!!!

 

「リサーーーー?」

 

黙っていた私を不思議がってクラスメイトが尋ねる。

 

さっきの誘いに対して私は答える。

 

「・・・ごめん。

やっぱりアタシ、ネイルは出来ないや~

こんなんでもさ、バンドに真剣なんだ♪」

 

そういって私は教室を出る。

 

もう、辺りは暗くなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紗夜視点 氷川家自室にて

 

 

ジャーーーーン

 

 

私の部屋にアンプにつないだギターの音が鳴り響く。

 

やっぱり苦しい・・・

 

あの子と喧嘩した日以来毎日自分の言動に後悔する。

 

何故あの子に言ってしまったのだろう・・

 

一番聞いてほしくなかったあの子に・・・

 

「・・・っ・・うっ・・・私は・・」

 

白金さんと話した時の様に涙を流す。

 

なんで私が泣いてるの!!!

 

本当に辛いのは優君に決まってるでしょう!!!!

 

自分の涙にさえ怒りが湧いてしまう。

 

そうしていると。

 

「お姉ちゃん!? 大丈夫!?」

 

日菜が部屋に入って来た。

 

またのぞき見していたのだろう。

 

本来ならいつも通り怒って部屋から出させるがそんな余裕さえもない。

 

「なにか、辛いことでもあったの!?」

 

「何でもない・・・・勝手に部屋に入らないでって言ったでしょ・」

 

「何でもないわけないよ。そんなに泣いて。」

 

日菜が本気で心配してくれているが私はそんな彼女に自分の思いをぶつけてしまう。

 

「私が・・・私が全て悪いの!!私のせいであの子は・・・・」

 

これじゃあの時と同じじゃない。

 

優君と喧嘩したあの時と・・・・・

 

「あの子って・・・・もしかして!?」

 

日菜は私の言葉であの子というのが誰かわかったらしい。

 

「もう言ったでしょ。ほら早く出て行って。」

 

「・・・・わかった。」

 

日菜は言葉をぐっとこらえて出て行く。

 

日菜への八つ当たりじゃないこんなの。

 

日菜が出て行ったその後すぐ

 

ピコン

 

・・・・・・?

 

メール?

 

宇田川さんから。

 

私はメールに送られた動画を確認する。

 

これって・・・・練習中の。

 

そこには演奏しながら笑っている5人の少女と一人の少年がいた。

 

この時もこんなに・・・笑ってたのね…。

 

自分自身の笑顔そして少年の笑顔・・・・

 

Roseliaがなくなったら・・・この笑顔は多分もう見れない。

 

そんなの嫌!!

 

もっとあの子には笑っていて欲しい。

 

無理せず年相応の姿をしてほしい。

 

なにより、もっと私自身がここで音楽がしたい!!!

 

そのためにまずは私自身のケジメをつけないと・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 友希那視点 湊家自室にて

 

 

 

 

 

~~~~~~~♪

 

 

 

あこから動画の私はこんなにも笑っていたのね。

 

私だけじゃない・・・リサ、燐子、紗夜、あこ、優・・みんな笑顔だ。

 

私は自らこの場所を壊してしまったのね・・・・

 

せめて、ここ(Roselia)だけでも残すために。

 

私がやるべきことは。

 

私は事務所へ電話をかける。

 

『・・どうやら選択は決まったようですね。』

 

「・・・・・・はい。」

 

~~~~~~

 

 

『わかりました。それがあなたの選択ならば我々に止める権利はありません。』

 

「それでは、お願いします。」

 

ピッ

 

私は電話を切った。

 

まずは一つ。後は・・・

 

私はあるメッセージを皆に送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優視点  縺励i縺ャ縺?″繧?≧縺薙?蠅にて

 

 

ピコン

 

あこさんから送られてきた動画と更に友希那さんからメッセージが来た。

 

 

 

 

『私の正直な気持ちを伝えたいので、みんなに集まってほしい。日時は2日後の午後5時。』

 

 

 

 

そうか・・・友希那さんは自分の道をちゃんと見つけられたんですね。

 

そっかそっか良かった。

 

これから5つの無機色の薔薇たちは自分たちの色を取り戻していくだろう。

 

それがわかって安心した。

 

これで紗夜姉も幸せに近づける。

 

リサさんもあこさんも燐子さんも。

 

みなもう一度集まって伝説を作っていくだろう。

 

でも、その場所に影(ぼく)はいない。

 

もう僕は・・・・・・・ゲン・・かい・・・です。

 

「先生、最期にいい話が聞けました。」

 

僕はある方に向かって喋る。

 

「もう・・・・もういいですよね?」

 

僕は・・・楽になってもいいよね?

 

「そろそろそっちに行きますから・・・・・・・・・もう寂しくないよね・・・」

 

 

僕は暗闇の中に消えていく。

 

影はひっそりと消えてなくなるのが運命なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鮮やかな薔薇の花束に影なんかいらない。

 

綺麗なものに汚らしい影は必要ない。

 

だから消えるのだ・・・・・

 

 

いずれ頂点に君臨する薔薇達のために

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ーーーーーーーー

次回予告


みなさん、どうも!

月島まりな・・・・ではなく作者のわたくしtora酸でございます。

えっ?まりなさんはどこに行ったって?

首にしたのかだって?

いえいえ、まさか。

彼女はこれから別件の仕事があるので今回の予告だけは

わたくしtora酸が務めさせていただきます。

今回だけだから我慢してね。

ゴホン・・それでは

’自分の本当の気持ちを打ち明けるため皆を集めた友希那。
しかし、優だけが来ておらず心配するRoselia。の面々。そんな彼女らに衝撃の知らせが届く’


                 次回!!!!

       


               「心声(ほんね)」


お楽しみに~
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。