BanG Dream!! ~rose of shadow~   作:tora酸

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今回想像以上に長くなりそうだったので前後編となりました。

ご了承ください。

今回は紗夜さん視点がメインで進んで行きます。

それでは、お楽しみください!!



第七話 心声(ほんね)前編

 

 

 

 

 

 

 

 

※前回の日付から二日後

 

 

 

 

二日前湊さんからメールが届いた。

 

彼女の本当の思いを伝えたいから集まってほしい、と。

 

無視することもできた。しかし、私は今約束の時間帯に間に合うようサークルに向かっている。

 

彼女の私達に対して行った行為を許せるかはわからない。

 

でも、湊さんが本当に伝えたいことがあるのならそれを聞いてから、判断しても遅くはないと思ったからだ。

 

なにより、私は期待してしまっているのだ。

 

これが、私達を再びつなぎ合わせるきっかけになってくれるのではないかと・・・・・・

 

そんな思いを抱きながら、サークルに向かう足を速める。

 

サークルに到着して、スタッフさんに部屋を確認する。

 

「すいません。湊さんが借りているスタジオは?」

 

「ああ、それならあそこの部屋だよ。」

 

スタッフさんは奥にある部屋を指さして言う。

 

「ありがとうございます。」

 

「どういたしまして。」

 

お礼をし、スタジオに入る。

 

「あ、紗夜・・・」

 

中に入ると、私と優君を除いた全員が既に集まっていた。

 

「これであとは、優だけね・・・・」

 

「優君はまだ来てないの?」

 

スタジオを見渡して彼の姿はなかった。

 

彼のことならメールの内容見たら来てもおかしくはないのに。

 

「アタシ達は少なくとも見てないよ。紗夜は一緒じゃないみたいだし。」

 

「私はてっきりもうそちらに着いていると思って。」

 

まさか、ここに来るつもりがないのか?

 

いや、ありえない。あれだけRoseliaのことを思っていた彼がこの場に来ないわけがない。

 

「私はあの子の思い一度裏切っている、この話が信じられないのも無理はないわ。」

 

「でも・・・・優君が・・・話を全て聞かずに・・そう・・しますかね・・・?」

 

「優ならゼッタイ友希那さんの話、聞いてくれると思います。」

 

皆、彼が来ていないことに少なからず違和感を感じているらしい。

 

私自身もそうだ。今回の行動は彼らしくない。

 

何か変なことに巻き込まれてないといいのだけど。

 

私たちは、彼の到着を待った。

 

 

 

 

※数十分後

 

 

何分待っても彼はやってこない。

 

本当に彼はRoselia(ここ)を見放してしまったのだろうか・・・・・・

 

私は取り返しのつかないことをやってしまったのか。

 

再び自責の念が頭の中をめぐる。

 

私があんなこと言わなければもしかしたら。

 

私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ私が悪いんだ

 

 

私が悪いんだ!!!

 

 

「紗夜さん・・・・紗夜さん!!!」

 

「っ!?」

 

「大丈夫ですか?」

 

宇田川さんの声で意識を取り戻す。

 

「・・・すいません。ありがとうございます宇田川さん。」

 

「優のこと心配してるんですよね。」

 

「・・・・・・・・・はい。」

 

そう言った後、宇田川さんは私にある一つの疑問を口にした。

 

「実はずっと気になってたんですけど・・・・・」

 

「何がですか?」

 

「優と紗夜さんってどんな関係なのかなって。」

 

「それは・・・・・・・」

 

人に言えないような関係でもないのに口をつぐいでしまう。

 

「あ・・いや!言いたくないなら言わなくて大丈夫です。」

 

「い・・・・いえそういわけでは。」

 

しばらく黙って再び口を動かそうとしたとき。

 

 

バン!!!!

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

「紗夜ちゃん!!」

 

「お姉ちゃん!!!」

 

急にまりなさんと日菜がスタジオの扉を勢いよく開け入って来た。

 

二人の顔は焦りに満ちていた。

 

「ま、まりなさんと日菜!? どうして・・」

 

「あ!Roseliaの皆もいるんだ。丁度いい人手は多い方がいいから。」

 

「そんなすごい勢いで入って来てどうしたんですか?」

 

今井さんが二人に尋ねる。

 

「それが・・・・・大変なの・・・」

 

「大変って・・・・何が・・・ですか・・?」

 

まりなさんは少し黙って話す。

 

「優が・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

「優がいないの・・・どこにも!!!」

 

「「「「「!?」」」」」

 

その言葉は衝撃的な一言だった。

 

優君が・・・・いない?

 

どういうこと?

 

「まりなさん・・それってどういう・・」

 

湊さんが尋ねる。

 

「言葉の通りだよ・・・どこを探してもあの子が見つからないの。」

 

「さっきあたしとまりなさんで近くは探したけど見つからなかった。」

 

事は一刻を争う状況なのかもしれない。

 

「と、とりあえず。あこたちも探そう。優、方向音痴だから迷子になってるのかも。」

 

宇田川さんの言う通りだ。

 

グズグズしていられない。

 

迷子ならあの子は恐らく今も一人ぼっちだ。あの子は強がってはいるが、一人でいるのが大の苦手だ。

 

今も何処かで寂しい思いをしているに違いない。

 

「みなさん、あの子を・・・優君を探しに行きましょう。」

 

「はい!!」

 

「もちろんだよ。」

 

「・・・はいっ・・・!」

 

「断る理由なんてないわ。」

 

私たちは再び一時的にRoseliaとして一つになる。

 

大切な仲間を探すために!!!

 

「私と日菜ちゃんはもう一度この周辺を探してみるから。紗夜ちゃん達はこっちが送った写真のところを分かれて探してみて。」

 

「わかりました。みなさん行きましょう。」

 

私たちは、5人ひとりひとりに別れ、各場所を探しに行く。

 

私は商店街の方へ向かう。

 

あの子が一人で行ける場所は限られている。

 

ここはその一つ。

 

山吹ベーカリーというパン屋さんによく行っていたらしい。

 

私といた頃は行ってなかったから多分最近通い始めたのだろう。

 

とりあえず店の方に見かけなかった聞いてみよう。

 

ガラン

 

「すいません‥はぁ・・・あの・・」

 

「いらっしゃいませ。」

 

「いらっしゃいませー。あの、お客さん汗だくですけど大丈夫ですか?」

 

店に入ると40代ほどの店主らしき男性とその娘だろうか高校生ほどのポニーテールの女の人が立っていた。

 

「あ・・・あの、男の子を見ません・・・でしたか?」

 

そう言って私は優君の写真を見せる。

 

「これって優君だね。最近よく家に来てくれるんだよ。」

 

「来るときは結構の量買ってくんだよねー。」

 

どうやら彼はここの店主さんたちに顔と名前を知られるぐらいは来ているらしい。

 

「でも今日は見てないな。彼、どうかしたんですか?」

 

店主の男性が言う。

 

「じ、実は・・・」

 

私はこの人たちに事情を話した。

 

「そうですか・・・優君が行方不明。」

 

「まだ、迷子になっているだけかもしれないのでそれはわかりませんが・・・はい。」

 

「大変じゃないですか、それ。私商店街の人たちに色々聞いてみますね。」

 

「すいません。ご協力いただいて。」

 

優君探しを手伝ってくれるらしい。感謝してもしきれない。

 

「いえいえ、彼も大切なお客さんですから。」

 

「本当にありがとうございます。何かあったらこの番号にお願いします。」

 

私は番号を書いたメモを置き、外に出る。

 

ピコんッ

 

スマホの通知が鳴る。

 

内容を見る限りどうやら全員ダメだったらしい。

 

とりあえず一度サークルに戻った。

 

 

 

 

「こちらはダメでした。」

 

「アタシの方も周りの人に聞いてみたけど優は見てないって。」

 

「あこの方も見つけられませんでした。」

 

「私・・・の方も・・・ダメでした。」

 

「こちらもよ。」

 

「あたし達もダメだった。」

 

全滅か・・・・

 

「少なくとも優が行きそうなところはこれで全てなんだよね。」

 

まりなさんの言葉に私たちは行き詰まる。

 

彼はどこに行ってしまったの?

 

そもそも私たちは何故あの子がいなくなってしまったのか考えていないのでは?

 

「皆さん。」

 

「紗夜ちゃんどうしたの?」

 

皆が私の方を向く。

 

「そもそも何故あの子が消えたのか少し考えてみませんか?そうすれば何か見えてくるかも。」

 

「まりなさんは家の方で何かあの子の変化を見ませんでしたか。」

 

「あったといえばあったよ。」

 

あったのか。

 

それをたどっていけば。もしかしたら・・・・・

 

「最初の大きい変化は1,2週間ぐらい前かな。あの日から優、たぶんだけどほとんど寝てない。そして、もう一つの変化は数日前その日で優は部屋から出なくなった。」

 

「!?」

 

衝撃だった。彼がその様な状態になっているとは気づきもしなかった。

 

いや、私が背けていただけかもしれない。

 

まりなさんは更に情報を付け加える。

 

「優が部屋から出てこなくなったその日は確か、Roseliaの練習があるって言ってたのは覚えてる。でもそれ以来きっかり行かなくなったの。少なくとも私は部屋から出るのを見てないからなんだけど。」

 

「・・・・・・! それじゃ・・・」

 

その言葉に湊さんが震える。

 

私もその言葉でなんとなくわかってしまった。

 

彼が消えた理由が・・・・

 

恐らくまりなさんが言った日はあの件が起きた時。

 

「たぶんですけど、あの子は迷子になったんじゃない。」

 

「・・・・・・」

 

全員私の言葉でなんとなくわかったのだろう。一斉に黙ってしまう。

 

私は話を続ける。

 

「あの子は恐らく自分の意思で消えた。そう考えられます・・・・・・」

 

何故このことがすぐ浮かばなかった。

 

あの子をこの行動に駆り立てたのは間違いなく私だ。

 

ずっと気にしていたんだ。あの時のことを。そしてあの喧嘩も。

 

「優・・・・。アタシがあの時もっと気にかけてれば・・!」

 

「リサ姉だけじゃないよ。あこ達も気づいてあげれなかった。」

 

宇田川さんと今井さんはそう言ってくれるが、悪いのは私一人。

 

彼女たちは何も悪くない。だから、彼は私が何があっても見つけてみせる。

 

黙ったまま、彼を探しに行こうと走りだすと。

 

グイっ

 

誰かに腕を掴まれた。

 

顔を確認すると

 

「なに一人で突っ走ろうとしてるの。おねえちゃん。」

 

日菜だった。

 

「日菜・・・離して。」

 

「嫌、離したらおねえちゃん勝手に一人で無茶するでしょ。」

 

「そうでもしないとあの子は見つからない!このままだと夜中になる、そうしたらもう今日は探せない。

自分の意思であの子が消えてるなら時間が経てばたつほど何をするかわからない。だから行かせて!!日菜。」

 

「自分だけの問題だと思わないで!!!」

 

「っ!?」

 

日菜が怒鳴った。彼女が私に対して大きな声を出したのはいつぶりだろうか。

 

「ここにいる全員、優のことを心配してる。あたしだってそうだよ!!おねえちゃんが優と何があったかわからないけど。今は全員で協力しないと解決することも解決しない!!」

 

「・・・・・・・ごめんなさい。私が取り乱してしまって。」

 

「いいよ。おねえちゃんが優のこと大事に思ってるのは知ってるから。勿論あたしもね。」

 

「ねぇ皆。」

 

私達のやり取りが終わるとまりなさんが全員言う。

 

「さっき紗夜ちゃん、言ったよね優は自分の意思で消えたって。」

 

「はい。憶測の域を出ませんが・・・」

 

それがどうかしたのだろうか?これでもあの子の位置を予測するのは難しいと思っていたが何かあるのだろうか?

 

「それで思い出しの。優が行きそうな場所。」

 

そう言ってまりなさんは写真を見せる。

 

そこは今は運営されていない養護施設だった。

 

建物外装は焼けたのか黒くなっており、原形を残していない廃墟の状態だった。

 

まりなさん曰くある人が管理しているそうだが事情で手を付けていない状態らしい。

 

「ここに・・・優君が。」

 

「うん。居るならここに。」

 

色々考えている暇はない。

 

私達はそこに向かうことにした。

 

養護施設へは少し距離があり。普段私達が行かないような道だった。

 

どうして優君はこの道を?

 

一つの疑問が生まれたがそんな疑問は直ぐに打ち払われた。

 

養護施設に到着し私達は入り口の門の前に立っていた。

 

「ここが・・・・・」

 

「なんだか・・・・・少し・・・・不気味・・ですね。」

 

「ここに優が居るんだよねっ?急がないと!」

 

「あ、あこ。急ぎすぎると危ないよ。」

 

「・・・・・優。ここに居るわよね・・・・・」

 

「優怖がってないといいけど。」

 

「また・・・・ここに来るなんてね。」

 

今まりなさんがまたって言った様ないやいや気にしている暇はない。

 

「とりあえず入りましょう。」

 

入り口は閉鎖されているわけではなく女子高生ぐらいなら入れそうな隙間があった。

 

全員中に入った。辺りは真っ暗になっており探すのは少し苦労しそうだ。

 

「というか、これ不法侵入じゃ・・・」

 

「リサちー気にしたら負けだよ。」

 

「えー・・・・・」

 

中に入り周りに声を掛けながら探索をする。

 

「・・・・・・・見つかりませんね・・・・」

 

「ここにも居ないのかなー?」

 

「この場所が一番確率高いと思ったんだけどな。」

 

また、ダメなの・・・・・?

 

全員が諦めかけた時。

 

ふとあることに気づく。

 

「あの・・・。」

 

「どうしたのー紗夜?」

 

「さっきそこで影みたいなのが動いたような。」

 

「えー!!さ、紗夜急に怖いこと言わないでよ。」

 

「いえ、今さっきそこが。」

 

私はある方を指さす。暗くてわかりずらいが人の気配がする。

 

「そういう時は、ライトだよー。」

 

日菜が何処から持ってきた言いたくなるほどの懐中電灯を照らすと。

 

「・・・・・・・!」

 

一人の少年がそこに座っていた。しかしその目は闇に染まり切っていて、体は少し瘦せている。

 

恐らく1,2日前からここにいたのだろう。水がないことから何となく日数がわかる。

 

「優君・・・・」

 

見つかったことに安堵の感情と嬉しさが湧き出るがその感情は彼の言葉で打ち消される。

 

「なんで・・・来たの?」

 

「なんでって・・・優のことを連れ戻しに・・・」

 

「僕は帰りませんよ。ここで・・・僕は一人・・・・・死にます。」

 

彼から衝撃的な言葉が放たれた。

 

・・・・・・死ぬ?

 

何を言ってるのか理解できなかった。

 

「優、いくらなんでもそんなこと言ったらお姉さんだっておこ・・」

 

「冗談でもなんでもありません。リサさん僕は本気です。」

 

「そんな・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

私達はこれから知ることになる彼がどんな思いでRoselia(ここ)にいたのかを・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

                 




 次回予告





いやー、はい!!どうもtora酸です!!

今回で戻ると言ったな。あれは嘘だ。

本当は今回でこの話終わらせようと思ったんすけどね。

想像より長くなりそうなので前後編分けることにしましたー パチパチ。

はい、ということなので今回までわたくしにお付き合いください。

それでは


”やっとの思いで探し出した優から放たれた衝撃の一言。紗夜たちは優が隠していた本当の思いを知る。
彼の本当の気持ちを知ったRoseliaの面々そして日菜は何を思うのかどうやって彼を救い出すのか”


                   次回!!!

                 「心声(ほんね)後編」


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