BanG Dream!! ~rose of shadow~ 作:tora酸
投稿が遅くなってすいません。
今月は時間に余裕があるので、頑張ります。
あと、今回からパスパレ編がスタートします。
それではお楽しみください!!
第一話 偶像バンド
ザワザワ、ガヤガヤ。
雑音が耳の中を、駆け巡る。
それは、数を数えるのさえも躊躇われるようなほど膨大である。
その大群は、ひとつの建物に長方形に並んでいる。
その建物はドーム状の建物で、かなりの大きさだ。
そんなアリの大群の中に1人、あまりの人の多さに混迷を極めている少年が一人。
「お・・・多すぎる。」
純情小学生 月島 優である。
彼自身もライブに出たことはあるが、自分が観客で行くのは少ない。
ドーム規模などもってのほかである。
何故、彼がこのような状況に置かれているのかは数日前にさかのぼる。
「優~。」
「何?日菜姉。」
姉ツインズの一人、氷川日菜が手招きする。
一体全体なんなのかと思いつつ優は向かう。
「これ、上げるよ。」
そう言って、一枚の紙きれを渡してくる。
急に投げてきたのを慌ててキャッチし、内容を覗く。
「これって・・・・・ライブのチケット?」
「そう、ライブチケット。」
その紙には、Pastel Palettes First Live 関係者用席と書いてある。
どうやら日菜は、今度ライブをするらしい。
「日菜姉が出るの?」
「そ~だよ。」
「そうなんだ。楽しみだなー。」
大好きな姉のライブに優は胸を躍らせる。
そんな優を見つめる日菜の目は、何かを憂うを様な瞳だった。
そして、今現在に至る。
本来は紗夜と一緒に来る予定だったのだが、時間が合わず今回は見送りとなった。
しかし、超絶怒涛の方向音痴である優を一人で行かせるわけにもいかないので、急遽助っ人が来ている。
「優! はぐれないでね。」
優の母親、月島まりなである。
いつもは仕事が忙しい彼女だが、この日は偶々休みだったらしく、優の付き添いのために参戦している。
「確か・・・関係者用の受付はっと。」
優がはぐれないようにがっちり手をつないで固定しつつ、受付を探す。
「あ! あれじゃない。」
優がある方向を指さす。
そこには、関係者様専用受付と書いてあった。
「優、ナイス!」
「イェイ☆」
互いにVサインを作りながら、そう言う。
受付を済まし、ドームの中に進んでいく。
中のほうも人が多いため、優は油断大敵である。
進みながら、ふと優は思う。
この年齢になって、母親に手つながされてるのってもしかしてかなり恥ずかしいのでは・・・・
気にしたら負けだと思い、そのまま進んでいく。
指定されている席に座り、待機する。
ひたすら無言でいたが、不意にまりなが口を開く。
「日菜ちゃんのバンド。Pastel Palettes?っていうんだっけ。」
「らしいね。アイドルバンド?とかいう枠組みらしいけど。」
はっきり言って、この単語には未だに違和感がぬぐい切れない。
アイドルだけではなく、バンドと混ぜてくるのはかなり予想できないものではある。
ただその分、メンバーの人間はかなりの苦労を強いられるだろう。
楽器だけでなく、歌って踊る必要もある。
しかも、デビュー前にあれだけ持ち上げられているのだ。
プレッシャーも大きいだろう。
思考している優に対して、まりなは質問を変える。
「優はアイドルとかわかるの?」
「わかるわけないでしょ・・・・。僕あんまテレビ見ないんだから。」
「遅れてるわね~。若者なのに。」
まりなが煽るので、優は少しイラついた態度で反論する。
「そういう母さんはわかんの?」
どうせ自分のことを棚に上げながら、喋ってるのだろう。母さんあるあるだ。
「何言ってんの? お母さんは、3●6プロダクションに所属・・・・」
「わかった、わかったからそこまで。」
「一時期はプロデューサーさん!なんても言って・・・」
「はーい、はーい、ストップねー!!それ母さんじゃなくて違う人ー!声帯同じだけど!!!」
これ以上は何かダメなような気がして、すぐさま会話を打ち切る。
あんたがそれやってたの何年前だと思ってんだ・・・・。
アイドルでマスターな話のことではない・・・・たぶん・・・。
そうこうしているうちに、開始の時間になったのかステージに照明が照らされる。
ステージが照らされたことで、見えなかったセットの全貌が明らかになった。
全体的にふわふわしたような装飾で、バンド名通りパステルカラーを主軸にしてある。
やはり、アイドルの要素を含んでいるためか少し派手目になっている。
「凄い!!」
今まで見たことのないようなものなので、優も興奮を隠せない。
隣にいるまりなも、ここまでは知らないようなのか驚愕している。
会場全体の雰囲気が盛り上がってきたところで、声が流れてくる。
「皆様、大変お待たせいたしました!!ただ今から、演奏するのは新人アイドルバンドのpastel paletts です!!!!」
司会のその言葉に会場のボルテージがさらに高まっていく。
会場の渦が最高潮になった瞬間に5人の少女達が舞台に出てくる。
全員フリフリした衣装着ていて、色はそれぞれのメンバーカラーの様である。
当たり前だけど、Roseliaの衣装に比べて……なんというか可愛い目の衣装だな。
意外と興味が湧いたのか5人の少女に目が釘付けになる。
それに気づいたまりなは優を膝で突きながら、言う。
「優〜?いくら衣装の露出が少し多いからって、そんなまじまじ見ないの〜。」
「はぁ!?/////」
顔を赤らめる優を見て、まりなはニヤニヤとした顔を浮かべる。
「僕は、そういうことで見てるわけじゃ………」
「はいはい、優も男の子だもんねー。」
そろそろキレていいか?
母のちょっかいにやや怒りを露わにするが、演奏が始まりそうなのでその気持ちをグッと抑えた。
「皆さーん、私たちアイドルバンドのpastel palettesでーす。
パスパレで覚えてくださいね⭐︎ それじゃ早速行くよー!
しゅわ〜ん⭐︎どり〜みん。」
ボーカルの掛け声と共に、演奏が開始される。
あれがアイドルというものなのだろうか。
今まで聞いてきたバンドの演奏の中でも異質よりに入る気がする。
何というか、すごいキラキラしてるというかキャピキャピしてる様な。
そんな感情が優の頭の中に駆け巡る。
でも、こういう人達が色んな人に夢や希望を与えてくれる。そんな気がした。
アイドル………偶像とは言うが、僕もああいう人達を好きになってたら、少し楽だったかな…………。
しかし、そんな甘い考えはすぐ消え失せる。
『優の演奏も人に夢を与えるかもね。』
『あたしは優くんの演奏大好きだよ!』
頭の中に2人の女性の声がフラッシュバックする。
また、思い出しくないことを……
よほど嫌な思い出だったのか苦虫を噛み潰した様な表情を浮かべる。
それと同時にあることを思う。
わかってる、僕の苦しみがそんなことじゃなくならないことも。
僕にはその様なことは許されない、。
彼女達は僕が…………殺した様なものなのだから。
明るい会場の中たった1人暗くなっている優。
そんな中でも順調に演奏は続いていく、そう思われた瞬間。
プツンと急に演奏が途切れた。
「え・・・・。」
「なんで急に止まったの?」
まりなと優は突然の出来事に困惑する。
会場もどよめきを隠せていない。
もしかして、機材トラブルか?でもなんで・・・こんな急に。
いくら機材に問題が出たとはいえ・・・・こんな不自然に止まるか?
ふつうは小さくても、音は聞こえるはず・・・・・。
キャストの5人も急なトラブルに、動きが固まってしまっている。
それだけならよかったのだが、司会が事態を悪化させる
『どうやら機材トラブルが発生したようなので、演奏を中止させていただきます。彼女たちの活躍はまた別の機会に。』
そう言って、キャストを舞台裏に戻させる。
それが優の困惑を加速させていく。
なんで、中止する必要があるんだ?
少し時間を空けて、また再開させればいいのに。
機材復旧の目途が立っていない場合もあるけど・・・中止までは聞いたことがない。
頭の中でグルグル考えが回る。
そんな中、ふと日菜が前ぼやいていたセリフを思い出す。
『初ライブまで2週間しかないのかぁ。』
それがトリガーとなって、一つの可能性が浮き上がってくる。
そんなことがあり得ていいわけがない!! 日菜姉が・・・・・するわけない!!
優が認めたくない一つの可能性それは。
「たぶん・・・あれ口パクなんじゃ・・・・。」
まりながそう呟く。
「母さんっ!!」
信じたくない気持ちとそれが一番可能性が高いという事実で優の心はぐちゃぐちゃになって、声を荒げてしまう。
「優、言いたいことはわかる。私だって信じたくない・・・・でも、あんな不自然な切れ方は・・・・・」
「そんなこと・・・・・わかってるよ・・・・・。」
根拠はいくつかある。
一つは、音が止まった瞬間と演者の動きが一致していないことだ。
画面から動きが見えたが、音が止まった瞬間どう見ても演者の手は動いていた。
スピーカーが壊れても演奏をしているなら、微弱ではあるが音が聞こえてもおかしくはないのに聞こえなかった。
ただ、これは音が鳴っていないかは正確な判断ができない。
正直言って、日菜のあの言葉が一番の根拠になっている。
前々からあって残り2週間という意味より、あれは2週間だけしか期間がないという言い方に近かった。
日菜は別だが楽器経験のないメンバーが多い中、2週間であれほど持っていくのははっきり言って、不可能だ。
最初から違和感自体はあった。楽器初心者が多いバンドにしてはかなりレベルの高い演奏だと思っていた。でも、もしあれが音源としてプロが撮ったものだとしたら。
あの現象にも納得がいく。
「初ライブでこんなことになったら・・・・・・・・。」
優は不安を覚える。
「うん・・・・たぶん・・・・炎上する。」
これから彼女たちが世間からどのように言われるかは、想像に難くない。
日菜もそれから逃れられない。
しばらくして観客達が愚痴を言いながら、それぞれ席を立っていく。
優達も言い表せない感情に包まれている。
「…………母さん。」
「何………優?」
優はぷつりと言う
その声には、不安の色が混じっている。
「あれに………日菜姉達は納得してたのかな?」
息子の心中を察したのか、微笑みかけながら答える。
「それをわたしに聞いてもわからないでしょ。 本人聞いてみなさい。」
「でも……。」
「でもじゃない。確かめることを怖がっちゃ、一生モヤモヤしたままだよ。」
「・・・・・・・・・。」
できない・・・・・。
優の心の中にはその言葉だけがあった。
怖い・・・・・日菜姉と話すことでまた・・何かが壊れるのが・・・・・嫌だ。
影だった少年は、自らを孤独としようとした。
しかし、彼は仲間と出会い再び失ったものを取り戻した。
それ故に怖い。取り戻した関係、日常がまた無くなってしまうのではないかと。
頭の中では、わかっている。
あれは事務所が指示したものの可能性が高いこと。
でも、嫌だった。 あれだけ輝いてた彼女たちが大好きな日菜が、たくさんの人を騙すに等しい行為に及んだことが嫌でしょうがなかった。
そんな状態で日菜の思いを確かめとしよう、その答えが優にとって最悪に近いものだったら?
僕はまた・・・・・同じ過ちを犯すかもしれない。
優は感情的になると、人の事情を考えずに批判する悪い癖がある。
それで紗夜を傷つけた、そのことは優のトラウマである。
同じように日菜を傷つけたくない。
そんな思いが頭を駆け巡っている。
それは一見優しさのように見えるただの逃避行だ。
己の弱さと戦わずに大義名分を振りかざした逃げなのである。
逃げを選択した優(ひきょうもの)の帰路の道は、どす黒い何が空を覆っているように真っ暗だった。
次回予告
皆さん~(天下無双)
サークル勤務スタッフ月島まりなです~。
今回は何処かのVtuber?っていうのの有名な方の挨拶を真似してみました。
決して、ファンになっているわけではありません!
にじさ●じが最近の私の中の流行りになっているわけではありません!!!
すいません・・・・熱くなってしまいました。
それでは!!!
’パスパレのライブ以降日菜と口を聞けなくなってしまった優。
自分の選択は逃げだと気づきながらも、それを覆う恐怖に優は苦悩することになる。
そんな時、優はある少女と出会う。’
次回!!!!
「勇気と覚悟」