BanG Dream!! ~rose of shadow~   作:tora酸

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日常編2
第五話 漢にはやらねばならぬ時がある


「ふぅーやっと終わった。」

 

僕は一言呟き、ため息を吐く。

 

やっと今、学校の宿題が終わったのである。

 

かなりめんどくさかったため、終わった瞬間ソファーでゴロゴロし始める。

 

算数とか理科は良いんだよ。でも、国語お前はダメだ。

 

なんだよ!?登場人物の心情を読み取りなさいって!!実際の声色聞いたわけじゃないのにわかるわけないだろ!!

 

文章に関しては、若干遠回しにしか表現されてないし!

 

僕は、算数や理科………まぁ後ギリ社会が得意なのだが、国語と英語は点でダメである。

 

英語に関しては、正直英語と呼んでいいのか怪しいレベルなのだが。

 

ま、もう終わったことだしいいか!

 

深く考えるのも面倒なため、これ以上は考えないようにしよう。

 

僕は、ソファーからザッと立ち上がり、何をしようかと部屋をクルクル回り始める。

 

ゲームをするか……漫画を読むか……アニメを見るか……悩ましい限りである。

 

今日は貴重なオフの日でもあるので、時間は有効に使いたい。

 

よし!全部やるか。

 

そう思い、動こうとした瞬間。

 

ピンポーン。

 

玄関のチャイムが鳴った。

 

宅配かな……。

 

僕は、急いで玄関口に向かい扉にあるレンズを使い訪問者について確認する。

 

…………なんで()()()が?

 

僕は、ビジターの顔を見るなり、そう心の中で呟く。

 

考えるより前にドアを開けた。

 

扉を開けて先にいたのは40代後半の女性…………紗夜姉と日菜姉の母親であった。

 

エメラルドグリーンの髪に、少し青みがかった瞳。

 

その素肌は、夏に出歩いてる所為なのか少しだけ焼けている。

 

顔だけであったら、女子高校生2人の母親だとは思いもしないだろう。

 

僕は警戒をとき、その人に尋ねる。

 

「おばさん、どうしたの?」

 

「実は………優くんにお願いしたいことがあるの。」

 

おばさんは困った様子で、ため息をついた。

 

「あの子…………紗夜がお弁当を忘れていっちゃってね。届けたいんだけど、私は今から用事があるし、旦那や日菜もいなくてね……。」

 

僕のところに来た理由はそういうことか。

 

正直言って、日菜姉がいるならそっちに任せて方が何千倍も確実であるからだ。

 

「なるほど。紗夜姉は今どこに?」

 

「花咲川の弓道場にいると思うわ。優くん……引き受けてくれるかしら?」

 

花咲川か…………何度か行ったことはあるのだが、1人で行くにしては心許ない回数ではある。かといって、これを断る訳にはいかない。

 

僕は、数分考えた末に。

 

「わかりました。僕が紗夜姉に届けてきます。」

 

そう聞いたおばさんは心配半分、安堵半分の様子である。

 

「ありがとう、でも本当に大丈夫?優くんあまりそういうのは得意じゃなかった様な………。」

 

「心配ありがとうございます。でも、大丈夫です。紗夜姉の為ですから。」

 

「…………ならお願いするわね。」

 

そう言われ、僕は弁当を受け取った。

 

その後、おばさんは余程の急用らしく、そそくさと何処へ行ってしまった。

 

僕は保冷バックに入った弁当とスマホを持って、花咲川へ出発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………ここ何処だ?

 

あれだけ豪語したのも束の間、僕は数分の内に迷子になっていた。

 

おそらく原因は………スマホの地図アプリだ。

 

僕の方向音痴もそうだが、地図アプリのヘンテコな経路と自分の記憶の差異で全く何処が、何処だかわからない。

 

辺りを見回しても、住宅の敷地を仕切る塀が直線の様にあるだけかコンビニが一箇所あるだけである。

 

どうする?このまま進んでも焼け石に水どころか余計事態を悪化させかねない。

 

僕はまわりをクルクルと回りながら、思考する。

 

………あっ!コンビニの店名から位置を確認できる。

 

中に入って、聞きに行くか。

 

そう思い立った瞬間、僕はコンビニ店内に向かう。

 

「いらっしゃいませー」

 

「ませ〜。」

 

!?僕は店内に入った途端にガチンと固まる。

 

そして、声を発している主の元をギギと首を回してみる。

 

「あれ? 優じゃーん。どうしたの⭐︎買い物?それとも、お姉さんに会いにきたのかな〜。」

 

「違いますから!! というか!?なんでいるんですか!?リサさん!!」

 

僕は声を荒げて、声の主であるリサさんに尋ねた。

 

ちょっと考えればわかることではあるのだが、いかんせん道に迷って

いるせいなのか混乱のせいなのか頭があまり働かない。

 

「そりゃー、ここアタシのバイト先だし。」

 

「………そういえば、前どっかのコンビニでバイトしてるって言ってましたね。」

 

「で?優。ホントにどうしたの?方向音痴の優が1人でコンビニ来るなんて考えにくいけど。」

 

僕は少し躊躇ったが、隠す必要もないと思い、事について話し始めた。

 

話を聞いたリサさんはしばし笑った後に店名を答えてくれた。

 

僕はそれを地図アプリに打ち込み、花咲川までのルート再び検索する。

 

不幸中の幸いか、少なくとも目的地にやや近づいてはいた為、迷う確率は減るだろ。

 

リサさんにお礼をして、僕は再び目的地に向かおうとした時。

 

「ちょっと待って〜〜。」

 

リサさんの隣にいた女性が、僕の方へやってきた。

 

ひとしきり僕の顔を見て、ぐぃーとほっぺを引っ張る。

 

な、何なんだこの人!?

 

見た感じ、高校生ぐらいだろうか?

 

少なくとも年上というのだけはわかる。

 

グレーがかったショートヘアー、緑の瞳。

 

眼光は鋭いとは正反対のゆるゆるで、彼女のマイペースさ?の様なものが伺える。

 

ほっぺをペチン!と離し、にこやかな表情で僕の頭に手を乗せた。

 

「優〜久しぶりだね〜〜〜モカお姉ちゃんだよ〜。」

 

「えっ、誰?」

 

モカと名乗った少女は、さも当然かの如く僕名前を呼ぶ。

 

「ふぅーん、何?優はモカとも知り合いなわけ?」

 

リサさんの殺気がこちらに飛んでくる。

 

いやいや!?知らない覚えてないって!!

 

「僕、知りませんって!!」

 

この言葉をリサさんは言い訳と受け取ったのだろう、さらに殺気が強まり。

 

「なんでそんな嘘付くの? お姉さん悲しいじゃん………………もう●●するしか無くなっちゃったよ。」

 

いや!?アンタはどこの近江だよ!!

 

あと!その黒丸なに!?そこに、どんな言葉はいんの!?

 

「おね………あーっと、モカさん。」

 

「はーい。」

 

「たぶん、誰かと勘違いしてるんですよ。」

 

「えー。間違えたはずないんだけどな。」

 

僕はモカさんの手をグイッと引っ張って、耳打ちをする。

 

「話の真偽はともかく、今は勘違いってことにしといてください。だってほら、あれ。」

 

僕は後ろの方を指さす。

 

そこにいる女性は、普段の慈愛の女神っぷりから一転、死を司る神であるタナトスかと言いたくなる風貌である。

 

「あの状態だったらたぶん、嶋野の親父ぐらいなら殺しますって。」

 

僕の必死さが伝わったのか、モカさんはゆらゆらと踵を返すと。

 

「すいませ〜ん、モカちゃんの勘違いだったみたいです〜。」

 

それを聞いたリサさんはするすると殺気を引っ込め、笑顔になる。

 

「そっか⭐︎間違えは誰にもあるもんね。 じゃ、優。紗夜にお弁当を届けてあげてねー。」

 

「イェス!マム!」

 

僕はすぐさまコンビニから出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何とか、電車まではありつけたな。」

 

グラグラ揺れる車内で、僕はそう呟いた。

 

土曜の昼間という時間の所為なのか、中はひどく空いていた。

 

僕の家から花咲川までは、電車で行く必要がある。

 

幸い電車は何度か乗ったことがあったので、特に迷うこともなく乗ることができた。

 

次は〜△△〜。次は△△〜。

 

あ、この駅だ。

 

僕は急いで電車から降りる。

 

時刻は11時30分。

 

もうすぐ、昼休憩に入ってもおかしくない。

 

急ごう。

 

駅から花咲川までは数分もかからない。

 

順調に行けば、間に合う。

 

僕は、頭をフル回転させ、ルートを割り出していく。

 

僕だって、やる時はやるんだ!!

 

自分の出したルートに従い足を進める。

 

一歩、また一歩、歩き続ける。

 

そして。

 

「着いたぁ!!!」

 

花咲川女子学園校門前で、僕は大声を上げる。

 

やっと………やっと。

 

僕は嬉しくなり、歩く足を早める。

 

しかし、そこであることに気づく。

 

……………僕、弓道場知らなくないか?

 

優に電流走る。

 

脳内セルフでそれが流れ、あぁっと声が漏れる。

 

この高校敷地的に言ったら、そこそこの大きさだ。

 

少なくとも、僕のいる小学校よりは大きい。

 

とりあえず、辺りを散策するしかないか………。

 

しばらく、あてもなく足を走らせる。

 

運良く、着いてくれたらよかったのだが、そんなに世の中甘くなかった。

 

「というか! なんで生徒全然いないの!?」

 

何故か周りに人が見当たらない。

 

あるのは耳障りでうるさい蝉の鳴き声だけだ。

 

すると。

 

………?なんか変な音聞こえないか?

 

蝉の鳴き声の中に、えげつない轟音が混じっているのに気づく。

 

音はだんだんとこちらに近づき。

 

ドゴンッ!!!

 

地面が抉られ、砂埃が舞う。

 

「ゴホッ!ゴホッ。なんだよ!!」

 

僕は、抉られた場所をじっと凝視すると。

 

そこには……テニスボールがあった。

 

は!? テニスボール?なんで!?

 

というか、こんな轟音鳴らす球ってどういう!?

 

すると、1人の女生徒がこちらにやって来た。

 

「ああっ!君、怪我ない!?」

 

青ざめた顔で確認してくる。

 

「だ、大丈夫です。なんか外れたし。」

 

「ごめんね。うちの先輩が張り切りすぎちゃって。」

 

女生徒の格好を見る限りテニス部だろうか、というかラケット持ってるし。

 

「……って!?これ人力で打ち出したの!?」

 

一体何食べたら、こんな球打てるんだよ。

 

テニス部の少女は、申し訳なそうにしている。

 

「そうなの。うちの先輩の零式波動球が暴発しちゃって。」

 

「花咲川のテニス部には、石田銀でもいんのかよ!!!」

 

ここだけ超次元テニスしてんのか!? テニヌやってんのか!?

 

「ちなみに他にそういう方はー………」

 

僕は恐る恐る聞いてみる。

 

「あぁ、他にはツイストサーブ打つ一年だったり、才気煥発の極みを使う人がいたり。」

 

「青学なのか四天宝寺なのかどっちかにしてくれ……。」

 

花咲川………こえー。

 

って!?

 

「あ、あの!?」

 

僕が急に大きな声を出したせいか、女生徒はビクリと体を動かす。

 

「な、なに?」

 

「…………………ここの弓道場って、何処ですか?」

 

虚をつかれた少女は、ポカンと口を開けている。

 

僕は自分の目的を話し始める。

 

事情を理解した少女は、手際よく弓道場まで案内してくれた。

 

「ありがとうございます、お姉さん。」

 

「これぐらいお安い御用ですとも。それじゃ。」

 

案内し終えると、お姉さんはそれだけ言ってそそくさと何処かに消えてしまった。

 

何か、忙しい人だったな。

 

彼女のスピーディさに感心しつつ、僕は弓道場の扉を見る。

 

そして、勢いよく戸を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グサン。

 

「ふぅ。」

 

私は、的に刺さった矢に目を向け、気を緩めた息遣いをする。

 

「そろそろお昼休憩にしようかー。」

 

はーい。

 

もうそんな時間?

 

そう思い時計を確認すると、時刻を示す針は11時40分を示していた。

 

「ほら、氷川さんも休みな。」

 

「はい。」

 

私は、弓を棚に置き、部室の中へ向かう。

 

バックからタオルを出し、びしょ濡れになった髪を拭いて整える。

 

そして、お弁当を取り出そうと中を探るが。

 

あら?お弁当がない。

 

どれだけ探しても、目的の物は見つからない。

 

忘れて来たのね。

 

自分のミスを自覚し、私は手を額に当てる。

 

しかたありません、今日は我慢するしか。

 

しかし、お腹の虫は鳴り止まない。

 

どうしようか、悩んでいると。

 

「あ。あの氷川先輩。」

 

一年生の子が慣れない様子でこちらに話しかけてくる。

 

「どうかしたの?」

 

私は限りなく優しい声色で、返事をする。

 

すると、少し緊張が和らいだのか話し声が明るくなる。

 

「じ、実は。今、道場前に子供が。」

 

迷子か、誰かの御兄弟かしら。

 

でも、それが私にどう関係が?

 

「それがどうしたんです?」

 

「その子が、氷川さんに用があるって。」

 

誰かしら?まさか……日菜がこっちに?

 

あれだけ勝手に来ないでって言ったのに。

 

私の気分は苛立たち、語気が強まるのを感じる。

 

「わかりました。確認してきます。」

 

いらいらと足をあげ、入り口付近まで向かう。

 

まったく、何度も言えばわか………れぇ?

 

私がそこで見たのは目を疑う光景だった。

 

「紗夜姉ー、お弁当持ってきたよー!!」

 

「優くん!?」

 

そこには、愛してやまない弟の優くんがいた。

 

どうしてここに!?

 

私は、駆け足で彼の元へ向かい。

 

「どうして、居るの!?」

 

すると彼は不思議そうに。

 

「どうしてって、おばさんに頼まれて来たんだよ。」

 

彼はさらりと言うが、私は気が気でない。

 

「迷子にならずに来れたの?」

 

「ちょっとなりかけたけど、何とか来れたよ。」

 

彼は満面の笑みでそう答えた。

 

「そう……ですか………。」

 

私はその言葉に感極まって、涙を流してしまう。

 

彼は、何か自分がやらかしてしまったと思ったのでしょう。

 

心配の表情を浮かべながらあたふたしている。

 

「え、何で泣いてんの紗夜姉!?」

 

「ごめんね、優くんの成長を考えるとお姉ちゃん嬉しくて。」

 

それを聞いた優君は、呆れと嬉しさがごちゃ混ぜになった表情をしている。

 

「紗夜姉、気持ちはありがたいんだけど………せめて、帰りかなんかで言って欲しかったなぁ。」

 

彼が周りを見て、そう言う。

 

あっ、と声を上げ辺りを見渡す。

 

普段の私とはかけ離れた姿を見た部員たちが、様々な反応を示している。

 

流石の私でもこれは恥ずかしく、顔を真っ赤に染めてしまう。

 

「…………と、とりあえずありがとう。これで午後も頑張れます。」

 

「なら、良かった。じゃ、僕はもう帰るから。」

 

「待ってください。」

 

私は戻ろうとする優君の腕を掴んで呼び止める。

 

掴まれた本人は少し驚いた様子でこちらを見ている。

 

「な、何? 僕もう帰りたいんだけ・・・・・・・・・ま、まさか。」

 

優君は、私が何をしたいのか察したらしい。

 

顔がみるみる青ざめている。

 

こういう時、察しが良いと助かりますね。

 

私はニコニコ笑顔を作り、グイグイ彼を引き寄せる。

 

「優君が一人で帰れるのか心配ですので、部活が終わるまで待っていてください。」

 

「いやー・・・・・それは・・・・あ、ほらっ!部員の人たち的には、迷惑だろうし。」

 

優君は、チラチラと他の部員に目配せをするが。

 

「別に全然いいよ。ねっ、皆。」

 

部長が、きれいな笑顔でそう答えると。

 

「嘘だ!!!」

 

優君迫真の演技が出るが、関係ない。

 

私はその返事に胸を躍らせる。

 

「ということなので、ほらお腹も空いたでしょうお姉ちゃんが食べさせてあげますからね。」

 

「いーやーだー!!! ってか、人がいる中でいつもの感じにならないでーーー!!」

 

弓道場には彼の断末魔が響くだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに、その後他の部員の方々に可愛がってもらい満更でもなさそうでした。

 

あ、決して嫉妬とかではないですよ。

 

特に可愛がっていた部員に対して、殺意とか抱いてませんから。

 

決して、そんなことはありませんでしたから!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回予告

皆さん、だいぶお久しぶりでございます。

月島まりなです。

第二章も終わりましたのでね、日常編の続きもやりますよと。

作者曰く、『定期的にギャグ回は挟みたい。』だそうです。

ギャグ回になっているかはわかりませんけどね。

・・・・・・・ゴホン、それでは!

’ある熱い夏の喫茶店・・・・・そこに集まるは3人の男女。彼らは互いに語り合う。どのロボットが一番かっこいいかをぉぉぉぉぉ!!!!’


                   次回!!!

   「ロボットアニメにおいて誰が最強かは禁断の議論である、とガンダムが言っている」





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