BanG Dream!! ~rose of shadow~ 作:tora酸
次回からは、1章がスタートします。
それでは、本編をどうぞ!
グリグリのライブから数日後。
僕はいつも通りのからっぽな日常を送っていた。
休日は、やっぱりゴロゴロするに限るなー。
フン、フフン。
僕は、ひたすらリビングで寝転がっている。今日は土曜で、母さんは仕事だから、
誰も僕のダラダラを邪魔する者はいない!
「圧倒的ではないか、我が家は。」
どこぞのザ⚪︎家みたいなことを言ってると、
ピンポーン。
家のチャイムが鳴った。
なんだろ?宅配便でも来たのかな?
「はーい、今出まーす。」
僕が扉の鍵を解除し、扉を開けると、
「っっ!!!!!」
突然の訪問者に、驚きを隠せない。
僕の前に立っていたのは、先週駅で目が合った、
エメラルドグリーンの様な色の髪の女子高生その人だった。
「なんの用ですか。"紗夜さん"。」
僕は、そっけない口調で尋ねる。
彼女はもう、僕と関わっちゃいけない。
関わっても不幸になるだけだ。
用件を、聞いたらすぐ帰ってもらおう。
「優くん…。」
彼女が少し悲しそうな顔で呟いた。
しかし、すぐ顔を整え、
「あなたに、お願いしたことがあります。」
お願いしたいこと?なにをだ?
もしかして、あの時のことを教えて、なんて言わないだろうな?
それだったら、絶対にできない。
もう、あのことを鮮明に思い出したくなかった。
思い出したら、僕は自分を保てる気がしない。
「……お願いってなんですか?」
僕は彼女に聞き返す
「単刀直入に言います。
私たちのバンドの”キーボード”をやってくれませんか。」
予想外だった。
バンドのキーボード??
というか、紗夜さんバンドをやっているのか?
ギターは続けてるのかな…。
僕が黙って考えてると、
「私達のバンドは、今キーボードを探してるんです。」
「…はあ。」
「弾けるといっても、お遊びレベルの方ではなく、
私達と一緒に頂点を目指せるレベルを探しています。」
「それで、なんで僕なんですか?」
「あなたが昔キーボードを弾いてたのを思い出したからです。」
「買い被りすぎです。
そもそも僕あまりキーボード得意じゃないですし。」
「いえ、あなたのレベルなら、湊さんも認めるでしょう。」
そんなに、期待されても困るんですけどね。
とりあえず、適当に返事して帰ってもらおう。
「お断りします。僕には、バンドをする目的がありませんので。
それじゃ。」
「ちょっ……。」
バタン!と僕は勢いよく鍵を閉め、中に戻った。
僕には、音楽を楽しむ資格なんてない。
あの子を救えなかった僕には。
・・・・・・気分が悪い。
僕はそう思うと、リビングに戻ってまたゴロゴロし始めた。
結局今日は一日中、家でだらけてしまった。
次の日。
「優。」
日曜日の朝、部屋から起きてくると急に母さんが話しかけてきた
「何、母さん?」
「悪いんだけど、今日サークルに行ってくれない?」
「なんで?」
「オーナーが、優に楽器のメンテナンスを手伝って欲しいって。」
「メンテナンスって、スタッフさんじゃダメなの?」
「今日、休みが多くて、人手が足りないんだって。」
「えー。」
正直言って、日曜日に仕事なんてしたくないというのが本音だ。
「やってくれたら、
今度何か好きなもの買ってあげるって言ってたけど。」
「っ!!やります!」
「はやっ。」
母さんは少し呆れているが関係ない。
それなら、話は別だ。
何買ってもらおうかなー。
僕はその言葉を聞いて、猛ダッシュでサークルに向かった。
「オーナー来ましたよ。」
サークルのオーナー室に入って挨拶する。
「優くん、よく来てくれね。」
優しさそうな、40代ほどの女性が迎えてくれる。
「なんでも、買ってもらえると聞いて。」
「現金だねー君も。」
お小遣いをあまり貰えない小学生にこれほどの、
ご褒美があるだろうか。
いや、ない。
早速、僕は、頼まれていたギターやベースにメンテナンスを行っていった。
メンテナンスなんて、やり慣れてるから楽な仕事だ。
僕は楽器の隅々をチェックししたり、チューニングの確認をした。
見た限り特に、異常は無さそうだな。
ただ、このギターの弦少し錆びてきてるな。
弦が錆びていると、フィンガリングなどをした時、
フレットが傷ついてしまう
オーナーに変えていいか、確認しよう。
「オーナー、この弦変えちゃって良いですかねー?」
「できるなら、おねがーい。」
「わかりましたー。」
遠くにいるオーナーに確認を済ませ、弦を交換していく。
弦を交換し終えたら、最後にチューニングをして完成!
僕は、楽器を持ってオーナーがいる方へ向かう
「全て、確認し終わりました。」
「お疲れ様。ご褒美は私が暇な時にでも連絡するから。」
「わかりました。それじゃ、僕はこれで。」
「帰りに迷子にならないでねー。」
「余計なお世話です!!」
オーナーに少し揶揄われたが、問題はなし。
帰ってまたゴロゴロするかー。
そう考えながら、ライブハウス内を歩いていると、
~~~~~♪
うん?何か聞こえるな。
よく耳を凝らして聞くと、それが楽器の音ということがわかった。
何か弾いているのだろうか。
その音が気になってあたりを探してしまう。
音を頼りに歩いていると、音が漏れ出ているであろう部屋に着いた。
この部屋から聞こえる。
よく見ると鍵がかかっておらず。中の様子が覗ける。
覗き見なんて、あまり良くないけど…。
好奇心が打ち勝ち、中を見てしまった。
これは…。
中には、4人の高生ぐらいの女の人と中学生ぐらいの女の子がいた。
演奏をしているらしく、全員真剣な面持ちだ。
流れくる音の迫力から、全員かなりの技術を持っていることが伺える。
そしてなによりは、ボーカルの歌声だ。
彼女の歌声は生半可な技術じゃ、太刀打ちできないほど、洗練されていた。
………凄い。彼女たちの演奏はこの前聞いた、
グリッターグリーンと同等いや、それ以上だった。
演奏が終わった、その後の数分、僕はその場に立ち尽くしていた。
こんな、凄い人たち見たことがない。
そう思いながら、のぞいていると、
「いつまで、コソコソ見てるつもりかしら?」
「っっ!!!!」
どうやら、気づかれていたらしい。
そして、部屋の中の誰かが、扉を開けた。
「誰ですか!私達の演奏を覗いていたのは!」
扉が開けられ、彼女たちに僕の姿が晒される。
「すいません、凄い演奏だったのでつい!!」
僕は、全力の謝罪をした。そして、顔を上げると、
「何をしてるんですか?優くん?」
そこにいたのは、紗夜さんだった。
なんでここにこの人が?
僕は、昨日の出来事を思い出す。
『私たちのバンドは、今キーボードを探しているんです。』
っっ!!!!
バンドって、このことだったのか!
確かにこのレベルの人たちの集まりなら、昨日の発言も納得がいく。
「もしかして、キーボードの話を受ける気になったんですか!」
「いや…、そういうわけじゃ……。」
「紗夜、この子が言っていた例の子かしら?」
ボーカルの人に言葉を遮られる。
「そうです、彼の演奏は、私たちと肩を並べるほどです。」
ちょっと待ってくれ。ものすごく、僕に対するハードルが上がってる様な・・・・。
「なるほど、ならその実力確かめさせてもらうわ。」
「ちょっと待ってください友希那さん!
リンリンのことはどうするんですか!」
ツインテールをした、少し派手目の服を着た少女が尋ねた。
「この子の演奏を聞いて、燐子とどちらがいいか、
判断させてもらうわ。」
「そんな……。」
「あこちゃん、わたし…なら大丈夫だから。」
燐子と呼ばれた少女があこという少女をなだめる。
「友希那……」
茶色髪をしたいかにもギャルといった少女が心配そうに行った。
「それじゃ、さっそくやってもらおうかしらね。」
「ちょ、ちょっと、待ってください!」
「何かしら?もしかして、怖気づいたわけではないでしょうね。」
彼女は鋭い瞳で僕を問い詰める。
「いや、あの・・・・。」
彼女の瞳が怖くて、涙目になり言葉がとぎれてしまう。
「友希那、相手は年下だよ。そんなに、睨み付けないの。」
すかさずギャルの人がカバーしてくれる。
「・・・そんなわけじゃ。」
流石にそういわれると、友希那と呼ばれている人も少したじろいでしまう。
「ごめんね、友希那もわざじゃとじゃないから。」
「はい・・・。」
この人がいてくれてよかった。
「あの、せめてバンドスコアと音源そして、1時間ほど時間をくれませんか?」
「1っ、1時間!そんなに短くて大丈夫なの?」
「そ、そうだよあこも数日は練習はしたし。」
「む、無理しなくてもいいと・・思います。」
「優くん・・・。」
1時間というワードを聞いて全員、驚いている。
無理もない。
「1時間で、あなたは本気をだせるの?」
「急遽、時間を作ってもらったんです。これぐらい、やってみせます。」
僕は彼女達の前でそう言い切った。
「わかったわ。でもどこで練習するの?」
「っ!友希那。本当にいいの!」
「彼が、そう言ったのよ。できるというなら反対する理由はないわ」
「それに関しては問題ありません。隣の部屋をオーナーに頼んで貸してもらいます。」
「そう、なら今から1時間後になったらこっちに来てちょうだい。」
「はい!」
「無理だけはしないでね。」
ギャルの人が心配そうに言う。
この人、いい人なんだろなー。僕のことをここまで心配してくれて。
そう思いつつ、部屋をでて、オーナーの所に向かった。
オーナーに頼んでみると、’いつも手伝ってくれてるから’と言って無料で部屋を貸してくれた。
よしっ!とりあえず譜面を見よう。
僕は譜面を読み込んで、実際に弾いていく。
僕は、音を作り出すことは苦手だ、でも、本来あるものを’模倣’することは誰にも負けない!!
僕は熱が入り、本来やるキーボードだけでなく、ベース、ギター、ドラムまでもコピーしていった。
譜面をコピーし終わったら、音を聞きこむ。
コピーをするときももちろん聞いていたが、今度は目的が違う。
弾いているメンバーの癖や特徴を模倣していく。
何の効果があるかは、わからない。でも、しなければいけないような気がした。
それが、彼女達を助けることになる気がしたのだ。
そうこうしていると、あっという間に1時間が過ぎてしまった。
何故か、達成感で満たされている。
ここまで、本気になったのはいつぶりだろうか。
そう思っていると、友希那さんが部屋に入ってきた。
「時間よ。もう準備は、」
友希那さんは僕の周りを見て、
「できてるようね。」
少し驚いた表情で言った。
「はい!!!」
僕は自信満々に返事した。
「そう、なら行くわよ。」
僕たちは元の部屋に戻っていく。
「ほ、本当に1時間でやるつもりなの?」
ギャルさんが聞いてくる。
それに対して僕は、
「やります。音楽だけは半端にするつもりはないので、大丈夫です。」
「・・・・・。」
「言うわね。それじゃ、さっそくいきましょうか。」
友希那さんがみんなに準備を促す。
あこさんがスティックで合図をする。
~~♪
演奏が始まる。
僕はキーボードを鳴らす。
このメロディー何度聞いてもすごい。
僕は曲のメロディに夢中になりながら、演奏していく。
そうして、弾き続けていると、
うん? 何か違和感に気づく。
わかる、合わせている全員の演奏の特徴、苦手な部分。
奏でながら、そのことに気づき。
僕は、一つ工夫をしてみた。
みんなが合わせやすいように、アドリブを入れることだ。
これが、あっているかはわからない。でも、やらない手はない!
演奏の合間にアドリブを入れていく。
どのタイミングでいれるかが、手に取るようにわかる。
みんなの演奏が高まっている。
まさか、他人の真似がこんなことに役立つなんて・・・。
自分の謎の特技に驚いてたら、演奏が終了した。
みんないつもの演奏と違ったと気づいたのか、驚いた顔をしている。
「も、物凄く弾きやすかった!」
「うん、なんでかわからないけどいつもよりやりやすかった。」
「なぜ、今回がこんなに、やりやすかったんでしょう?」
「たぶんだけど・・。」
全員が僕のほうを向く。
え~、とりあえず問題はなかったらしい。
やって、呆れられたら、どうしようと思ったけど・・・。
「あなた、なにをしたの?」
友希那さんが不思議そうに尋ねる。
「えっ・・と、曲をコピーするついでに皆さんの演奏を聴きこんでみたんですけど・・・。」
「それで?」
「皆さんの演奏の特徴、苦手なところなどを僕自身が”模倣(まね)”してみたんです。」
「それが、何になるの。」
「そしたら、合わせている合間に、皆さんがやりやすいようなフレーズが湧いてきたんです。」
「それを、演奏中組み込んでみたんです。まぁかなり賭けでしたけど。」
全員、僕の言葉を聞いて唖然としている無理もない。
僕自身も今さっきできたことなんだから。
「なるほど、面白いわね。この子なら・・・。」
友希那さんがなにかぶつぶつ言い始める。
彼女が一人で呟いている間に、僕に一つの考えが浮かぶ。
これは、他の楽器でも、応用できるのでは?
僕は、その考えを試すために、友希那さんに頼み込む。
「友希那さん。」
「急に、なにかしら?今色々と考えているのだけど。」
「他の楽器でも、合わせていいですか?」
友希那さんの顔が険しくなる。
「なぜ?」
「この能力を他の楽器で、できるか試したいからです。」
僕は、彼女の目を見て、はっきり答えた。
「湊さん、いいんじゃないでしょうか。」
「紗夜?」
「珍しいねー、紗夜が無茶を許すなんて。」
「いえ、ただ彼の力が、もしギターにも、使えるなら・・・。」
「FWS(フューチャーワールドフェス)への切符に私たちは確実に近づけると思います。」
紗夜さんの言葉に、友希那さんが少し黙る。
そして、
「わかったわ。そこまで言うなら、全部やってもらいましょう。」
「っ!!!!ありがとうございます!!」
「ただし、中途半端な演奏だったら帰ってもらうわ。」
「必ずやってみせます。」
僕は、次はベースを持つ。
よしっ!やってやる。
この人たちに、僕の力を証明してみせる。
僕は、ベースでの合わせを始めた。
そして、僕はベースを筆頭にドラム、ギターと次々と演奏を成功させた。
ちなみに、ギターとベースは、メンバーの二人から借りました。
この力、ギターでも使える!
僕は、演奏が成功したのが嬉しくて、はしゃいでしまう。
はしゃいでる、僕をよそめに友希那さん達は、
「湊さん、彼はどうですか?」
「ええ、あの能力もそうだけど、基礎も申し分ないわ。」
「少し、考える時間を頂戴。」
友希那さんはそう言って、少し部屋を出た。
「ねぇ!!君すっごい!ドラム上手かったね!名前なんていうの!
あこは、宇田川あこだよ!」
ドラムの少女、あこさんが僕に抱きかかって言う。
「つ、月島、優・・です。く、苦じ・い・・。」
死んじゃう・・・、これ以上抱きしめられると、死んじゃう!主に恥ずかしさで!
いくら、小学生といっても、僕は、思春期。思春期にこれは刺激が強すぎる。
女の子って、こんな感じなんだ////。
「あーこ、急に抱きかかからないの。」
「ごめん、リサ姉。」
「ふぅ、死ぬかと思った。」
「ありがとうございます。お姉さん。」
「そんなに堅苦しくしなくて、大丈夫だよ。
私は、今井 リサ。気軽にリサって呼んでね。」
このギャルさんはリサというらしい。
一目でわかるほど、おしゃれだ。
僕は、ファッションというものを知らないが、おしゃれな人というのは彼女のような人なのだろう。
あと、もう一人の人は、
「あのー。」
「えっ・っと、わた・・し?」
「はい。」
「なに・・かな?」
「いや、名前を聞こうと、僕は、月島 優です。」
「えっと、白金・・燐子・・・です・・。」
「燐子さんって言うんですね!よろしくお願いします!」
僕は、元気よく彼女と握手する。
なんか、ものすごい、顔を真っ赤だけど、風邪かな?
彼女の表情の本位を、僕は知る由もない。
「あまり、ふざけないでくださいね。」
「友達ごっこなら、他所でやってください。」
紗夜さんが言い捨てる。
「っ・・・・。」
僕は、彼女をにらみつける。
場に気まずい雰囲気が漂う。
「なんですか?何か間違ったことでも言いましたか?」
「いえ、別に・・・。」
もう・・・、あの人は変わってしまったのか・・。
じつは、数週間前、彼女がバンドメンバーと喧嘩しているところを目撃してしまっていた。
喧嘩の内容は、’紗夜のやり方についていけない’。とのこと。
少し聞いた感じ、彼女たちは、ゆくゆくプロを目指していたらしいが、
紗夜さんの異常なまでの練習に体調を崩し気味だったらしい。
それを聞いた紗夜さんは彼女たちとの決別をあっさり告げた。
確かに、プロになるのは簡単じゃない。
その大変さは、母さんから散々聞いている。でも、それで、体調や寝不足に陥っては意味がない。
ましてや、バンドメンバーを大事にしないなんて、言語道断だ。
僕は、元々人を大事にしないやり方が嫌いだった。彼女もそれは、知ってるはず。
何が、彼女をそこまで、変えてしまったんだ。
僕が、思考を巡らせていると、
「遅くなって、ごめんなさい。」
友希那さんが戻ってきた。
「二人の、どちらをメンバーにするか、決定したわ。」
「「っ・・・・」」
その言葉を聞き、僕と燐子さんは身構える。
「私の今から言うことに不満があれば、聞くわ。」
「ーーー。」
彼女が呼吸を整え、はっきりと告げた。
「二人とも、合格よ。」
「「っ!!!!」」
想像してなかった答えが返ってくる。
「二人・・とも、合格・・。」
「あこ、なにか不満があるかしら。」
「いえ!!やったね!リンリン、優!」
「私・・やった・の?」
・・・二人とも合格?
「゛えぇえええええええええええええ!!!!!」
「何をそんなに驚いてるの?」
「いや・・、あの。」
このパターンで、二人合格なんて、聞いたことないよ!
普通片方落ちるでしょ!。
というか、入るつもりもなかったのに、引き返せない所まで、来てしまった。
「今からでも・・入るのはなし…というのは・・・。」
「っ・・・。」
友希那さんがとてつもないほど、怖い顔で、睨んでくる。
で、ですよねー(;^ω^)。
「なにか、文句でもあるのかしら。」
「な、なにも!」
「じゃあ決まりね。」
「優、おめでとう!」
「優、おめでとう!頑張ったね。」
「優君、とりあえずおめでとうございます。」
「わ、私も、一緒に頑張るから。優君、おめでとう。」
「ありがとう。じゃ、・・なあ゛ぁぁぁぁい!」
僕は、初号機パイロットか!
でも、ここまで来てしまったら仕方ない。僕も少し無理を言ったし。
あ、そういえば、大事なことを確認していない。
「友希那さん。」
「なに?」
「僕は、どの楽器をすればいいんですか?やっぱりキーボードですか?」
やるならこれだけは、確認しないと
「いいえ、キーボードは燐子よ。」
・・・・へっ?
なら僕は、何をすればいいんだ。
「じゃ、じゃあ、僕は、なにをすればいいんですか!」
僕は、友希那さんにせまる。
「落ち着いて、あなたの担当も決まっているわ。」
「そ、それは・。」
「あなたには・・・。」
(;゚д゚)ゴクリ…。
「ボーカル以外すべて、担当してもらうわ。」
「「「「「…え。」」」」」
本日何度目かわからない、・・・えっ。である。
「ゆ、友希那、それって。」
「湊さん、全てってどういうことですか!」
「簡単なことよ。彼には、曲によって、担当を変えてもらうの。」
「なるほど。」
確かに、僕は、ボーカル以外ならやることは可能だ。
「彼の、能力を一つの楽器だけにするのは、もったいないわ。」
彼女の言っていることはある意味間違いではない。
「試してみて、わかりましたが、楽器によって、いれるアドリブが確かに、変化します。」
楽器が違うので当たり前では、あるが、
「それを、最大限に活かすには、これがベストだと思ったの。」
「なら、今回の曲は、どうするの?友希那。」
「今回の曲は、彼の演奏を聴いて、ギターが最適と思ったらから、サブギターをお願い。」
「わかりました。」
ギターは一番得意なので、助かる。
サブギターってことは・・・。
僕は、紗夜さんの方を見る。
「よろしくお願いします。’月島さん’。」
彼女は僕と同じく、他人行儀な呼び方で僕を呼んだ。
この人と、か。まぁ、演奏以外では、極力関わらないようにしよう。
無論、それは、他のメンバーにもだ。
僕と深く関わったら、彼女たちを不幸にしてしまう。
それだけは、絶対に嫌だ。
僕が黙りこくっていると、
「みんな聞いて。」
友希那さんが全員に呼びかける。
「私達のバンド名を今、決めたわ。」
「そ、それは・。」
というか、今っていきなりだな。
「私たちの、バンド名は、”Roselia”。」
Roselia、いい名前だ。
何より、なんか、カッコイイ。
「Roselia・・・。」
「薔薇のRoseと椿のcamelliaの造語ですか?」
「そうよ。」
「いいじゃん!Roselia。ねっ、あこ、燐子。」
「・・はい!」
「うんうん、かっこいい!」
あこさんと考えてること一緒だったー。
みんなが、各々感想を述べていると、友希那さんが、続ける。
「私達は、この六人で、FWS(フューチャーワールドフェス)を目指す。」
FWS(フューチャーワールドフェス)。
プロを目指すミュージシャン達にとっての、憧れの場所。
僕も、かつて目指そうとした場所。あの人との約束を守るために、目指そうとした場所。
まさか、こんな形で、再び目指すことになるとは。
そして、友希那さんが、僕たちに問う。
「あなたたち、”Roselia”に全てを賭ける覚悟はある?」
この時が、バンドを結成して、最初にみんなの息があった瞬間だろう。
「「「「「もちろん!!!」」」」」
これから、僕のRoseliaとしての物語が、幕を開けていく。
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次回予告
みなさん、月島まりなです!!
今回は、かなりの長編でしたが、お楽しみいただけましたか?
私は、子供が自立していくようで、目から涙ものですよー。
うっーー ( ;∀;)
ちゃんと仕事しないと、優に怒られる。
それでは、
Roseliaの一員として、活動していくことになった、優。
優は、過去の経験からメンバーとあまり関わりを持とうとしない、が、そんな彼に、
慈愛の女神が微笑んだー!!
次回!!
「月島優と慈愛の女神。」
次回もお楽しみにー!