後半以降寝惚けて+子守りしながら書いたのでおかしな所あったら指摘をお願いします!
「ぁ……」
私は今、二度目の人生を終えようとしている。ーーーかつて、私は二十一世紀に生きる普通のOLだった。
正直、何が原因で死んだのか全く記憶にない。まあ、特に未練も無かったし、そもそも気が付いたら幼女に生まれ変わっていた訳で……
生前、私はかなりコアなオタクだった。趣味でイラストを描いていたり、SNSに漫画を上げていたり、夢小説を書いていたり、
とまあかなり守備範囲が広く、インスピレーションが湧くと行動を起こさずにはいられないアクティブオタクだったのだ。
ーーーそして、今世だが、まず意識がはっきりしたのは四歳の頃だ。
私の家は所謂、富裕層であり古くから続く家柄、血筋に誇りを持っている時代錯誤な家系だった。
この時代は私の前世から既に百年以上の時が経っており、前世からは考えられない程にディストピア化していた。
まず、国家が巨大な複合企業の下支配されており、空は黒く濁り触れるだけで肌が炎症を起こす程の酸性雨、海は下水と廃棄物の掃き溜め。
この世の地獄かと思った……が、私はこれでもマシな方だ。
なぜなら私は富裕層であり、安全環境都市であるアーコロジーというモノの中にいる限りはその様な地獄を見なくて済む。
それに食事も、私達富裕層にとっては当たり前の行為だが貧困層と呼ばれる階級の者たち。
彼らにとっては食事は当たり前のものでは無い。食事として摂取するのは所謂栄養食である。
人工肉ですら彼らにとっては高級品といえばその食生活が垣間見えるだろう。
それもジャンクフードの様な人工肉では無い。私も、一度だけ口にする機会があったがもう食べたいとは思わない。
それに義務教育も廃止され、小学校卒業が前世での高卒に相当する程の愚民化が進んでいる。ーーー人類とは、ここまで愚かだったのかと驚愕した。
そして私の家だが、まず幼少期から習い事で自由時間がなかった為同年代の友人など出来ず、
娯楽の類は親の許可した物だけであり、基本出来るのはテーブルゲームと読書くらいである。
その上通常の人間の倍以上の量勉強させられ、やっとの思いで大学を卒業し就職先を探していた矢先の事だった。
ただのお見合いというから内心億劫に感じながらも両親に着いていくと、政略結婚の道具にさせられそうになり、私は荷物を纏めて家を出た。
前世の知識というアドバンテージを活かして、かつて趣味であった作曲、それに絵描きの趣味を食い扶持にする事に成功した。
生活費とは別にある程度貯金しても生活に余裕がある程度の金額は稼げていた。
そんなある時、私はとあるゲームに出逢った。
ーーーDMMO-RPG【ユグドラシル<Yggdrasil>】
かつて、数多くのライトノベル等で題材となったVRMMOである。仮想ダイブ型というだけで心が躍るというのに、更にMMOというではないか。
これにはかつてのオタク魂が刺激され、事前予約で購入しサービス初日からプレイを始めた。
ゲームを始め、まず自キャラのコンセプトを決める為だけに数時間を要した。というのも私はこの世界に生まれ変わってからずっと思っていたことがある。
……この世界、かつて人気を博していた作品の内、半数以上が存在しない。
ーーー絶望、これ以上ない程の絶望である。メジャーなタイトルですらも、若干内容が違ったりする。
なんてことだ。有り得ない。ここは本当にディストピアだった。
と思い、再度過去の電子文献を漁ってみたが本当に名作達が少なくなってしまっている。ここでようやく気付いたのだ。
ーーーここは並行世界であったのだと。
◇
という訳で私は東方Projectのキャラを私の分身であるアバターの外装に決定したのだ。
このゲーム、基本的にNPCやプレイヤーの外装やボイスを変更するには特別なアイテムを使用した上でイラストレーターや声優に依頼をする必要がある。
勿論、普通にプレイする分には必要ないものだけど。
だから外装は自分で描き、声も自分で録音したものの、システムに反映させるにはエンジニアの協力が必要である。
こちらはプロに依頼して、やっとの事で私のキャラが完成したのである。
ーーー八雲紫
東方Projectという作品で、境界の妖怪や神隠しの主犯と呼ばれる大妖怪である。
神秘が淘汰されつつある世界が舞台で、人外達の楽園である幻想郷という特殊な土地を創り出した賢者の内の一人。
東方Projectというコンテンツには元となるゲームがあり、弾幕STGというジャンルの作品である。
その作品に登場する設定や、キャラクター達があまりに魅力的であった為、数多くの二次創作が有志達により生み出された。
私もその有志達の一人である。
二次創作においては幻想郷で最古参の妖怪である事からBBAネタや、
八雲一家といわれる八雲藍と橙を大事にしている描写から家族として扱う作品であったり、
元は作中で登場する秘封倶楽部の内の一人であるマエリベリー・ハーンであるとする作品があったり、
ポンコツ属性をこれでもかと盛られている作品や、シリアスに描写された作中でその言動から登場人物に黒幕と疑われまくる作品であったり。
兎にも角にも八雲紫とは魅力的なキャラクターであるという事だけ覚えていてくれれば問題はない。
そこからはビルドなどを考える必要が出てきた訳だが、その前にキャラ設定を明確にしておこうと文字に起こした。
拠点NPCや従者NPCならば兎も角、プレイヤー自身にフレーバーテキストというものは存在しない。一応装備やアイテムには設定出来るが。
まあこれについては課金すればプレイヤー自身にフレーバーテキストを設定する事が可能であり、
その内容によって一部のNPCイベントに於いて台詞を変更する事が出来た。
まあこんな仕様に課金する物好きは私くらいだと思うけど……
一応フレーバーテキストに記載した内容は主に原作や二次創作で語られた内容(主に異変であったり)を経験しているという事にしたり、
八雲紫のアイデンティティでもある強力無比な異能
ーーー境界を操る程度の能力について
は勿論のこと、身体能力は妖怪基準であるといった設定や使用する体術は人間のものとは違う。
北斗七星が北極星を食うまでの時間を一瞬で求められる演算能力を持っている、などなど。
正直どこからどこまでが原作か、二次創作かといった事はもう殆ど覚えていないので、断言できない情報は濁す様に記載した。
作中で登場するキャラクターの中では身長が高いといった情報などはしっかり覚えているので忘れず記載。
年齢については作品によって描かれ方が違うが、私は妙齢の美女とした。無論、美しさについても雅な表現で記載。
……原作では少女の姿と明言されていた気もするけど、二次創作を読み過ぎたせいかイメージ出来なかった。
他にも冬眠する……というのもあったが、これは幻想郷の結界の維持に能力のリソースを割いているのが理由という事にしておいた。
知ってる情報を書き終わるとあとは結界術に長けているであったり、霊夢の育ての親など、何処かで見た様な設定を付け加えていく。
あとは月に攻め込んで敗走したというのも一応記載しておく。無論、リベンジを果たしたとも。
友人である西行寺幽々子や伊吹萃香についても記載したはいいものの、語られていなかった設定も多いので濁しまくってしまった。
ちなみに、ユグドラシルに八雲紫が存在している理由についてだが……
これが中々どうして、難しい。
腐っても東方ファンとして幻想郷が滅びたなど、たかがゲームの設定とはいえ絶対に書きたくないし……
なので今は幻想郷の運営は他の賢者に、有事の際は霊夢に任せて休暇中という事にした。
正直、八雲紫と他の賢者達は仲がいいという訳では無い為、違和感は拭えないしそもそも紫が幻想郷をほっぽり出してそんな事するかとも思うのだが……
霊夢を信用しているというのは大体の作品で共通していた為、これを主な理由として記載した。
そうなると結界の維持なんかは全部霊夢任せという事になってしまう訳だが……
まあとりあえず置いておくとしよう。
そして、肝心の種族やビルドについてだが……
まず種族は最初は人間種で始めた。【スキマ妖怪】なんて種族がユグドラシルに存在している筈が無いし、人間種からでも異種族への転生は可能だからだ。
まあ、オリジナルの種族や
昔から、趣味といえど全力を尽くすタイプであった為、運営に願い事をするタイプの特殊アイテムを入手する事は可能だった。
そして思ったよりは、早い段階で転生が可能になった。
まあ仕事は在宅だったから基本的に家にいる時はほぼユグドラシル、という割と頭のおかしい生活だったので……それが原因かもしれない。
【スキマ妖怪】という私だけの種族に転生出来たは良いものの流石に【境界を操る程度の能力】というチート能力は実装して貰えなかった。
まあ当然である。こんなもの私にだけ実装したら他プレイヤーの反発が凄いだろう。
一応救済措置として
残念ではあるがこればかりはフレーバーテキストで我慢するしかない。
このスキマ妖怪という種族レベルはかなり強力な所謂奥の手の様なスキルがある為、5lv分で最大になった。
なので100lvの内95lvは
一応、分類としては精神系
本当だったら幻想郷の再現や、せめて幽々子や霊夢の再現はしたかったんだけど、全部は無理よね……
まあ最低でも、このゲームが終わるまでには
◆
さて……あれから時は流れ、ユグドラシルはサービス終了を迎えようとしている。本当に色々な事があった。
まず私は紆余曲折あってアインズ・ウール・ゴウンなるギルドに加入した。
何やら前身となるクランがあったらしい。一応その時代から交友のある人物は居たが、その時はまだ偶にアイテム交換をする程度の仲だった。
ある時、異形種狩りというものが流行った。八雲紫という存在が斯様な行いを許容するはずは無い。
……というのは建前でロールプレイの口実が欲しかった。
ゲーム中ずっとロールプレイしていた訳では無いが、そういう場に出くわした際は堂々と八雲紫RPでコテンパンにしてやった。
その時、たっち・みーという正義の騎士のロールプレイをしている人物と話が合い、彼に勧誘を受けてギルドへ遊びに行ったのだ。
なんとそこには私のフレンドと、リアルでの知り合いが数人居た為、私が異形種且つ、社会人という事でギルド加入する事になったのだ。
だが、私のアバターは一目見て異形種とは分からないし、イラストレーターは社会人なのかという疑問があったのだが。
……どちらも、皆が良いと言っているのでお言葉に甘える事にした。
それからはNPCを三人制作する権利を勝ち取り、八雲藍、そして橙を制作した。
……残りは幽々子、と思ったけど色々考えて一旦は保留したが、結局は制作せずに権利を譲った。
八雲紫の小道具である扇子や日傘を制作してまたも細かく設定を加えたり、自室を和風の屋敷っぽくしたり。
所有するグリーンシークレットハウスをマヨヒガに改造したり。
あとは……たった数回だけど私が主催してオフ会をした事もあったわね。
あの時は……お嬢様煽りされてウルベルトさんとガチ喧嘩したような……まあ、今となってはアレもいい思い出だわ。
これが走馬灯……なのかしら。
◇◆
ーーーナザリック地下大墳墓・玉座の間
つい先程ヘロヘロが過労による体調不良を理由にログアウトし、モモンガこと鈴木悟は最後の時を迎えるべく玉座の間へと移動していた。
「……紫さん、今日来るって言ってたんだけどなぁ。」
ーーー八雲紫
彼女は既にメンバーの殆どが引退したアインズ・ウール・ゴウンの中でも最後までギルドに籍を残してくれていた人物だ。
そして、ほぼ毎日ログインしていた。悟は、彼女が居たから自分もこのゲームを続けられたのかもしれないと考える。
メンバーが一人辞める度に、悟は心を引き裂かれる様な錯覚を覚えていた。悟には、ユグドラシルが全てだったのだ。
それは比喩ではなく文字通りの意味である。彼は既に天涯孤独の身である。
その上恋人も、友人もユグドラシル以外にはおらず、生活は困窮している。……彼は貧困層の人間である。
更にまだマシな方とはいえ小卒、それに生活にも決して余裕があるわけではない。
ユグドラシル以外の趣味がある訳でもなく、本当にこのゲームが無くなってしまうと自分は抜け殻の様になってしまうのではないか。
冗談ではなく本気でそんな事を考える。
交友関係も、ユグドラシルで完結している。
一応数人ほど連絡先を知っている人物もいない訳では無いが、ゲーム以外の話題となると話が続く自信が無い。
ーーー否、彼は恐れているのだ。
仮に、此方からコンタクトを取ったとして、会話に詰まったらどうしよう。相手になんて思われるだろう……と。
コミュ障とまでは言わないが、彼は根っからのボッチなのだ。
ユグドラシルのサービス終了が決まってからすぐの頃、悟は引退したメンバーを含めて最後のオフ会を提案したのだ。
連絡の着いたメンバーは返事を返してくれたが、その内殆どの返信内容は悟の望むものではなかった。
その数日後、紫さんが再度オフ会の提案をしたのだが、何と引退したメンバーを含めて20人ほどが集まったのだ。
悟は感謝すると同時に複雑な気持ちになった。……とはいえ、実の所理由は分かりきっている。
紫さんがとても美しい女性の方だからである。
実際、集まるメンバーの内女性は紫さんと、そのリア友であるぶくぶく茶釜さんだけだった。
ペロロンチーノさんは俺が企画した時も乗り気だったから許そうじゃないか。
紫さん……驚く事に彼女はリアルの名前も紫である。流石に苗字は違ったが。
彼女は所謂富裕層のお嬢様であり、その事に嫉妬したウルベルトさんと一悶着あったのだが……
紫さんは既に家を捨てて自立しており、家族との関係も好ましいものでは無いという事で自分の非を認めたウルベルトさんが謝罪して終わったのだが。
それに彼女はイラストレーターであり作曲家であり、シナリオライターなのだ。俺達とは比べ物にならないくらい稼いでいる。
彼女は偶にオフ会を主催してくれたのだが、その際の費用は全て彼女が負担してくれているのだ。
俺達も最初は遠慮していたが、結局は彼女の厚意に折れる事になった。
ウルベルトさんじゃないが、一時期は彼女に対して暗い感情が湧いた事もあるが、彼女自身がとても好ましい人間だった為に皆絆されたのだ。
あの捻くれ者であるウルベルトさんが絆される程だ。
そして……彼女に対して俺は普通以上の感情を持っている。まあ、この気持ちを表に出す事はないが。
なんと言っても俺と彼女では釣り合わない。彼女がそのような事を気にする人間であるはずも無いが、俺が気にする。
彼女には本当に恩しかない。この気持ちを伝えて混乱させたくない……それに、この心地よい関係が壊れるのが怖い。
実は俺は男性のギルメンの中で唯一彼女の家に泊まったことがある。彼女の手料理を食べた事もあるし、歌を聴かせて貰った事もある。
ペロロンチーノさんに自慢したら血涙を流していた。このエピソードがあるだけで俺は世間の中ではまだ勝ち組だという謎の自信すら湧いてくる。
それに、彼女のお陰で茶釜さんともリアルでの交友が出来た。
実は今でも偶に連絡を取ったりする仲である。……とはいえ、昨日はログインすると言っていたのに、何故来ないのだろうか。
ーーー少しだけ、寂しいな。
『モモンガさん!』
え、茶釜さん!?
アカウントを削除した筈の彼女から連絡が来た事に驚く。……これはゲーム内チャットではなくコンソール機の方のVC機能だ。
『来てくれたんですか!茶釜さん!』
『ごめん!違うの!落ち着いて聞いて欲しいんだけどさ……』
いつも明るく振る舞う茶釜さんの切羽詰まった声色に言い知れない不安を覚える。彼女は自分を落ち着かせるように深呼吸をして、口を開いた。
『ゆ、紫ちゃんがデモに巻き込まれて、殺されたんだって……』
『……は?』
他作品要素(ネタを含む)を挟むのはおーけー?
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全てを許そう
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駄目だ
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マイナー過ぎなければおけ
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ガッツリ過ぎなければおけ
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ネタだけなら許す