オバロ世界に境界の妖怪   作:Crimson Wizard

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急ぎで書いたので少し雑ですがお許しを


スキマ妖怪、説明する

 

誰もが言葉を発することが出来ない。……偉大なる死の支配者であらせられるモモンガ様ですらそれは例外ではない。

アインズ・ウール・ゴウンに属する全ての存在はたった一人の女の登場によって時を止められた。

 

「えーと、皆……ごめんなさいね?一応殺されたのは事実なのだけれど私は無事よ。かなり心配させちゃったわよね?」

 

モモンガと並ぶ、偉大なる至高の御方の言葉にNPC達は咽び泣きながらその無事を喜んだ。

……そのあまりの忠誠心にさしもの八雲紫すらドン引きしている、と気付いているのは彼女の式神である八雲藍を除いて誰もいないが。

 

まずはデミウルゴスが荒れ狂う内心を制御し、彼女に対する言葉を纏めようとするのだが……

それよりもモモンガが玉座を立ち上がり、彼女の胸に飛び込む方が速かった。

 

「ッ……紫さん!」

 

普段は冷静沈着を貫き、その神算鬼謀は文字通り並ぶ者など居ない……と思われているモモンガは普段の彼ならば周りの目を気にしてそれどころでは無かったのかもしれないが、生憎彼は仲間の事となると冷静さなど吹き飛んでしまう。そのあまりの大胆さにある者は(アルベド)は歯噛みし、ある者(シャルティア)は羨ましそうに眺め、またある者(デミウルゴス)はその尊さ(てぇてぇ)に涙した。

 

「あらあら、大胆ね。さ……モモンガ。本当に、心配を掛けてごめんなさい。」

 

彼女のその喋り方は普段の言葉遣いでは無く、

所謂ロールプレイ用の喋り方ではあったのだが今のモモンガは彼女が生きていた喜びでそれどころでは無かった。

 

「いえ……本当に、無事で良かったです。……おかえりなさい、紫さん。」

 

「ええ……ただいま。さて、散々お騒がせした上に唐突で申し訳ないのだけれど、皆に話があるわ。」

 

彼女はそう言うとモモンガから離れて玉座の間の近くへと移動した。玉座のすぐ横に彼女はスキマと呼ぶ空間の裂け目を創り出し、そこへ腰かけた。

それを見たモモンガは先程とは比べ物にならないほど鷹揚な仕草で玉座へと座し、深く身体を落とした。

 

「……先程はお前達の前で醜態を晒してしまったな、忘れてくれ。」

 

その言葉にやはりと言うべきかシモべ達から否定の言葉が飛ぶが、それをモモンガは片手で制し、口を開いた。

 

「さて、では無事に紫さんが帰還したので彼女から何があったかの説明をして貰いたいと思う。……紫さん、お願いします。」

 

「ええ、任されました。」

 

そこから語られたのはモモンガですら初めて聞く話であり、語られる途中何度も沈静化が働いたが彼は鋼の理性で彼女の言葉を遮る事を我慢した。

 

曰く、彼女は原初の妖怪でありその生まれははるか昔、古代日本であるという。

日本を知らないシモべ達の為に彼女は言葉を掻い摘んで説明し、リアルについての知識を与えた。

 

ーーーリアル

 

至高の御方々が住まわれるという、ユグドラシルより上位の世界。シモべ達の認識はこの程度であった。

まずリアルについての間違った知識を矯正し、不明な点があれば質問を受け付け、その度丁寧に回答を与えた。

そしてシモべ達の認識を改めた上で彼女は語った。

 

まず、モモンガ達の生活していたリアルと、八雲紫という存在が生活していたリアルは別物であるということ。

その世界は文明の発達に伴い、神秘が失われ、魔法や怪異といった存在達には生きづらい世界であったということ。

そんな中紫は、神秘の消えゆく世界で存在出来なくなる同胞達を救うべく、彼らの理想郷である世界を創り上げたということ。

 

それは特殊な結界により通常とは異なる次元に存在し、基本的に外側から干渉出来ない場所であるということ。

彼女はそこで生活を続けていたが、ある時気紛れに人間へと一時的に生まれ変わり、モモンガ達の世界で生まれ落ちたということ。

 

そしてユグドラシルというのは、地球という星の命を代償に発展した科学という力により生み出された電子の世界であるということ。

それは分かりやすくいうと遊技盤であり、ナザリックに属するモノ全て、そのシステムによりモモンガ達に生み出された存在であること。

そして、彼らを生み出した至高の御方というのは、リアルに於いては幾らでも替えのきく存在でしかないということ。

 

なのでユグドラシルに常にいる訳にもいかず、生活の為に仕方なくユグドラシルを離れた者もいるということ。

そして紫はリアルの方で、武装集団に襲われて殺されてしまったということ。つまりリアルの人間としての紫は死んだ、という事。

最後に、……何の因果か、あくまで電子上の存在であった筈のこのナザリックごと、彼らは異なる世界に転移してきたということ。

 

紫の語った話は、ナザリックに属するモノとして到底受け入れ難く、だが至高の御方である紫が嘘を言うはずがないという前提により、

全てのシモべ達はその話を信じた。だが、それと同時に他に存在する至高の御方はこの世界に来る事が出来ない、という話を紫によりされた。

 

彼らにとって受け入れられなかったのは、創造主が人間だったという事でもなく自分達が電子上の存在だったという事でもない。

至高の御方が帰還することは難しいという一点のみであった。

彼らの忠誠心は天元突破しており、そこに理由は無い。何故ならそうあれと定められたモノだからである。

 

なので彼らにとっては親が死んだ、というのに近い衝撃であり思わず膝を着く者も現れた。

 

紫も、モモンガも、その無礼を咎めはしない。……紫はともかく、モモンガにとってその気持ちは痛いほど理解出来るからだ。

 

彼も嘆いていた。何故皆で集まれないのか、再び一緒に冒険出来ないのか。……理由などとっくに分かっていたが、感情は別だ。

 

だが、そんなシモべ達に紫は語る。

 

本人達が望むのであれば、私は彼らをこの世界に連れてくる事が出来ると。

 

……当然、色めき立つシモべも居たが、デミウルゴスやアルベド等、聡明な者はこれほど残酷な事はないと考える。

 

何故か、それは紫が語ったのはあくまでも本人達が望めば、という事。

つまり、彼らがこちらに来る事を選ばなかった場合、それは創造主に見捨てられたも同然ということ。

 

だが彼らはそれを口にしなかった。デミウルゴスは仲間思いだから。アルベドは既に至高の御方という存在への執着が無いから。

 

彼らにとってその後、更に衝撃的な話題もあったのだ。

なんと、NPCとして創造された八雲藍と、橙はあくまで依代であり、藍はあくまで紫への忠誠、

その藍の式神である橙もナザリックへの帰属意識がないという。だが彼らはそれを咎めない。

 

……それが八雲紫によってされた説明であった為。

 

その後も色々と説明は続き、紫によって様々な爆弾を喰らわせられながらも、一旦集会は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……紫さん、色々と説明お願いします。」

 

モモンガの私室の豪華な椅子には、魂の抜けた髑髏が置かれていた。

 

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