オバロ世界に境界の妖怪   作:Crimson Wizard

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お久しぶりです。遅くなってごめんなさい。相変わらず立て込んでるのと買ったPC使えない環境なのでタブレットで書いてます。
ちょっと雑なところありますが落ち着いたらまた投稿します


冒険者登録

 

ーエ・ランテルー

 

バハルス帝国とスレイン法国の境界に位置する城塞都市であり、堅牢な三重の城壁に守られた軍事的、交易的にもリ・エスティーゼ王国の守りの要である。

そんな大都市では、見慣れぬ格好をした二人組の男が大衆の視線を集めていた。

 

「……なんかすげー見られてるな」

 

「一応、現地基準で装備考えたんですけどねぇ」

 

周囲の者には聞こえぬ声量でこそこそと喋りながらも堂々とした佇まいで目的地を目指しているのは、

組合の位置すら聞かずに街に入ったせいで冒険者組合の場所が分からず、アテもなく探し回っているモモンガとペロロンチーノである

 

「どうにもここらしいな……」

 

「じゃ、とりあえず登録しますかねっと」

 

様々な武装に身を包む者たちの出入りを見てここが目的地だと確信した二人は周囲の視線に晒されながら建物へと足を踏み入れる。

建物に入ると直ぐに冒険者と思わしき者たちの視線を吸い集める。

その視線は興味、敵意、嫉妬など様々な感情が交じっているが特に気にせず、受付嬢と思しき者がいるカウンターに並ぶ。

しばらく無言で待っていると、順番が回ってきたのか受付嬢に声を掛けられる

 

「では次の方どうぞー」

 

「冒険者登録をお願いしたい」

 

漆黒の全身鎧に身を包む男が一歩踏み出してそう言った

 

「はい、登録で御座いますね。ではこちらの用紙に記入をお願いします」

 

そう言って二人分の羊皮紙を受け取った男はスラスラと内容を書き込んでいく

 

「ありがとうございます、モモン様とロビン様ですねー。では登録料がお二人で銀貨10枚になります。」

 

受付嬢がそう言うと鎧の男はスっと懐から布袋を取り出し、ジャラジャラと音をさせながら銀貨を10枚ほど取り出して受付嬢へと差し出した。

 

「はい、丁度になります。一応講習や依頼の斡旋なども行っておりますが確認されますか?」

 

「……幾らです?」

 

「銀貨1枚になります。」

 

そういうと男は腕を組んで少し唸った後首を横に振った。

 

「かしこまりました。ではこちらがプレートになります。再発行の際は再度登録料が必要になりますのでお気を付け下さい。」

 

受け取ったプレートを少し眺めたあと受付嬢の言葉に頷いた男は礼を言いながら依頼の貼ってある板まで歩いていった

 

「紫さんがお小遣いくれてて良かったですね」

 

「文字も勉強してて助かったな……」

 

揃ってため息をついた後、少しでも割のいい依頼を物色するものの当然登録したての新人にそのような都合のいい依頼などなく、

仕方なくゴブリン退治の依頼を受けようとしたがそろそろ夕刻に迫る為、一旦時間を考えて今日は宿をとる事にした。

 

「全く、ロクな依頼がないな……」

 

「ゴブリン討伐て」

 

「じゃあとりあえず、どこか宿でも見つけましょうか」

 

そう言って辺りを歩き回っているといつの間にか日が落ちており、汚い宿を見つけると仕方なく扉を開いて中へ入る。

カウンターには強面のハゲ親父が座って酒を飲んでおり、こちらを見るなり無表情のまま愛想のない声を掛ける

 

「何泊だ?」

 

「一泊でいい」

 

「時間が時間だ。一部屋しか空きがねぇぞ?」

 

「別に構わないが、幾らだ?」

 

強面の男の言う金額を支払い、部屋へ向かおうとすると男が

 

「朝食が必要なら銀貨2枚だ、」

 

「食事は構わない、また必要なら声を掛けますよ」

 

モモンがそう言うと男はふんとそっぽを向いて再び酒を飲み出した

 

「おっさんのツンデレとか誰得だよ……」

 

「確かに愛想は悪いけど気にかけてくれてましたね」

 

カウンターの向こうでは冒険者らしき荒くれ者が酒を飲みながら騒いでいた様だが、こちらを見るなり嫌なものを見たと言わんばかりに顔を逸らす。

 

「なんか凄い嫌がられてませんか?」

 

「俺たち臭いか?」

 

正確には冒険者家業の長い自分たちの装備よりいいモノを身に着けている二人を見て僻んでいるだけなのだが、

そんなことは当然二人にわかるはずも無い。

そのまま部屋へ着き、ベッドへと腰を落ち着けようとするが相部屋ですらないようで狭い部屋に黄ばんだベッドがひとつあるだけだ。

 

「こんなとこで二人も寝れるか!」

 

「どうする?今日の所はナザリックに帰るか?」

 

と、二人で話し合っているところにパクリと空間が裂けて八雲紫が顔を出す

 

「うおっ!」

 

「なんだ紫さんか……」

 

モモンガは驚きの声を上げ、ペロロンチーノは紫と気づいてため息を吐いた

紫はその反応が気に入らなかったのかわざとらしくヨヨヨ、と泣き真似をしながら言った

 

「なんだなんて、酷いわぁペロロン君……せっかく貴方達にお酒と食事を用意してきてあげたのに」

 

「ごめん紫さん!」

 

「有難く頂きます、紫さん」

 

料理を前にした途端、匂いに釣られたのか即座に空腹になった二人はありがたく紫の持ってきた異世界らしい料理を受け取った

 

「シチューとパン?」

 

「この黒いのは干し肉ですか?」

 

「ええ、定番でしょ?見た目はそんなんだけど、パンもシチューもナザリックの食材だし、干し肉は藍が作ってくれてたのを貰ってきたわ」

 

そこで先程の紫の発言を思い出したのかペロロンチーノは紫に聞いた

 

「お酒は?」

 

ペロロンチーノの発言でモモンガも思い出したのかそのお酒とやらが気になり始める

 

「それっぽい火酒が無かったからこれはどうかしら?」

 

好きなのを選んで頂戴ねと言いながら紫が取り出したのは自分達の世代よりかなり前に流行っていたらしい市販の酒達……

 

「おお!飲んだ事ないです!」

 

「……ストゼロか、エロゲでしか見たことないなぁ」

 

ストロン〇ゼロ、一〇搾り、エ〇スビールなど、彼らにしてみれば一昔、いや少なくとも一世紀半ほど前に出回っていた代物である

 

「こういうのもあるわよ」

 

そう言って紫が取り出したのは立派な日本酒の数々……

 

「なんだこれ、黒龍?カッコよ」

 

「なんて読むんだこれ……」

 

「悪酔いしたくないのならおすすめはしないわ」

 

酒をほとんど飲んだことも無い人間がいきなり日本酒なんか口にしたら……そもそもお酒を美味しいと感じるのかしら

 

「私は一旦帰らせてもらうわよ?何だかここ嫌な臭いがするし……」

 

紫の発言で兜を外したモモンガは料理の匂いで誤魔化しきれない宿の臭いを思い切り吸い込んでしまい少し気分が悪くなった

 

「……確かにちょっと臭いですね」

 

「わんちゃん宿とらなくても良かった説ない?」

 

そうしてベッドに腰掛け、新鮮な料理に興奮している二人を見た紫は微笑みながら隙間へと消えていくのであった

 

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