敏腕美人検事(多分20代後半)「貴女が乗っていたMS、ガンダムだそうね? ガンダムなんて、普通に考えたら貴女のような子供が手に出来るものじゃない。――そうよねッ!?」( ゜Д゜)ノシバン!
学校作りを夢見る水星ちゃん(17)「……え、エアリアルはガンダムなんかじゃ……」
地検特捜部のエリート検事さん(20代であってほしい)「それは通らないわねッ!!」( ゜Д゜)ノシバンバン!!
水星からやって来たおのぼりさん(17)「はひぃ!」
どうなのおばさん(でもやっぱり三十路かもしれない)「当にカテドラルの協定で禁止されているガンダムを入手出来るルートなんて、そう多くは無い。それこそ、かつてのオックス・アースやヴァナディース機関の関係者でも無い限りは。――どうなのッ!?」( ゜Д゜)ノシバンバンバン!!!
マーキュリアンラクーンドック(17)「お、お母さぁ~ん!」(ノД`)・゜・。
~~茶番終わり~~
それじゃあ第4話、行ってみましょ~!
<――レン・アマミヤ、18歳。学籍番号KP041――パイロット科>
白髪交じりの髪をオールバックに
<両親は既に死去。現在は水星――“シン・セー開発公社”に身を寄せ、同社にて製造されたMS、エアリアルの専属パイロットを担当。――間違いありませんか?>
取調官が机を挟んだ対面に座る相手を神経質そうな三白眼でねめ上げながら、取調官が確認を投げ掛ける。
それに対し対面の相手――被疑者用の簡素な衣服を着せられた黒い癖毛の青年――レン・アマミヤは、小首を傾げる。
<おかしいなぁ? それ、さっき答えたばかりですけど? ああ、もしかして、メモのし忘れ――>
<間違いありませんか?>
とぼけた態度を取るレンの言葉を、先程よりも語気を強めた確認の言葉で
それで観念したか、はたまた冗談の通じ無さそうな取調官を詰まらないと判断したのか。少しだけ唇を尖らせる様子を見せたレンは、すぐにその表情を元の微笑み顔に戻して返答した。
<ええ、間違いありません>
その返答にピクリとも反応せず、淡々と取調官は次の質問を投げ掛ける。
<貴方は、自分の乗っていた機体が“ガンダム”――
<もしかしてそれ、乗った人間が呪い殺されるって奴ですか? 根も葉も無い都市伝説の。――いいえ、全くの初耳だ>
<
<いいえ。――それは知らなかったなぁ>
笑顔のまま、左右に首を振って否定するレン。
それを受けた取調官は、ふむ、と一旦何かを思案するような素振りを見せた後――手にしていたタブレットを乱雑に机の上に放り投げた。
電源が落ちてしまう程の勢いで叩きつけられたタブレットが、当然の如く激しい音を室内に響き渡らせる。――その音による威圧狙いの行為だ。
しかし、当のレンにはあまり効き目は無いらしく、彼はその瞬間こそほんの僅かに目を丸くしたが、すぐに、やれやれ、とばかりに何ら気分を害していない様子で肩を
そのリアクションがお気に召さなかったかどうかは判断し兼ねるところであったが、ともかくピクリ、と眉を微かに動かした後、机の上で手を重ねた取調官の質問はまだ続く。
<レン・アマミヤ。――貴方は、ガンダムをこの世に生み出した“ヴァナディース”のメンバーでは――>
そんなフロント管理会社内にある取調室の一室での尋問の様子を、内部に設置された監視カメラを通して見ている一団がいた。
レンの姿を見て、彼がガンダムに関わる者――“魔女”には見えないと口にする者。
彼とエアリアルについて、その裏に潜んでいるやもしれない
協定に反したMSを使用して決闘に勝ったのだから、先の決闘は無効だと
しかし、次の瞬間には彼らは一様にその口を閉じる。
<シン・セーの代表者を呼べ。――審問会を開く>
取調室の監視カメラの映像が消え、代わりに画面に現れるや放たれた
レンとグエルの決闘は、ある意味その発端ともいえるミオリネ自身も含めた、学園中の殆どの生徒達の“グエルの勝利、連勝記録の更新”という予測を
しかし、その勝利が正式に告げられる事は無かった。
突如
結果、決闘は中断。どういうワケか乗機諸共レンもその場からいなくなってしまったその時から、既に3日が経過した現在。
「よっ、と」
温室手前まで金属製の箱を両手で運んで来たミオリネは、ガチャン、とそれを手近な
中に収まっているのは各種工具であり、何故そんなものをここまで運んで来たかといえば、それは例の決闘の理由にもなった、荒らされた温室内の
「……アイツ、いつになったら戻って来んのよ?」
開け放たれた工具箱の工具の中から、取り敢えず落とされこそしなかったものの破壊はされてしまったプランターの撤去から始めようかとラチェットレンチを手に取ったところで、溜息交じりにミオリネはそう呟く。
アイツ、というのはもちろんあの癖毛の男子生徒、レン・アマミヤだ。
あの決闘以来、レンの姿は一度も見ていない。
フロント管理会社に連れて行かれたとか、彼が使っていたMSが“
ただ、その内戻って来るだろう、と何となく思ってはいる。――というか、戻って来てくれないと困る。
「こっちだって、いつまでもアンタの面倒なんて見てらんないってのに……」
そうボヤきながら肩越しに背後に目を遣れば、そこに立っていたレンのペットの黒猫が彼女に応じるように、ニャー、と一つ鳴いた。
決闘前に彼から強引に預けられたこの猫は、そのまま今日までミオリネが世話をしている。
初日は正直どうすれば良いか分からなかった。日課ゆえ手慣れている植物の世話とはまるで勝手が違うのは想像に容易い動物の世話は、彼女にとって全く未知の領域だったからだ。
が、いざ始まって見れば
というのも、この猫は驚く程に頭が良かった。
ミオリネが用意してやらずとも餌は自分で何処かから調達して来る上、食べ終われば自分で後処理をする。トイレも用意してやらずともどこかで勝手に済ませて来るし、教室など動物を連れ込めない場所へ行く時は勝手に何処かで時間を潰して来てくれる。
そういうワケで、殆ど何の苦労も無く猫との共同生活を終えられたミオリネであったが、それでもこの猫がレンのものである事に変わりは無く、彼女としてもいつまでもそんな生活を続ける気は無かった。
――と、そんな猫はミオリネの後ろからその隣まで歩み寄って来たと思いや、そこから工具箱の中を覗き込んでいたのだが、
「ニャーオ」
不意にミオリネが手に取った物は別のラチェットに口を近づけ、そのままそれを持ち上げて見せた。
「? 何? ――手伝う、って事?」
そう問い掛けてみれば、その通りだ、とばかりにラチェットで塞がっている口からくぐもった鳴き声が返って来る。
頭の良い猫だとは知っていたが、流石にこんな事までやろうとしてくれる程とは思っていなかった。それ故の感嘆の声が口を突いて出たミオリネは、それなら遠慮無くと、猫の方のラチェットに付けるソケットを工具箱から選ぼうとする。
と、その時であった。
「手伝うよ」
後方から声が掛かった。――文字通り猫の手を借りるという珍しい事態に少しだけ上機嫌になっていたミオリネの気分を、一気に低値へ引き摺り下ろす声が。
一応そちらに目を遣って見れば、案の定というか、そこには予想通りの顔が三つ。
「アンタ達のエースサマが壊してくれたんだけど?」
はっ、と一笑しつつ視線を工具箱と猫の方へと戻したミオリネは、そのまま後の三人――グエルの取巻きであるラウダ・ニール、フェルシー・ロロ、ペトラ・イッタに
その物言いにむっとでも来たのか、少し憮然とした口調でラウダが言う。
「兄さんから直すように言われたから」
「反省したってワケ?」
ほぼ無効扱いとはいえ、あの決闘でレンがグエルを
調子に乗ったドラ息子そのものでこそあるが、その一方で決闘については
最も、だからとグエルを見直す気はミオリネには全く無いし、それはそれとしてもう一つ疑問が生まれるのだが。
「で、その本人は?」
この問いに対し、ラウダからは欠席しているという答えが返って来る。
その欠席の理由が何であるかは、考える間でも無かった。
「ああ、決闘に負けたから呼び出されたのね。――
ファザコンらしい
すると、ラウダとは別の――消去法的にフェルシーとペトラの――声が順にこう煽り返して来る。
「無関心な親よりはマシでしょ」
「その点は娘もそっくりよね。自分の為に決闘してくれた編入生、ほったらかしてさ」
「……頼んだワケじゃないわ」
あの場でのグエルの
……だが、それはそれとしてレンの行動がミオリネを
だから、彼から一方的に預けられた猫の面倒もこうして見続けているし、戻って来た暁には、もう余計な事はするな、と彼のためにも釘を打っておくつもりである。
その事をミオリネはフェルシーとペトラに告げつつ、止まっていた手を再び動かし始めるのだが、
「知らないみたいだから教えて上げる。――彼、
嘲笑混じりに返って来た言葉が、再びその手を止めた。
「MSもスクラップだって! 私のパパが言ってた――」
そこまでフェルシーが言い掛けた時には、もうミオリネは既に立ち上がっていた。
そのまま振り返り、無言でフェルシーの方へと歩み寄るミオリネ。
その彼女の行動に剣呑な物でも感じたのか、や、やる気、と動揺も
それに続くように、ニャー、という鳴き声と共にレンの猫がミオリネの横に移動していたラウダの腹へ突進し、同じように口に咥えていたラチェットを彼に押し付けつつ、ミオリネの足下に着地した。
「そっちが言って来たんでしょ? ――直しといて」
ワケが分からず困惑している三人に、憮然とミオリネは告げる。
そのまま、足下の猫共々その場を後にしようするミオリネであったが――重要な事を伝え忘れている事にすぐに気づき、不愉快気に歯噛んでいた彼らの方を振り返って、一つ念を押した。
「中の植物と野菜――特にトマト。触ったら、殺すから」
今回はちょっと短め。なので5話目もすぐ投稿。
後半へ続く(ち〇ま〇子ちゃんのナレーション風に