私は元シャーレの先生である。今はしがない放浪者。ある日親しくしていた生徒達に裏切られ、たった2日前まで独房の中にいた。独房では、生徒からの暴言、そして暴行、看守のゴミを扱うような行い、などの仕打ちを受けた。だがある日私は解放され全てが怖くなった私はそのまま姿を消して逃亡した。
先生「もう、片目も見えないし上手く手が動かせないや、幸い足はまだ動くから良かった…」
自分の顔が見られないように深くフードを被る、今は顔が腫れたりしていてあまり人に見せられない格好になっていた。
ニュース「先生が消えてから2日が経ちました。まだ身柄は見つかってないようです。」
先生「私が解放された理由は私の無実が確証され冤罪になったから、生徒達は私のことを探してるだろうな…」
だが、私は既に心が壊れている。生徒を前にするだけで手が震え絶望に変わってしまう。だから逃げてきたのだ
先生「見つかるわけにはいかない…早くここキヴォトスから抜け出す方法を見つけないと…」
私は元々外から来た人間だ、入ってこれるなら出ることもできるはず。今のキヴォトスに居ては身が持たないので抜け出すことを決意した
先生「それにしてもお腹が減った…」
逃亡を続けてから、ろくに飯も食べていない。店に入るだけで私は指を刺されるほど有名になってしまったから何も買えずにいた
先生「いつまでこの生活を続けるのかな?…」
先生は前を見る、ビルに囲まれた中に一つ廃墟になってしまっている建物を見つける
先生「キヴォトスから抜け出す方法もわからない、ならいっそ死んだほうが楽になれるかな?」
廃墟を目指し歩み始める、今の先生は死が一番の幸福で希望になっていた
先生「あはは…このビルは高いね。キヴォトス中を見渡せる」
広く澄んだ透き通るような世界、そこは正しく楽園に近い光景であった
先生「この風景は好きだな、元々生徒の事は好きだったのに…なんでこうなったんだろ」
先生「もういいか休も…」
先生は飛び降りる、自由落下をしてる中で生徒達とも物語がフラッシュバックする
先生「あぁ、いい人生だった…」
地面に到達してトマトのように潰れる、赤黒い液体が地面に流れ広がっていった
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先生「………」
真っ白の世界だが何処かで見覚えがある。何処かに進む列車の中一人の少女が反対に座る
「先生すみません。私のミスでした」
先生「君のミスじゃないさ。これも私が選択したことだし…」
「ごめんなさい…この事件が起きたのは誰かが先生の事を嫌うように仕向けたものでした。それは先生に何も関係のなかったものなのに…」
先生「そっか、生徒達は悪くなかったんだね。安心したよ」
「ありがとうございます。あの子達の事を今でも好きでいてくれて…」
先生「うん、それが先生だからね。って自分から死んじゃったから先生失格か!」
「……先生もうすぐ目を覚まします。これから先生に起きることは生徒からの贖罪になるでしょう…」
先生「えっ?私生きてるの?こう言ったけど流石にもう無理だよ?」
「それは分かってます。今の先生は身も心も限界でしょう…ですがそれを乗り越えれば先生にとってもいい結果になると思います。だから頑張って耐えてください。」
先生「…ホントにいい結果になるのかな?もう、嫌なんだけどね…」
「すみません、時間のようです。」
先生「そっか、もうお別れなんだね。」
「はい…先生お疲れ様でした。」
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気がつくとベットの上にいた
先生「あぁ、また死にきれなかった…」
あたりを見渡す、ここは救護騎士団の一室
であると確信した。
先生「あはは…生徒にも見つかったのか」
そう考えていると一人の生徒が入ってきた
セリナ「先…生?目を覚ましたんですか?」
先生「やぁ、セリナ」
セリナ「あっ、動かないでください!今ミネ団長を呼んできます」
セリナがミネを呼びに行きすぐに戻ってきた。
ミネ「先生、目を覚ましたんですね…」
先生「うん、見つかった時はどうなってたの?」
ミネ「見つけたのはたまたま通りかかった私です。先生の状態は酷い事になっていました。今生きているのは奇跡ですね。」
先生「そっか…」
ミネ「今はゆっくり休んで傷を癒してください。後のことは私達がするので」
セリナ「先生一緒に居てもいいですか?」
先生「ごめんね、一人にしてくれ」
セリナ「そう…ですか……」
二人は部屋から出ていった
先生「あはは…もう限界かな…」
先生は静かに意識を失い眠ってしまった
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また目を覚ます。周りは変わらず白い壁に消毒の匂い、昨日起きたことが現実だとわかり絶望する。
先生「はぁ…」
ため息が咄嗟に出てしまう。私は死にきれず。また絶望的な日々が続くと現実を叩きつけられる。
セリナ「先生起きたんですね。」
先生「うん、おはよう」
セリナ「先生あの…」
セリナが近づこうとする、だが私はそれを拒否してしまう
先生「ごめんね?近づかないでくれ…」
セリナ「……っ!」
先生「ごめんね?セリナが悪いんじゃないんだ、少し生徒が近づくと震えが止まらなくなるだけ…」
セリナ「ごめんなさい先生…」
先生「いやいいよ、謝らなくて」
セリナ「先生は私達が憎くないんですか?」
先生「うん、それは平気だよ。何故か分からないけど生徒は悪くないって思うんだ」
セリナ「そうですか…ですが謝らせてください。あの時助けれず、すみませんでした。」
先生「うん、いいよ。これで後ぐされなしね?」
セリナ「はい!ありがとうございます。」
今日一番の笑顔がでた生徒には笑顔でいて欲しいと私は密かに思った
セリナ「先生が起きたことを他の人に伝えるのは大丈夫ですか?」
先生「うん、いいよ」
セリナ「ありがとうございます。では失礼しますね?」
セリナは足早に部屋を飛び出していった
先生「……はぁ…やっぱり駄目だ…早く治さないと…」
体の震えが止まらない、生徒と話すだけで頭が真っ白になる。こんな感情はすぐに捨てないといけない
先生「まだ、この悪夢が続くのか…」
コンコン
ドアがノックされた誰かが来るようだ
ミネ「先生失礼します。」
先生「やぁ、ミネおはよう」
ミネ「おはようございます。体に異常はないですか?」
先生「うん、この通り元気だよ」
体を少し動かしてみるが所々動かない部位がある
ミネ「…すみません。もう動かさなくて大丈夫です。」
ミネ「先生、他の生徒さんに見つかったことを知らせていいと聞きましたがホントですか?」
先生「うん、私も皆と会いたいしね…」
引きつった笑顔を見せミネを安心させようとする
ミネ「そうですか、なら今日の午後から面会を始めようと思います。」
先生「わかった、それまでに準備しとくね?」
ミネ「後、余り無理をしないでくださいね」
先生「大丈夫私は先生だから…」
ミネが心配そうな顔をしながら部屋を出ていく
一人の時間が続き午後の面会の時間になった
コンコン
先生「どうぞ」
ホシノ「…失礼します。」
入ってきたのは小鳥遊ホシノ、アビドス高校の生徒だ
先生「やぁ、ホシノ元気にしてた?といってもその格好じゃそうもいかないよね?」
ホシノを見るに手首にはリスケ跡、服も乱れ、髪がボサボサになっていた
先生「ごめんね、つらい思いをさせて…」
ホシノ「違う、つらい思いをさせたのは私なの!先生の目ももう見えないでしょ?」
先生「うん、でもこんなの些細な事だから気にしなくて平気だよ。」
ホシノ「私はまた自分で大切な人を見捨てようとしたの!また、また……」
先生「そうだね、ホシノがした事は許されない…でも私が許すと言っているんだ。なら受け取ってくれないかな?」
ホシノ「っ!先生ごめんなさい!次は見捨てないから…」
ダムが決壊するように涙が溢れ、ごめんなさいを繰り返し言っている。そんなホシノを優しく抱き寄せる
先生「ホシノは悪くないよ、私はホシノを責めたりしないさ、だから安心して?」
ホシノ「先生…先生〜…」
ホシノは泣きつかれたのか眠ってしまう。あぁ、目も腫れちゃって可愛い顔が台無しだ
先生「ホシノは寝ちゃったね…」
先生「セリナいる?」
セリナ「はい先生」
先生「ホシノを別のベッドに連れてってあげてくれる?」
セリナ「分かりました、では次の面会者が来てるのでそちらをお願いします。」
先生「うん、じゃあ通してくれる?」
ホシノをセリナに預け次の面会者を待つ
待ってから数分が経過した
コンコン
先生「どうぞ」
ヒナ「先生失礼します…」
先生「やぁ、ヒナ」
空崎ヒナ、ゲヘナの風紀委員長でよく私を守ってくれてた生徒
先生「久しぶりだね、元気にしてた?」
ヒナ「ごめんなさい、あの時助けられなくて…」
先生「いや、いいよあの状況はヒナも逆らえないものなんだし」
ヒナ「それでも!あの時先生が悪いって思って部屋に塞ぎ込んで先生を助けられなかった…」
先生「でも、私はこう生きてるんだ。なら次こんな事が無いように私を守ってくれればいい」
ヒナ「先生…」
先生「ならヒナが一つだけ私の命令聞いてくれる?」
ヒナ「うん、何でも言って」
先生「なら、前みたいにヒナを甘やかしたいな、なでなでとかしてお話したり」
ヒナ「うん、先生の為なら…」
数時間ヒナを甘やかした、ヒナは初めは不安そうだったが途中から笑顔になっていた
先生「やっぱりヒナは笑顔が一番だね。」
ヒナ「ふふっそう言って貰えると嬉しいわ」
ヒナ「あっ…もうこんな時間なんだ」
先生「そうだね、暗くなっちゃう」
ヒナ「ごめんね。ホントはまだ先生と居たいけど行かなきゃ」
先生「そっか、ならお別れだね」
ヒナ「また明日も来ていい?」
先生「うん、ここで待ってるよ。いつでもおいで?」
ヒナ「わかった、じゃあね?」
ヒナが部屋から出ていく、一人残された先生はどこか不安になっていた
先生「はぁ…はぁ…落ち着けヒナは私を襲ってこない…優しくて守ってくれるんだ、恐怖の対象にするんじゃない…」
長時間の生徒との接触それだけで心がすり減っていく
先生「落ち着かないと…落ち着かないと」
コンコン
その時部屋にノックが入る
ミネ「先生少しお話が…」
一度平常心を保ちミネを入れる
先生「うん、今は大丈夫だよ…」
ミネ「では、失礼します」
先生「で、どうしたの?」
ミネ「先ほど早瀬ユウカさんという方が先生に渡したい物があると言い、これを受け取りました。」
そこには馴染深いシッテムの箱、だが所々傷ついていてボロボロになっていた
ミネ「これは、先生がいつも持ち歩いていた物だと聞きます。ですのでこちらは先生が預かっていてください」
先生「そっか、ユウカにありがとうって言っといて」
ミネ「分かりました、では失礼します。」
ミネが出たのを確認してシッテムの箱を起動しようとした。
だが起動は出来ず画面は暗いままであった
先生「…あは..はアロナとプラナにはもう会えないのか…」
先生「あぁ、生徒は私から全て奪うんだね。もうやだな…」
ふと机を見る、そこにはいつもホシノが持っていたショットガンが見える
先生「……もういいよね?生徒達には謝ったし…」
ショットガンを手に取り頭に銃口を当てる
先生「やっとだ…やっと休める」
ショットガンの引き金を押し炸裂音がする。部屋には紅く染まったベッドと頭がなくなった一人の男性の遺体だけが残った
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翌日先生が病室で自殺したと報道があった
先生が見つかったのが昨日であったので生徒はまたも混乱した
〜〜ヒナSide〜〜
先生が死んだと報道があった…昨日の約束どおり先生の病室に向かおうとした直後であった為ヒナの頭は真っ白になっていた
ヒナ「えっ?先生が死んだ?何かの間違いだよね?あは…は..早く先生の所に行かないと……」
ヒナは走る既にいない先生の影を見ながら
〜〜ホシノSide〜〜
電気もつかず荒れてしまった部屋に少女は一人ベットの上に座り込む
ホシノ「あぁっ…昨日先生の部屋で寝ちゃって忘れていた私の銃…あれが先生を殺した…」
ホシノ「銃はすぐに帰ってきたけどもう先生は帰ってこない…」
自分の銃で先生は自殺した、その現実だけが残りホシノは自分を憎む
ホシノ「また…またやっちゃったのか、私はいつも大切な人を守れない…先生が死んだ銃…これを使えば一緒の所に行けるのかな?」
先生を殺した銃、私の愛銃を口に咥え引き金を引く、ホシノの部屋に一つの銃声が響いた
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先生は開放される、絶望という渦の中ようやく自由を手につかむ
そんな中一人の少女はキヴォトスを見る
「先生という希望がいなくなってしまいました。光がなければずっと影のまま、これからキヴォトスはどうなってしまうのでしょうか…」
そろそろ意識も消える。
光が消えていくキヴォトスを見ながら電車の中で少女は息を引き取った