黒崎一護なオリ主と五条悟   作:ラムセス_

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漏瑚戦

 

 課外授業ということでインスタントに十秒で軽く外に呼び出された今現在。

 

 ちなみに虎杖も一緒だ。

 虎杖は五条の瞬間移動術式に同伴し、俺は自前の瞬歩で目的地へと移動する。

 

 目的地は割と近場であった。

 五条の案内に黙ってついていけば、目の前には何故か野生の強そうな呪霊がいた。

 一つ目で火山みたいな頭のてっぺんから煙を吹き出しているあたり、いかにも炎熱系といった感じの見た目である。

 

 ビリビリと感じる気配から察するに、この間の特級呪霊「イヌガミ」並かそれ以上の強さと考えられる。

 

 領域展開について教えてもらえるということでついてきたが、まさか特級呪霊相手に実戦形式でとは思わなんだ。

 こんな街に近い場所に特級が出るなんて、窓やら補助監督やらはこれを知れば大騒ぎだろう。

 

 しかも五条は「君、弱いよね」とか言って火山頭を煽る煽る。

 そのせいで喋るタイプだったらしい呪霊がマジギレして掌印を組む姿を見て、慌てて結界を発動させる。

 

「っやば、聖域礼賛(ザンクト・ツヴィンガー)!」

「お、新技」

 

 己の無限で護られた五条が間の抜けた声でこちらを興味深そうに見た。

 お前はあっちの呪霊に集中してくれ頼むから。

 

 なお、虎杖に関してはきっちり五条の霊圧で包まれているので問題ないだろう。

 虎杖が多少怯えているようだが、これに関しては仕方あるまい。

 

 実力差、霊圧差に関して言えば初期チャドが剣八に出会ったみたいな状況に近いからな。

 

 呪術師にとっての卍解、領域展開によって空間がぐるりと塗り替えられ、狭苦しい噴火口へと景色が変化する。

 ぐつぐつとしたマグマが熱と煙を纏い、赤く禍々しい光を伴う亀裂が壁中に刻まれている。

 

 まさに灼熱。炎熱地獄に違いない。

 

 聖域礼賛越しに酷い熱を感じ、俺は思わず叫んでいた。

 隣で五条がジロジロとこちらをみている。

 

「あっっつ!!!なんだこれ!?」

「なるほど、その結界、落花の情みたいな正の呪力のカウンタープログラムなんだ。それに加えてこの気温にも耐えるような強力な防御効果も備えてる」

 

 五条が聖域礼賛に手を近づける。

 すると自動反撃機構である神の光がそれに反応し、五条の手を差し貫かんと光の刃を射出した。

 

「うーん、でもコストが重いなー。ここまで重いと憂太でも使うだけで呪力がカラッカラになりそう」

「別に俺が使う分にはこれでいいんだよ!で、あんた行かないなら俺が代わりに行くけどいいのかよ!」

「いやいや、悠仁に領域展開について教えるからまだ待って」

 

 そしてパキンと音を立て、なんてことはないように神の光は五条の無限に阻まれて無効化された。

 やっぱり反則だよな、無下限術式……などと思う今日この頃。

 

 虎杖が目をまん丸にして辺りをキョロキョロと観察して疑問を口にする。

 

「すごい火山じゃん!あと黒崎の青白い妙な十字架フィールドなに?」

「俺のは虎の子の結界。火山は知らね。あの呪霊の領域展開だろ」

 

 と、そこまで話したところで俺に向かってものすごい物量のマグマが降り注いだ。

 

 瞬間、聖域礼賛(ザンクト・ツヴィンガー)の自動反撃機構、神の光が再び射出され、マグマはその質量ごと跡形もなく消し払われた。

 

 相手が無限でもない限り、この神の光は極大の攻撃として機能する。

 なにせこれは滅却師の攻防一体の極大防御呪法。

 並の攻撃とは比べ物にならない。

 

 険しい顔をした火山頭がこちらを見て、しばらく沈黙した後何事か呟いている。

 

「貴様………」

 

 何か言いたげな様子だ。

 俺のことを知っているのだろうか、警戒とともに動揺する気配が伝わってくる。

 

 それを意にも介さず、後ろではつらつらと領域展開に関する講義が続いている。

 なんとも締まらない状況だ。

 もう自分だけでやってしまおうか、と思ったあたりで五条の話が終わったのかこちらに声がかかる。

 

「あ、そうだ。一護は領域展開使える?使えるならちょっと使ってみてよ」

「いや……そういうのは考えたことねーな。一回コッキリの必殺技みたいなのなら使えるけど」

「あー。そっちも興味があるけど今回とは趣旨がズレるなぁ。なら僕の方で使うか」

 

 五条が掌印を軽く結んで、気負わず流れるように呪力を込める。

 

 かっこいいからそういうの使ってみたいな、と思わないでもないが黒崎一護で結界系の必殺技なんて思いつかないしなぁ。

 無月は真の意味での単発技だから使えないし、卍解・虚化・完聖体は通常技と大差ない。

 真なる斬月の始解・卍解は一応隠し玉だが、領域展開と言われると首を傾げざるを得ない。

 

 うーん、と唸っていれば、気付けばあたりは上も下もない広大な宇宙に変化していた。

 

「おわ、っ!?」

 

 瞬間、ビリビリと聖域礼賛(ザンクト・ツヴィンガー)の表層が震える。

 どうやらかなりの負荷がかかっているようだ。

 結界が壊れたら一巻の終わりのような気がして、追加で遠慮なく霊圧を喰わして聖域礼賛を強化する。

 

 五条は不自然に硬直する火山頭のそばへと悠々と近寄って、ぼっとその頭を引き抜いてからその領域展開を緩やかに解除した。

 まさにあっけない、としか言いようがない。

 

 結界が解除され、地面に足をつくと少しだけホッとする。

 あの領域を受けるのは一瞬であったとして絶対厳禁だ、と感じたからだ。

 

「うん。一護も無事だね」

「あんた俺にまで遠慮なくやりやがって……聖域礼賛がミシミシ言ってたんだぞ。俺までやられたらどうしてくれんだよ!」

「いやぁ、特級呪霊の領域が思ったより硬くて。というかよくあれで無事だったね。領域の押し合いに強すぎない?」

「結果オーライかよ!!ふざけんな!!!」

 

 怒ってもノーダメらしくははははと明後日の方向を向いて笑うばかりだ。

 推し黙ったままの虎杖は何を思うか、呆然と火山頭の生首を見つめて固まっていた。

 

 五条はその生首を足で潰したまま、俺に気軽に問いかけてくる。

 

「この呪霊、一護ならどう倒してた?」

「いや、普通に聖域礼賛でマグマを防ぎつつ月牙天衝で圧殺してたと思う」

「うーんこの頭ゴジラの発想。いいよね、物量があれば細かいことなんて考えなくて済むから」

「うっせーな喧嘩売ってんのか!!」

 

 喚き立ててみるものの、確かに黒崎一護たる俺には派生技というか、細かな技能的なものが足りない気はする。

 月牙天衝一本攻めが黒崎一護の良いところではあるのだが、それ以上に敗北は似合わないのが主人公というものだ。

 

 変に敗北する前に、何か俺も細かい小技を覚えたほうがいいのだろうか、などと真面目に考えるのであった。

 




・五条の認識
みんな……花。か弱い。愛でるもの。
一護……ゴジラ。唯一の同胞として花を愛でるときの心構えを教えねば。
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