黒崎一護なオリ主と五条悟   作:ラムセス_

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マイフレンド

 

「ちょっとちょっと聞いてないわよ!!!見せなさいよ!持ってるんでしょ、写真!」

 

 などと釘崎に恫喝されて、俺はおずおずと織姫と夏休みに京都旅行しにいった写真をフォルダから引っ張り出した。

 

 釘崎、大男、そして女の方も結構枚数があるそれをどんどん確認している。

 釘崎なんかはなんだかいかがわしい写真でも無いかと確認しているかのような必死さだ。

 

「うわっ美人!可愛い系!そして胸!なにこれ…やっぱ黒崎も男だったってことね…」

「………」

「特級ともなると女にもうつつを抜かせる程度には余裕なわけ。いいご身分よね」

 

 女の方がため息をついて嫌味を言った。

 「男っていつもそう!そういう女子が好みなんでしょ!」と理不尽にキレ散らかしていた釘崎がキッと苛つきを思い出したかのように女を睨みつける。

 俺を挟んで喧嘩はやめてくれ。

 

「絵に描いたようなラブラブじゃんふざけやがって!あーー全萎えだわ。私にいい男との出会いなんてないってわけね」

「黒崎、彼女とかいたんだな」

「おう。伏黒はいねーのか。イケメンだしそういうのは不自由しねーだろ」

「普通、術師は政略結婚が多い。恋愛婚なんて聞いたことがないな」

「お……すまん……」

 

 伏黒に現実を浴びせかけられ、つい謝ってしまう。

 「黒崎も特級術師だし、そういうの来ると思うから気をつけろよ」なんて忠告までいただいて、なんとなくブルーな気持ちにならざるを得ない。

 彼女がいるっつってんのに来るの?それは何らかのハラスメントではないのか?

 

 と、そこで何故か無言の大男が震えている。

 そこで隣にいた伏黒に耳打ちされて、大男の名前が東堂だということをようやく知った。

 

 東堂はなぜか感じ入ったように拳を震わせ、じっくりと余韻を堪能した後こちらをばっちりと視界に写した。

 

「宿敵(マイフレンド)よ。河原で殴り合ったあの日々を俺は覚えているぞ…!」

「ぅん?」

「そうだな。いつだってお前は俺の一歩先にいる、そういう奴だった。完璧でなくとも、何かを掴み取って走るお前を羨みもした…ッ!」

「待て、言ってる意味が何もわからねー」

「お前こそ俺の生涯の宿敵(フレンド)!!!」

 

 いつのまにか五条の無量空処を喰らってしまっていたようだ。

 いつまで経っても情報が完結しない。

 

 宇宙猫みたいな顔でポカンとしてたら、「しまった、もうこんな時間か!高田ちゃんの個握がはじまってしまう!!」と東堂が慌て出した。

 むしろそれが東京に来たメイン用事みたいな雰囲気すら出している。

 

「宿敵(フレンド)!交流会で待つ!その時にまた雌雄を決しようじゃないか!あの時のようにな!」

「お、おう。あの時って何だ…?」

「ちょっと待ちなさいよ!?私はそんなイベントは付き合わないわよ!?ちょっと!」

 

 遅れて嫌味っぽい女の方──真希先輩の妹の禪院真依というらしい──がそれに続く。

 2人が去って、妙な静寂だけが空間に取り残されている。

 一体なんだったんだあれ、なんの術を使われたんだ。

 そんな絶妙な空気感が俺、伏黒、釘崎を支配したのだった。

 

 

 

 

 

 そんなころ。

 真人はこてりと首を傾げて羂索に問いかけていた。

 

「黒崎一護?」

「そう。新しい特級にして、君にとって鬼門となるであろう術師だ」

 

 場所は蕩蘊平線、すなわち特級呪霊の生得領域の中。

 領域とは思えぬ優しく平穏なそこで、呪霊の頂点に立つ特級たる2人が微睡んでいる。

 

 片方は真人。人への恐れより生まれた呪霊。

 片方は花御。森への恐れより生まれた呪霊。

 

 真人は椰子の木にかけてあったハンモックから降りて、美しい砂浜の上でのんびりと伸びをした。

 

「へぇ。俺のカウンターになる術師、か。楽しそうだ」

「漏瑚も祓われた今、お互いあまり人数は減らしたく無いだろう?あまり無闇なちょっかいは控えておくことをお勧めするよ」

「ふーん。ま、忠告自体は聞いておくかな」

 

 考慮する気がさらさらないのが分かる声色に、羂索は内心眉を顰めた。

 羂索の見立てでは、間違いなく魂を操る術式としてあちらの方が格上だったからだ。

 

 千年以上。

 あらゆる人間とその術式を見てきた羂索にとっても、あの術式はまるで未知の領域であった。

 複雑怪奇かつ信じられないほどの呪力量でようやっと動かせるほど重い術式。

 

 砂浜の上に置かれたビーチチェアに横になって、羂索は思案を巡らせた。

 

 おそらくあの術式は4段構成。

 基底として、あれは何らかの形で深いところまで魂を扱う術式だ。

 

 一つ目の力は、刀を起点にした術式。

 

 いくつか、あの術式の把握のために真人の改造人間で黒崎一護を襲わせている。

 その時の結果からして、彼の持つ刀は基本的には釈魂刀に似た魂を切断する性質があるのはわかっている。

 

 彼の言葉も参考にすれば、「魂の罪をそそぐ」刀であるらしい。

 その超重量級の術式は、輪廻転生にも踏み込んだ力である可能性は否定できない。

 

 二つ目が仮面を中心とした攻撃的な力。三つ目が弓矢を起点とした守りの多い力。

 そして四つ目が、真人とはまた違った、魂を直接的に操る術。

 

 そのどれもが術式として独立していて然るべき強力さで、しかし確かに1人の人間の中に並存している。

 

 にまり、と誰知らず羂索は微笑む。

 

 あの黒崎一護の呪力体は呪霊に性質が近しい。

 正の呪力でできている関係上、普通に呪霊操術を使えば他の呪霊とコンフリクトを起こしてしまうが……。

 うまく整理すれば、あの可能性の源泉のようなものを自らの手中に収めることだってできるかもしれない。

 

 計画を変更すべきか。ああ、悩ましい。

 

 羂索は持ってきたバナナジュースを開封し、椅子の横のサイドテーブルへと置いた。

 じゅーっと啜って一服。

 

 なんとなく、数百年ぶりに未来が明るいような気がして、羂索は上機嫌に伸びをしたのだった。

 




・存在しない記憶
同じ中学でいつもいがみあっていたライバルにして宿敵。
幾度となくぶつかり合い、その戦績は100敗101勝で一護が勝ち越している。
お互いに生涯の宿敵と讃えあった。

・一護主のコメント
「事実無根ですけど!?!?」
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