前少し触ったが、生成AI使うより自分で書いた方が早かったからな!
あれから、俺は一級から二級案件を中心に世界中を回る任務漬けとなった。
目の回るような忙しさ……というわけでもないが、そこそこには討伐数を稼げたと思う。
というのも、俺の場合瞬歩があるからアジア圏ぐらいまでなら飛行機を使うより直接走ったほうが早いという少々珍しい事情がある。
専用のGPSが搭載された機器を使って、その指示に従い現場に急行すれば、割と手早く海外任務も終わらせられるのだ。
霊圧探査もあるし、ほぼ補助監督に先に行って帳の準備をしてもらう方が時間がかかるぐらいだ。
とは言え全てが順調とはいかず。
鬼道の習得の方は、結局皆はうまくはいかなかった。
目標を切り替え低位鬼道の習得に力を注がせたのだが。
最後まで1人熱心に練習していた三輪が、縛道の一、塞の発動に成功したくらいだった。
自分の霊圧……呪力で、一瞬行動を制限するだけの技なのだが、これに関しては皆に意外と好評だった。
その一瞬こそが戦闘中に重要なのだと三輪に力説され、なるほどと頷くなどする。
低位鬼道なので霊圧差がある相手だと効かないと思われるが、それはそれで相手の残り呪力量を測れていいらしい。
そういうもんか、と俺は納得しながら。
習得のためと言って俺に飽きるほど塞をかけさせて、腕を後ろに磔にされた棒立ち姿のまま考え込む三輪を眺めていた。
あと、「他はないのか、黒崎一護」と割とマジな声色の両面宿儺が声をかけてくる珍事もあった。
流石に呪いに教えるのは…と丁重に辞退したのだが、それに待ったをかけたのはしょっぱい顔をした虎杖だった。
「あ、あの……宿儺に教えられないってことは俺はどうすれば…?」ともっともな反論を受けたのだ。
これについてきっぱりと五条が一言。
「悠仁は破道の一、衝ができたら追々ね」
「うっ、ガンバリマス」
未だに発動の兆しが見えない虎杖は凹んでしまった。
衝については俺は最初呪力弾があるんだからそれでいいのでは…と思ったのだが。
どうも呪力弾よりも効率的に破壊が起こせるとかで、格闘に交えたり牽制に使ったりとちょうどいいらしい。
造りも比較的単純で、術の発動も高速。
口頭詠唱があるのが厄介だが、その縛りもあって込めた呪力量に対して威力が大きいとのこと。
まぁ色々考えるものである。
ほへーとぼんやりしてたら五条に肩をすくめられたため、少しムッとする一幕もあったのであった。
そんな感じで任務と修行を終えたら、あとは日課である五条との手合わせだ。
一年の他のメンツはエレベーターに出る呪霊とやらの討伐に向かっていて不在だ。
グラウンドに集まり、今日の授業について意見を交わした後軽く準備体操を行う。
五条は最近俺が仕事を精力的に行っているので空き時間が増えたらしい。
その時間でチマチマ俺対策の新技を開発しているとのことだ。
休み時間は素直に休みを取れよ、と思いつつこのアッパー系先生には無用の長物かとも思ったり思わなかったり。
「いやー、最近の充実具合はいいねぇ!青春してるかい一護!」
「あんたのテンションはなんなんだよ一体。どこから湧いてくるんだ」
「良い生徒を持つと先生も一緒に成長できるんだよ。爽やかな風!心地よい秋!あー、最高!」
「そうか」
最近はもうひたすらに機嫌のいい五条は、高速で何故か反復横跳びをしている。
五条は今、保守派の上層部と鬼道をめぐりバチバチにやり合ってるとのことだが、疲れないのだろうか。
なんでも、鬼道は呪術界に無用な革新をもたらすとかで上が規制する動きがあるらしいのだ。
それに対抗するといういかにもストレスが大きそうな仕事を受け持っているはずなのだが、五条の機嫌は花畑さながらのハッピーさ。
ラジオ体操並みにキビキビと両手を回して屈伸した五条がそしてこちらへと向き直り、満面の笑みで笑いかける。
「じゃ、やろっか」
「オーケー、初っ端から本気で行く。ミスって消し飛ばされたりすんなよ」
「そっちこそまともに茈浴びたりしないようにね。死んでも責任取れないから」
「は、冗談。その程度で死ぬかよ」
「そこは人間として死んどかないと。いよいよゴジラまっしぐらだよ?」
「うっせ!」
一拍。
間を置いて。
卍解、虚化、完聖体を同時発動。
天使の輪を携えた悪魔のような見た目に早変わりする。
さらに最近手合わせの中で必要に駆られて覚えた外殻静血装(ブルート・ヴェーネ・アンハーベン)を発動。
これは防御の技である静血装を、血液の外側にまで広げることで結界のように広範囲化したものだ。
これで外殻静血装が殻になり、よっぽどでない限り外へ攻撃が漏れ出ることはない。
半径100メートルほどの戦闘フィールドで、俺と五条が向かい合う。
五条が身体に無下限を纏い直した。
今までのオートで発動しっぱなしのものとは違う、俺と戦うためだけに編み出した鏡合わせの無下限を。
右手には赫を改良して一点突破、螺旋状の捻りを加えることで俺の霊圧の守りも突破してくる、名付けて「赫螺子」。
左手には蒼を改良して概念的な移動妨害すらも入れるようになった設置罠、名付けて「蒼柘榴」。
それぞれを構えて目隠しをとった五条が凄絶に笑った。
この凄まじい進化具合には俺も本気を出さざるをえない。
「影の領域(シャッテン・ベライヒ)」に咄嗟に潜って回避したり遠慮なく超速再生で腕を治しながら虚弾(バラ)で攻撃したり。
牽制にチャージを短縮した王虚の閃光を乱舞したり。
グラウンドには虚閃による大きな亀裂ができていく。
外殻静血装があれば俺も全力の月牙天衝を遠慮なく放てる。
2人の斬月に心を沿わせ、俺は「赫螺子」を避けながら真の斬月を解放した。
五条の笑みが深まる。
狂気じみたその表情はほぼほぼ死合を楽しむ剣八のそれである。
五条がデコピンに似た構えをとった。
改良が施された茈は概念的な進化を遂げ、光に近しい速度で飛び、時間と重力を狂わせる意味不明な一撃と化していた。
茈が放たれる。音も時間も置き去りにして、ただ質量のみがぶれるようにこちらに迫る。
それを聖隷(スクラヴェライ)でできる限りはぎ取り、全力の月牙天衝で迎え撃つことの、なんとひやひやすることか。
しかも連発してくるし。
一つはひらりと避け、もう一つは月牙をグミ撃ちすることで防ぐものの、やはり撃ち漏らしもある。
外壁の外殻静血装へとぶつかり、だんだんとヒビが入っていく。
ばり、という鈍い音と共に外殻静血装が崩れ落ちる。
そして、それが試合終了の合図となるのだ。
肩で息をする五条は、俺のグミ撃ち月牙で無下限万華鏡を突破されて傷だらけになっていた。
「あーーー、一護速すぎ。硬すぎ。茈全然当たんないじゃん」
「そりゃあんたも人のこと言えねぇだろうが。真の斬月でないと切り傷一つつかない防御とかなんなんだよ一体」
「でも結局突破されてるから意味ないよ。あー、君に真の斬月の卍解を出させるにはどうしたらいいかな」
ばったりとボロボロになったグラウンドに倒れ込み、五条がジタバタした。
どうにも俺の真の本気を出させられないことが悔しくて仕方ないらしい。
「君の真の斬月の攻撃はワールドエンド系…つまり概念的世界終焉系っぽいし。その辺りの防ぎ方からかな」
「へー、俺の斬月ってそんな感じなのか」
「なんで持ち主の君が知らないの。……まぁいいや、いつものことか」
「いつものことって言うんじゃねーよ。納得すんな」
あはははは、と五条が子供のように笑う。
今は秋。もうすぐでハロウィンの日がやってくる。
穏やかに和やかに、ボロンボロンの運動場の上で俺たちは静かな夜を過ごすのであった。
五条「Yeahhhhhhhhhhhhhh!!!!」
釘崎「うざ」
伏黒「なんでそんなハイテンションなんですかアンタ」
宿儺「……おい小僧、あの2人の手合わせを見に行け」
虎杖「なんで?」